添付一覧
○「保育所運営費の経理等について」の取扱いについて
(平成12年3月30日)
(児保第12号)
(各都道府県・各指定都市・各中核市民生主管部(局)長あて厚生省児童家庭局保育課長通知)
本日、平成12年3月30日児発第299号「保育所の運営費の経理等について」(以下「児発第299号通知」という。)が施行されたところであるが、この取扱いについては、次の事項に留意されたい。
なお、「社会福祉法人会計基準の制定について」(平成23年7月27日雇児発0727第1号、社援発0727第1号、老発0727第1号)の3(2)により、従来の会計処理によることとしている社会福祉法人の運営する保育所への適用は、なお従前の例によることができるものとする。
記
1 児発第299号通知の前文において「適切な施設運営が確保されている」とは、施設の運営状況について、児発第299号通知の1の(2)の①から⑦までに掲げる要件すべてが満たされていることをいうこと。
2 児発第299号通知の1の(2)において「人件費、管理費又は事業費」とは、保育所を経営する事業に係る経費であって、「社会福祉法人会計基準の運用上の取扱い等について」(平成23年7月27日雇児総発0727第3号、社援基発0727第1号、障障発0727第2号、老総発0727第1号)に定める別紙1「社会福祉法人会計基準適用上の留意事項(運用指針)」中、別添3の資金収支計算書勘定科目において事業活動による支出に設けられている科目のうち、児発第299号通知別表6の収支計算分析表において、それぞれ人件費支出、事務費支出及び事業費支出として掲げた科目を指す。
3 児発第299号通知の1の(2)の③における「適正な給与水準」の判断に当たっては、次のような事項に留意されたいこと。
(1) 正規の手続きを経て給与規程が整備されていること。
(2) 施設長及び職員の給与が、地域の賃金水準と均衡がとれていること。
(3) 初任給、定期昇給について職員間の均衡がとれていること。
(4) 一部職員にのみ他の職員と均衡を失する手当が支給されていないこと。
(5) 各種手当は給与規程に定められたものでありかつ手当額、支給率が適当であること。
4 新たに保育所を経営する事業を行う設置者については、概ね1年間程度資金計画及び償還計画を着実に履行している場合に、児発第299号通知の1の(4)から(6)までに関して、既に保育所を経営している他の設置者と同様の取扱いが認められること。
5 児発第299号通知の1の(3)及び(4)並びに3の(1)に関して、各積立資産をそれぞれの積立目的以外に使用する場合又は前期末支払資金残高を取り崩して使用する場合は、使途範囲がその施設の運営や入所児童の処遇に必要な経費又は同通知1の(4)による別表2に係る経費等であれば、取崩しを認めて差し支えないこと。「その施設の運営や入所児童の処遇に必要な経費」とは、具体的には、次のような事例が考えられること。
(1) 人件費、光熱水料等通常経費の不足分の補填
(2) 建物の修繕、模様替え等
(3) 建物附属設備の更新
(4) 省力化機器並びにソーラーシステム、集中冷暖房、給湯設備、フェンス、スプリンクラー、防火設備等の設備の整備
(5) 花壇、遊歩道等の環境の整備、その施設の用に供する駐車場、道路の舗装等
(6) 登所バス等の購入、修理等
なお、児発第299号通知1の(6)に関して、目的以外に使用する場合とは、保育所施設・設備整備積立資産を同一の設置者の当該保育所以外の社会福祉施設等(「社会福祉法人が経営する社会福祉施設における運営費の運用及び指導について」(平成16年3月12日雇児発第0312001号、社援発第0312001号、老発第0312001号)別表3に掲げる施設をいう。)の新築又は増改築に係る経費(土地取得費を含む。)に充当する等法人の経営上やむを得ない場合に限られるものであること。
6 児発第299号通知の4の(1)における「安全確実でかつ換金性の高い方法」として、銀行、郵便局、農業協同組合等への預貯金のほか、国債、地方債、信託銀行への金銭信託等元本保障のある方法が考えられるが、株式投資、商品取引等リスクが大きいものは認められないこと。
7 児発第299号通知の別表2において「保育所の建物、設備の整備・修繕、環境の改善等」とは、保育所の建物(保育所を経営する事業を行う上で不可欠な車庫、物置及び駐車場等を含む。)及び建物附属設備の整備、修繕並びに模様替、並びに、入所者処遇上必要な屋外遊具、屋外照明、花壇、門扉塀の整備等の環境の改善を指し、土地取得費や保育所以外の建物・設備の整備、修繕等は含まないこと。
8 児発第299号通知の別表3において「子育て支援事業を実施する施設の建物、設備の整備・修繕、環境の改善及び土地の取得等」とは、子育て支援事業を実施する施設の建物(子育て支援事業を行う上で不可欠な車庫、物置及び駐車場等を含む。)及び建物附属設備の整備、修繕並びに模様替、並びに、事業対象者の処遇上必要な屋外遊具、屋外照明、花壇、門扉塀の整備等の環境の改善や土地の取得を指し、子育て支援事業を実施する施設以外の建物・設備の整備、修繕等は含まないこと。
9 児発第299号通知により運営費の使途等の取扱いが改められたことに伴い、施設設置法人への寄付を前提に幹部職員の給与額を設定して当該幹部職員がその一部を当該法人に寄付することにより施設整備等に係る借入金の償還を進めるといった事例があった場合にはこれが速やかに解消されるよう、指導等において配慮すること。