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○腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う保育所等における対応について
(平成八年八月八日)
(児企発第二六号)
(各都道府県・指定都市・中核市児童福祉主管部(局)長あて厚生省児童家庭局企画課長・厚生省児童家庭局母子保健課長通知)
腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う社会福祉施設における留意点については、「腸管出血性大腸菌感染症の指定伝染病への指定等に伴う社会福祉施設における対応について」平成八年八月七日社援施第一二二号により通知したところですが、保育所等児童福祉施設における具体的な対応方について別紙のとおり取りまとめましたので、管下市町村及び児童福祉施設に対して周知方よろしくお取り計らい願います。
別紙
一 伝染病予防法が適用される場合の対応について |
(一) 保育所等児童福祉施設の入所児又は調理員等が腸管出血性大腸菌感染症に罹患した場合に、施設を休園する必要はありません。
万が一保育所等において、腸管出血性大腸菌感染症に集団感染した場合は、休園するかどうかは施設長が市町村等と相談の上、適切な対応を取って下さい。
(二) 調理員その他の施設職員で腸管出血性大腸菌感染症に罹患した者(保菌者であることが明らかになった者を含む。)は、直接食品に触れる業務に就くことはできません。
なお、同じ職場で直接食品に接触する業務以外の業務に従事することは差し支えありません。
ただし、この場合でも児童へ接触する機会もあることから、用便後の逆性石けん等による手洗いの励行といった衛生管理には十分気をつけて下さい。
(三) 腸管出血性大腸菌感染症に罹患した場合でも、患者が隔離されたり、移動を制限されることはありません。
(四) 都道府県知事が必要と認める場合、保育所等への立入検査及び職員への検便を行うことができるとされておりますのでご協力下さい。
なお、腸管出血性大腸菌感染症が集団発生した地域では、当面、二次感染防止のため、患者の家族、学校、保育所等の施設、病院及び一日に二五〇食以上の食事、弁当を提供する施設の調理員に対し優先的に検便を行うことになります。
この場合には、自己負担はありません。
検便は、保健所から連絡のあった時に施設ごとにまとめて実施することになっています。
また、最近医療機関で検便を行い、陰性であることがわかっている場合には、検便の必要はありません。
二 個々の保育所入所児への具体的対応について |
一 激しい腹痛を伴う頻回の水様便または血便などの症状がある場合(左記①、②)
病原体の検出の有無にかかわらず、できるだけ早く医療機関で受診させて、主治医の指示に従って下さい。
二 激しい腹痛を伴う頻回の水様便または血便などの症状がない場合(左記③、④)
検便の結果、病原体が検出された場合、施設長は保護者から児童の身体の状況をよく聞き、むやみに登園を制限することのないように対応して下さい。(左記③)
病原体が検出されない場合、食事の前や用便の後における手洗いの励行など日常的な予防対策を徹底して下さい。(左記④)
三 いずれにしても、嘱託医又はかかりつけ医の指示に従い、日常的な予防対策を徹底して下さい。(左記①、②、③、④)
(参考)
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病原体が検出された場合 |
・病原体が検出されなかった場合 ・検査結果が出ていない場合 ・検査をしていない場合 |
症状あり |
① できるだけ早く医療機関で受診させて、主治医の指示に従う |
② できるだけ早く医療機関で受診させて、主治医の指示に従う |
症状なし |
③ 施設長は保護者から児童の身体の状況をよく聞き、むやみに登園を制限することのないように対応 |
④ 食事の前や用便の後における手洗いの励行など日常的な予防対策を徹底する |
三 その他 |
腸管出血性大腸菌感染症は、従来の法定伝染病・指定伝染病と違って患者の隔離の必要はありません。
また、二次感染は、調理や食事の前後及び用便後における手洗いの励行等日常的な予防対策で防止できるものであり、職員や保護者の方々のより一層の徹底をお願いします。
腸管出血性大腸菌感染症に対する正しい知識をお持ちいただき、いたずらに不安を抱かないように、また、患者及び病原体保有者であることを理由にいじめや不当な扱いを受けることがないよう、関係者のご理解とご協力を得られるよう努めて下さい。