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○心身障害児(者)ホームヘルプサービス事業について

(平成二年一二月二八日)

(児発第九九一号)

(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省児童家庭局長通知)

心身障害児(者)に対する福祉の向上については、かねてから特段の御配慮を煩わしているところであるが、在宅の心身障害児(者)に対する福祉の充実を図るため、重度の心身障害児(者)のいる家庭に対し、ホームヘルパーを派遣することとし、このため今般別紙のとおり「心身障害児(者)ホームヘルプサービス事業運営要綱」を定め、平成三年一月一日から適用することとしたので、その適正かつ円滑な運営を図られたく通知する。

なお、本通知の施行に伴い、昭和四五年八月一〇日児発第四四八号本職通知「心身障害児家庭奉仕員派遣事業の実施について」は、廃止する。

(別紙)

心身障害児(者)ホームヘルプサービス事業運営要綱

一 目的

心身障害児(者)ホームヘルプサービス事業は、重度の心身障害のため独立して日常生活を営むのに著しく障害のある心身障害児(者)を抱えている家庭に対し、ホームヘルパーを派遣して適切な家事、介護等の日常生活の世話を行い、もって重度の心身障害児(者)の生活の安定に寄与する等その援護を図ることを目的とする。

二 実施主体

事業の実施主体は、市町村(特別区を含む。以下同じ。)とし、その責任の下にサービスを提供するものとする。ただし、この場合において市町村は地域の実情に応じ派遣世帯、サービスの内容及び費用負担区分の決定を除き、この事業の一部を適切な事業運営が確保できると認められる市町村社会福祉協議会、社会福祉法人、福祉公社及び医療法人等並びに昭和六三年九月一六日老福第二七号・社更第一八七号老人保健福祉部長・社会局長連名通知による「在宅介護サービスガイドライン」の内容を満たす民間事業者等並びに別に定める要件に該当する介護福祉士に委託することができるものとする。

三 派遣対象者

心身障害児(者)ホームヘルパー(以下「ホームヘルパー」という。)の派遣対象者は、重度の心身障害のため日常生活を営むのに著しく支障がある重症心身障害児(者)、知的障害児(者)、身体障害児(以下「心身障害児(者)」という。)の属する家庭であって、心身障害児(者)又はその家族が心身障害児(者)の介護サービスを必要とする場合とする。なお、外出時における移動の介護の対象者は、重度の知的障害者であって、市町村、福祉事務所等公的機関、医療機関に赴く等社会生活上外出が必要不可欠なとき及び社会参加促進の観点から実施主体が特に認める外出をするときにおいて、適当な付き添いを必要とする場合とする。

四 サービスの内容

ホームヘルパーの行うサービスは、次に掲げるもののうち必要と認められるものとする。

(一) 身体の介護に関すること。

ア 食事の介護

イ 排泄の介護

ウ 衣類着脱の介護

エ 入浴の介護

オ 身体の清拭、洗髪

カ 通院等の介助その他必要な身体の介護

(二) 家事に関すること。

ア 調理

イ 衣類の洗濯、補修

ウ 住居等の掃除、整理整頓

エ 生活必需品の買物

オ 関係機関等との連絡

カ その他必要な家事

(三) 相談、助言指導に関すること。

ア 各種援護制度の適用についての相談、助言指導

イ 生活、身上、介護に関する相談、助言指導

ウ その他必要な相談、助言指導

(四) 外出時における移動の介護

外出時の移動の介護等外出時の付き添いに関すること。((一)の業務の一環として行われる外出時の付き添いを除く。)

五 派遣世帯の決定等

(一) ホームヘルパーの派遣を受けようとする場合は、原則として当該世帯の生計中心者からの申出により行うものとする。

(二) 市町村長は、申出があった場合は、本要綱を基にその必要性を検討し、できる限り速やかに派遣の要否を決定するものとする。なお、緊急を要すると市町村長が認める場合にあっては、申出は事後でも差し支えないものとする。

(三) 派遣対象世帯に対するホームヘルパーの派遣回数、時間数(訪問から辞去までの実質サービス時間数とする。)及びサービス内容並びに費用負担区分は、当該心身障害児(者)の身体的状況、世帯の状況等を十分検討したうえで決定すること。

(四) 市町村長は、ホームヘルパーの派遣を受けようとする者の利便を図るため、心身障害児(者)短期入所事業を実施している知的障害者援護施設等、心身障害児(者)ホームヘルプサービス事業等を実施している市町村社会福祉協議会等を経由して「ホームヘルパー派遣申出」を受理することができる。

(五) 市町村長は、この事業の対象者について、定期的に派遣継続の要否について見直しを行うこと。

六 費用負担の決定

(一) 派遣の申出者は、別表の基準により派遣に要した費用を負担するものとする。

(二) 市町村長は、原則として、あらかじめ決定した時間数に基づき、利用者の費用負担額を月単位で決定するものとする。

七 ホームヘルパーの選考

ホームヘルパーは、次の要件を備えている者のうちから選考するものとする。

(一) 心身ともに健全であること。

(二) 児童福祉、知的障害者福祉等に関し、理解と熱意を有すること。

(三) 心身障害児(者)の介護、家事及び相談、助言指導を適切に実施する能力を有すること。

八 ホームヘルパーの研修

(一) 採用時研修

ホームヘルパーの採用等に当たっては、採用時研修を実施するものとする。

(二) 定期研修

ホームヘルパーに対しては、年一回以上研修を実施するものとする。

九 他事業との一体的効率的運用

市町村は、本事業の実施運営に当たり、身体障害者ホームヘルプサービス事業及び老人ホームヘルプサービス事業との一体的効率的運営並びに心身障害児(者)の福祉に関する諸事業との連携を図り実施するものとする。

一〇 関係機関との連携

市町村は、常に福祉事務所、児童相談所、知的障害者更生相談所及び児童委員、知的障害者相談員等の関係機関との連携を密にするとともに、本事業の一部を委託している市町村社会福祉協議会等との連絡・調整を十分行い、事業を円滑に実施するものとする。

一一 その他

(一) ホームヘルパーは、その業務を行うに当たっては、心身障害児(者)の人格を尊重してこれを行うとともに、当該心身障害児(者)の身上及び家庭に関して知り得た秘密を守らなければならない。

(二) ホームヘルパーは、定められた活動時間は、その職務に専念しなければならない。

(三) ホームヘルパーは、その勤務中常に身分を証明する証票を携行するものとすること。

(四) ホームヘルパーは、派遣対象世帯を訪問する都度、原則として、申出者の確認を受けるものとすること。

(五) 市町村は、この事業の実施について、地域住民に対し広報紙等を通じて周知を図るものとすること。

(六) 市町村は、この事業を行うため、ケース記録、派遣決定調書、利用者負担金収納簿、その他必要な帳簿を整備するものとすること。

(七) 市町村は、業務の適正な実施を図るため、委託先が行う業務の内容を定期的に調査し、必要な措置を講ずるものとすること。

(八) この事業の一部を受託して実施する知的障害者援護施設等は、この事業に係る経理と他の事業に係る経理とを明確に区分するものとすること。

(別表)

(平成11年7月から適用)

利用者世帯の階層区分

利用者負担額

(1時間当たり)

A

生活保護法による被保護世帯(単給世帯を含む)

0

B

生計中心者が前年所得非課税の世帯

0

C

生計中心者の前年所得税課税年額が10,000円以下の世帯

250

D

生計中心者の前年所得税課税年額が10,001円以上30,000円以下の世帯

400

E

生計中心者の前年所得税課税年額が30,001円以上80,000円以下の世帯

650

F

生計中心者の前年所得税課税年額が80,001円以上140,000円以下の世帯

850

G

生計中心者の前年所得税課税年額が140,001円以上の世帯

950