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○身体に障害のある児童に対する療育指導について

(昭和六二年一〇月一四日)

(自発第八五六号)

(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省児童家庭局長通知)

改正 平成 八年 三月二二日/社援企第 四一号/老企第 三二号/児発第二四三号

身体に障害のある児童に対する療育指導については、関係通知の定めるところにより実施しているところであるが、本年四月一日より地方公共団体の団体事務とされたこと等に伴い、今般これらの通知を整理統合し、左記により実施することとしたので、御了知のうえ、療育相談指導の円滑かつ適正な執行を図り、福祉の措置に遺憾のないよう努められたい。

なお、昭和二六年一二月一九日児発第一、四一○号本職通知「身体に障害のある児童に対する福祉の措置について」、昭和二八年四月一三日児発第一九一号本職通知「肢体不自由児対策の推進について」、昭和三八年七月五日児発第七○二号本職通知「身体障害児童の登録管理・指導について」及び昭和三八年七月一八日児母衛第三九号児童家庭局母子衛生課長通知「身体障害児童の登録管理・指導の実施について」は、本通知の施行に伴い廃止する。

一 目的

この療育についての相談指導は、身体の機能に障害のある児童若しくは機能障害を招来するおそれのある児童を早期に発見し、早期に適切な治療上の指導をして、その障害の治癒若しくは軽減を図るとともに、身体に障害のある児童について、障害の状態及び療育の状況を随時把握し、その状況に応じて適切な福祉の措置を行うことを目的とする。

二 療育指導の機関

この療育指導は、主として児童福祉法第一九条第一項の規定に基づく療育の指導等を実施している保健所(以下「療育指導等実施保健所」という。)を中心として行われるものであるので、当該保健所において療育指導に当たる整形外科等の医師については、予め委嘱すべき医師を選定し、相談日時等について承諾を得たうえ委嘱するとともに、療育指導等実施保健所の名称、所在地、療育指導を行う日時を一般に周知徹底させるような方法を講じられたいこと。

なお、これを実施するに当たり関係者は、秘密保持に十分注意を払い、身体障害児童及びその家族の基本的人権を侵すことのないよう留意されたい。

三 在宅身体障害児童に対する巡回指導及び訪問指導の実施

家庭にある身体障害児童のうち、次の一に該当するものについては、嘱託の専門医師等により療育指導班を編成し、関係各機関と連絡調整のうえ出張又は巡回して相談指導を行い、必要に応じ訪問指導を実施するとともに昭和五五年七月二六日児発第六○三号本職通知「心身障害児(者)施設地域療育事業の実施について」の別紙第三の三「心身障害児(者)巡回相談等事業」等を活用されたいこと。

なお、訪問指導の決定に当たつては、身体障害児童のもつ社会的条件等を総合的に考慮するものとすること。

ア 療育指導等実施保健所を利用することが困難な地域に居住する児童で療育指導の必要があるもの

イ 肢体不自由児施設等の入所待機児童で、在宅指導の必要があるもの

ウ 医療の効果が期待できず、又現状ではその他の福祉の措置も適用が困難なため、やむを得ず家庭における養育を余儀なくされていて在宅指導の必要があるもの

エ その他特に在宅指導の必要があるもの

四 対象者

次の身体障害をもつ児童を対象とするものであること。

ア 肢体不自由

イ 視覚障害

ウ 聴覚・平衡機能障害

エ 音声・言語・そしやく機能障害

オ 心臓・じん臓・呼吸器・ぼうこう・直腸及び小腸機能障害

五 指導内容

(一) 療育についての相談に応じた結果、治療を必要と認めた児童に対しては、整形外科等の専門医師、病院等の医療機関によつて極力治療を受けるよう指導すること。

(二) 身体障害者手帳の交付を要する児童に対しては身体障害者手帳の交付申請について指導されたいこと。

また、身体障害者手帳の交付を受けている児童に対し必要な療育指導を行つた場合は、事後における療育指導の有益な資料となるので、これを担当(実施)した者が手帳の備考欄に相談指導した要点等を記入するよう指導されたいこと。

(三) 身体障害者福祉法第四条の規定による別表に掲げる程度の障害及び同程度の障害を残すと認められ、かつ確実な治療効果を期待しうる児童については、育成医療の給付について制度の趣旨を説明するとともに、その申請について指導されたいこと。

(四) 舗装具等の交付又は修理を必要とする児童に対してはその申請について指導されたいこと。

(五) 肢体不自由児施設等に入所を必要と思われる児童に対しては、児童相談所等において相談指導を受けるよう指導されたいこと。

(六) その他日常生活及び家庭環境等に関し、特に必要と思われることについて指導されたいこと。

六 指導票

都道府県、指定都市及び中核市の身体障害児童対策主管部局(以下「主管部局」という。)は、児童の身体障害の状況を総合的に把握し、各種療育事業を有機的に結びつけて対策の効率化を図るとともに、身体障害児童の援護に資するため療育事業に係る療育指導票(以下「指導票」という。)を作成するものとする。

指導票は、次の場合において障害の状況が明らかになつた児童で継続して療育指導を必要とする児童について作成するものとすること。

ア 療育指導等実施保健所において療育指導を受けた場合

イ 肢体不自由児施設等において療育指導を受けた場合

ウ その他の機関において療育指導を受けた場合

なお、指導票の様式の例は、別添のとおりであること。

(一) 指導票の作成

療育指導等実施保健所及び肢体不自由児施設等は、身体障害児童に対して、療育指導を行つた場合には、その事項について主管部局あて連絡するものとし、主管部局においては、これによりその身体障害児童の指導票を作成するものとすること。

また、指導票を作成した身体障害児童について事後においてその現状を把握した時又は療育指導を行つたときも同様とすること。

主管部局は、身体障害児童につき指導票を新たに作成したときは、作成者名簿を療育指導等実施保健所、肢体不自由児施設等、児童相談所及び福祉事務所に送付するものとすること。

(二) 指導票の廃棄

指導票を作成した身体障害児童について次のような事態が判明した場合には指導票を廃棄するものとすること。

なお、療育指導等実施保健所、肢体不自由児施設等、児童相談所及び福祉事務所は、その事実を知つたときは、その旨を主管部局に連絡するものとすること。

ア 身体障害児童が死亡した時

イ 身体障害児童について障害が除去されて療育指導の必要がなくなつた場合

ウ 身体障害児童の居所が不明になつた場合

エ 身体障害児童が保護者とともに他の都道府県、指定都市又は中核市に転出した場合

オ 身体障害児童が満一八歳になつた場合

七 関係機関等との協力

身体に障害のある児童の福祉の措置については、その本質上社会福祉及び公衆衛生の両面に関連を有するものであるから関係部課並びに児童相談所、福祉事務所、肢体不自由児施設等及び心身障害児通園事業等との相互連絡を密にし、協力体制の確立に努められたいこと。

また、この療育指導は、医療面に重点をおいて行われるものであるので、専門医師、病院等医療機関に対しては予めこの制度の趣旨を周知徹底せしめ、これらの児童の治療について積極的な協力を得るよう十分指導されたいこと。

特に公立施設については、協力を得るよう取り計らわれたいこと。

指導表の様式例

(参考)

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