添付一覧
○健康保険等の療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求事務の簡素化の実施に伴う育成医療等公費負担医療の取扱いについて
(昭和五一年八月七日)
(児発第五五三号)
(各都道府県知事・各政令市市長・各特別区長あて厚生省児童家庭局長通知)
今般、健康保険等の療養の給付と育成医療等公費負担医療とが組合わせで行われる場合の保険医療機関からの請求事務の簡素化が昭和五一年一一月請求分から実施されることとなり、その内容等については、「療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令等の施行について」(昭和五一年八月七日保発第四四号、庁保発第三三号通知。以下「連名通知」という。)及び「保険者番号等の設定について」(昭和五一年八月七日保発第四五号、庁発第三四号通知)により通知したところであるが、育成医療等の公費負担医療の取扱いについては、次のとおりであるので、その周知徹底を図り、関係機関の協力を得て、円滑な実施を図られたい。
1 今回の簡素化実施の範囲
健康保険、日雇労働者健康保険及び船員保険(以下「健康保険等」という。)の被保険者及びその被扶養者に係る次の公費負担医療に関する保険医療機関からの請求について、その事務の簡素化を図ることとしたこと。
(1) 児童福祉法第二○条の規定による育成医療の給付
(2) 児童福祉法第二一条の九第二項第一号の規定による医療に係る療育の給付
(3) 母子保健法第二○条の規定による養育医療の給付
なお、「小児慢性特定疾患治療研究事業について」(昭和四九年五月一四日厚生省発児第一二八号通知)による治療研究に係る医療の給付等については、今回の簡素化の対象にならないこと。
おつて、共済組合の組合員及びその被扶養者に係る前記公費負担医療についても、同様の請求事務の簡素化が図られるものであること。
2 簡素化実施の時期
請求事務の簡素化は、昭和五一年一一月一日以降に行う保険医療機関からの請求(昭和五一年一○月以降の診療分)について実施するものであること。
3 簡素化の内容
(1) 保険医療機関からの請求手続について
ア 健康保険等の療養の給付と公費負担医療とが組合わせで行われる場合における保険医療機関からの費用の請求は、従来、健康保険等に係るものと公費負担医療に係るものについて、それぞれ別個に診療報酬請求書(調剤報酬請求書を含む。以下同じ。)及び診療報酬明細書(調剤報酬明細書を含む。以下同じ。)を作成して行うこととされていたが、今回制定された「療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令」(昭和五一年厚生省令第三六号。以下「新請求省令」という。)により、これを一枚の診療報酬請求書及び診療報酬明細書によつて審査支払機関に対し請求することとされたこと。この場合の診療報酬請求書及び診療報酬明細書の様式等については、新請求省令によること。(新請求省令第一条、第二条、第三条、附則第一四条及び附則第二四条)
イ 公費負担医療が単独で行われた場合及び公費負担医療と他の公費負担医療とが組合わせで行われた場合(例 療育の給付と結核予防法第三四条の規定による適正医療の給付)における費用の請求についても、新請求省令によるものであること。
ウ 公費負担医療を受けた者が国民健康保険の被保険者である場合の請求の手続きは、従来どおり「療養取扱機関の療養の給付に関する費用の請求及び療養取扱機関の公費負担医療に関する費用の請求に関する省令」(昭和四九年厚生省令第一三号)及び「療養取扱機関の療養の給付に関する費用の請求及び療養取扱機関の老人医療費の支払の請求に関する省令の一部を改正する省令の施行に伴う育成医療費等公費負担医療の取扱いについて」(昭和四九年九月二七日児発第六一八号通知)等の関係通知によること。
(2) 連名簿について
(1)のア及びイにより請求を受けた審査支払機関は、審査が終了したときは連名簿を各公費負担医療実施機関ごとに作成し、それぞれの実施機関に送付することとされたこと。
ただし、公費負担医療が単独で行われた場合及び公費負担医療と他の公費負担医療とが組合わせで行われた場合であつて、育成医療等の公費負担医療が先順位の公費負担医療であるときには、診療報酬明細書が送付されるものであること。(公費負担医療の順位については、連名通知第三の1参照)
(3) 公費負担者名等のコード化について
請求事務の簡素化に伴い、公費負担者名及び公費負担医療の受給者名について、そのコード化が行われることとされたが、その具体的処理は、「診療報酬等請求事務の簡素化に伴う育成医療費等公費負担医療の取り扱いについて」(昭和四九年一○月一四日児企第四六号通知)第一の3及び「未熟児養育医療における東京都特別区の公費負担番号について」(昭和五○年四月一五日児母衛第一二号通知)によること。
4 簡素化に伴う改正
(1) 育成医療券等の様式等について
ア 児童福祉法施行規則及び母子保健法施行規則が一部改正され、育成医療券、療育券及び養育医療券(以下「医療券」という。)について、公費負担者番号及び公費負担医療の受給者番号を記入する等様式の一部が改められたこと。(新請求省令附則第一四条及び附則第二四条)
イ アの改正は昭和五一年一○月一日から実施されること。
ウ 昭和五一年一○月一日前に交付された医療券についても、同日以後は、必ず公費負担者番号及び公費負担医療の受給者番号が記入されていることが必要であるので所要の措置をとられたいこと。
(2) 指定育成医療機関医療担当規程等について
ア 指定育成医療機関医療担当規程、指定療育機関医療担当規程及び指定養育医療機関担当規程が一部改正され、指定育成医療機関、指定療育機関又は指定養育医療機関は、身体障害児、結核児童又は未熟児に関する診療録を健康保険の例によつて調製することとされたこと。
また、指定育成医療機関又は指定養育医療機関である薬局は、身体障害児又は未熟児に関する処方せんに健康保険の例によつて記入することとされたこと。(「指定育成医療機関医療担当規程等の一部を改正する件」(昭和五一年八月厚生省告示第二二九号)第一条、第二条及び第六条)
イ アの改正は、昭和五一年一○月一日から実施されること。
(3) 社会保険診療報酬支払基金との委託契約について
3の(2)のとおり、各公費負担医療実施機関は審査支払機関から連名簿が送付されることとされ、これに伴い社会保険診療報酬支払基金との委託契約のうち一部を改訂する必要があるが、その改訂内容については別途通知するものであること。
(4) 公費負担医療に係る高額療養費の取扱いについて
公費負担医療に係る高額療養費の取扱いについては、「健康保険法等の一部改正に伴う公費負担医療の取扱いについて」(昭和四八年一一月九日児企第五○号通知)により行われているところであるが、今回の請求事務の簡素化に伴い、育成医療等の公費負担医療については、保険医療機関が診療報酬明細書に記載することとされていた(公)の表示は、昭和五一年一一月一日以降は必要でなくなること。
なお、「小児慢性特定疾患治療研究事業について」による治療研究に係る医療の給付等については、従来どおり、診療報酬明細書の右上に(公)の表示を行う必要があること。
5 診療報酬の審査及び支払
(1) 公費負担医療に係る診療報酬の審査及び支払に関する事務は、従来、社会保険診療報酬支払基金及び国民健康保険団体連合会の審査支払機関に委託して行うこととされていたが、国鉄共済組合の組合員及びその被扶養者に係る療養の給付と公費負担医療とが組合わせで行われる場合の診療報酬の審査及び支払に関する事務は、これを国鉄共済組合の審査支払機関に委託して行うことができるよう、児童福祉法施行令及び同法施行規則並びに母子保健法施行令及び同法施行規則が一部改正されたこと。(「児童福祉法施行令等の一部を改正する政令」(昭和五一年政令第二一五号)第一条及び第八条、「児童福祉法施行規則等の一部を改正する省令」(昭和五一年厚生省令第三七号)第一条及び第七条)
(2) 国鉄共済組合の組合員及びその被扶養者に係る公費負担医療に関し、診療報酬の請求を行う場合の取扱いは、健康保険等の被保険者等に係る公費負担医療の場合と同様であること。
(3) (1)の改正は公布の日から実施することとされているが、実際上は、1の請求事務の簡素化の実施時期と合せて、昭和五一年一一月一日から実施するものであること。
(4) 国鉄共済組合の組合員及びその被扶養者に係る公費負担医療の診療報酬の請求手続や国鉄共済組合との委託契約の締結等の具体的処理については、別途通知するものであること。
6 関係通知
今回の請求事務の簡素化については、次のとおり厚生省保険局から通知が出されているので、参考とされたいこと。
(1) 「診療報酬請求書等の記載要領等について」(昭和五一年八月七日保険発第八二号)
(2) 「公費負担医療が行われる療養に係る高額療養費の支給について」(昭和五一年八月七日保発第四六号・庁保発第三五号)