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○在宅障害児指導事業(巡回指導バス)について
(昭和四九年四月二二日)
(児発第二一一号)
(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省児童家庭局長通知)
在宅の心身障害児にかかわる福祉対策については、各般の制度・事業により逐次強化されつつあるところであるが、今般在宅障害児に対する指導がより必要とされる地域を多く管轄する都道府県・指定都市から順次巡回指導バスを配置することにより、児童相談所を拠点とする在宅障害児に対する指導体制を一層強化することとしその実施要綱を別紙のとおり定めたので、その円滑かつ適正な実施を図られたく、その運用につき遺憾のないよう十分配慮されたい。
なお、この事業に要する費用の国庫補助については、別途通知するところによるものとする。
別紙
在宅障害児指導事業(巡回指導バス)実施要綱
1 趣旨
在宅の心身障害児に対する指導活動を一層強化するため、専門的な指導を受ける機会に不足している地域を管轄する児童相談所に、必要な診断・判定及び指導器具を備えた巡回指導バスを配置し、在宅障害児に対する巡回指導を実施する。
2 実施主体
本事業の実施主体は都道府県・指定都市とする。
3 対象児童
本事業の対象児童は精神薄弱児、し体不自由児等の在宅障害児とする。
4 事業概要
(1) 事業の主旨
巡回指導バスにより、指導を必要とする地域(主として僻地、過疎地域等)を巡回し、バスの内部及び巡回先の会場で専門指導班が指導を行う。
(2) 設備
巡回指導バスの設備は、バス本体の他、次のとおりの器具等を備えるものとする。
(ア) 特別設備(昇降口のスロープ、アコーデオンドア等)
(イ) 診断・判定器具(聴力検査器具、心理検査器具、携帯用心電図、診察台、聴打診器等)
(ウ) その他必要とされる器具
(3) 実施計画の策定等
児童相談所長は本事業を円滑かつ適正に実施するため、巡回指導を必要とする地域並びに対象者の実情及び特性を常に把握し、当該地域の関係機関、関係団体等の協力を得て、具体的な実施計画を策定するものとする。
なお、実施計画の策定に当つては、対象者が利用し易い日時及び場所の選定に配慮するとともに、実施計画の内容につきあらかじめ地域に周知徹底をはかるものとする。
(4) 専門指導班の構成
本事業の専門指導班は、原則として医師、臨床検査技師、保健婦(看護婦)、児童福祉司、心理判定員その他必要とされる職員をもつて構成し、事業の実施計画に応じて適宜職種を交代できるものとする。
(5) 指導の内容
専門指導班による指導の内容は次のとおりとする。
(ア) 児童の診断・判定及びそれに基づく指導
(イ) 保護者に対する助言、指導及び児童の介護技術にかかわる指導
(ウ) その他必要とする指導
なお、指導に当たつては、専門指導班の役割分担及び協調体制を明確にし、効果的な指導を行うよう配慮するものとする。
(6) 指導の記録等
本事業による指導の経過及び結果については、個々の児童記録票に記載する他、精神薄弱児については「療育手帳」の活用をはかるものとし、さらに必要に応じて本事業に関する記録簿を作成するものとする。
また、事後指導を必要とする場合は、迅速に適切な処置をはかるよう努めるものとする。