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○健康保険法等の一部改正に伴う公費負担医療の取扱いについて

(昭和四八年一一月九日)

(児企第五〇号)

(各都道府県知事・各指定都市民生主管部(局)長あて厚生省児童家庭局企画課長通知)

健康保険法等の一部を改正する法律(昭和四八年九月二六日法律第八九号)及び関係政省令等の施行に伴い、本年一○月より、家族療養費の給付率が引き上げられ、また、療養に要した費用が著しく高額である場合に新たに高額療養費が支給されることとなつたが、今回の改正については、次の事項に留意のうえ、貴都道府県保険主管部(局)、関係医療機関及び社会保険診療報酬支払基金支部と連絡を密にして、その円滑な実施を図られたい。

なお、高額療養費の取扱いに関し厚生省保険局及び社会保険庁より別添写しのとおり通知が出されているので、参考とされたい。

1 今回の改正の内容

(1) 健康保険、船員保険及び各種共済組合について、家族療養費の給付率が五割から七割に引き上げられるとともに、療養に要する費用の額が一○万円をこえるときは家族療養費の支給にあわせて、新たに高額療養費が支給されることとなり、自己負担額は三万円が限度となつたこと。

なお、高額療養費の支給要件については、別添2の「高額療養費支給事務の取扱いについて」(昭和四八年一○月一七日保険発第九五号庁保険発第一八号)の一を参照されたいこと。

(2) 国民健康保険については、昭和五○年一○月から高額療養費制度を設けることとされたこと。

(3) 日雇労働者健康保険については、健康保険等のような改正は行われなかつたので、家族療養費の給付率は従前どおり五割であり、高額療養費も支給されないこと。なお、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律(昭和四八年九月二六日法律第九一号)の施行に伴い、療養の給付及び家族療養費の給付期間が現行の二年から三年六か月に延長されるとともに給付期間経過後においても、所定の保険料が納付されているときは、療養の給付及び家族療養費が受けられることとされたこと。

(4) 高額療養費の支給は原則として償還払いによることとされたが別記公費負担医療が行われる療養に係る高額療養費の支給については、従来どおり窓口払いなしに医療が受けられるように現物給付の取扱いとされたこと。

なお、別記2の(1)の医療の給付を除き、児童福祉法(昭和二二年法律第一六四号)第二二条、第二七条第一項第三号若しくは第三三条の措置に係る医療の給付又は精神薄弱者福祉法(昭和三五年法律第三七号)第一六条第一項第二号若しくは第二項の措置に係る医療の給付が行われる療養に係る高額療養費の支給については、償還払いとなるものであること。

2 別記公費負担医療に係る高額療養費の請求手続

別記公費負担医療が行われる療養に要する費用の額が一○万円をこえるときは、医療機関は保険医療の診療報酬請求明細書の右上に(公)の表示を行うほかは、従前と異なることなく社会保険診療報酬支払基金に請求するものであること。

3 高額療養費の支給が行われる療養に係る診療報酬の支払い

(1) 社会保険診療報酬支払基金は保険医療については、(公)の表示のある診療報酬請求明細書の総医療費からの三万円を控除した額を保険者に請求し、健康保険、船員保険又は各種共済組合の適用を受ける者に係る別記1の公費負担医療については、診療報酬請求明細書一件につき三万円(育成医療の給付にあつては、三万円から児童福祉法第五六条第三項の規定に基づき本人又はその扶養義務者が医療機関に支払つた金額を控除した額)を公費負担医療実施者に請求するものであること。

(2) 健康保険、船員保険又は各種共済組合の適用を受ける者に係る別記2の公費負担医療については、公費負担医療実施者は診療報酬請求明細書一件につき三万円を医療機関に支払うことになること。

(3) 公費負担医療を受ける者がいかなる保険制度の適用を受けているかにより家族療養費の給付率及び高額療養費制度の有無に違いがあるので、医療費の支給にあたつては、当該公費負担医療を受ける者に適用されている保険制度を確認されたいこと。

なお、社会保険診療報酬支払基金の審査・支払事務が円滑に行われるように、別記1の公費負担医療にあつては、その右上に保険制度名を明記した診療報酬請求明細書を医療機関に交付するなど、適宜な措置をとられたいこと。

4 その他

国民健康保険については、昭和五○年九月までの間は、その保険者によつては、任意給付として高額療養費を支給することが考えられているので、保険主管部(局)と十分連絡を密にされたいこと。

別添 略

別記

1

(1) 児童福祉法第二○条の育成医療の給付

(2) 児童福祉法第二一条の九第二項第一号の医療に係る療育の給付

(3) 母子保健法(昭和四○年法律第一四一号)第二○条の養育医療の給付

2

(1) 児童福祉法第四三条の三に規定する肢体不自由児施設若しくは同法第四三条の四に規定する重症心身障害児施設又は同法二七条第二項に規定する国立療養所における同条第一項第三号又は第二項の措置に係る医療の給付

(2) 昭和四三年六月五日厚生省発児第九九号厚生事務次官通知「先天性代謝異常児の医療給付について」による医療の給付

(3) 昭和四四年九月二九日厚生省発児第一三五号厚生事務次官通知「自閉症児の療育について」による医療の給付

(4) 昭和四六年六月九日厚生省発児第一一○号厚生事務次官通知「小児がん治療研究事業について」による治療研究に係る医療の給付

(5) 昭和四七年七月五日児発第五八六号厚生省児童家庭局長通知「児童の慢性腎炎、ネフローゼ及びぜんそくの治療研究事業について」による治療研究に係る医療の給付