添付一覧
○児童福祉施設における措置費の経理について
(昭和四二年四月一四日)
(児発第一九四号)
(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省児童家庭局長通知)
児童福祉施設における措置費の経理については、次に定めるところによりその適正なる実施を確保するよう指導されたく、通達する。
おって、この件については、管下の児童福祉施設、市町村等に対し、十分周知徹底を煩わしたい。
第一 措置費の使途について
児童福祉施設がその支弁を受けた措置費の各費目の使途すなわち支出対象経費の内容は、収容施設にあっては別表(1)、保育所にあっては別表(2)にそれぞれ定めるとおりとし、その支弁を受けた措置費の各費目の支出はそれらの別表に定める使途以外の経費に充てることは原則としてできないこと。
第二 削除
第三 措置費の経理事務の処理について
1 私立の児童福祉施設における措置費の経理事務の処理については、次に掲げる通達に定めるところによりその適正なる処理を図るよう指導すること。
次の(2)に掲げる通達に定める各予算科目の使途すなわち支出の内容は、別表(1)又は(2)に掲げる当該措置費の費目の使途として経理事務の処理を行なうものとすること。
(1) 昭和二九年五月一〇日児発第二三一号通達「私立児童福祉施設の財務事務の取扱について」
(2) 昭和四二年一月一七日児発第二六号通達「私立児童福祉施設の財務事務の処理における予算科目設定要領の改定について」
2 公立の児童福祉施設における措置費の経理事務の処理については、当該地方公共団体における定めによるもののほか、その支弁をうけた措置費の各費目に対応する支出状況について私立の児童福祉施設の場合に準じて適宜補助簿等を用いてこれを明確にしておくこと。
第四 都道府県等の指導監督
都道府県知事及び指定都市の市長は、それぞれその監督に属する児童福祉施設に対しては、この通達に定める措置費の経理が適正に行なわれているかどうかについて、必要な指導監督を行なうものとすること。
なお、児童福祉施設の会計経理全般についての指導は過去の支出実績を十分に分析検討し、各年度ごとに周到な予算及び経理計画を樹立するように指導するとともにその運用にあたっては共同購入その他の方法によって経費の節減に努め、施設経営の効率化と合理化を図るよう懇切なる指導を行なわれたいこと。
別表(1)
収容施設措置費(保護単価)の費目別使途一覧表
費目別 |
使途(支出対象経費) |
1 事務費 |
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(1) 本俸 |
職員の本俸 |
(2) 手当 |
暫定手当、扶養手当、期末勤勉手当、超過勤務手当、通勤手当、夜勤手当、被服手当、嘱託手当、寒冷地手当等 |
(3) 社会保険事業主負担金 |
健康保険、厚生年金保険、失業保険(私営)、都道府県、市町村共済組合(公営)の保険、掛金の事業主負担金等 |
(4) 旅費 |
施設職員の施設用務による出張旅費 |
(5) 庁費 |
備品費(机、椅子、戸棚、参考図書、法令集等の購入又は修理代)、消耗品費(各種事務用文具、諸用紙、新聞、雑誌、法令集追録等の消耗的物品の購入代)、印刷製本費(帳簿、パンフレット、用紙類等の印刷製本代)、通信運搬費(郵便料、電話電報料、荷物運搬費等)、光熱水費(事務用の電気代、ガス代、水道料、薪炭類費(暖房用燃料代を含む。)等)、会議費(施設の維持運営のための職員会議費等)等 |
(6) 保健衛生費 |
環境衛生費(し尿汲取、施設内の消毒に要する経費等)、薬品及び衛生材料費(消毒剤、駆虫剤その他の常備薬、脱脂綿、絆創膏、体温計等の購入代)、健康診断費、予防接種費等。なお、施設が嘱託医等によって行なった日常の軽微な治療投薬等に要する経費も含む。 |
(7) 補修費 |
建物、附帯設備等の修理代等 |
(8) 自動車維持費 |
ガソリン等の油代、修理代等(精神薄弱児通園施設に限る。) |
(9) 事務用採暖費 |
事務室等の管理部門の冬期の採暖に必要な電気、ガス、油、薪炭等の燃料の購入代金(北海道所在施設に限る。) |
(10) 民間施設経営調整費 |
(1)から(9)までの経費の調整財源(事務費の別に定める所定の額を(1)~(3)の経費に別に定める所定額を、(4)~(9)の経費に別に定める所定額を充当) |
2 事業費 |
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(1) 飲食物費 (人工栄養費/給食費) |
児童の主食費(米、麦、小麦粉、パン、乳児人工栄養用ミルク等の購入代)、副食費(野菜、肉、魚介類等の購入代)、間食費(果物、菓子等のオヤツ又はこれらの材料の購入代)、調味料(味噌、しょう油、塩等の購入代)等 (注)1 母子寮の給食費については、3歳未満児は主食費、副食費とし、3歳以上児は副食費、間食費とする。 2 期末一時扶助費で支出するものを除く。 |
(2) 日常諸費 |
(1) 母子寮の場合 母子に必要な教養指導費(図書、雑誌類、諸行事費等)、共通的光熱水費等、保育室の運営に必要な保育材料費(保育に必要な紙、筆等の文具材料、絵本、紙芝居等の購入費、児童の運動会、七夕等の行事費等)、光熱水費(保育に必要な電気、水道、ガス、薪炭代(給食用を含む。)、暖房費等)、炊具食器費(内容は次の(3)の当該経費に同じ。)等 |
(2) 乳児院の場合 児童の被服寝具費、日用品費、保育用具費、炊具食器費、炊事用燃料費、光熱水費等であってそれらの内容は次の(3)の当該経費に同じ。) |
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(3)その他の施設及び里親の場合 児童の被服寝具費(被服、帽子、シャツ、くつ下等の衣類、補修用の布、糸等の購入又は修理代、布団、シーツ等の購入又は修理代)、日用品費(歯ぶらし、石けん、ちり紙、下駄、くつ等日用の小間物の購入代)、光熱水費(炊事用燃料費、児童居室、集会室等の電灯料、入浴用燃料費、暖房用燃料費、飲料水料等)、炊具食器費(鍋、釜、茶碗、箸等の購入又は修理代)、厚生修養費(映画館等の入場料、映画フィルム借用料、娯楽雑誌、交通費、愛玩用動物のえさ、玩具等の費用)、職業指導費(職業指導を行なう場合の最少限度の種苗、肥料代、その他の教材費等)等、里親に限り事務費の(6)の保健衛生費 |
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(注) 教育費、見学旅行費、入進学支度金、期末一時扶助費、就職支度費、児童用採暖費で支度するものを除く。 |
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(3) 重度精神薄弱児加算費 |
重度児の監護費(保母等監護職員の人件費の全部又は一部)、日常諸費(事業費の(2)の(3)の経費)等 |
(注) 「人件費」については事務費の(1)の本俸又は(2)の手当へ流用支出しても差し支えない。(4)の結核性虚弱児加算費の「役務費」についても同様である。 |
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(4) 結核性虚弱児加算費 |
虚弱児の健康診断費(結核の発病防止のためのレントゲン写真診断、結核菌培養、胃液検査等に必要な経費)、栄養加算費、看護費(臨時の看護補助をさせるための役務費)等 |
(5) 教育費 |
児童の(1)義務教育(盲学校、ろう学校高等部の教育を含む。)に伴なって必要な学用品費、通学用品費、実験学習見学費、補助学習用図書費、教科外学習費、学校納付金等 |
(2) 教科書(正規の教科書のほか、これに準ずる正規の教材として学校長が指定するものすなわちその学級の全児童が必ず購入することとなっている副読本的図書、ワークブック及び和洋辞書を含む。)代 |
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(3) 通学のための交通費(盲児施設、ろうあ児施設に限りその児童の附添人を含む。) |
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(4) 教護院の教材費等(注)1(2)、(3)の経費については実費支弁である。2見学旅行費、入進学支度金で支出するものを除く。 |
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(6) 学校給食費 |
児童が学校給食を実施している学校に通学している場合の学校給食費としてその児童につき徴収される実費 |
(7) 見学旅行費 |
児童が教育過程の一環として実施される修学旅行に参加した場合の直接必要な交通費、宿泊費、見学料等 |
(8) 入進学支度金 |
児童が小学校第1学年又は中学校第1学年への入進学に際し必要な学童服、帽子、靴等の購入費 |
(9) 生活指導訓練費 |
児童の社会への適応性の向上を図るための生活の指導訓練に必要ないわゆるおこづかい又は現金の支給が不適当である場合におけるこれに代えて支給する物品の購入代等 |
(10) 期末一時扶助費 |
児童の年末における餅代、靴下、肌着等の購入費 |
(11) 医療費 |
乳児預り所以外の乳児院、虚弱児施設及び情緒障害児短期治療施設については人件費以外の看護移送費を含むいわゆる医療費、その他の施設については看護、移送費等(施設の経理部分のみ) |
(12) 職業補導費 |
義務教育終了児童が職業訓練所等の職業補導機関に通う場合の交通費の実費 |
(13) 児童用採暖費 |
児童の冬期の採暖に必要な電気、ガス、油、薪炭等の燃料の購入代金(冬期6か月間) |
(14) 就職支度費 |
就職による措置解除児童の就職に際し、必要な寝具類、被服、靴、下着類等の購入費 |
(15) 葬祭費 |
死亡児童の火葬又は埋葬、納骨その他葬祭に必要な経費 |
(16) 連れもどし費 |
教護院の逃走児の捜索及び連れもどしに必要な職員の運賃、日当及び宿泊料の県旅費支給規程による額並びに児童の運賃、宿泊料及び食費の実費等 |
(17) 里親手当 |
委託児童に係る委託手当 |
(18) 保護受託者手当 |
委託児童に係る委託手当 |
3 肢体不自由児施設基本分措置費 |
(1) 点数分施設の運営に必要な事務費(事務費の(1)から(7)まで及び(9)に掲げる経費)及び生活諸費(事業費の(1)及び(2)に掲げる経費)(社会保険の点数払) |
(2) 点数分以外の分 |
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(イ) 重度肢体不自由児加算費、重度児の看護費(保母等看護職員の人件費)、日常諸費(事業費の(2)の(3)に掲げる経費)等 |
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(ロ) 通園指導費、通園児の看護費(児童指導員、保母、自動車運転手の事務費の(1)から(5)までに掲げる経費)、給食費(事業費の(1)に掲げる経費)、保健衛生費(事務費の(6)に掲げる経費)、自動車維持費(事務費の(8)に掲げる経費)等 |
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4 助産施設基本分措置費 |
(1) 点数分施設の運営に必要な事務費(事務費の(1)から(7)まで及び(9)に掲げる経費)及び生活諸費(事業費の(1)及び(2)に掲げる経費)(社会保険の点数払) |
(2) 点数以外の分分娩介助料、胎盤処置料 |
(注)1 この表は、措置費の各費目の使途すなわち支出対象経費の内容を示したものであるから、その支弁をうけた措置費は、この使途以外の経費に充てることは原則としてできないこと。
2 昭和42年1月17日児発第26号通達「私立児童福祉施設の財務事務の処理における予算科目設定要領の改定について」の別紙の「私立児童福祉施設における予算科目の設定要領」に定める各予算科目の使途すなわち支出の内容は、この表の当該措置費の費目の使途として経理事務の処理を行なうものとすること。
別表(2)
保育所措置費(保育単価)に含まれている費目別使途一覧表
費目別 |
使途(支出対象経費) |
1 事務費 |
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(1) 本俸 |
職員の本俸 |
(2) 手当 |
暫定手当、扶養手当、期末勤勉手当、超過勤務手当、通勤手当、被服手当、嘱託医手当、寒冷地手当等 |
(3) 社会保険事業主負担金 |
健康保険、厚生年金保険、失業保険(私営)、都道府県、市町村共済組合(公営)の保険料、掛金の事業主負担金等 |
(4) 旅費 |
施設職員の施設用務による出張旅費 |
(5) 庁費 |
備品費(机、椅子、戸棚、参考図書、法令集等の購入又は修理代)、消耗品費(各種事務用文具、諸用紙、新聞、雑誌、法令集追録等の消耗的物品の購入代)、印刷製本費(帳簿、パンフレット、用紙類等の印刷製本代)、通信運搬費(郵便料、電話電報料、荷物運搬費等)、光熱水費(事務用の電気代、ガス代、水道料、薪炭類費(暖房用燃料代を含む。)等)、会議費(施設の維持、運営のための職員会議費等)等 |
(6) 補修費 |
建物、附帯設備等の修理代等 |
(7) 事務用採暖費 |
事務室等の管理部門の冬期の採暖に必要な電気、ガス、油、薪炭等の燃料の購入代金(北海道所在施設に限る。) |
(8) 民間施設経営調整費 |
(1)から(7)までの経費の調整財源(事務費の別に定める所定の額を(1)~(3)の経費に別に定める所定額を、(4)~(7)の経費に別に定める所定額を充当) |
2 事業費 |
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(1) 給食費 |
児童の主食費(米、麦、小麦粉、パン、乳児人工栄養用ミルク等の購入代)、副食費(野菜、肉、魚介類等の購入代)、間食費(果物、菓子等のおやつ又はこれらの材料の購入代)、調味料(味噌、しょう油、塩等の購入代)等(注)3歳未満児は主食費、副食費とし、3歳以上児は副食費、間食費とする。 |
(2) 保育費 |
児童の保育材料費(保育に必要な紙、筆等の文具材料、絵本、紙芝居等の購入費、児童の運動会、七夕等の行事費等)、光熱水費(保育に必要な電気、水道、ガス、薪炭代(給食用を含む)、暖房費等)、炊具食器費(鍋、釜、茶碗、箸等の購入又は修理代等)、保健衛生費(消毒剤、駆虫剤その他の常備薬、脱脂綿、絆創膏、体温計等の薬品及び衛生材料の購入代、健康診断費、予防接種費、し尿汲取、施設内の消毒に必要な環境衛生費等)等 |
(3) 児童用採暖費 |
児童の冬期の採暖に必要な電気、ガス、油、薪炭等の燃料の購入代(冬期6か月間) |
(注)
1 この表は、措置費の各費目の使途すなわち支出対象経費の内容を示したものであるから、その支弁をうけた措置費は、この使途以外の経費に充てることは原則としてできないこと。
2 昭和42年1月17日児発第26号通達「私立児童福祉施設の財務事務の処理における予算科目設定要領の改定について」の別紙の「私立児童福祉施設における予算科目の設定要領」に定める各予算科目の使途すなわち支出の内容は、この表の当該措置費の費目の使途として経理事務の処理を行なうものとすること。