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○へき地保育所の設置について

(昭和三六年四月三日)

(発児第七六号)

(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生事務次官通達)

保育行政の推進については従来から格段のご協力を煩わしているところであるが、昭和三六年度から新たにへき地保育所の制度を設け、へき地における保育対策の推進を図ることとし、これが設置に関して別紙のとおり「へき地保育所の設置要綱」を決定したので、本制度の運用に遺憾なきを期せられたく、通知する。

〔別紙〕

へき地保育所設置要綱

第一 目的

この制度は、交通条件及び自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれない山間地、開拓地、離島等のへき地における保育を要する児童に対し、必要な保護を行ない、もってこれらの児童の福祉の増進を図ることを目的とすること。

第二 定義

この要綱で「へき地保育所」とは、児童福祉法第三九条に規定する保育所を設置することが著しく困難であると認められる地域に設置される児童を保育するための施設であって、都道府県知事(指定都市及び中核市の市長を含む。以下同じ。)が第四及び第五の基準に適合すると認め指定したものをいう。

第三 入所の決定

へき地保育所への入所の決定は、市町村長がその地域内における保育を要する幼児又は、特に必要があるときはその他の児童につき、行なうものとする。

第四 設置基準

1 設置主体

へき地保育所の設置主体は、市町村とする。

2 設置場所

へき地保育所を設置する場所は、次のいずれかでなければならない。

(1) へき地教育振興法(昭和二九年法律第一四三号)第五条の二の規定によるへき地手当(以下「へき地手当」という。)の支給の指定をうけているへき地学校の通学区域内にあること。

(2) 一般職の職員の給与に関する法律(昭和二五年法律第九五号)第一三条の二第一項又は地方自治法(昭和二二年法律第六七号)第二〇四条第二項の規定による特地勤務手当(以下「特地勤務手当」という。)の支給の指定を受けている国又は地方公共団体の公官署の四キロメートル以内にあること。

(3) へき地手当又は特地勤務手当の支給の指定を受けることとなる地域内にあること。

(4) (1)から(3)までのいづれかに準ずるものとして都道府県知事が認める地域内にあること。

第五 設備及び運営の基準

へき地保育所の設備及び運営については、次に掲げる基準によるもののほか、児童福祉施設最低基準(昭和二三年厚生省令第六三号)の精神を尊重して行なうものとする。

(1) 入所児童の定員はおおむね三〇名程度とし、入所児童については幼児を原則とし、特に必要があるときは、その他の児童をも入所させることができること。

(2) 公民館、学校、集会所、共同作業所、婦人ホーム、寺院等の既設建物の一部を用いてへき地保育所を設置する場合においては、その設備をそのへき地保育所のために常時使用することができるものでなければならないこと。

(3) 保育室、便所及び屋外遊戯場(その附近にあるこれにかわるべき場を含む。)その他必要な設備を設け、それらの規模は適正な保育ができるように定めること。

(4) 必要な医療器具、医薬品、ほう帯材料等を備えるほか、必要に応じて楽器、黒板、机、椅子、積木、絵本、砂場、すべり台、ぶらんこ等を備えること。

(5) 所定の資格を有する保母二人を置くこと。

ただし、所定の資格を有する者がいない等やむを得ない事情があるときは、うち一人に限り児童の保育に熱意を有し、かつ、心身ともに健全な者をもってこれに代えることができること。

(6) 保育時間、保育の内容、保護者との連絡方法等については入所児童が健やかに育成されるようその地方の実情に応じて定めること。

第六 設置費に対する補助

国は、予算の範囲内において、別に定める交付基準により都道府県並びに指定都市及び中核市に対して補助するものであること。