添付一覧
○児童福祉法等の一部改正について
(平成九年六月一一日)
(児発第四一一号)
(各都道府県知事、指定都市市長、中核市市長あて児童家庭局長通知)
平成九年六月一一日付けをもって、平成九年法律第七四号として「児童福祉法等の一部を改正する法律」(以下「児童福祉法等改正法」という。)が公布され、平成一〇年四月一日から施行されることとなったところである。その改正の趣旨及び概要は左記のとおりであるので、御了知の上、管下市町村・関係団体・関係機関等にその周知徹底を図るとともに、その適切な指導を行い、その運用に遺憾のないようにされたい。
なお、児童福祉法等改正法によって改正された各法律の施行及び関係政省令の改正については、別途通知する。
記
第一 改正の趣旨
近年、少子化の進行、夫婦共働き家庭の一般化、家庭や地域の子育て機能の低下等児童及び家庭を取り巻く環境は大きく変化しており、保育需要の多様化や児童をめぐる問題の複雑・多様化に適切に対応することが困難になってきている。
こうした状況を踏まえ、児童福祉法を中心とする児童家庭福祉制度を改革し、将来の我が国を担う子供たちが健やかに育成されるよう、児童保育施策の見直し、児童の自立支援施策の充実等を行い、新しい時代にふさわしい質の高い子育て支援の制度として再構築を図るものである。
第二 児童福祉法の一部改正の概要
1 保育所に関する事項
(一) 保育所への入所の仕組みに関する事項(第二四条関係)
ア 市町村は、保育に欠ける乳幼児等の保護者からの申込みがあったときは、それらの児童を保育所において保育しなければならないものとすること。(同条第一項関係)
イ 保育の実施を希望する保護者は、希望する保育所等を記載して市町村に申込みを行うものとすること。この場合において、保育所は保護者に代わって申込みを行うことができるものとすること。(同条第二項関係)
ウ 市町村は、一の保育所について申込児童のすべてが入所するときに適切な保育が困難となる等の場合には、入所児童を公正な方法で選考できるものとすること。(同条第三項関係)
エ 市町村は、福祉事務所又は児童相談所より保育の実施が適当である旨の報告又は通知を受けた児童の保護者に保育の実施の申込みの勧奨をしなければならないものとすること。(同条第四項関係)
オ 市町村は、保護者の保育所の選択及び保育所の適正な運営の確保に資するため、保育所の設備及び運営の状況等の情報提供を行わなければならないものとすること。(同条第五項関係)
(二) 保育所による情報提供及び保育相談に関する事項
保育所は、地域の住民に対し、その保育に関し情報提供を行うとともに、乳幼児等の保育に関する相談に応じ、助言を行うよう努めなければならないものとすること。(第四八条の二関係)
(三) 保育費用の徴収に関する事項
保育所の保育費用を支弁した市町村長等は、本人又はその扶養義務者から保育費用を徴収した場合の家計に与える影響を考慮して児童の年齢等に応じて定める額を徴収できること。(第五六条第三項関係)
2 放課後児童健全育成事業に関する事項
(一) 放課後児童健全育成事業とは、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校低学年児童に対し、授業の終了後に児童厚生施設等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業をいうものとすること。(第六条の二第六項関係)
(二) 市町村は、放課後児童健全育成事業について、対象となる児童の同事業の利用に関する相談及び助言、地域の実情に応じた同事業の実施、同事業を行う者との連携等により、対象となる児童の同事業の利用の促進に努めるものとすること。(第二一条の一一関係)
(三) 市町村、社会福祉法人その他の者は、社会福祉事業法の定めるところにより、放課後児童健全育成事業を行うことができるものとすること。(第三四条の七関係)
3 児童相談所に関する事項
(一) 児童相談所長の都道府県知事への報告書の記載事項に、児童の家庭環境並びに措置についての児童及びその保護者の意向を追加すること。(第二六条第二項関係)
(二) 都道府県知事は、施設入所等の措置の決定及びその解除等に当たって、一定の場合には、都道府県児童福祉審議会の意見を聴かなければならないものとすること。(第八条第五項及び第二七条第八項関係)
(三) 都道府県知事は、少年法第二四条第一項第二号の保護処分の決定を受けた児童につき、当該決定に従った施設入所措置を採らなければならないものとすること。(第二七条の二関係)
4 児童自立生活援助事業に関する事項
都道府県は、義務教育終了後の児童であって施設入所等の措置のうち政令で定めるものを解除されたものその他政令で定めるものの自立を図るため、共同生活を営むべき住居において相談その他の日常生活上の援助及び生活指導を行い、又は行うことを委託する措置を採ることができるものとし、この事業を児童自立生活援助事業として児童居宅生活支援事業に位置付けること。なお、当該措置を採った児童については、その児童が満二〇歳になるまで引き続き当該措置を継続することができるものとすること。(第六条の二第一項及び第五項並びに第二七条第九項並びに第三一条第四項関係)
5 児童福祉施設の名称及び機能に関する事項
(一) 乳児院に、乳児のほか、保健上その他の理由により特に必要のある場合には、おおむね二歳未満の幼児を入院させることができるものとすること。(第三七条関係)
(二) 母子寮の目的に、入所者の自立の促進のためにその生活を支援することを加え、児童が満二〇歳になるまで引き続き母子を在所させることができるものとするとともに、その名称を母子生活支援施設に改称すること。(第三一条第一項及び第三八条関係)
(三) 養護施設が児童の自立を支援することを明確化し、その名称を児童養護施設に改称すること。(第四一条関係)
(四) 虚弱児施設に係る規定を削除し、法律の施行の際現に存する虚弱児施設は児童養護施設とみなすものとすること。(第四三条の二及び附則第五条第二項関係)
(五) 情緒障害児短期治療施設の対象児童の年齢要件に係る規定を削除するとともに、児童が満二〇歳になるまで引き続きその者を在所させることができるものとすること。また、施設長の入所児童を就学させる義務を規定すること。(第三一条第二項、第四三条の五及び第四八条第一項関係)
(六) 教護院
ア 教護院の対象児童に、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童のほか、家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を新たに加えるとともに、その機能を、入所又は通所により個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援することとし、その名称を児童自立支援施設に改称すること。(第四四条関係)
イ 施設長の入所児童を就学させる義務を規定するとともに、在院中小中学校に準ずる教科を修めた児童に対する修了証書の発行に係る規定等を削除すること。なお、当分の間、施設長は従前のとおり修了証書の発行をすることができるものとすること。(第四八条及び附則第七条関係)
6 児童家庭支援センターに関する事項
(一) 児童相談所長又は都道府県は、児童又はその保護者を児童家庭支援センターの職員に指導させ、又は指導を委託する措置を採ることができること。(第二六条第一項及び第二七条第一項関係)
(二) 地域の児童の福祉に関する各般の問題につき、児童、母子家庭、地域住民などからの相談に応じ、必要な助言を行うとともに、保護を要する児童に対する指導及び児童相談所等との連絡調整等を総合的に行うことを目的とする児童福祉施設として、児童家庭支援センターを設けること。(第七条及び第四四条の二第一項関係)
(三) 児童家庭支援センターは厚生省令の定める児童福祉施設に附置するものとするとともに、児童家庭支援センターの職員について守秘義務を規定すること。(第四四条の二第二項及び第三項関係)
7 関係地方公共団体等の連携等に関する事項
現行の地方公共団体相互間の連絡調整の責務の対象事務を保育の実施等に拡大するとともに、児童居宅生活支援事業等を行う者及び児童福祉施設の設置者は、相互に連携し、児童及び家庭からの相談に応ずるなどの地域の実情に応じた積極的な支援に努めなければならないものとすること。(第五六条の六第一項及び第二項関係)
8 その他所要の規定の整備を行うこと。
第三 社会福祉事業法の一部改正の概要
新たに児童福祉法にいう児童自立生活援助事業、放課後児童健全育成事業及び児童家庭支援センターを経営する事業を第二種社会福祉事業とすることその他所要の改正を行うこと。(第二条第二項及び第三項関係)
第四 母子及び寡婦福祉法の一部改正の概要
母子家庭の母及び児童の就労支援のため、公共職業安定所と相互に協力するものとして、母子相談員その他母子家庭の福祉に関する機関に加え、児童家庭支援センター、母子生活支援施設及び母子福祉団体を規定すること。(第一九条第二項関係)
第五 施行期日等
1 施行期日は平成一〇年四月一日からであること。
2 この法律の施行に際し必要な経過措置を定めるとともに、その他関係法律について所要の規定の整備を行うこと。
