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○「障害者の明るいくらし」促進事業の実施について

(平成一〇年七月二四日)

(障第四三四号)

(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省大臣官房障害保健福祉部長通知)

標記については、身体障害者の社会参加を促進するための基幹的な事業として実施してきたところであるが、今般、障害者の社会参加を総合的かつ効果的に推進するため、新たに、知的障害者及び精神障害者を対象に加え、別紙のとおり『「障害者の明るいくらし」促進事業実施要綱』を定め、平成一〇年四月一日から実施することとしたので、左記事項に留意のうえ、本事業の円滑適正な実施に努められたい。

なお、平成八年一一月一五日障企第二二二号『「障害者の明るいくらし」促進事業の実施について』、平成四年六月二九日児発第六一六号「精神薄弱者社会活動総合推進事業の実施について」及び平成七年九月一二日健医発第一、一三八号「地域精神保健福祉対策促進事業の実施について」は廃止する。

一 総合化等の趣旨

従来、障害者の社会参加促進事業として実施してきた、身体障害者に係る「障害者の明るいくらし促進事業」、知的障害者に係る「精神薄弱者社会活動総合推進事業」及び精神障害者に係る「地域精神保健福祉対策促進事業」を統合し、「共通分野」の事業と「障害別分野」の事業とに区分するとともに、その事業内容を見直し、総合的かつ効果的に実施できるよう改めたものである。

従って、障害の専門性に十分配慮することは当然のこととして、事業の実施に当たっては、地域の障害者が参加しやすいよう特段の配意を願いたい。

二 事業選択に当たっての留意

実施事業の選択に当たっては、障害者の需要をよく勘案するとともに、特定の障害に偏ることのないよう留意願いたい。

三 一般財源化した事業の実施について

平成八年度において、相当期間を経過し、定着化が図られたと考えられたため一般財源化した各種事業について、引き続き、本事業との一体的実施が図られるよう十分配慮願いたい。

(別紙)

「障害者の明るいくらし」促進事業実施要綱

一 目的

ノーマライゼーション(障害のある人も家庭や地域で通常の生活ができるようにする社会づくり)の理念の実現に向けて、さまざまな障害のある人が社会の構成員として地域の中で共に生活が送れるよう、また、コミュニケーション、文化・スポーツ活動等自己表現、自己実現、社会参加を通じて生活の質的向上が図れるよう、必要な社会参加促進施策を総合的かつ効果的に実施し、障害者に対する国民の理解を深め、誰もが明るく暮らせる社会づくりを促進することを目的とする。

二 実施主体

第一及び第二の事業については、都道府県及び指定都市を実施主体とする。ただし、事業の一部を都道府県障害者社会参加推進センター(以下「推進センター」という。)、障害者福祉団体等に委託することができる。(ただし、Ⅰ必須事業の一の事業を除く。)

第三の事業については、都道府県を実施主体とする。

三 実施内容

別添のとおり。

四 実施上の留意事項

(一) 本事業は、第一基本事業「Ⅰ必須事業、Ⅱ選択事業、Ⅲ特別事業」、第二全国障害者スポーツ大会開催事業及び第三障害保健福祉圏域計画推進事業から構成されているが、「Ⅱ選択事業」については、〔一情報支援〕から〔七精神障害者支援〕までの各事業分野について、可能な限り各分野最低一以上の事業を行うこととし、その実施事業数の増加に努めること。

(二) 本事業の実施に当たっては、毎年度推進センターと実施事業の選択及び事業の実施方法等について協議し、地域の障害者の需要が十分反映されたものとするとともに、関係団体等と緊密な連携を図り、必要な協力を得るほか、障害者の参加が得られやすいよう配意すること。

(三) 毎年度実施した事業について評価を行い、次年度の事業にそれを活用すること。

(四) 「都道府県障害者社会参加推進センター運営事業」、『「障害者一一〇番」運営事業』及び「相談員活動強化事業」については、障害者の地域生活支援上重要な事業であるので、当分の間、必須事業として実施されたいこと。

(五) 「障害保健福祉圏域計画推進事業」については、早期に全市町村において障害者計画を策定することが重要であることから、都道府県が管下市町村の計画策定を支援する事業として創設したものであるので、地域における障害保健福祉施策を強力に推進するためにも当該事業を積極的に活用されたいこと。

(別添)

第一 基本事業

Ⅰ 必須事業

一 都道府県障害者社会参加推進センター設置事業

(一) 都道府県障害者社会参加推進センターの設置、運営

ア 設置

都道府県・指定都市は、障害者の社会参加を推進するために適当な障害者福祉団体に都道府県障害者社会参加推進センター(以下「社会参加推進センター」という。)を設置するものとする。

イ 運営

社会参加推進センターの運営は、設置した障害者福祉団体に委託するものとする。

(二) 社会参加推進センターの事業内容

障害の有無にかかわらず誰もが家庭や地域で明るく暮らせる社会づくりに向けて、障害者自らによる諸種の社会参加促進施策を実施し、地域における自立生活と社会参加を推進するため、次の事業を行う。

ア 「障害者の明るいくらし」促進事業等の社会参加推進事業の受託実施

イ 社会参加推進事業の受託実施に必要な情報の収集、分析、提供

ウ 社会参加推進事業の受託実施に関する評価・調査研究

エ 市町村障害者社会参加促進事業に対する協力

オ 障害者社会参加推進関係団体に対する指導・援助

カ その他障害者の社会参加推進のために必要なこと

(三) 社会参加推進協議会の設置

ア 社会参加推進センターに社会参加推進協議会(以下「推進協議会」という。)を設置する。

イ 推進協議会は、社会参加推進センターの業務に関する企画、立案を行う。

ウ 推進協議会の構成は、都道府県・指定都市障害保健福祉担当課代表者、身体障害者関係団体代表者、知的障害者関係団体代表者及び精神障害者関係団体代表者等とし、各障害者団体の要望が適切に反映されるよう運営されなければならない。

エ 推進協議会は、障害種別の専門性に対応するため、身体障害者部会、知的障害者部会及び精神障害者部会を設けるものとする。

(四) 留意事項

ア 事業が総合的、効果的、効率的に実施できるよう留意すること。

イ 中央障害者社会参加推進センターとの連携を密にし、事業の水準向上に努めること。

ウ 事業の実施に当たっては、ボランティア団体、地域団体、市民組織等の幅広い協力が得られるよう配慮すること。

二 「障害者一一〇番」運営事業

(一) 事業内容

障害者の権利擁護に係る相談等に対応するため、常設相談窓口を設置し、内容に応じて弁護士等による相談チームを編成して専門相談を行うほか、必要に応じて専門機関に依頼する事業

(二) 実施方法等

ア 常設相談窓口の設置

年間(土・日曜日、祝祭日を含む)を通じて、障害者等からの緊急相談に対応できるように常設の相談窓口(来所及び電話相談を含む。)を設置する。

イ 相談支援体制の整備

相談員を配置して相談に応じるとともに、その内容により専門的に対応できるよう弁護士、公認会計士、医師、保健婦、ソーシャルワーカー、人権擁護委員、各種相談員等のほか、地方法務局(人権擁護部・課)、教育委員会、都道府県労働基準局等の行政機関及び都道府県弁護士会等関係者の協力を得て、支援できる体制を整え、必要が生じた場合には、相談チームを編成し訪問等により相談にあたる。

ウ 本事業で対応する相談内容の具体例

(ア) 生命・身体に関する危害

(イ) 財産に対する侵害

(ウ) 相続関係

(エ) 金融、消費、契約関係

(オ) 雇用、勤務条件関係

(カ) 職場、施設での人権関係

(キ) 隣人、知人との人権関係

(ク) 家族、親族との人権関係

(三) 留意事項

事業の実施に当たり、相談窓口の開設時間、設置場所等については障害者等が利用しやすいように配慮すること。

三 相談員活動強化事業

(一) 事業内容

身体障害者相談員及び知的障害者相談員等が障害者の人権や財産に対する侵害事案等の早期発見と関係機関等への情報提供を行い得るよう、また、日常的相談援助活動のためのネットワークを形成するなど、地域で生活している障害者を支援し得るよう、具体的な事例を用いた研修を行い、相談対応能力の向上と相談員間の連携を図る事業

(二) 研修対象者

身体障害者相談員及び知的障害者相談員等

(三) 主な研修内容

ア 人権関係

(ア) 障害者をめぐる現状

(イ) 障害者保健福祉行政の内容

(ウ) 相談事例の学習

a 生命、身体危害に関する相談

b 財産侵害、財産管理、相続に関する相談

c 金融、消費、雇用、契約等に関する相談

d 知人、隣人、親族、家族等における人権に関する相談

e 職場、病院等における人権に関する相談

(エ) 面接相談方法

(オ) 人権問題への対処方法

イ 生活支援関係

(ア) 福祉相談

(イ) 健康相談

(ウ) 職業相談

(エ) 教育相談

(オ) 結婚相談

(カ) 家事相談

(キ) 育児相談

(ク) その他日常生活上の相談

(四) 留意事項

本事業は、一人ひとりの相談員としての資質向上を目指す一般的な研修ではなく、地域における人権侵害事案の発見や関係機関への情報提供を行うこと及び日常的相談援助活動をきめ細かく行うためのネットワークを形成することなどを具体化するための研修であるので、研修会の開催に当たっては、その目的を明確にし、真に必要にして十分な相談援助技術及び相談能力の研鑽が行われるよう、関係機関、関係団体等と十分な連携を図り実施すること。

Ⅱ 選択事業

【共通分野】

〔一 情報支援〕

四 点字・声の広報等発行事業

(一) 事業内容

文字による情報入手が困難な障害者のために、点訳、音訳その他障害者にわかりやすい方法により、地方公共団体等の広報、障害者が地域生活をする上で必要度の高い情報などを定期的に障害者に提供する事業

(二) 提供内容

ア 地方公共団体等の広報

イ 視覚障害者等障害者関係事業の紹介

ウ 生活情報

エ その他必要な情報

(三) 留意事項

地方公共団体等の広報は必ず定期的に提供し、点字が理解できない視覚障害者等に対しては、録音物等による情報提供を行うこと。

五 点字による即時情報ネットワーク事業

(一) 事業内容

社会福祉法人日本盲人会連合が提供する毎日の新しい新聞情報等を、地方点字図書館等がインターネットを利用して受け取り、希望する地域の視覚障害者(重複障害者を含む。)に点字物等として提供する事業

(二) 提供内容

ア 新聞情報のうち、障害者の関心が高い情報

イ 日本盲人会連合が取材した障害者に関する情報

六 紙上交流事業

(一) 事業内容

日頃交流の機会の少ない障害者同士が、自分の暮らしの様子や活動の紹介、様々な意見等を、交流誌に発表し紙上での交流を図ることにより、障害者の主体的な交流を支援する事業

(二) 実施方法等

障害者同士が家族等の協力を得て、障害者同士の交流誌を編集し発行する。

交流誌の内容の具体例は、概ね次のとおりである。

ア 暮らしの様子

イ 体験や活動の紹介

ウ スポーツ・文化活動等への参加体験

エ 意見発表

オ 行事等のお知らせ

(三) 留意事項

交流の機会の少ない障害者同士が、紙上交流を通じて交流の輪を広げていくことを支援する事業であるので、次の点に特に留意すること。

ア 交流誌の編集は障害者の主体性を尊重すること。

イ 障害者団体や支援団体の機関紙にならないよう特に留意すること。

ウ 交流の機会が確保されている障害者のための事業ではないこと。

七 社会資源活用情報等提供事業

(一) 事業内容

障害者が地域社会で生活するために必要な社会資源及び各種保健福祉サービス等の情報を小冊子にまとめ、希望する障害者等に提供する事業

(二) 実施方法等

障害者及び家族等に必要な情報が提供できるように、関係団体等と連携して、障害者が利用できる保健福祉マップ、管下市町村の障害者向けの行事予定、保健福祉サービス案内などを内容とする小冊子等を発行する。

(三) 留意事項

ア 自ら社会資源等の情報が得にくい障害者を対象にして小冊子の編集を行うこと。

イ 当事者及び障害者団体等と十分な意志疎通を図ること。

〔二 生活訓練〕

八 生活訓練事業

(一) 事業内容

障害者等に対して、日常生活上必要な訓練・指導を行う事業

(二) 実施方法等

講習会等の方法により、概ね次のような内容の事業を行う。

ア 歩行訓練

イ 身辺・家事管理

ウ 福祉機器の活用方法

エ 社会資源の活用方法

オ コミュニケーションに関すること(手話、点字、ワープロ、パソコン等)

カ 家庭生活に関すること(生活設計、家族関係、育児等)

キ 社会生活及び職業生活に関すること

ク オストメイト(人工肛門、人工膀胱造設者)に対する社会適応訓練

(ア) ストマ用装具に関する講習等

a ストマ用装具についての正しい知識の付与

b 不適合の装具等に起因するビラン等の処置

c 装具の使用方法

(イ) 社会生活に関する講習等

a 食事、入浴方法等に関すること

b 就学、就労、職場生活に関すること

c 余暇利用に関すること

d 夫婦生活、出産育児に関すること

e その他社会生活に関して必要なこと

ケ その他社会生活上必要なこと

(三) 留意事項

ア 障害者が参加しやすいように、開催日時、場所等について十分考慮すること。

イ 講習会、教室の開催に当たっては、その事業ごとに関係障害者団体等と十分な連携を図ること。

ウ 市町村障害者生活支援事業等地域生活支援事業、障害者施設における事業、その他の事業との関連に十分配慮すること。

エ 講師は各事業ごとに実践者を中心に適任者を確保すること。

九 音声機能障害者発声訓練、指導者養成事業

(一) 事業内容

疾病等により喉頭を摘出し音声機能を喪失した者に対し発声訓練を行い、また、この発声訓練に携わる指導者を養成する事業

(二) 実施方法等

ア 発声訓練

(ア) 対象者

疾病等により喉頭を摘出した音声機能障害者であって、発声能力の回復が見込まれる者

(イ) 訓練内容

講習会等の方法により、概ね次の内容について日常生活における会話を可能とする程度を目的として行う。

a 食道発声訓練

b 人工喉頭(笛式又は電動式)による発声訓練

(ウ) 留意事項

実施主体は、この事業の対象となる喉頭摘出者のほとんどが中高年層であるので、社会参加への意欲を失わないよう対象者の早期把握に努めるとともに、発声訓練の期間もいたずらに長期にわたることなく、短期間に実効を上げ得るよう努めること。

また、この事業の講習は、極めて専門的な内容と方法を必要とするものであることから、講師は、専門の医師、発声訓練指導法を修得した者等から選定すること。

イ 発声訓練指導者養成

(ア) 対象者

音声機能障害者の発声訓練指導に理解と熱意を有する者

(イ) 養成内容

講習会等の方法により、概ね次の内容について行う。

a 発声法の理論及び指導実習

b 喉頭摘出者の健康管理

c その他発声訓練指導に必要な事項

(ウ) 留意事項

実施主体は、この事業の対象者を喉頭摘出者団体等が行う発声訓練指導者養成の事業に参加させることにより、この事業の実施に代えることができる。

一〇 家族教室等開催事業

(一) 事業内容

障害者の家族等を対象として障害者の自立や社会復帰等を促進するため、家族教室等を開催する事業

(二) 対象者

障害者の家族等

(三) 実施方法等

家族教室等の開催

概ね次の事項を内容とした障害者の家族のための家族教室を開催する。

ア 障害の理解

イ 障害に関する基礎知識

ウ 自立や社会復帰等のための保健福祉施策

エ 自立のための家族の役割

〔三 スポーツ振興等地域交流支援〕

一一 スポーツ教室開催事業

(一) 事業内容

スポーツを通じて、障害者の体力増強、交流、余暇等に資するため、及び障害者スポーツを普及するため、各種スポーツ教室を開催する事業

(二) 留意事項

ア 希望する障害者が参加しやすいように、開催場所、日時等に配慮すること。

イ 障害種別ごとに設定されている種目を除き、希望するすべての障害者が参加できるように工夫すること。

ウ 初めて参加する障害者にも十分配慮したものとすること。

エ 障害者スポーツ団体及びスポーツ指導員並びに障害者団体の参画及び協力を得て開催すること。

オ 参加者の健康管理及び事故防止に万全を期すこと。

一二 スポーツ大会開催事業

(一) 事業内容

障害者スポーツの普及とスポーツを通じた交流を深めるため、都道府県単位で障害者スポーツ大会を開催する事業

(二) 留意事項

ア 障害種別にとらわれず総合的な大会となるよう特に留意すること。

イ 障害者スポーツ団体及びスポーツ指導員並びに障害者団体の参画及び協力を得て開催すること。

ウ 参加者の健康管理及び事故防止に万全を期すこと。

エ 指定都市にあっては、道府県と一体して実施すること。

一三 スポーツ指導員養成事業

(一) 事業内容

障害者スポーツに関する知識、技術等を有する障害者スポーツ指導員を養成する事業

(二) 養成対象者

障害者スポーツに熱意を有する者で、実施主体が適当と認めた者

(三) 実施方法等

講習会等の方法により養成する。講習カリキュラムは、財団法人日本身体障害者スポーツ協会(以下「スポーツ協会」という。)が定める「公認障害者スポーツ指導者養成研修基準カリキュラム」のうち、初級スポーツ指導員及び中級スポーツ指導員のカリキュラムとする。なお、中級スポーツ指導員の養成については、スポーツ協会に委託して差し支えない。

(四) 留意事項

ア 本年度から、前記基準カリキュラムが改正され、障害者スポーツ指導員は身体障害者のスポーツと知的障害者のスポーツを指導できる技能を有することとされたことに伴い、貴管下の「身体障害者スポーツ指導員」に対しては、スポーツ協会等が実施する知的障害者のスポーツに関する補講を計画的に受講させること。

イ 初級及び中級スポーツ指導員の養成に当たっては、スポーツ協会と緊密な連携を図り実施すること。

ウ 上級スポーツ指導員、スポーツコーチの養成研修は、スポーツ協会の事業として実施されること。

一四 レクリエーション教室開催事業

(一) 事業内容

戸外活動や障害者同士の交流の機会が少ない障害者の自立意欲を助長するため、各種レクリエーション教室を開催する事業

(二) 具体的事例

ア ハイキング、キャンプ、海水浴、オリエンテーリング等の屋外活動

イ 音楽教室、絵画教室、陶芸教室、映写会等の室内活動

(三) 留意事項

ア 実施主体は、障害者団体等の意見を聞いて実施すること。

イ 事業の実施に当たっては(特に戸外活動を行う場合)、参加する障害者の事故の防止等に十分留意すること。

一五 文化・芸術活動振興事業

(一) 事業内容

障害者の文化・芸術活動を振興するため、障害者の作品展や音楽会など文化・芸術活動の発表の場を設けるとともに、障害者の創作意欲を助長するための環境の整備や必要な支援を行う事業

(二) 実施方法等

毎年定期的に発表の場を設け、障害者がそれを目指した創作活動ができるように工夫すること。

(三) 留意事項

ア 文化・芸術活動を行っている障害者を把握し、その名簿を作成するとともに交流を支援すること。

イ 新たな文化・芸術活動への参加者を育成すること。

ウ 作品展や音楽会等に多くの人が参加できるよう広報誌等を活用し周知を図ること。

〔四 啓発広報〕

一六 障害に関する正しい知識の普及啓発事業

(一) 事業内容

障害の正しい理解と障害者に対する偏見、差別を是正するため、普及啓発活動を行う事業

(二) 具体的事例

ア 啓発ポスター、パンフレット、リーフレット等の発行

イ 講習会、講演会、学習会等の開催

(三) 留意事項

ア 本要綱の他の事業と併せて行うなど、効果的実施を図ること。

イ 都道府県、市町村の広報紙を十分活用すること。

ウ 小・中・高等学校の諸行事や町会・自治会行事等に障害者が参加できる機会を設定すること。

【障害別分野】

〔五 身体障害者支援〕

一七 奉仕員等養成・派遣事業

(一) 点訳奉仕員、朗読奉仕員養成事業

ア 事業内容

点訳又は朗読に必要な技術等の指導を行って、これらに従事する奉仕員(以下点訳に従事する奉仕員にあっては「点訳奉仕員」、朗読に従事する奉仕員にあっては「朗読奉仕員」という。)を養成する事業

イ 養成対象者

点訳又は朗読の奉仕を申し出た者のうち、実施主体が適当と認めた者

ウ 実施方法等

養成対象者に対して、講習会等の方法により、概ね次の科目について講習を実施する。

(ア) 点訳奉仕員に対する講習

a 点字図書の基礎知識

b 点訳の方法及び実技

c 身体障害者福祉の概要

(イ) 朗読奉仕員に対する講習

a 声の図書の基礎知識

b 朗読の方法及び実技

c 身体障害者福祉の概要

エ 奉仕員の登録

(ア) 実施主体は、講習を修了した者(これと同等の能力を有する者を含む。)について本人の承諾を得て、奉仕員としての登録を行うこと。登録した奉仕員については、本人の奉仕員活動の便宜を図るため、その住所地の市町村に名簿を送付すること。

(イ) 登録された奉仕員に対しては、これを証明する証票を交付すること。

なお、活動ができなくなった奉仕員については、証票を返還させ登録を抹消すること。

オ 奉仕員の協力内容

(ア) 点訳奉仕員

点訳奉仕員は、点字図書の増冊及び普及に協力する。また、市町村等からの依頼により点字による相談文書の翻訳や回答文書の作成、広報活動等に協力する。

(イ) 朗読奉仕員

朗読奉仕員は、声の図書の増冊及び普及に協力する。また、市町村等からの依頼により対面朗読、広報活動等に協力する。

カ 留意事項

奉仕員は、身体障害者の人格を尊重して活動するとともに、活動上知り得た秘密は守ること。

(二) 要約筆記奉仕員養成事業

ア 事業内容

聴覚障害、聴覚障害者、とりわけ中途失聴・難聴者の生活及び関連する福祉制度等についての理解ができ、要約筆記を行うに必要な知識及び技術を習得した要約筆記奉仕員を養成する事業

イ 養成対象者

要約筆記の学習経験がない者等のうち、実施主体が適当と認めた者

ウ 実施方法等

講習会等の方法により実施し、次の「基礎課程」及び「応用課程」を履修させる。

なお、両課程の養成カリキュラム等は別途通知する。

(ア) 基礎課程

聴覚障害、とりわけ中途失聴・難聴の特性を理解し、配慮して、他の要約筆記奉仕員とのチームワークにより、話し手の話を、速く、正しく、分かりやすく手書き又はパソコンを活用して文字化することにより伝えることが可能なレベル

(イ) 応用課程

聴覚障害者、とりわけ中途失聴・難聴者の抱えている社会的課題をよく理解し、様々な場面に応じて、手書きあるいはパソコンを活用した要約筆記によりコミュニケーション支援を行うことが可能なレベル

エ 奉仕員の登録

(ア) 実施主体は、講習を修了した者(これと同等の能力を有する者を含む。)について本人の承諾を得て、奉仕員としての登録を行う。登録した奉仕員については、これを証明する証票を交付するとともに、本人の奉仕員活動の便宜を図るため、その住所地の市町村に名簿を送付する。

(イ) 活動ができなくなった奉仕員については、証票を返還させ登録を抹消すること。

オ 奉仕員の協力内容

要約筆記奉仕員は、市町村等からの依頼により、中途失聴・難聴者等の意思伝達を仲介するとともに、大会等の場において、講演内容等を頭上投影機(OHP)などを使用して要約筆記するほか、広報活動等に協力する。

(三) 要約筆記奉仕員派遣事業

ア 事業内容

聴覚障害者等(音声又は言語機能障害者を含む。以下同じ。)のコミュニケーションの円滑化に資するため、要約筆記奉仕員を派遣する事業

イ 派遣対象者

適当な意思伝達の仲介者が得られない聴覚障害者等で、実施主体が必要と認めた者

ウ 手当等

実施主体が認めた額

エ 留意事項

要約筆記奉仕員は、身体障害者の人格を尊重して活動するとともに、活動上知り得た秘密は守ること。

(四) 手話奉仕員養成事業

ア 事業内容

聴覚障害、聴覚障害者の生活及び関連する福祉制度等についての理解ができ、手話で日常会話を行うに必要な手話語彙及び手話表現技術を習得した手話奉仕員を養成する事業

イ 養成対象者

手話の学習経験がない者等のうち、実施主体が適当と認めた者

ウ 実施方法等

講習会等の方法により実施し、次の「入門課程」及び「基礎課程」を履修させる。

なお、両課程の養成カリキュラム等は別途通知する。

(ア) 入門課程

相手の簡単な手話が理解でき、手話で挨拶、自己紹介程度が可能なレベル

(イ) 基礎課程

相手の手話が理解でき、特定の聴覚障害者と手話で日常会話が可能なレベル

エ 奉仕員の登録

(ア) 実施主体は、講習を修了した者(これと同等の能力を有する者を含む。)について本人の承諾を得て、奉仕員として登録を行う。登録した奉仕員については、これを証明する証票を交付するとともに、本人の奉仕員活動の便宜を図るため、その住所地の市町村に名簿を送付する。

(イ) 活動ができなくなった奉仕員については、証票を返還させ登録を抹消すること。

オ 留意事項

入門課程及び基礎課程における一教室当たりの定員規模は、原則として四〇人以内とすること。

(五) 手話通訳者養成事業

ア 事業内容

身体障害者福祉の概要や手話通訳の役割・責務等について理解ができ、手話通訳に必要な手話語彙、手話表現技術及び基本技術を習得した、手話通訳者を養成する事業

イ 養成対象者

手話を駆使して特定の聴覚障害者と日常会話が可能な者のうち、実施主体が適当と認めた者

ウ 実施方法等

講習会等の方法により実施し、次の「基本課程」、「応用課程」及び「実践課程」を履修させる。

なお、各課程の養成カリキュラム等は別途通知する。

(ア) 基本課程

対象の聴覚障害者の理解を確認しながらであれば、手話通訳が可能なレベル及び申請手続等手話以外のコミュニケーション手段が付随する場面で通訳が可能なレベル

(イ) 応用課程

一部難しい内容は聴覚障害者の理解の確認が必要であるが、日常場面の手話通訳は基本的に可能なレベル

(ウ) 実践課程

聴覚障害者の理解力に応じた手話通訳が可能なレベル

エ 通訳者の登録

(ア) 実施主体は、講習を修了した者に対して、登録試験を行い、合格者について、本人の承諾を得て、通訳者としての登録を行うこと。登録した通訳者に対しては、これを証明する証票を交付するとともに、本人の通訳活動の便宜を図るため、その住所地の市町村に名簿を送付すること。

(イ) 活動ができなくなった通訳者については、証票を返還させ登録を抹消すること。

オ 留意事項

基本課程、応用課程及び実践課程における一教室当たりの定員規模は、原則として二〇人以内とすること。

(六) 手話奉仕員派遣事業

ア 事業内容

手話を用いて、聴覚障害者等の日常生活上の初歩的なコミュニケーションの支援と、聴覚障害者等との交流活動を促進するため、聴覚障害者等の申し出により登録された手話奉仕員を派遣する事業

イ 派遣対象者

実施主体が必要と認めた聴覚障害者等

ウ 留意事項

(ア) 手話奉仕員は、市町村等公的機関からの依頼による聴覚障害者等に関する広報活動、文化活動に協力すること。

(イ) 手話奉仕員は、聴覚障害者等の人格を尊重し、その身上等に関する秘密を守り、信条等によって差別的取り扱いをしてはならないこと。

(ウ) 手当等について必要な場合には実施主体が定めること。

(七) 手話通訳者派遣事業

ア 事業内容

手話を用いて、コミュニケーションの円滑化を支援するため、聴覚障害者等の申し出により登録された手話通訳者を派遣する事業

イ 派遣対象者

実施主体が必要と認めた聴覚障害者等

ウ 手当等

公的な派遣制度の例を参考にして実施主体が定める。

エ 留意事項

(ア) 実施主体は、聴覚障害者、手話通訳者等関係者で構成する運営委員会等を設置するなどして、本事業の効果的推進を図ること。

(イ) 実施主体は、手話通訳者の派遣事業が円滑に行われるよう、派遣する適任者の選定等通訳派遣に係る調整者の設置等について配意すること。

(ウ) 実施主体は、手話通訳者の資質向上に配意するとともに、健康管理に留意すること。

(エ) 一人の手話通訳者が連続して通訳する時間は、原則として一時間以内とすること。なお、講演会等の場合は三〇分以内とすること。

(オ) 手話通訳者は、自らその技術と知識の向上に努めるとともに、市町村等公的機関からの依頼による聴覚障害者等に関する広報活動、文化活動に協力すること。

(カ) 手話通訳者は、聴覚障害者等の人格を尊重し、その身上等に関する秘密を守り、信条等によって差別的取り扱いをしてはならないこと。

一八 手話通訳設置事業

(一) 事業内容

聴覚障害者等のコミュニケーションの円滑化を推進するため、手話通訳を行う者を都道府県本庁及び福祉事務所等公的機関に設置する事業

(二) 手話通訳の業務内容

手話を用いて、聴覚障害者等とのコミュニケーションの仲介を行う。

(三) 報酬等

手話通訳を行う者に対する報酬等については、実施主体が定める。

(四) 留意事項

手話通訳を行う者は、聴覚障害者等の人格を尊重し、その身上等に関する秘密を守り、信条等によって差別的取り扱いをしてはならないこと。

一九 字幕入りビデオカセットライブラリー事業

(一) 事業内容

字幕又は手話を挿入したビデオカセットテープを制作し、聴覚障害者等に貸し出しする事業

(二) 留意事項

ア 聴覚障害者団体等の要望を聞き、制作に努めること。

イ 社会福祉法人聴力障害者情報文化センターの「字幕ビデオライブラリー共同事業」との連携に留意すること。

二〇 自動車運転免許取得、改造助成事業

(一) 事業内容

自動車運転免許の取得及び自動車の改造に要する費用の一部を助成する事業

(二) 対象者

ア 自動車運転免許取得助成事業

免許の取得により、社会参加が見込まれる者

イ 自動車改造助成事業

次の要件のいずれにも該当する者

(ア) 自らが所有し運転する自動車の手動装置等の一部を改造することにより社会参加が見込まれる者

(イ) 前年の所得税課税所得金額(各種所得控除後の額)が、改造助成を行う月の属する年の特別障害者手当の所得制限限度額を超えない者

(三) 助成額

ア 免許取得助成

免許の取得に直接要した費用の三分の二以内とする。ただし、一〇万円を限度とする。

イ 改造助成

自動車の改造に直接要した費用とする。ただし、一〇万円を限度とする。

(四) 留意事項

実施主体は、免許取得、改造助成いずれの申請に対しても対応できるように配慮すること。

二一 外出介護員(ガイドヘルパー)ネットワーク事業

(一) 事業内容

重度の視覚障害者及び脳性まひ者等全身性障害者が、都道府県・指定都市間を移動する場合に、その目的地において必要となる外出介護員(ガイドヘルパー)を確保するためのネットワークを整備する事業

(二) 利用上の要件

ア 社会生活上必要な外出をするときに、目的地において適当な付き添いが得られない場合。

イ 外出介護員(ガイドヘルパー)に支払う手当、交通費等の経費は、利用者が負担。

二二 盲導犬育成事業

(一) 事業内容

盲導犬の育成に要する費用を助成する事業

(二) 対象者

重度の視覚障害者(視野障害を含む。)であって、盲導犬を使用することにより就労等社会活動への参加に効果があると認められる者(本人又はその世帯等において盲導犬の管理ができない場合を除く。)

(三) 実施方法

ア 実施主体は、盲導犬の育成に関し適当と認められる団体(道路交通法施行令第八条の規定に基づく公益法人。以下「育成団体」という。)に対し、毎年度必要に応じて盲導犬の育成を依頼する。

イ 実施主体は、当該育成依頼を行った頭数に応じ、育成団体に対し、当該育成に直接必要な経費(候補犬の購入費を含む。)について予算の範囲内で助成する。

(四) 留意事項

実施主体は、視覚障害者団体等の要望を聞き、需要の積極的把握に努めるとともに育成計画を策定するよう努めること。

〔六 知的障害者支援〕

二三 生活協力員(生活アシスタント)紹介事業

(一) 事業内容

知的障害者が安心した地域生活を送れるよう、本人の生活を見守り、相談相手となりながら必要な援助を行う生活協力員(生活アシスタント)の紹介を行う事業

(二) 実施方法

ア 実施主体は、知的障害者の福祉に理解と熱意を有し、生活協力員となることを希望する者を募集し、適当と認めたものを登録する。

イ 実施主体は、知的障害者等からの申し出により、登録された生活協力員の中から地理的条件等を考慮し適当な者を紹介する。紹介した生活協力員が当該知的障害者の担当者となるには知的障害者の同意を必要とする。

ウ 生活協力員は、知的障害者の自主性を尊重し、健康、金銭、余暇等の日常生活に関する相談に応じる等の援助を行う。

(三) 留意事項

生活協力員は、知的障害者の人格を尊重し、その身上等に関する秘密を守り、信条等によって差別的取り扱いをしてはならないこと。

二四 ボランティア活動支援事業

(一) 事業内容

知的障害者のボランティア活動を促進するため、その活動の機会を用意するとともに便宜を図り、必要な支援を行う事業

(二) 実施方法

ア 実施主体は、ボランティア活動を希望する知的障害者とその活動に協力する支援者を募りそれぞれ登録する。

イ 実施主体は、知的障害者の意向を把握し、その意向に即したボランティア活動の場を用意する。

ウ 支援者は、知的障害者がボランティア活動を円滑に行えるよう連絡調整、助言等必要な支援を行う。

(三) 留意事項

ア 本事業の実施に当たっては、親の会、養護学校、地域生活援助事業(グループホーム)利用者等との連絡を密にし、知的障害者の自主性を十分尊重して行うこと。

イ 支援者を募るときは関係者のほか、地域団体、学校等幅広く呼びかけること。

〔七 精神障害者支援〕

二五 家族相談員紹介事業

(一) 事業内容

精神障害者が安心して地域生活を送れるよう、本人の生活を見守り、相談相手となりながら必要な援助を行う家族相談員の紹介を行う事業

(二) 実施方法

ア 実施主体は、精神障害者の福祉に理解と熱意を有し、家族相談員となることを希望する者を募集し、適当と認めたものを登録する。

イ 実施主体は、精神障害者等からの申し出により、登録された家族相談員の中から地理的条件等を考慮し適当な者を紹介する。紹介した家族相談員が当該精神障害者の担当者となるには精神障害者の同意を必要とする。

ウ 家族相談員は、精神障害者の自主性を尊重し、健康、金銭、余暇等の日常生活に関する相談に応じる等の援助を行う。

(三) 留意事項

家族相談員は、精神障害者の人格を尊重し、その身上等に関する秘密を守り、信条等によって差別的取り扱いをしてはならないこと。

二六 精神障害者ボランティア団体活動支援事業

(一) 事業内容

精神障害者の社会復帰を促進するため、精神障害者及びその家族等の団体が行う精神障害者の社会復帰に関する活動に対する情報提供等の支援並びに精神障害者のボランティア活動を育成する事業

(二) 留意事項

団体が行う精神障害者の社会復帰活動に対する支援は、単なる団体活動を支援することではなく、真に精神障害者の社会復帰に有効なものであること。

二七 地域精神保健福祉調査事業

(一) 事業内容

地域における精神保健福祉施策を推進するための基礎的な調査等を実施する事業

(二) 留意事項

ア 本事業は精神障害者の社会復帰に必要な基礎的データの調査等を行うためのものであること。

イ 調査等に当たっては、関係団体(者)と十分な調整を行うこと。

Ⅲ 特別事業

一 盲ろう者通訳・ガイドヘルパー養成事業

(一) 事業内容

「盲ろう者通訳・ガイドヘルパー指導者研修会」(国立身体障害者リハビリテーションセンター学院主催)や「盲ろう者向け通訳者養成研修会」(社会福祉法人全国盲ろう者協会主催)の研修会を修了した者を活用して、盲ろう者の自立と社会参加を図るため、訪問介護員(ホームヘルパー)、身体障害者更生施設職員等を対象に盲ろう者通訳・ガイドヘルパーの養成・研修を行う事業

(二) 実施方法等

研修会等の方法により、(一)の研修会の研修内容を参考として、講義、実技のカリキュラムを構成し、必要な時間数を確保すること。

二 手話通訳者特別研修事業

(一) 事業内容

手話通訳者として活動している者を対象に、より高度な通訳技術の習得を目的として研修を行う事業

(二) 留意事項

本事業のカリキュラムは、「手話通訳者養成事業の実践課程」のカリキュラム等を参考とすること。

三 聴覚障害者向けビデオカセットテープ自主制作事業

(一) 事業内容

聴覚障害者情報提供施設において、字幕(手話)入りビデオカセットテープを自主制作するために必要な経費を助成する事業

(二) 留意事項

聴覚障害者向けビデオカセットテープの制作は、聴覚障害者団体等の要望を聞き行うこと。

四 手話通訳者派遣ネットワーク事業

(一) 事業内容

手話通訳を必要とする障害者が、都道府県・指定都市間を移動する場合に、その目的地において必要となる手話通訳者を確保するためのネットワークを整備・維持する事業

(二) 利用上の要件

ア 社会生活上必要な外出をするときに、目的地において適当な手話通訳者が得られない場合とする。

イ 手話通訳者に支払う手当、交通費等の経費は、利用者が負担するものとする。

(三) 留意事項

実施主体は、手話通訳者派遣事業との連携を図ること。

第二 全国障害者スポーツ大会開催事業

一 全国身体障害者スポーツ大会開催事業

(一) 事業内容

身体障害者の自立と社会参加の促進に寄与するため、秋季国民体育大会開催都道府県において、全国身体障害者スポーツ大会を開催する事業

(二) 事業の実施方法

全国身体障害者スポーツ大会の開催は、昭和六三年二月一〇日社更第二七号社会局長通知「全国身体障害者スポーツ大会について」に基づいて行うものとする。

なお、大会の企画段階から障害者や障害の特性等に理解の深い者の参画を求めるとともに、開催に当たっては障害の特性を踏まえた対応ができる者の適切な配置にも留意すること。

二 全国知的障害者スポーツ大会開催事業

(一) 事業内容

知的障害者の自立と社会参加の促進に寄与するため、開催を希望する都道府県のうちから厚生大臣が決定する都道府県において、全国知的障害者スポーツ大会を開催する事業

(二) 事業の実施方法

全国知的障害者スポーツ大会の開催は、平成四年五月一一日児発第四八八号児童家庭局長通知「全国知的障害者スポーツ大会について」に基づいて行うものとする。

なお、一の(二)のなお書に留意すること。

第三 障害保健福祉圏域計画推進事業

一 事業内容

障害保健福祉圏域(以下「圏域」という。)を単位として、圏域内の市町村相互の緊密な連携と障害者団体、障害者関係施設、医療機関等の協力の下に、圏域内における障害保健福祉施策の推進の在り方を検討するとともに、圏域内の各市町村における障害者計画が早期に策定されるよう都道府県が支援する事業

二 実施方法

(一) 圏域を単位として圏域内の障害保健福祉施策の実施状況及び推進すべき課題等を明らかにすること。

このため、例えば、都道府県担当者と圏域内の市町村担当者及び障害者団体、障害者関係施設、保健所、医療機関、サービス提供事業者等の代表者によって構成される協議会を設置し、圏域内の障害保健福祉施策についての課題及び障害者のニーズ等を明らかにするとともに、障害保健福祉施策の推進に当たっての社会資源の整備、保健福祉サービスの提供体制及び市町村の連携体制の構築等について協議すること。

(二) 圏域内における障害保健福祉施策の推進方策について検討を行うこと。

このため、例えば、都道府県担当者と圏域内の市町村担当者によって構成される連絡会議を設置し、圏域内の障害保健福祉施策の推進、保健福祉サービスの提供体制及び市町村の連携体制の構築等について具体的な方策を策定すること。

(三) (一)、(二)を踏まえ、圏域内における市町村障害者計画の策定について必要な指導・助言を行うこと。

(四) なお、市町村障害者計画は、各市町村がそれぞれ作成することが基本であるが、圏域を単位とした障害者計画(以下「圏域計画」という。)において、各市町村ごとの役割や具体的な施策が明確にされている場合には、当該圏域計画の策定をもって圏域内の市町村障害者計画が策定されたものとみなして差し支えないこと。

三 留意事項

(一) 協議会等の設置に当たっては、構成員として、障害者又は障害者団体の代表等の参画を必ず求めるとともに、障害者計画に障害者の多様なニーズが反映されるよう工夫すること。

(二) 市町村障害者計画の策定に当たっては、平成七年に総理府から示された「市町村障害者計画策定指針」や、既に策定されている他の市町村の障害者計画等を参考にすること。また、数値目標の設定については、「厚生省関係障害者プランの推進方策について」(平成八年一一月一五日障害保健福祉部長通知)の中の「数値目標設定の考え方」を参考とし、少なくとも「障害者プラン」において数値目標を設定している事項については、地域の障害者のニーズに対応した具体的な施策の目標を盛り込むよう指導すること。

(三) 圏域計画を策定する場合は、必ず圏域内の市町村ごとの施策が具体的に盛り込まれるようにすること。

(四) 障害保健福祉圏域を未だ設定していない県については、独自に複数市町村を含む広域圏域を設定して事業を実施することも差し支えないこと。