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○身体障害者に対する旅客鉄道株式会社等の旅客運賃の割引について

(昭和五七年一月六日)

(社更第四号)

(各都道府県知事・指定都市市長あて厚生省社会・児童家庭局長連名通知)

標記については、昭和二七年四月四日社乙発第七一号本職通知「身体障害者に対する日本国有鉄道等の旅客運賃の割引について」により周知を図ってきたところであるが、その後における身体障害者旅客運賃割引規則(昭和二七年四月八日国鉄公示第一二一号)の改正、身体障害者福祉法施行規則(昭和二五年四月六日厚生省令第一五号。以下「規則」という。)別表第五号身体障害者障害程度等級表の改正等に伴い、その取扱いが一部区々となっていることにかんがみ、今般、次のとおり、運用の統一を図ることとしたので、この制度の運用に当たっては、左記の点に留意のうえ、遺憾のないよう御配意願いたい。

第一 割引の対象となる身体障害者

身体障害者福祉法(昭和二四年一二月二六日法律第二八三号。以下「法」という。)第一五条第四項の規定により身体障害者手帳(以下「手帳」という。)の交付を受けた者(一五歳未満の者につき、保護者が手帳を受けたときは、この割引制度においては当該児童が受けたものとみなす。)で、次の各号の一に該当する障害を有する者とされていること。

したがって、一八歳未満の身体に障害のある児童で手帳の交付を受けたものも対象とされること。

(一) 視覚障害

(二) 聴覚又は平衡機能の障害

(三) 音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害

(四) 肢体不自由

(五) 心臓、じん臓若しくは呼吸器又はぼうこう若しくは直腸若しくは小腸若しくはヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害(以下「内部障害」という。)

第二 介護者に対する割引

割引の対象となる身体障害者はすべて単独で乗車船する場合に割引されるものであるが、特に次に掲げる身体障害がある者(以下「第一種身体障害者」といい、前記第一に掲げる障害を有する者のうち第一種身体障害者以外の者を「第二種身体障害者」という。)が、介護者とともに乗車船する場合には、介護者についても割引がなされること。

なお、割引の対象となる身体障害者のうち、一二歳未満の者が定期乗車券を購入する場合は、特に障害の程度にかかわらず介護者をつけることができ、この場合、介護者についても割引がなされること。

(第一種身体障害者)

次表の上欄に掲げる障害の区分ごとにそれぞれ同表の下欄に掲げる等級(規則別表第五号に定める等級をいう。)に該当する障害を有する者とされていること。

障害の区分

障害の程度

視覚障害聴覚障害

一級から三級までの各級及び四級の一二級及び三級

肢体不自由

上肢不自由

一級、二級の一及び二級の二

下肢不自由

一級、二級及び三級の一

体幹不自由

一級から三級までの各級

乳幼時期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害

上肢機能障害

一級及び二級(一上肢のみに運動機能障害がある場合を除く。)

移動機能障害

一級から三級までの各級(一下肢のみに運動機能障害がある場合を除く。)

内部障害

心臓機能障害

一級から四級までの各級

じん臓機能障害

一級から四級までの各級

呼吸器機能障害

一級から四級までの各級

ぼうこう又は直腸の機能障害

一級及び三級

小腸機能障害

一級から四級までの各級

ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害

一級から四級までの各級

(備考) 前記上欄に掲げる障害を二つ以上有し、その障害の総合の程度が前記下欄に準ずるものも第一種身体障害者とされること。(身体障害者福祉法施行規則別表第五号身体障害者障害程度等級表備考一及び三を参照のこと。)

第三 割引の適用範囲

身体障害者が、単独又は介護者とともに、北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び九州旅客鉄道株式会社(以下「旅客会社」という。)の経営する鉄道、航路及び自動車線並びに旅客会社線との間に連絡運輸の取扱いをする社線(以下「連絡社線」という。)を乗車船する場合に適用されること。

第四 割引区間

一 割引区間は、旅客会社及び連絡社線の各駅相互間とされているが、身体障害者が、単独で乗車船する場合は、旅客会社及び連絡社線の鉄道(軌道を含む。)、航路を普通旅客運賃計算のキロ程が片道一○○キロを超える区間に限り割引の取扱いがなされること。

二 旅客会社及び連絡社線の自動車線を利用する場合は介護付乗車、単独乗車の別を問わず乗車キロ程に関係なく割引の取扱いがなされること。

三 自動車のキロ程は前記一のキロ程計算には算入されないこと。

第五 割引乗車券の種類

一 身体障害者に対して割引の取扱いがなされる乗車券類の種類は、次のとおりであること。

(一) 普通乗車券

第一種身体障害者が単独又は介護者とともに乗車船する場合及び第二種身体障害者が単独で乗車船する場合に発売される。

(二) 定期乗車券

第一種身体障害者及び一二歳未満の第二種身体障害者が介護者とともに乗車船する場合に発売される。

(三) 回数乗車券(特別急行列車に対する急行回数乗車券を除く。)

第一種身体障害者が介護者とともに乗車船する場合に発売される。

(四) 急行券(特別急行券を除く。)

第一種身体障害者が介護者とともに、旅客会社の普通急行列車及び急行自動車に乗車する場合に発売される。

二 介護者に対し割引の取扱いがなされる乗車券類の種類は、前記一の規定により身体障害者が介護者とともに乗車船する場合に発売される乗車券類と同一であること。ただし、身体障害者に対して通学定期乗車券を発売する場合であっても、介護者に対して発売する定期乗車券は通勤乗車券に限られるものであること。

三 介護者が通学定期乗車券の使用資格者であっても、介護者に対しては通学定期乗車券は発売されないものであること。

第六 割引率

身体障害者及び介護者に対する割引率は五割(自動車線の定期乗車券にあっては三割)であること。ただし、小児定期乗車券に対しては旅客運賃の割引がされないものであること。

第七 割引乗車券類の購入

身体障害者は、身体障害者手帳を発売窓口に呈示し、行先、乗車券類の種類等を口頭又はメモの呈示により申し込むことによって、割引乗車券類を購入するものであること。

第八 介護者

一 身体障害者が、第一種身体障害者又は定期乗車券を使用する一二歳未満の第二種身体障害者であるときは、身体障害者一名に対し、一名の介護者をつけることができるものであること。

二 前記一の介護者は、鉄道係員が介護能力があると認められる者であって、その購入する乗車券類の種類、乗車船区間及び有効期間が身体障害者と同一で、身体障害者の乗車券類と同時に購入されるものでなければならないものであること。

三 介護者の割引乗車券類は、身体障害者とその介護者とが、同一の列車、連絡船又は自動車により乗車船する場合に限って有効とされるものであること。

四 介護者の割引乗車券類に対する旅客運賃料金の払戻しは、身体障害者に対する乗車券類とその介護者に対する乗車券類とについて、ともに行う場合に限って取り扱われるものであること。

第九 身体障害者手帳の携帯

身体障害者は、乗降の際及び乗車船中は、身体障害者手帳を携帯して、係員の請求があったときは、いつでも呈示しなければならないものであること。ただし、一五歳未満の児童が介護者と乗車船する場合は介護者が携帯して差し支えないものであること。

第一○ 身体障害者手帳「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額」欄について

一 新たに手帳の交付を行う場合は、第一種身体障害者、第二種身体障害者の別を明記すること。

二 削除

第一一 関係通知の廃止

昭和二七年四月四日社乙発第七一号本職通知「身体障害者に対する日本国有鉄道等の旅客運賃の割引について」、昭和三○年一一月九日更発第一五六号厚生省社会局更生課長通知「身体障害者旅客運賃割引証の発行方の適正について」、同年一二月五日更発第一六四号厚生省社会局更生課長通知「身体障害者旅客運賃割引証発行者について」、同年一二月一四日更発第一七三号厚生省社会局更生課長通知「身体障害者旅客運賃割引証の取り扱いについて」、昭和三九年六月二六日社更第一○三号厚生省社会局更生課長通知「身体障害者に対する各種運賃割引制度の運用の適正化について」及び昭和四二年九月一一日社更発第二七四号本職通知「心臓又は呼吸器の機能障害者に対する身体障害者旅客運賃割引の適用除外について」は廃止すること。