添付一覧
○肢体不自由者更生施設における医学的更生並びに職業的更生に於ける実施の指針について
(昭和二九年一一月二五日)
(社発第九二四号)
(各都道府県知事あて厚生省社会局長通知)
肢体不自由者更生施設に入所する身体障害者をして、社会的更生へのより効率化を図るためには、指導訓練要領が特に重要なる根幹をなすものであると考えられるので十分研究検討中のこととは存ずるが、今般左記による入所生に対する運動療法実施の指針及び職業訓練実施の指針を定めたから了知のうえ更生指導の向上を図るとともに施設の円滑なる運営を期せられたい。
記
一 医学的更生における運動療法実施の指針
医学的更生指導は疾患又は傷害の発生に遡りその早期恢復期より開始するのが理想的であるがわが国の現況では次のような内容をもつ方法が適当と考えられる。
一 医学的診断と評価
1 現症を把握すること。
2 治療的余地、手段の有無を発見すること。
3 治療手段と方針とを確立すること。
4 治療による職能的余後を予測し評価すること。
5 治療に要する日数の見込をたてること。
医学的診断にもとずく治療訓練の経過中で定期的に又は治療訓練終末時にその効果を評価し治療訓練方法の修正変更又は省略、中止を行う必要がある。
二 医学的更生治療訓練
1 職能整形外科的治療
これには外科的手術、矯正又は固定ギブス包帯法等がある。
2 理学療法
イ 物理的即ち光、熱、冷、水、電気、音等の外的刺激を用いる方法
ロ 器械的即ち重錘、砂嚢、副子等を用いて服位を矯正治療する方法
ハ 運動療法即ち自動的に又は他動的に或は器械設備等を用いて複合的に専ら機能障害の改善を行う方法、之にはマッサージ、治療体操及び器械療法等がある。
三 作業療法
作業療法は、作業を治療目的で行うものであつて、準備訓練種目(事務作業、縫芸作業、工芸作業、金工作業、園芸作業等)の中、特に個々の機能障害回復に適切なるものを選んで実施すること。
作業療法の作業種目及び実施時間は、特に医師の指示と監督のもとに行うべきものであつて、時間は、普通午前一時間、午後一時間を適当とし、長時間に之を行うことは避けねばならない。
四 肉体的再調整とレクリエーション
一般的体操、歩行訓練、競技、遠足、自転車乗り等の方法が考えられる。
以上の療法的諸訓練は、個々の症状によりその程度、訓練の適応症非適応症があるので最も効果的な結果を挙げるには医師の判定指導の下に実施しなければならない。治療訓練実施の便宜上機能障害そのものの理学療法の意味において行われる運動療法と全身体力恢復増進のために行われる肉体的再調整及びレクリエーションとを含める最も広義の運動療法実施について詳細に述べると次のとおりである。
(一) 運動療法実施の目的
1 局所的運動によつて障害部位に対し、継続的な好影響を与え、以つて退行機能の恢復及び代償機能の増進を図ること。
2 全身の健康を増進し、姿勢を正しくし、身体の諸性能を高め、身体作業能力を向上すること。
3 遊戯、競技等によつて意志の鍛錬や感情の陶冶等精神的効果と諸動作の敏捷柔軟性の増進等身体効果とあわせてこれを期すること。
(二) 運動療法実施の方法
1 機能障害者の解剖生理学の見地よりみて、合理的にして妥当な局所的治療を主目的とする矯正体操、滑車紐、重錘による筋力増強、関節運動、漸進的筋抵抗増力運動や全身的体力の恢復増進平衡棒松葉杖等による歩行能力増進運動、マットエキササイズ等の所謂治療体操と自然に興味の湧く遊戯とを巧に配合して、最大治療法効果を挙げるように努めること。
2 医師の処方指示により障害者についての医学的理解は固より性年齢等を考慮し運動の質と量とを勘案し、よく個性に応ずるものを課するようにすること。
3 療法運用に当つては、医学心理学教育学等の知識を活用し無理のないようにすること。
4 多数の患者を取扱う場合は、少くとも肢切断者群、麻痺者群、其の他の障害者群等なるべく多くの障害別群に分ける必要があること。
5 訓練材料については、まず患者各々につき、全期間に行うべき全材料を示す計画表(別表A)を作り、それによつて更に「運動療法処方票」(別紙B)を作り、日々訓練を進めていくこと。
6 訓練時間は毎日一時間乃至二時間を適当とすること。
特定の患者には、一週一回位は二、三時間連続して行うことを必要とする場合があるが、原則的には、一時に長い時間連続して行うよりもなるべく分割し、回数を増して行う方法を可とすること。
(三) 訓練場及び用具
1 屋内体操場と屋外運動場とを必要とし、なお水治疾子法の設備が望ましい。
2 屋内体操場は、バレーボール、バトミントン競技ができる位の広さと高さとがあるとよい。内部には滑車紐、重錘運動装置各種重量の重錘又は砂嚢運動治療台、大小平衡棒、階段腰掛、マット等を含む、各種の治療体操器械及び競技用具を具える要があること。
3 屋外運動場は五○米の走路、ソフトボール競技のできる広さを要し、各種歩行練習路の設備を必要とすること。
(四) 訓練上の注意
1 指導者は身体障害者についての知識を持ち、常に研究的な態度で患者に接し、一面暖い愛を以つて取扱い、患者の信頼を得るように努めること。
2 患者に対し、自ら進んで実践しようとする意欲を起させるようにすること。
3 各患者の訓練効果が数字又は表で簡単にあらわされることは患者の競争心理をそそり治療意欲を増進せしめるものであること。
4 実施の際は、季節的の考慮が必要であること。
5 材料の進め方としては、易より難に、簡より繁に、循環漸進的に運ぶこと。
6 常に正しい姿勢の保持に注意し、これを習慣的ならしめるようにすること。
7 諸徳性の涵養にも留意すること。
8 医学的処置や、爾後の理学療法と密接な関連を持たしめること。このために療法関係者間で定期に連絡のための会議を開く必要があること。
9 職業訓練と密接な連絡を保ち、身体的に効率を高め、職業訓練で容易に進展するようにすること。
(五) 運動療法の評価
1 運動療法を評価するために、各種の測定が必要であること。
2 機能恢復度の測定として筋肉、関節の運動範囲、神経と筋の共応性の恢復度等をしらべること。局所的機能恢復運動療法は記録、進歩の状態を勘案して爾後の運動量を定めること。
3 一般体力の恢復度の測定として、走、跳、投、懸垂等(別表C)同(別表D)の成績をしらべること。
4 以上の他に別に行うべき、身長、体重、胸囲、肺活量、握力、背筋力等の検査成績にも注意すること。
別紙A
運動療法中心材料表
表の見方の上の注意
一 練習材料は一から六に至るに従つて次第に易より難にむかつて進むようにならべてある。随つて練習は1からはじめ次第に表の下のものに進むものとする。
二 難易の段階(横欄)に於ては一度記載したものは再録しないが適宜反覆して循環的に練習するものとする。
三 ○印のあるものは装具をつけて行う。
△印のあるものは装具をつける場合と着けぬ場合とあることを示す。印のないものは装具を着けずに行う。( )内は運動種目の変化を示し、【 】内は用具を示しa→bはa運動からb運動に移行するものであることを示す。
障害別 難易段階 |
肢切断者 |
|||
下肢 |
上肢 |
|||
一側 |
両側 |
一側 |
両側 |
|
1 |
長坐体前(斜前)届 伏臥体後反 体後倒(肋木) △脚挙(屈伸)【プリーウエート】 △支持切断脚等(屈伸廻旋)【横木、平行棒】 △支持残存脚挙(屈伸廻旋)【横木、平行棒】 △支持歩行【横木、平行棒】 ○ゲートボール |
長坐体前(斜前)届 仰臥←伏臥 仰(伏)臥←長坐 △車椅子上←マツト上(床上) 坐(臥腰掛)脚挙(屈伸廻旋)【プリーウエート】 △腕挙(屈伸廻旋) 匍匐 △肩上下(前、後、廻旋) ○支持歩行(横木、平行棒) ○歩行器による歩行 ○半松葉杖歩行 |
肩上下(前後廻旋) 体前(斜前、側後)倒屈 腕挙振【チエストウエート】 腕側開(前屈側開)【チエストウエート】 △パス【ドリブリング】【フツトボール】 ○前転【マツト】 水泳 |
肩上下(前後廻旋) 体前(斜前、側後)倒(屈) 臥(坐)脚挙振(廻旋) 脚側(前後)開 腕挙(屈伸)【チエストウエート】 △片脚跳 △パス(シユートドリブリング)【フツトボール】 |
2 |
端坐胡坐 △伏臥脚後挙 △残存脚片脚跳 ○義足直立保持 ○松葉杖歩行 ○挙踵 ○輪投げ(ホースシユーピツチング) |
伏臥脚後挙 ○支持直立【横木、平行棒】 ○支持直立脚挙廻旋【平行棒】 ○腰掛←直立 ○義足直立保持 ○松葉杖歩行 ○ゲートボール |
体廻旋 腕屈伸(廻旋) ○棒体操 △片脚跳 △走 後転【マツト】 ○パス(ドリブリング)【ラグビーボール】 ○ゲートボール ○ボール送り【メジシンボール】 |
体廻旋 前転【マツト】 △パス(シユート)【ラグビーボール】 足蹠玉転がし【スポンジボール】 水泳 △上(前、側、後)方跳 |
3 |
△伏臥体後反脚後挙 △膝立←直立 ○膝交互屈伸踵上下 ○直(曲)線路歩行 ○坂道歩 ○階段登降 ○練習用固定自転車 ○パス(シユート)【バスケツトボール】 ○ピンポン ○棍棒倒し 水泳 |
△伏臥体後反脚後挙 △脚立伏臥腕屈伸 匍匐、階段登降 ○斜懸垂【横木、平行棒】 ○松葉杖歩行 直(曲)線路、側(後)歩坂道高障碍跨越 大股(急速)歩階段登降 ○棍棒倒し |
△幅跳 △疾走間方向変換 ○縄跳 ○コヨルゲンホイル廻輪 ○肋木登降(肋木) △ピンポン △キヤツチボール【ソフトボール】 △バツテイング【ソフトボール】 健手正確投【スポンジボール】 ○練習用固定自転車 |
後転【マツト】 棒体操 △走 趾玉拾い【ピンポン玉】 ○義手輪投げ ○ゲートボール ○スプーンレース |
4 |
○側(後)歩 ○足尖(踵)歩 ○脚開閉跳 ○ドリブリング【バスケツトボール】 ○ポテトレース ○キヤツチボール【ソフトボール】 ○バトミントン |
△懸垂【平行棒、鉄棒】 ○一本杖歩行 直(曲)線路側(後)歩坂道高障害跨越 大股(急速)歩階段登降 ○練習用固定自転車 ○ピンポン 水泳 |
△高跳 △バトミントン ○フツトベースボール ○パス(シユート)【バスケツトボール】 ○義手スプーンレース ○バトミントン |
△片脚屈膝前出片脚後挙体前倒 疾走間方向変換 △幅跳 足キヤツチボール【ヴアレーボール】 ○ピンポン ○ボール送り【メジシンボール】 |
5 |
○挙踵屈膝 ○駈歩足踏 ○上(前、側、後)方跳 ○高障害跨越 ○大股(急速)歩 ○支持倒立(肋木) ○自転車 ○パス【ヴアレーボール】 ○ソフトボール ○フツトベースボール |
○直(曲)線路歩行 ○側(後)歩 ○大股(急速)歩 ○坂路高障害跨越 ○階段登降 ○ポテトレース ○輪投げ |
○義肢輪投げ ○ドリブリング【バスケツトボール投】 △テニス ○ドツヂボール ○キヤツチボール【スポンジボール】 ○バツテイング【スポンジボール】 ○腕立前転【マツト】 ○自転車 |
○片脚側挙体側倒 ○高跳 足ボール距離投 足ピンポン【床上コート】 足キヤツチボール【ソフトボール】 △義手ポテトレース |
6 |
○走(下肢切断者) ○長距離(=耐久)歩 ○足切り【繩】 ○バスケツトボール ○ヴアレーボール ○テニス ○ドツジボール |
○走(下肢切断者) ○長距離(=耐久)歩 ○バトミントン ○キヤツチボール【ソフトボール】 ○パスシユート【バスケツトボール】 ○自転車 |
○義手ポテトレース ○ソフトボール ○ヴアレーボール ○バスケツトボール サツカー ○リレーレース |
足ボール正確投【テニスボール】 足キヤツチボール【スポンジボール】 サツカー |
練習上の障害別考慮 |
一 肢切断者の練習では義肢装着以前には切断肢の義肢の装着に適応させることに主眼をおく。 二 義肢を装着するようになつてからは専ら義肢の操作に熟達せしめるようにする。 三 義肢を装着することのできる段階になつても時には尚代償機能の発展の目的を達するためにも義肢を取り外して練習することも必要である。 |
障害別 難易段階 |
麻痺者 |
||
下肢 |
上肢 |
全身的 |
|
1 |
長坐←→伏臥←→仰臥 腰掛←→直立←→端坐 仰臥(長坐)/脚開閉/踵支持膝屈伸/挙脚/脚廻旋/足首屈伸/趾屈伸/ △挙踵 △輪投げ |
手首屈伸(廻旋)【フインガーマシンリストロール】 指屈伸【フインガーマシン】 自力健手部助指数 肩上下(前後廻旋) 懸垂直立挙踵屈膝 △棒体操 腕挙振(屈伸廻旋) △シヨルダーホイール廻転両手【片手】 △ゲートボール |
↓―――――――↓ 伏臥←→長坐←→仰臥 伏臥頭前屈(胸後反) △支持歩行【歩行器】 △松葉杖歩行 前転【マツト】 水中歩行 △端坐(胡座)←→直立 頭屈(転廻旋) 体屈(転倒、廻旋) △ボール送り【メジシンボール】 |
2 |
腕立伏臥 脚挙 △支持脚屈伸【横木、平行棒】 挙踵屈膝 △支持歩行【横木、平行棒】 △松葉杖歩行 △一本杖歩行 △足尖歩 △脚挙(屈伸)【ブリーウエート】 △ゲートボール 水泳 |
腕屈伸(挙振)【チエストウエート】 腕立伏臥腕屈伸 /手掌/手背/対向指組合せ/肘屈伸/腕廻旋/ △匐 腕開閉【エクスパンダー】 △四肢体屈伸【ローウイングマシン】 腕立懸垂【横木、平行棒】 水泳 △輪投げ/健手/障害手/ |
仰臥頭後屈(匍後反) △腕立伏臥(側仰臥) △懸垂直立 △肋木登降 △棍棒倒し △ゲートボール △ポテトレース |
3 |
△脚挙(平均) △階段登降 △踵歩 △側(後)歩 △直(曲)線路歩行 △坂道歩 △高障碍跨越 △大股歩 △急速歩 △パス(シユート)【バスケツトボール】 |
斜懸垂【横木、平行棒、鉄棒】 △棍棒体操 △繩跳び △パス(シユート)【バスケツトボール】 △ボール送り【メジシンボール】 △ピンポン △練習用固定自転車 △ポテトレース 前転【マツト】 |
△側(後)歩 △直(曲)線路歩行 △坂道歩 △大股(急速)歩 △斜懸垂【横木、平行棒】 △四肢体屈伸【ローウイングマシン】 △練習用固定自転車 水泳 △ピンポン △スプーンレース |
4 |
△ドリブリング【バスケツトボール】 △ポテトレース △走 △練習用固定自転車 △スプーンレース △パス【ヴアレーボール】 △ピンポン △キヤツチボール【ソフトボール】 |
懸垂移行【横木】 △肋木登降 △バトミントン △キヤツチボール【ソフトボール】 △バツテイング【ソフトボール】 △ボール距離投【ソフトボール】 △スプーンレース △バトンタツチ 後転【マツト】 |
懸垂【横木、平行棒、鉄棒】 △足尖(踵)歩 △片脚各方挙(平均) △高障碍跨越 △階段登降 △パス(シユート)【バスケツトボール】 △キヤツチボール【ソフトボール】 △バツテイング【ソフトボール】 △窓梯登降 |
5 |
△側(後)走 △長距離(耐久)歩 △ドリブリング【フツトボール】 △キヤツチボール【スポンジボール】 △バトミントン △ソフトボール |
腕立仰臥←腕立臥腕←→/腕立側臥開/前屈側/ △ボール正確投/健手/障害手/【スポンジボール】 △フツトベースボール 綱登り【吊繩】 △自転車 △ソフトボール |
△走 △平均台上歩行 △ドリブリング【バスケツトボール、フツトボール】 △自転車 △リレーレース △ボール正確投【スポンジボール】 △パス【ヴアレーボール】 △輪投げ【ホースシユーピツチング】 |
6 |
△上(前、側、後)方跳 △疾走間方向変換 △ヴアレーボール △自転車 △テニス |
△ボール距離投/健手/障害手/ ソフトボール スポンジ バスケツト △キヤツチボール【ラグビーボール】 △ヴアレーボール △リレーレース △テニス |
△疾走間方向変換 △支持倒立 △フツトベースボール △パス【ラグビーボール】 △ドリブリング【ラグビーボール】 △ソフトボール |
練習上の障害別考慮 |
一 弛緩性麻痺者では筋の強化を目的として、或いは要すれば外力をかりて、或いは抵抗を加えなどして、遂には自力で強力に運動することができるよう、若し、また補助器をつけるならば補助器の操作が十分にできるよう、力性的な運動に重点をおいて課する。 二 痙直性麻痺者では拮抗筋の調整を主眼とし、柔軟体操、平均運動、特に解緊運動を重視し、リズムにのせて行う運動などが大いによい。 三 練習は長期に亘り、執拗に行わねば効果が容易にあがりにくい。 四 過労になると逆効果をもたらすことがあるといわれている。 |
障害別 難易段階 |
其他の肢体不自由者 |
||
下肢 |
上肢 |
頭及躯幹 |
|
1 |
仰臥長坐/脚開閉(廻旋)/膝屈伸/足首屈伸(廻旋)/ △脚挙振(屈伸)【プリーウエート】 屈膝挙踵 △懸垂直立 踵上下 【横木】 挙踵屈膝 体前(後側)屈(倒、転) △松葉杖歩行 △ゲートボール |
手首屈伸(廻旋)【フインガーマシンリストボール】 指屈伸【フインガーマシン】 指算数 指及手首屈伸(廻旋)【リストボール】 肩上下(前後、廻旋) △棒体操 △腕挙振(屈伸、廻旋) △懸垂直立挙踵屈膝【平行棒】 △ゲートボール |
↓―――――――↓ 伏臥←→側臥←→仰臥 長坐←→直立←→端坐 頭屈(転、廻旋) 仰臥、頭前(後)届 △懸垂直立【横木、平行棒】 △ゲートボール △ポテトレース |
2 |
支持、脚挙振(屈伸、廻旋)【平行棒】 仰臥挙脚 伏臥体後反 △片脚各方挙(平均) △一本杖歩行 △キヤツチボール【ソフトボール】 △バツテイング【ソフトボール】 |
腕立伏臥腕屈伸 シヨルダーキイール廻転/両手/片手/ 腕挙振(屈伸)【プリーウエートチエスウエート】 /手背/手掌/対向指組合せ/肘屈伸/腕廻前後/ △腕匐 腕側開【エキスパンダー】 △四肢体屈伸【ローウイングマシン】 △ボール送り【メジシンボール】 |
腕掛←→直立 体屈(転倒、廻旋) △棍棒倒し 伏臥胸後反 △肋木登降 △ボール送り【メジシンボール】 △スプーンレース △輪投げ【ホースシユーピツチング】 △足切り【綱】 △斜懸垂【横木、平行棒】 |
3 |
伏臥脚後挙 △側(後)歩 △直(曲)線路歩行 △坂道歩 △大股(急速)歩 △パス(シユート)【バスケツトボール】 水泳 △輪投げ(ホースシユーピツチング) |
腕立伏臥←→腕立側臥←→腕立仰臥 腕前屈側開 前(後)転【マツト】 △棍棒体操 △パス(シユート)【バスケツトボール】 △ピンポン △練習用自転車 △輪投げ(ホースシユーピツチング) 水泳 |
△側(後)歩 △直(曲)線路歩行 △坂道歩 △大股(急速)歩 △ピンポン △パス(シユート)【バスケツトボール】 △スプーンレース △平均台上歩行 △懸垂(横木、平行棒) 前転【マツト】 |
4 |
腕立伏臥屈肘脚後挙 △階段登降 △足尖(踵)歩 △パス【ヴアレーボール】 △ドツヂボール △練習用固定自転車 |
△繩跳 △綱登り △バトンタツチ △バトミントン △キヤツチボール【ソフトボール】 △ボール距離投 バスケツトボール ソフトボール スポンジボール △ポテトレース |
△片脚各方挙(平均) 後転【マツト】 △高障碍跨越 △練習用固定自転車 水泳 △パス【ヴアレーボール】 △キヤツチボール【ソフトボール】 △バツテイング【ソフトボール】 △上(前、側、後)方跳 |
5 |
△走 △長距離(=耐久)歩 △バトミントン △フツトベースボール △足切り |
腕立伏臥腕屈伸脚挙上 △自転車 △ボール正確投【スポンジボール】 △パス【ヴアレーボール】 △スプーンレース |
窓梯通過 △足尖(踵)歩 △四肢体屈伸【ローウイングマシン】 △ボール正確投【スポンジボール】 △自転車 △走 △ドツジボール |
6 |
△疾走間方向変換 △テニス △ソフトボール △自転車 |
△パス【ラグビーボール】 △ソフトボール △リレーレース △テニス |
懸垂【鉄棒】 △ヴアレーボール △ソフトボール △疾走間方向変換 △支持倒立【肋木】 |
練習上の障害別考慮 |
特に、結核性諸症に於ける如く、再発の危険のあるものや、筋萎縮症によくみられる進行性のもの等にあつては、悪化の虞れがないように医学的の注意を十分に払うことが必要である。 |
練習上の一般的注意
一 取扱の上で体操療法と遊戯療法(Play therapy)に分けることができる。両者の特長としては、前者は解剖学や生理学等の基礎の上に成立つもので、医学の立場からこれを選択し、配列し、且つ運営するもので論理的には極めて有効妥当であるが、比較的興味が起りにくいといわれているのに対し、後者は遊戯競技の形式をとるために、勝敗の興奮やリズムの快感などを必然的に伴うので、努力感少くして、強度且つ大量の運動を遂行し得ると考えられている。
二 練習時間は毎日一時間を標準とし、時間割上の配置としては午前の終りか、午後の終りなどがよい。若し、一週三時間の場合は隔日に一時間行うよりは一般に毎日三○分ずつの方がよい。一週一回位二―三時間連続に野外で歩行練習などを必要とすることがある。
三 体操は屋内のもの、屋外のもの共に必要である。遊泳池も設けたい。
四 各人のカリキユラムはその個人に応じ、凡そ全期間の予定計画を定め、更に別に「体操処方票」のようなものを以て進めていくとよい。
五 運動療法効果を評価するために、(1)機能恢復測定として筋の力性、関節の柔軟度、筋神経の共応度、(2)全身の綜合体力測定として走(歩)跳、投、懸垂等を行うことが必要である。
六 運動療法のみならず療法関係者全員の定期連絡打合会を毎週一回位開くことが必要である。
別紙B
別紙C
別紙D