アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○境界層該当者の取扱いについて

(平成一二年七月一四日)

(社援保第四四号)

(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長民生主管部(局)長あて厚生省社会・援護局保護課長通知)

介護保険法施行令(平成一〇年政令第四一二号)第二二条の二第五項第二号及び第六項の規定が適用される要保護者、同令第二九条の二第五項第二号及び第六項の規定が適用される要保護者、同令第三八条第一項第一号イ(二)及びハ、同項第二号ロ、同項第三号ロ及び同項第四号ロ又は施行令第三九条第一項第一号イ(二)及びハ、同項第二号ロ、同項第三号ロ、同項第四号ロ及び同項第五号ロの規定が適用される要保護者、介護保険法施行規則(平成一一年省令第三六号)第七九条の二第二号に掲げる要保護者、同規則(平成一一年省令第三六号)第一一三条の第四号に規定する要保護者、同規則第一七一条の二第一項において準用する施行規則第七九条の二第二号に掲げる要保護者(以下「境界層該当者」という。)の取り扱いについては、今般、「境界層措置の運用の詳細について」(平成一二年七月一四日老介第九号老人保健福祉局介護保険課長通知)により都道府県市あて示されたところであるが、福祉事務所における具体的な取り扱いは、左記のとおりであるので、よろしくお取り計らい願いたい。

一 基本的な取扱い

(一) 境界層該当者と境界層該当措置について

以下の各号に掲げる者については、保険者により、次表で定める区分に応じた境界層措置がなされることとされているため、保護を要しないこと。

ア 要保護者であって、給付減額等の記載(介護保険法第六九条第一項に規定する給付減額等の記載をいう。)を受けないとしたならば保護を必要としない状態となるもの

イ その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が指定施設サービス等(介護保険法第四八条に規定する指定施設サービス等をいう。)を受ける日の属する月において要保護者である者であって、当該指定施設サービス等に係る標準負担額(介護保険法第四八条第二項第二号に規定する標準負担額をいう。)が一日につき「五百円」又は「三百円」に減額されたとすれば、保護を必要としない状態となるもの

ウ その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が指定介護福祉施設サービスを受ける日の属する月において要保護者である者であって、当該指定施設サービス等に係る特定標準負担額(介護保険法施行法第一三条第四項第二号に規定する特定標準負担額をいう。)が一日につき「五百円」又は「三百円」(厚生省告示第六四号に規定する三〇〇円未満の額にあっては、当該額)」に減額されたとすれば、保護を必要としない状態となるもの

エ その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が居宅サービス等(介護保険法第二二条の二第一項で規定する居宅サービス等をいう。以下同じ。)があった月において要保護者である者であって、利用者負担世帯合算額(介護保険法施行令第二二条の二第二項で規定する利用者負担世帯合算額をいう。以下同じ。)を「二万四千六百円」又は「一万五千円」と読み替えて高額介護サービス費(介護保険法第五一条で規定する高額介護サービス費をいう。)が適用されたならば保護を必要としない状態となるもの

ウ その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が居宅サービス等があった月において要保護者である者であって、利用者負担世帯合算額を「二万四千六百円」又は「一万五千円」と読み替えて高額居宅支援サービス費(介護保険法第六一条に規定する高額居宅支援サービス費をいう。)が適用されたならば保護を必要としない状態となるもの

オ 要保護者であってその者に課される保険料額について、介護保険法施行令第三八条第一項第一号イ(二)若しくはハ、同項第二号ロ、同項第三号ロ若しくは同項第四号ロ又は施行令第三九条第一項第一号イ(二)若しくはハ、同項第二号ロ、同項第三号ロ、同項第四号ロ若しくは同項第五号ロの規定に基づき、より低い標準割合(四分の二、四分の三、四分の四若しくは四分の五又は同条第一号から第五号までの規定による割合を基準として市町村が条例で定めた割合)が適用されたならば保護を必要としない状態となるもの

区分

境界層該当措置

アに掲げる者

(ア)

給付減額等の記載(介護保険法第六九条第一項に規定する給付減額等の記載をいう。)が行われない。

イに掲げる者

(イ)

指定施設サービス等に係る標準負担額(介護保険法第四八条第二項第二号に規定する標準負担額をいう。以下同じ。)が保護を必要としなくなるまで、一日につき「五百円」又は「三百円」に減額される。

ウに掲げる者

(ウ)

指定施設サービス等に係る特定標準負担額(介護保険法施行法第一三条第四項第二号に規定する特定標準負担額をいう。以下同じ。)が保護を必要としなくなるまで、一日につき「五百円」又は「三百円(厚生省告示第六四号に規定する三〇〇円未満の額にあっては、当該額)」に減額される。

エに掲げる者

(エ)

保護を必要としなくなるまで、利用者負担世帯合算額(介護保険法施行令第二二条二第二項で規定する利用者負担世帯合算額をいう。以下同じ。)を「二万四千六百円」又は「一万五千円」と読み替えて高額介護サービス費(介護保険法第五一条で規定する高額介護サービス費をいう。以下同じ。)が適用される。

オに掲げる者

(オ)

保護を必要としなくなるまで、利用者負担世帯合算額を「二万四千六百円」又は「一万五千円」と読み替えて高額居宅支援サービス費(介護保険法第六一条に規定する高額居宅支援サービス費をいう。以下同じ。)が適用される。

カに掲げる者

(カ)

保険料額について、保護を必要としなくなるまで、介護保険法施行令第三八条第一項第一号イ(二)若しくはハ、同項第二号ロ、同項第三号ロ若しくは同項第四号ロ又は施行令第三九条第一項第一号イ(二)若しくはハ、同項第二号ロ、同項第三号ロ、同項第四号ロ若しくは同項第五号ロの規定に基づき、より低い標準割合(四分の二、四分の三、四分の四若しくは四分の五又は同条第一号から第五号までの規定による割合を基準として市町村が条例で定めた割合)が適用される。

(二) 境界層措置の優先順位について

境界層措置の優先順位については、老人保健福祉局介護保険課により、上表の①(ア)、②(イ)又は(ウ)、③(エ)又は(オ)、④(カ)の順に優先して講ずべきものとされていること。

二 境界層該当者に対する証明書等の交付

境界層措置は保険者が行うものであるが、福祉事務所長は、保護の申請に応じ、保護開始時の要否判定を行った結果、境界層該当者であることが明らかになった場合又は保護を受けている者が境界層該当者に該当する場合、別添の証明書及び添付書類(以下「証明書等」という。以下同じ)を境界層該当者に交付するものとし、その際、保険者に対する境界層該当措置の申請に当たっては当該証明書等を添えて提出するよう教示すること。

三 証明書等の記載

(一) 境界層該当証明書

境界層該当証明書には以下の事項を記載すること。

ア 却下に係る申請日又は保護廃止日

当該者に係る処分が却下の場合には、却下に係る申請日を、保護廃止の場合には、保護廃止日を記載すること。

イ 保護を要しない理由

境界層該当措置により何円以上の減額がなされれば、保護を要さないかを記載すること。

(二) 添付書類

境界層措置は、表中の(一)~(四)の順で講ぜられることとなるので、証明書に記載された額から、その額が〇円以下になるまで、以下の(ア)~(ケ)に掲げる額のうち境界層措置がなされる以前に自己負担していた額を(ア)~(ケ)の順に減じることとし、その減じた額を表中の(一)~(四)の「減額される自己負担(月額)」にそれぞれ記載すること。

したがって、表中の「減額される自己負担(月額)合計」には、証明書に記載された額以上の額であって、境界層措置により減額可能な必要最小限の額を記載することとなる。

(ア) 介護サービス費合計額(介護保険法施行令第二二条の二第一項に規定する介護サービス費合計額をいう。)の三割の額から介護サービス費合計額の一割の額(介護サービス費合計額の一割の額が三七二〇〇円以上の場合には三七二〇〇円)を減じて得た額

(イ) 標準負担額又は特定標準負担額の「七八〇円」にその月の日数を乗じた額から標準負担額又は特定標準負担額の「五〇〇円」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

(ウ) 標準負担額又は特定標準負担額の「五〇〇円」にその月の日数を乗じた額から標準負担額又は特定標準負担額の「三〇〇円(厚生省告示第六四号に規定する三〇〇円未満の額にあっては、当該額)」にその月の日数を乗じた額を減じて得た額

(エ) 利用者負担世帯合算額の「三七二〇〇円」から「二四六〇〇円」を減じて得た額

(オ) 利用者負担世帯合算額の「二四六〇〇円」から「一五〇〇〇円」を減じて得た額

(カ) 基準額に標準割合の「6/4」を乗じた額から基準額に標準割合の「5/4」を乗じた額を減じて得た額

(キ) 基準額に標準割合の「5/4」を乗じた額から基準額に標準割合の「4/4」を乗じた額を減じて得た額

(ク) 基準額に標準割合の「4/4」を乗じた額から基準額に標準割合の「3/4」を乗じた額を減じて得た額

(ケ) 基準額に標準割合の「3/4」を乗じた額から基準額に標準割合の「2/4」を乗じた額を減じて得た額

※ (カ)~(ケ)については、介護保険料の標準割合が五段階設定の場合である。

[様式ダウンロード]

四 境界層該当者に対する保護廃止の際の留意点

一の各号に該当することにより保護を廃止する場合は、生活保護法による介護扶助が現物給付であるのに対し、高額介護サービス費等の支給が償還払により行われることなどから、生活福祉資金の療養・介護資金等の融資制度を含めた他法他施策の活用あつせん等によりその円滑な移行について十分配慮すること。

(別添)