添付一覧
○介護保険の適用除外者に係る情報提供について
(平成一二年三月二八日)
(障障第一〇号・社援保第一二号)
(各都道府県・各指定都市・各中核市民生主管(部)局長あて厚生省大臣官房障害保健福祉部障害福祉課長・厚生省社会・援護局保護課長通知)
平成一二年四月一日より施行される介護保険法(平成九年法律第一二三号)においては、原則として六五歳以上の者はその住所地の市町村の第一号被保険者となるものであるが、例外的に身体障害者療護施設その他の施設(以下「適用除外施設」という。)の入所者については、介護保険法施行法(平成九年法律第一二四号。以下「施行法」という。)第一一条第一項及び介護保険法施行規則(平成一一年厚生省令第三六号。以下「施行規則」という。)第一七〇条の規定により、当分の間、介護保険の被保険者とならないこととなる。
したがって、各市町村の介護保険担当部局においては、保険料の適正な賦課等のために、当該市町村に住所を有する六五歳以上の者であって、施行法第一一条第一項及び施行規則第一七〇条の規定により介護保険の被保険者とならないもの(以下「適用除外者」という。)を的確に把握する必要がある。
しかしながら、この適用除外者に関する情報は、市町村の介護保険担当部局だけでその全てを把握することが困難であり、施設入所の措置等を行っている都道府県又は市町村の担当部局(以下「措置部局」という。)からの情報提供が必要となる場合がある。また、措置部局において、適用除外者に対し、介護保険の被保険者とならないこと等について周知をしていただく必要があると考えている。
このため、貴職におかれては、左記に従って当該情報提供等について御協力をいただくとともに、管下の市町村及び適用除外施設に対し周知方お願いする。
なお、四〇歳以上六五歳未満の者については、当該者が加入している医療保険者において介護保険の第二号被保険者としての把握・管理を行う必要があるため、入所者に対し、医療保険者への届け出等が必要であること、当該届け出等についての照会は医療保険者に対して行うことの周知方お願いする。また、医療保険者から措置部局や適用除外施設に対して、入所者に係る照会等があった場合には、当該照会等に対して必要な協力をいただくとともに、管下の市町村及び適用除外施設に対し周知方お願いする。
なお、本通知については厚生省介護保険制度施行準備室と協議済みであることを申し添える。
記
第一 適用除外者の範囲及び措置部局
適用除外者は、施行法第一一条第一項及び施行規則第一七〇条により、以下のとおり規定されている。措置部局は、一については各市町村の障害者福祉担当部局、二及び三については各都道府県、指定都市又は中核市の障害者福祉担当部局、四及び六については各福祉事務所である(五については、本通知の対象外であり、別途関係局から通知される予定である)。
一 身体障害者福祉法(昭和二四年法律第二八三号)第一八条第四項第三号の規定により同法第三〇条に規定する身体障害者療護施設に入所しているもの
二 児童福祉法(昭和二二年法律第一六四号)第四三条の四に規定する重症心身障害児施設に入所しているもの
三 児童福祉法第二七条第二項の厚生大臣が指定する医療機関(当該指定に係る治療等を行う病棟に限る。)に入院しているもの
四 心身障害者福祉協会法(昭和四五年法律第四四号)第一七条第一項第一号に規定する福祉施設に入所しているもの
五 国立及び国立以外のハンセン病療養所に入所しているもの
六 生活保護法(昭和二五年法律第一四四号)第三八条第一項第一号に規定する救護施設に入所しているもの
第二 措置部局による適用除外者に係る情報の提供について
一 介護保険法施行前の当初の情報提供について
措置部局は、平成一二年四月一日現在で六五歳以上である入所者について、以下の表に従い、①~⑦の情報を、表の情報提供先の市町村介護保険担当部局に提供するものとする。
情報提供先 |
情報提供時期 |
当該者の住所地 |
直ちに |
① 氏名
② 生年月日
③ 性別
④ 住所
⑤ 適用除外施設の名称
⑥ 適用除外施設の所在地
⑦ 適用除外施設の種類
二 一の情報提供後、平成一二年三月三一日までの情報提供について
措置部局は、一の情報提供を行った後、平成一二年三月三一日までの間に、四月一日時点で六五歳以上であるものについて、以下の表の情報提供の契機が生じるごとに、①~⑧の情報を、表の情報提供先の市町村介護保険担当部局に提供するものとする。
情報提供の契機 |
情報提供先 |
情報提供時期 |
⑧の情報提供の理由 |
(イ) 四月一日時点で六五歳以上である者が施設に入所したとき |
入所後の住所地 |
施設入所後、直ちに |
入所 |
(ロ) 四月一日時点で六五歳以上である者が施設を退所したとき |
退所前の住所地 |
施設退所後、直ちに |
退所 |
(ハ) 施設入所中に異なる市町村間で住所異動があったとき |
異動先の住所地 |
住所異動後、直ちに |
転入 |
※ 施設入所後に住所を施設所在地に異動する場合には、まず(イ)の情報提供をおこなったあと、改めて住所異動後に(ハ)の情報提供を行う。
ただし、施設入所時点の住所と四月一日時点の住所が異なることが明らかな場合については、(イ)の情報提供を、入所時点の住所ではなく四月一日時点の住所(の予定地)のみに行うことも可能とする。
① 氏名
② 生年月日
③ 性別
④ 住所
⑤ 適用除外施設の名称
⑥ 適用除外施設の所在地
⑦ 適用除外施設の種類
⑧ 情報提供の理由
三 平成一二年四月一日以降の情報提供について
措置部局は、以下の表の情報提供の契機が生じるごとに、①~⑨の情報を、表の情報提供先の市町村介護保険担当部局に提供するものとする。
情報提供の契機 |
情報提供先 |
情報提供時期 |
⑨の情報提供の理由 |
(イ) 六五歳以上の者が施設に入所したとき |
入所後の住所地 |
施設入所後、直ちに |
入所 |
(ロ) 施設入所者が六五歳に到達したとき |
六五歳到達時の住所地 |
六五歳到達の一箇月前まで |
六五歳到達 |
(ハ) 適用除外者の施設入所中に異なる市町村間で住所異動があったとき |
異動先の住所地 |
住所異動後、直ちに |
転入 |
(ニ) 適用除外者が施設を退所したとき |
退所前の住所地 |
施設退所後、直ちに |
退所 |
※ 施設入所後に住所を施設所在地に異動する場合には、まず(イ)の情報提供をおこなったあと、改めて住所異動後に(ハ)の情報提供を行う。
① 氏名
② 生年月日
③ 性別
④ 住所
⑤ 適用除外施設の名称
⑥ 適用除外施設の所在地
⑦ 適用除外施設の種類
⑧ 入所、六五歳到達、転入又は退所の年月日
⑨ 情報提供の理由
四 情報提供に使用する様式について
市町村の介護保険担当部局への情報提供に際しては、原則として別紙一の様式を使用するものとする。
五 適用除外施設からの情報提供について
適用除外者が異なる市町村間で住所異動をした場合については、措置部局だけでは情報を把握しきれない場合も想定されるので、適用除外施設は施設入所者の住民票の異動の状況を把握するよう努めるとともに、把握した場合には、措置部局に対して適切に情報提供を行うものとすること。
第三 適用除外者等に対する介護保険制度に関する説明等
一 適用除外者等に対する説明
措置部局は、直接又は適用除外施設を通じ、適用除外者又は保護者に対して、以下の事項について説明を行うものとする。なお、必要に応じて、別紙二の説明書を活用されたい。
(一) 当該施設に入所している間は、介護保険法が適用されないため、介護保険の被保険者とはならず、介護保険料を納める必要がないこと。
(二) 六五歳以上の者及び介護保険の被保険者証の交付を受けている四〇歳以上六五歳未満の者については、当該施設に入所する場合に、施行規則第三二条の規定に基づき、入所前の住所地市町村の介護保険担当部局に対し、入所の日から一四日以内に被保険者資格の喪失の届け出を行うことが必要であること。
(三) 六五歳以上の者が当該施設を退所する場合(他の適用除外施設に入院又は入所する場合を除く)、施行規則第一七一条の規定に基づき、退所後の住所地市町村の介護保険担当部局に対し、退所の日から一四日以内に介護保険の第一号被保険者の資格の取得の届け出を行うことが必要であること。
(四) 四〇歳以上六五歳未満の者については、当該者が加入している医療保険者において介護保険の第二号被保険者としての把握・管理を行う必要があるため、医療保険者への届け出等が必要であること。当該届け出等についての照会は医療保険者に対して行うこと。
二 適用除外者の届け出に係る便宜
(一) 措置部局は、適用除外者の第三の一(二)の届け出について、適用除外施設に対し、届け出が必要であることの周知等必要な便宜を図るよう協力を依頼するものとする。
(二) 措置部局又は適用除外施設は、過去に適用除外施設に入所していたが住所地市町村の介護保険担当部局において適用除外者である旨を把握できていなかった者が、退所後、住所地市町村に対して過去適用除外者であったことを証明するための文書を求めてきたときには、入所期間等を明らかにした証明書(原則として別紙三の様式を使用)を当該者に対し交付するものとする。
別紙1
別紙二
介護保険における適用除外制度について
介護保険制度においては、原則として四〇歳以上の方が被保険者となりますが、当施設(病棟)に入所されている方については、介護保険の被保険者とならないこととなっております。したがって、当施設(病棟)に入所されている六五歳以上の方については、通常であれば支払うこととなる介護保険料を支払う必要がありません。ただし、当施設(病棟)に入所されている方についての情報を市町村が正しく把握していない場合には、誤って介護保険料が年金から天引きされてしまう等の問題が生ずることが考えられます。したがって、市町村が情報を正しく把握するために、当施設(病棟)に入所されている方におかれては、次の場合に必要な届け出を市町村に対して行う必要があります。
まず、六五歳以上の方が当施設(病棟)に入所される場合には、入所時に住民票がある市町村に対し、介護保険の適用を受けなくなった旨の届け出を行う法的な義務があります。なお、四〇歳以上六五歳未満の方でも、介護保険の被保険者証の交付を既に受けておられる方については、この届け出を行う必要があります。
また、六五歳以上の方が当施設(病棟)を退所されるときにも、退所時に住民票がある市町村に対し、介護保険の適用を受けることとなった旨の届け出を行う法的な義務があります。この届け出をしない場合、退所後に必要な介護保険の給付が速やかに受けられない場合があります。
なお、当施設(病棟)に入所されている方の住民票がある市町村に対する必要な情報提供は、当施設においても行うこととしております。つきましては、当施設(病棟)に入所中に住民票を移される場合には、その旨を教えて下さるよう、お願いいたします。
その他、四〇歳以上六五歳未満の方については、加入されている医療保険者において、介護保険の被保険者としての把握・管理を行うこととなっておりますので、加入されている医療保険者に対する届け出などが必要となります。この手続きについては、それぞれ加入されている医療保険者に照会いただくようお願いいたします。なお、当施設(病棟)に入所されている方について医療保険者から当施設に対して照会があった場合には原則としてそれに応ずることとしております。
ご協力とご理解をお願いいたします。
別紙3