○入所者処遇特別加算費の取扱について
(平成2年6月18日)
(社施第86号)
(各都道府県知事・各中核市市長あて厚生省大臣官房老人保健福祉部長・厚生省社会局長通知)
高齢化社会の到来等に対応して、高齢者等によるきめ細かな入所者サービスを図るため、今般、別紙のとおり「入所者処遇特別加算制度実施要綱」を定め平成2年度から実施することとしたので、管下社会福祉施設(児童家庭局所管施設を除く)及び関係機関に対し周知徹底のうえ事務処理に遺憾のないようされたい。
別紙
入所者処遇特別加算制度実施要綱
1 目的
高齢化社会の到来等に対応して、社会福祉施設においても高齢者等ができるだけ働きやすい条件の整備を図り、また、高齢者等によるきめ細かな入所者サービスの向上を図るため、施設業務の中で比較的高齢者等に適した業務について高齢者等を非常勤職員として雇用した場合に加算し、入所者処遇の一層の向上を図るものである。
2 「高齢者等」の範囲
「高齢者等」の範囲は、次に掲げる者とすること。
(1) 当該年度の4月1日現在または、その年度の途中で雇用する場合はその雇用する時点において原則として満60歳以上65歳未満の者
(2) 身体障害者(身体障害者福祉法に規定する身体障害者手帳を所持している者)
(3) 知的障害者(知的障害者更生相談所、児童相談所等において知的障害者と判定された者で、都道府県知事が発行する療育手帳または判定書を所持している者)
(4) 母子家庭の母及び寡婦(母子及び寡婦福祉法に規定する母子家庭の母及び寡婦)
3 「高齢者等」が行う業務の内容
高齢者等の身体的、精神的な状況等に適した業務であって、入所者処遇上効果的な業務内容とする。
例示すれば
(1) 入所者との話し相手、相談相手
(2) 身の回りの世話(爪切り、髭剃り、洗面等)
(3) 通院、買い物、散歩の付き添い
(4) クラブ活動の指導
(5) 給食のあとかたづけ
(6) 喫食の介助
(7) 洗濯、清掃等の業務
(8) その他高齢者等に適した業務
4 加算対象職員等の要件
加算の対象となる職員は、次に掲げる要件を満たしていること。
(1) 「高齢者等」を職員配置基準以外に非常勤職員として雇用する場合であって、当該年度中における「高齢者等」の総雇用人員の累積年間総雇用時間が400時間以上見込まれること。
なお、非常勤職員であってもその勤務形態が民間施設給与等改善費の加算率の算定の対象となる職員は対象とならないこと。
また、「特定就職困難者雇用開発助成金」等を受けている施設(受ける予定の施設を含む。)でその補助の対象となる職員は対象とならないこと。
(2) 職員配置数については、次に示す措置費国庫負担交付基準の取扱い通知の職員配置基準表に定める基準を充足していること。
・生活保護費負担金
・身体障害者福祉費補助金
・身体障害者保護費負担金
・婦人保護施設運営費補助金
・一時保護所保護費負担金
(3) 職員配置基準上、一部非常勤となっている調理員等の非常勤職員、「救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する最低基準の施行について」(昭和41年12月15日社施第335号厚生省社会局長通知)等の「職員配置に関する事項」に示してある非常勤職員は今回の加算対象とならないこと。
(4) 雇用形態は、通年が望ましいが、短期間でも雇用予定がはっきりしていて、入所者処遇の向上が期待される場合には、この加算対象としても差し支えないこと。
5 加算の方法等
(1) 加算の認定
都道府県知事(指定都市及び中核市の市長を含む。以下同じ。)は、加算の認定を受けようとする施設から別紙様式1を参考とした申請書を毎年12月末までに提出させ当該施設の申請内容について必要な審査を行い、必要と認めた場合には別紙様式2を参考とした認定書を当該施設に速やかに通知し、次の方法により加算すること。
ア 算定の時期は、毎年度4月から11月までの実績、12月から3月までの雇用計画を元に3月1日現在の被措置者に加算すること。
イ 母子家庭の母及び寡婦の確認は、福祉事務所等において行うこと。
ウ 労働省の「特定就職困難者雇用開発助成金」等を受けている施設(受ける予定の施設を含む。)においては、その算定の対象とされる者の雇用時間数は次の(2)の表の年間総雇用時間数に算入しないこと。
(2) 認定額等の支弁及び算出方法
この加算額は、3月に支弁する事務費等の加算分として支弁するものとし、認定額等は、次の算式により算出すること。
加算の単価
単価=加算単価÷その施設の3月初日の定員(10円未満四捨五入)
別添
年間総雇用時間数 |
1施設当たり加算額(年額) |
400時間以上 |
円 435,000 |
800時間以上 |
円 726,000 |
1,200時間以上 |
円 1,016,000 |
6 報告等
(1) 本加算を行った施設は、翌年4月末日までに別紙様式1を参考とした実績報告書を都道府県知事に提出すること。なお、次年度以降の加算の認定に当たっては、その実績報告書を参考に決定すること。
(2) 都道府県知事は、本加算を行った施設について、監査時等に検証を行うこと。
(3) 都道府県知事は平成7年までの間、本事業を認定した場合は、毎年6月末日までに別紙様式3の認定結果報告書を本職(各施設所管課)あて提出すること。
別紙様式1
別紙様式2
別紙様式3