添付一覧
○生活保護法により特別基準が設定されたものとして取扱う費用の認定手続について
(昭和四四年三月二九日)
(社保第七六号)
(厚生省社会局長から各都道府県知事・各指定都市市長あて通知)
標記については、被保護者の必要に即応するため迅速な事務処理を行なう必要があるので、昭和三八年四月一日厚生省告示第一五八号生活保護法による保護の基準並びに昭和三八年四月一日社発第二四六号本職通知「生活保護法による保護の実施要領について」(以下「保護の実施要領」という。)及び昭和三六年九月三〇日社発第七二七号本職通知「生活保護法による医療扶助の運営要領」(以下「医療扶助運営要領」という。)に定めるところによるほか、次によることとしたので、保護の実施上十分に留意のうえ、管下実施機関の指導にあたられたい。
1 保護の実施要領第六の2の(9)のアの(ア)による配電設備費又は同第六の2の(9)のイの(ア)による水道、井戸若しくは下水道設備費については、保護の実施要領第六の2の(9)のアの(ア)又は同第六の2の(9)のイの(ア)による限度額の定めにかかわらず、当分の間、当該限度額を超えるものについて、都道府県知事(地方自治法第二五二条の一九第一項の指定都市の市長を含む。以下同じ。)が必要と認めて承認した場合は、それぞれの費用ごとに一世帯当たり同第六の4の(2)のイによる限度額の範囲内において特別基準の設定があったものとして取り扱って差しつかえないこと。
2 保護の実施要領第六の7の(2)の技能修得費について、保護の実施要領第六の7の(2)のウによる限度額を超えて費用を必要とする特別な事情があると認められ、都道府県知事が承認した場合は、当分の間、保護の実施要領第六の7の(2)のウによる限度額の定めにかかわらず、二二万円の範囲内において特別基準の設定があったものとして取り扱って差しつかえないこと。
この場合、給付にあたっては、必要と認められる最小限度の額を確認の上、その都度分割して給付するものとすること。
3 保護の実施要領第六の2の(6)による家具什器費について、保護の実施要領第六の2の(6)による限度額を超えて費用を必要とする特別な事情があると認められ、都道府県知事が承認した場合は、必要かつ最小限度の額について当分の間、当該限度額の定めにかかわらず七万円の範囲内において特別基準の設定があったものとして取り扱って差しつかえないこと。
4 臨時的最低生活費(一時扶助費)については、保護の実施要領第六の2の(5)から(6)までに定めるほか、次によるものとする。
(1) 医療機関、職業能力開発校、社会福祉施設等に入院入所している単身の被保護者でやむを得ない事情により、家財を自家以外の場所に保管してもらう必要があり、かつそのための経費を他からの援助等で賄うことのできないものについては、入院入所(入院入所後に被保護者になったときは、被保護者になった時。以下同じ。)後一年間を限度として月額一万三〇〇〇円の額を特別基準の設定があったものとして認定して差し支えないこと。ただし、明らかに入院入所後一年以上の入院加療、入所による指導訓練を必要とする者についてはこの限りではない。
なお、入院入所後において保護の実施要領第六の4の(1)のエの(ア)により住宅費が認定されている場合には、一二か月から当該住宅費を認定した月数を差し引いた月数の範囲において認定すること。
(2) 借家等に居住する単身の被保護者が医療機関、職業能力開発校又は社会福祉施設等に入院入所し、入院入所見込期間(入院入所後に被保護者となったときは、被保護者になった時から)が六か月を超えることにより真に家財の処分が必要な場合で、敷金の返還金、他からの援助等によりそのための経費を賄うことができないものについては、家財の処分に必要な最小限度の額を特別基準の設定があったものとして認定して差し支えないこと。
(3) 妊娠した被保護者が、妊娠期間中(妊娠後に被保護者となったときは、被保護者になった時以降。)保健所において行われる妊婦の健康診査事業を利用することができず、医療機関において定期検診を受ける場合は、公費負担により受診する場合を除き、特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えない。
5 保護の実施要領第六の2の(4)のイの基準生活費について、保護の実施要領第六の2の(4)のイによる限度額を超えて費用を必要とする特別な事情があると認められ、都道府県知事が承認した場合は、必要かつ最小限度の額について当該限度額の定めにかかわらず次に掲げるところにより、加算した額の範囲内において特別基準の設定があったものとして取り扱って差し支えない。
(1) 慢性疾患並びに特定の薬剤、治療材料等及びその価格(昭和五六年五月厚生省告示第九八号)別表三に定める特別食を必要とする場合 月額 九三〇〇円
(2) 健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法(昭和三三年六月厚生省告示第一七七号)別表第一診療報酬点数表(甲)、別表第二歯科診療報酬点数表、別表第四診療報酬点数表(乙)に定める主として入院患者の給食用に用いられることを目的とする食品であって、厚生大臣が指定した検査機関において調理加工後の栄養成分が分析されていて、かつ、当該栄養成分分析値が保たれている食品を給与することが必要と認められる場合
月額 四八〇〇円
6 医療扶助運営要領第三の6の(3)のアの(ウ)に基づき、同(ア)に掲げるもの以外の材料について、それを治療の一環として必要とする真にやむを得ない事由が認められることにより当該材料について特別基準の設定があったものとして取り扱うことを都道府県知事が承認する場合は、一件当たり二万五〇〇〇円以内のものに限ること。
ただし、吸引器及びネブライザー(噴霧薬液吸入器)については、二万五〇〇〇円を超える場合であっても、必要と認められる最小限度の額を承認して差しつかえないこと。この場合、給付の方法については現物給付に限ること。
7 1、2、3、4、5又は6の取扱いに関し、1、2、3、4又は5のそれぞれに掲げる限度額を超えて特別基準の設定を必要とする場合は、厚生大臣に対して特別基準の設定申請をすること。また、当該限度額以下の金額であっても都道府県知事において要否の判定が困難なものについては、当局に協議するものとすること。