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○生活保護法による医療扶助運営要領について

(昭和36年9月30日)

(社発第727号)

(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生省社会局長通知)

注 本通知は、平成13年3月27日社援発第518号により、地方自治法第245条の9第1項及び第3項の規定に基づく処理基準とされている。

標記については、昭和33年7月3日社発第424号本職通知を全面改正して新たに次のとおり定めたので、今後はこの運営要領により医療扶助の実施に万全を期されたい。

なお、今回の全面改正の要旨は、別紙のとおりである。

医療扶助運営要領

目次

第1 医療扶助運営方針

第2 医療扶助運営体制

第3 医療扶助実施方式

第4 医療扶助指定機関

第5 診療報酬の審査および支払

第6 指導および検査

第7 精神医療取扱要領

第8 施行期日等

第1 医療扶助運営方針

1 この運営要領は、生活保護法(第4の2及び3を除き、以下「法」という。)による医療扶助の適正な実施を図るため、都道府県知事(指定都市及び中核市の市長を含む。第7を除き、以下同じ。)、実施機関等の行なうべき事務を規定するとともに、事務処理の要領を示したものであって、都道府県知事、実施機関等は、医療扶助の実施に際して、生活保護に関する法令、告示および通知に基づくほか、この運営要領によって事務を処理し、もって適正かつ円滑な実施を期すること。

2 生活保護制度は、国民の最低生活保障の最終の拠り所としての役割を果たしているものであるが、疾病が貧困の主たる原因の一つとなっている現状にかんがみて、特に、医療扶助の実施については、ひとり医療扶助の見地のみならず、生活保護全般の見地から、制度の基本原理および原則に基づき公正妥当な取扱いを行なうよう留意すること。

3 医療扶助の実施にあたって、便宜上、社会保険等の他制度に準じて取扱いをしている点があるが、生活保護制度は、国民の最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、かつ、これをこえないものでなければならないという原則において、他制度と基本的な差異があることに留意して、実施の適正を期すること。

4 医療扶助関係事務を円滑適確に遂行できるよう、その事務体制の確立に万全を期するとともに、その事務処理にあたっては、関係機関相互の緊密な協力提携に留意すること。

5 医療扶助の実施にあたっては、福祉事務所と被保護者との関係のほか、医療扶助の特質から、指定医療機関等との関係が必然かつひん繁に生ずるが、これらの関係が相互信頼の基礎の上に立たない限り、到底医療扶助の適正な実施を確保することができないので、被保護者および指定医療機関等に対して、十分な指導、連絡または協力依頼を行なうこと。

6 この運営要領の内容は、全国統一的事務処理の関係から厳格に守られることが要請されるが、実施機関の問題および各種様式(各給付券の様式並びに治療材料費及び施術料の請求明細書の様式の全部並びにその他の様式中の指定医療機関等の記載にかかる部分を除く。)の採用等については、この運営要領を基として都道府県(指定都市及び中核市を含む。第3の4の(6)及び第7を除き、以下同じ。)又は実施機関等の実情に即して、適宜実施して差しつかえないので、いたずらに機械的実施に陥ることなく、創意工夫と良識を生かして事務処理の万全を期すること。

第2 医療扶助運営体制

医療扶助関係事務を円滑かつ適切に実施できるよう、次の運営体制を標準として、その事務処理体制を整備すること。

1 都道府県、指定都市及び中核市の本庁関係

(1) 医療係

都道府県本庁(指定都市及び中核市にあっては市本庁とする。以下同じ。)主管課においては、専任の医療係を設置し、または医療扶助事務主任者を置く等万全の体制を整えること。

医療係等の行なうべき事務は、おおむね別紙第1号の1の(1)のとおりであるが、(2)に規定する医系職員、精神科嘱託医、他の係員または他の関係部課と密接な連絡を図らしめ、医療扶助の実施に遺漏のないよう留意せしめること。

(2) 医系職員

都道府県本庁主管課においては、専任の医系職員(医師等、医療に関する専門的な知識を有する職員をいう。以下同じ。)1名以上を配置すること。

医系職員の行なうべき事務の主なものは、おおむね別紙第1号の1の(2)のとおりであるが、これらのほか生活保護実施面においては医療関係の専門的判断を要する場合も少なくないので、医療係はもとより、他の関係係員等と緊密な連けいを図らしめるほか、生活保護実施上の問題点につき積極的な指導助言を行なうよう留意せしめるとともに、医療関係面につき、他の関係部課および関係機関等との密接な連絡協調につき配意せしめること。

(3) 精神科嘱託医

医系職員の行なうべき事務のうち、精神科医療に関する事務を行なわせるため、適当な精神科専門医を1名以上嘱託医として委嘱すること。

(4) 医療扶助に関する審議会(以下、「医療扶助審議会」という。)

都道府県本庁においては、知事の医療扶助その他保護の決定実施にあたっての医学的判断等を的確に行うことのできる体制を確保すること。また、これらの医学的判断その他医療扶助に関する諮問に答えるため等の附属機関として、医療扶助審議会を設置することが望ましい。

なお、その構成および運営等については、次の基準を参考とすること。

ア 審議事項

(ア) 結核入院要否判定

(イ) 精神疾患入院要否判定

(ウ) 結核、精神疾患以外の傷病による入院要否の判定

(エ) 訪問看護の要否判定

(オ) 在宅患者加算等各種給付の要否の判定

(カ) 医療扶助の適正実施に関して参考意見を述べること等その他必要と認められるもの

イ 構成

医療扶助審議会の委員として、国立病院、国立療養所および民間指定医療機関の医師、保健所長、都道府県民生部(局)の医系職員等のうちから適当な者を選任する。

ウ 審議

前記アにより諮問を受けた医療扶助審議会は、患者の病状及び療養状況等の全経過等を踏まえ総合的な検討を行うとともに、医療扶助の本則に基づき公正妥当な答申を行う。

なお、審議にあたっては、その経過および答申根拠の記録、その他関係書類を整備する。

(5) 運営台帳

都道府県本庁においては、次に掲げる運営台帳を作成し、整備すること。

ア 指定医療機関名簿(福祉事務所別、旧総合病院、医科、歯科、訪問看護ステーションおよび薬局別)、医療保護施設名簿、指定施術機関名簿および指定助産機関名簿(様式第1号)

イ 指定申請書(変更届書、休止・廃止届書、再開届書、処分届書、指定辞退届書)受理簿(様式第2号)

(6) 手続書類

都道府県本庁においては、次に掲げる手続書類用紙を印刷し、管内福祉事務所に配布し常備させること。

ア 医療機関等指定申請書

イ 医療機関等変更届書

ウ 医療機関等休止・廃止届書

エ 医療機関等再開届書

オ 医療機関等処分届書

カ 医療機関等指定辞退届書

(7) 医療扶助関係様式等の公示

都道府県知事は、次に掲げる事項を都道府県の公報により公示すること。

ア 手続書類の様式(保護変更申請書(傷病届)、各要否意見書および医療券等)

イ 給付方針および費用に関する事項

2 福祉事務所関係

医療扶助は、他の扶助と異なり、診療の要否、程度の判定等専門的判断を要する特殊性をもつものではあるが、他面、生活扶助、その他の扶助とならび被保護者の生活を保障するとともに、その自立を助長するための意義を有するものである。したがって、他の扶助における現業活動と遊離して行なわれるべきものではなく、これと緊密な連けいを保って実施するよう、その運営体制の確立に万全を期すること。

なお、保護の実施機関は、生活保護制度について理解のある医師のうちから嘱託医(1年ごとに更新することとするが、特別の理由がない限り、再任を妨げるものではないこと。また、精神科医療に関する事務を行わせるため、一般の嘱託医に加え、原則として、精神科嘱託医を設置すること。)を委嘱し、及び事務を行なう所員のうちから、医療扶助関係事務を担当する者(以下「医療事務担当者」という。)を定めること。

さらに、被保護者に対し健康の保持・増進に自ら努めることを促すための体制を整備すること。

おって、医療扶助の実施に関し、各職種の担当すべき事務については、次に掲げるもののほか、別紙第1号に示すところによること。

(1) 査察指導員

査察指導員は、医療扶助の現状を常に把握し、査察指導計画を策定し、地区担当員、嘱託医等との組織的連けいに努める等医療扶助適正実施の推進を図ること。

(2) 地区担当員

地区担当員は、その担当する被保護世帯に関する医療扶助の決定、実施にあたるとともに、査察指導員、嘱託医等との組織的な連けいに努めること。

(3) 嘱託医

嘱託医は、査察指導員、地区担当員等からの要請に基づき医療扶助の決定、実施にともなう専門的判断及び必要な助言指導を行なうこと。なお、医療扶助以外の扶助において医学的判断を必要とする場合にも同様とすること。

(4) 医療事務担当者

医療事務担当者は、医療扶助の円滑な実施を図るため必要な事務を処理すること。

(5) 給付券交付処理簿

福祉事務所においては、給付券交付処理簿(入院、入院外、歯科、訪問看護、老人訪問看護、調剤、治療材料、施術及び移送の別)(様式第11号)を作成すること。

(6) 手続書類

福祉事務所においては、次に掲げる手続書類用紙を印刷し、常備すること。

ア 保護変更申請書(傷病届)(様式第12号)

イ 医療要否意見書及び診察料、検査料請求書(様式第13号)

ウ 精神疾患入院要否意見書(様式第16号)

エ 保護変更申請書(傷病届)及び訪問看護要否意見書(様式第17号)

オ 保護変更申請書(傷病届)及び給付要否意見書(治療材料及び移送、様式第18号の1)、(柔道整復、様式第18号の1の2)、(あん摩・マッサージ及びはり・きゅう、様式第18号の1の3)

カ 生活保護法による医療扶助のはり・きゅうの受療連絡票(様式第18号の2)

キ 施術初検料請求書(様式第19号)

ク 医療券又は調剤券(様式第23号)

ケ 訪問看護に係る利用料請求書(様式第23号の7)

コ 治療材料券及び治療材料費請求明細書(様式第25号)

サ 施術券及び施術報酬請求明細書(様式第26号の1~3)

シ 診療依頼書(入院外)(様式第37号)

ス 検診命令書、検診書及び検診料請求書(生活保護法施行細則準則様式第20号)

(7) 本省に対する情報提供

保護の実施機関は、国民健康保険、健康保険、後期高齢者医療の診療における取扱い等により難いものについては、医療扶助の特別基準設定につき情報提供すること。なお、その際には次の事項に関する書類を添付すること。

ア 特別基準を必要とする理由

イ 特別基準の申請額およびこれが最低限度の額であることを証する書類

ウ 関係専門医等の意見

エ その他アに関連して参考となる資料

(8) 都道府県本庁に対する技術的助言の求め

保護の実施機関は、都道府県知事に対し、次の点につき必要に応じて連絡し又は技術的な助言を求めること。

ア 医療機関等の指定に関する事項

イ 医療の要否の判定又は保護の決定実施上の医学的判断に関し疑義があると保護の実施機関が認めた事項

ウ 他法他施策関係について必要とされる事項

エ その他特に求められた事項

3 町村関係

町村における担当係の医療扶助関係事務は、次のとおりであること。

(1) 保護変更申請書(傷病届)および各給付要否意見書等の受払簿の作成、整備および保存

(2) 各給付要否意見書等および診療依頼書(入院外)の交付

(3) 応急医療扶助の実施

(4) その他医療扶助の実施に関する事項

第3 医療扶助実施方式

1 医療扶助の申請

医療扶助の申請は次によるものとすること。

(1) 保護開始申請(入院・入院外)

法による保護を受けていない者が、医療扶助のみ又は医療扶助と同時に他の扶助を申請する場合には、保護申請書の一般的記載事項のほか、申請の事由欄に当該傷病の部位、発病時期、病状、社会保険の被保険者又は被扶養者たる資格の有無、後期高齢者医療制度の被保険者資格の有無その他参考事項を記載したうえ福祉事務所長に提出させること。

(2) 保護変更申請(入院・入院外)

医療扶助以外の扶助を受けている者が、医療扶助を申請する場合には、保護変更申請書(傷病届)に所要事項を記載したうえ福祉事務所長に提出させること。

(3) 各給付要否意見書の発行

ア 医療扶助の開始につき申請があった場合には、申請者の実情に応じ、医療要否意見書、精神疾患入院要否意見書又は保護変更申請書(傷病届)・訪問看護要否意見書(以下「医療要否意見書等」という。)に福祉事務所又は町村の担当員が必要事項を記載の上、申請者に対してこれらの取扱いについて十分説明し、速やかに指定医療機関において所要事項の記入を受け、福祉事務所長又は町村長に提出するよう指導して発行するものとすること。

イ 各給付要否意見書の提出については、申請者の事情等により指定医療機関から直接提出させても差しつかえないこと。

ウ 次の各号の一に該当する場合にあっては、各給付要否意見書の提出を求める必要はないこと。

(ア) 収入、資産等の状況により被保護者とならないことがほぼ明らかなとき

(イ) 必要な給付がすべて他法他施策により行なわれることが明らかなとき

(ウ) 被保護者が入院外医療扶助の併給開始または変更申請を行なった場合であって、明らかに医療の必要が認められ、かつ、活用すべき他法他施策がないと判断されるとき

(エ) 被保護者が医療扶助の併給開始又は変更申請を行った場合であって、病状の悪化等により明らかに入院医療の必要が認められ、かつ、活用すべき他法他施策がないと判断されるとき

エ ウの(ウ)に該当する場合であって、保護変更申請書(傷病届)が町村長を経由して提出されるときは、町村長は直ちに診療依頼書(入院外)を交付するとともに、すみやかに保護変更申請書(傷病届)を福祉事務所長に送付すること。

オ 福祉事務所又は町村において各給付要否意見書を発行する際は、指定医療機関から次の標準により選定して、当該指定医療機関において各給付要否意見書に意見を記載のうえ提出するよう指導すること。

なお、選定にあたっては、要保護者の希望を参考とすること。

(ア) 要保護者の居住地等に比較的近距離に所在する指定医療機関であること。

(イ) 病床(医療法(昭和23年法律第205号)第7条第2項第5号に規定する一般病床に係るものに限る。以下、この項において同じ。)の数が200以上である指定医療機関の受診については、以下の場合に限ること。

a 他の病院又は診療所からの文書による紹介がある場合

b 緊急その他やむを得ない事情がある場合

c 地域において病床の数が200以上である指定医療機関のみが特定の診療科を標榜しており、当該診療科への受診が必要である場合

d a~cの他、個別の事情を考慮し、嘱託医に協議の上で病床の数が200以上である指定医療機関への受診が必要であると判断される場合

(ウ) 要保護者が人工妊娠中絶若しくは不妊手術又は結核の治療をうけようとするときは、原則としてそれぞれ同時に母体保護法による指定医師又は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律による結核指定医療機関としての指定を受けている指定医療機関であること。

(エ) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律による指定の取消を受けている指定医療機関でないこと。

(オ) 過去3箇月間に第6の3(2)イによる「戒告」を受けたことのない指定医療機関であること。

(4) 各給付要否意見書の検討および受理

福祉事務所長は、要保護者から各給付要否意見書の提出を受けまたは町村長からこれらの送付を受けたときは、その記載事項につき検討したうえ受理すること。この場合、記載内容が不明の場合にはそれぞれ記載者に照会するとともに、要保護者に対する医療扶助の決定にあたり問題があると思われるときは昭和38年4月1日社発第246号厚生省社会局長通知「生活保護法による保護の実施要領について」第11の4により検診を命ずること。なお他の扶助、特に生活扶助の開始を同時に申請している場合には、その決定につき遺漏のないよう留意すること。

(5) 診察料、検査料の支払

福祉事務所長は、被保護者を診察した医療機関が、医療を必要としない旨の意見を述べた場合及び被保護者を診察した医療機関と異なる医療機関に被保護者の医療を委託した場合は、当該医療機関の請求に基づき診察料(初診、再診、往診)又は検査料(診断書料については、4,720円の範囲内で特別基準の設定があったものとして、必要な額を認定して差しつかえない。)について直接当該医療機関に支払うこと。

ただし、すでに医療券を発行したときは、診察料、検査料は当該医療券に基づき請求されるので福祉事務所においては支払わないこと。

なお、この場合の診察または検査は被保護者に対し医療を行なう必要の有無並びに必要な場合にその期間および費用を予測するに必要と認められる限度に止められるべきものであるので、この点あらかじめ医療機関に周知徹底を図っておくこと。

2 医療扶助の決定

(1) 決定の際の留意事項

福祉事務所長は、医療扶助に関する決定をしようとするときは、一般的事項とともに次の事項について留意すること。

ア 医療扶助の始期

医療扶助を適用すべき期日は、原則として、保護申請書または保護変更申請書(傷病届)の提出のあった日以降において医療扶助を適用する必要があると認められた日とすること。

イ 他法他施策の活用

要保護者の医療につき、医療扶助に優先して活用されるべき他法他施策による給付の有無を調査確認し、これがあると判断されるときは当該要保護者に対してこれを活用すべきことを指導するとともに、当該他法他施策の運営実施を管理する機関に連絡して、当該要保護者に対する援助が適正円滑に行なわれるよう配意すること。

なお、他法他施策の活用に関しては、別紙第2号に留意すること。

ウ 入院等に関する都道府県本庁に対する技術的助言の求め

一般入院要否判定基準、訪問看護要否判定基準並びに精神医療取扱要領に基づく判定の結果、入院等の要否についてなお疑義のある場合は都道府県知事に技術的な助言を求めること。

また、福祉事務所の所在する都道府県等の区域外にある医療機関に患者を委託する場合の医療機関の選定について疑義がある場合も同様とすること。

エ 一般入院要否判定基準

入院医療は、居宅では真に医療の目的を達し難いと認められた場合に限り認められること。

入院を認めて差しつかえない場合を例示すれば次のとおりであること。従って、たとえば通院が不便だとか、居宅療養も不可能ではないが、入院の方がより一層良いとか、あるいは重症であっても往診又は(老人)訪問看護による居宅医療で治療の目的を達し得る場合等においては当該居宅医療によるべきであること。

(ア) ある種の手術後、身体の動揺を避けなければならない必要がある場合

(イ) 朝夕数回にわたる専門技術的処置または手術を必要とする場合

(ウ) 病状が相当重く、しばしば病状を診察して経過を観察する必要がある場合

(エ) 特に厳密な食餌療法その他病院固定の設備をしばしば利用する特殊な療法を施す場合

(オ) 病状により特に居宅療法ではその効果をもたらすことが困難な場合

オ 訪問看護要否判定基準

訪問看護は、疾病又は負傷により居宅において継続して療養を受ける状態にある者に対し、その者の居宅において看護師等が行う療養上の世話又は診療の補助を必要とする場合に限り認められること。

なお、要介護者又は要支援者に対する訪問看護は、介護保険又は介護扶助による給付が優先されるため、医療扶助による給付は、急性増悪時の訪問看護及び末期がん・難病等に対する訪問看護及び精神疾患を有する患者(認知症が主傷病である者を除く。)であり、精神科訪問看護指示書が交付された場合の精神科訪問看護に限られるものであること。

カ 保護施設等における医療の取扱い

救護施設、更生施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム及び介護老人福祉施設における入所者の医療については、原則として、医療扶助は適用しないこと。ただし、病状によってはこの原則を貫くことが困難な場合も予想されるので真に当該施設においては措置できないと認められる場合に限り、医療扶助を適用して差しつかえないこと。

(2) 本人支払額の決定

本人支払額は次により決定すること。

ア 要保護者が医療扶助のみの適用を受ける者である場合には、保護の実施要領についての通知の定めるところにより当該要保護者の属する世帯の収入充当額から当該世帯の医療費を除く最低生活費を差し引いた額をもって本人支払額とすること。

イ 本人支払額は、第一に診療(医療扶助による診察、薬剤(調剤を除く。)、医学的処置、手術、居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護、病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護をいう。)の給付に充当するものとし以下調剤、治療材料、施術、移送の各給付の順に充当すること。

(3) 医療扶助の変更に関する決定

福祉事務所は、現に医療扶助を受けている者が次に該当すると認められたときは、医療扶助の変更に関する決定(保護の変更の決定)を行なうこと。

ア 本人支払額を変更すべきことを確認したとき

イ 指定医療機関を変更すべきことを確認したとき

ウ 入院から入院外に、または入院外から入院に変更すべきことを確認したとき

エ 介護老人保健施設から医科に変更すべきことを確認したとき

オ 医科から歯科に、または歯科から医科に変更すべきことを確認したとき

カ 他法による負担の程度に変更すべきことを確認したとき

キ 診療中に訪問看護、治療材料、施術または移送の給付を必要とすることを確認したとき、またはこれらの給付につき変更すべきことを確認したとき

ク 検診命令に従わない場合で医療扶助の変更を必要と認めたとき

(4) 被保護者に対する通知

福祉事務所長は、要保護者について医療扶助の開始、変更、停止または廃止(他法他施策の活用に伴い保護を変更、停止または廃止する場合を含む。)に関する決定をしたときは、一般の例に従い、保護決定通知書または保護停止、廃止決定通知書により、申請者または被保護者に対して通知すること。ただし、保護変更申請書(傷病届)に基づき医療扶助の開始または変更に関する決定をしたときで、当該通知書により通知する必要がない場合には、適当な方法によることとして差しつかえないこと。

また、申請却下の決定をしたときは、一般の例に従い、保護申請却下通知書により申請者に対して通知すること。

(5) 医療券の発行

医療扶助による診察、薬剤(調剤を除く。)、医学的処置、手術等の診療の給付は、医療券を発行して行なうものとすること。

ア 医療券の発行の単位

医療券は暦月を単位として発行するものとし、診療の給付が月の中途を始期または終期とする場合は、それにより有効期間を記載した医療券を発行するものとすること。

なお、月末を始期とする医療の給付が翌月にまたがる場合は、翌月分の医療券を同時に発行して差しつかえないこと。

イ 医療券の有効性

医療券は、福祉事務所において所要事項を記載し、福祉事務所長印を押したものをもって有効とするものであること。

医療券の修正は、福祉事務所において当該医療券の記載事項について所要の訂正を行ない、福祉事務所長印を当該訂正箇所に押したものをもって有効とすること。

ウ 医療機関に対する委託

(ア) 医療の給付を委託する医療機関(指定訪問看護事業者を除く。)は、原則として各給付要否意見書に意見を記載した医療機関とすること。

(イ) (ア)の医療機関が指定医療機関でないときは、要保護者の診療に支障のない限り1の(3)のオの標準に該当する指定医療機関に委託すること。

(ウ) 要保護者が急迫した状況にあるときは、(ア)および(イ)にかかわらず、要保護者のもよりの指定医療機関(これがないときは非指定医療機関)に委託すること。ただし、非指定医療機関に委託した場合は、急迫した状況がやんで転医が可能になったときに、直ちに適当な指定医療機関に転医させること。

(エ) 訪問看護事業者の選定に当たっては、要保護者の希望も参考とした上、要保護者の要介護状態、事業者と要保護者の居住地との距離等を考慮すること。

なお、訪問看護に係る医療券の発行に当たっては、訪問看護事業者と密に連絡をとり、基本利用料以外の利用料に相当する費用の支給対象を事前に明らかにしておくこと。

エ 医療券の作成

医療券の作成に当たって留意すべき事項は次のとおりであること。

(ア) 医療券の各欄には福祉事務所長が医療券を発行する際に所要事項を記入すること。

なお、本人支払額を記入する場合においては当該本人支払額に10円未満の端数があるときはこれを切捨てるものとし、本人支払額がない場合はその欄に斜線を引くこと。

(イ) 医療券の「診療別」、「備考」欄の社会保険及び感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第37条の2はそれぞれ該当する文字を○で囲むこと。

(ウ) 医療券の「傷病名」欄には、医療要否意見書等記載の傷病名又は部位を記入し、傷病届により医療券を発行するときは、「備考」欄に患者の病状を記入すること。

(エ) 被保険者が資格喪失後も継続給付を受けることができる傷病については、その傷病名及びその旨を医療券の「備考」欄に記入すること。

(オ) 「取扱担当者名」欄には、医療券交付事務取扱責任者名を記入すること。

(カ) 75歳以上の者及び65歳以上75歳未満の者であって高齢者の医療の確保に関する法律施行令別表に定める程度の障害の状態にあるもの(被用者保険の加入者を除く。)(以下「75歳以上の者等」という。)についての医療券には、「備考」欄の余白に75歳以上の者等に該当するに至った日の属する月の翌月(その日が月の初日であるときは、その日の属する月)から画像1 (8KB)別ウィンドウが開きます
と表示すること。

オ 医療券の交付

医療券の交付にあたっては、特に次の点に留意させること。

(ア) 当該医療券を所定の医療機関に提出して医療を受けること。

(イ) 当該医療券の有効期間内に医療を受けること。

(ウ) 治療が終ったとき、又は診療を中止したときは、速やかにその旨を福祉事務所に届け出ること。

受領者が患者以外の者であるときは、特に誤解または不適正のないように注意すること。

医療券の交付にあたっては、被保護者をして医療券交付処理簿に記名をさせ、または被保護者から受領証を徴すること。ただし、被保護者が入院中であって扶養義務者等がない場合等、これが困難な場合には、医療券を所定の医療機関に直接交付しても差しつかえないが、この場合は事後に当該医療機関に対し、被保護者の受領証を送付するよう依頼することとし、被保護者から受領証を徴することが困難な状態にあるときは、当該医療機関の管理者から受領証を徴すること。

カ 医療券の修正

福祉事務所長は、被保護者について、医療扶助の変更、停止または廃止に関する決定をした場合において、すでに発行した医療券を修正する必要があるときは、当該修正についてすみやかに決裁手続を完了したうえ、当該医療券の提出を求め、その記載事項について所要の訂正を行ない当該訂正に関する福祉事務所長印を押すこと。

キ 医療券の補正等

福祉事務所長は、医療券発行後、医療機関からの申出に基づき当該医療券の有効期間の延長を必要と認めたときは、当該医療券について必要な補正を行なうこと。

なお、医療機関において治療中に医療券の「傷病名」欄に記入された傷病名以外の傷病が発生し、それについて医療を要すると認めたときは、医療券の「傷病名」欄(下部余白)に当該傷病名を記入するよう、また、診療報酬明細書の「傷病名」欄(下部余白)および「診療開始日」欄(下部余白)に当該傷病名および発病(診療開始)年月日をそれぞれ記入して診療報酬の請求を行うよう指導し、福祉事務所においては医療券の補正を省略して差しつかえないこと。

また、医療を必要なことが明白な者からの傷病届により、発行する医療券については、傷病名を指定医療機関において医療券の「傷病名」欄に記入するよう指導すること。

3 医療扶助の継続等

(1) 医療券によって医療扶助を受けている者が、引き続き翌月にわたって医療を必要とするときは、第3の2の(5)に定めるところにより、翌月分の医療券を発行すること。

ただし、その者が引き続き3か月(第3の1の(3)のウの(ウ)に該当するもの(以下「併給入院外患者」という。)及び訪問看護の利用者は、6か月)を超えて医療を必要とするときは、第4月分(併給入院外患者及び訪問看護の利用者は、第7月分)の医療券を発行する前にあらかじめ第3の1の(3)のアに定めるところに準じて発行した医療要否意見書等により第4月以降(併給入院外患者及び訪問看護の利用者は、第7月以降)における医療扶助継続の要否を十分検討することとし、さらに引き続き医療を必要とするときは、3か月(併給入院外患者及び訪問看護の利用者は、6か月)を経過するごとに同様の手続により医療扶助継続の要否を十分検討すること。

この場合において、福祉事務所長は、医療扶助を受けている者(併給入院外患者及び訪問看護の利用者を除く。)につき、嘱託医の意見により、4か月以上引き続いて医療を必要とすると認めたときは、本項ただし書き前段の規定にかかわらず、4か月以上6か月以内の期間ごとに発行する医療要否意見書等により医療扶助継続の要否を検討することとして差しつかえないこと。

なお、併給入院外患者及び訪問看護の利用者にあっては、医療開始後第6月までに限り、他の方法により引き続き翌月にわたって医療の必要の有無を検討することができるときは、医療要否意見書の提出を求めることなく翌月分の医療券を発行して差しつかえないこと。

(2) 福祉事務所長は、医療扶助を受けている者につき、継続して治療を要しないことを確認したときは、一般の例に従い医療扶助の廃止等の手続を行なうこと。この場合、必要に応じ当該被保護者について訪問調査を行なう等の方法により事実を確認すること。

4 一般診療に関する診療方針および診療報酬並びに指定医療機関の請求

一般診療に関する診療方針及び診療報酬は、法第52条、指定医療機関医療担当規程(昭和25年8月厚生省告示第222号)及び生活保護法第52条第2項の規定による診療方針及び診療報酬(昭和34年5月厚生省告示第125号)によること。

なお、別紙第3号に留意するほか、次の点に配意すること。

(1) 生活保護法第52条第2項の規定による診療方針及び診療報酬第1項中「金を使用すること」とあるのは、金位14カラット以上の合金を使用することをいうものであること。

(2) 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護のうち食事の提供たる療養及び温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成たる療養に係る診療報酬については、入院時食事療養費に係る食事療養及び入院時生活療養費に係る生活療養の費用の額の算定に関する基準(平成18年3月厚生労働省告示第99号)の例による。

また、健康保険法による訪問看護に係る費用については、訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(平成20年3月厚生労働省告示第67号)の例によることとし、訪問看護の基本利用料以外の利用料に相当する費用については、必要最小限度の実費の額とすること。

(3) 後期高齢者医療の例による診療方針及び診療報酬(保険外併用療養費の支給に係るものを除く。)は、75歳以上の者等に該当するに至った日の属する月の翌月(その日が月の初日であるときは、その日の属する月)から適用するものとすること。

また、「65歳以上75歳未満の者であって高齢者の医療の確保に関する法律施行令別表に定める程度の障害の状態にあるもの」に該当するか否かの認定は、国民健康保険法第6条第8号の規定により同法の適用を除外されている者の場合は福祉事務所長が行うこととなるが、原則として生活保護法による保護の基準(昭和38年4月厚生省告示第158号)別表第1第2章2障害者加算の例によること。

(4) 通算対象入院料(一般病棟入院基本料(特別入院基本料及び後期高齢者特定入院基本料を含む。)、特定機能病院入院基本料(一般病棟の場合に限る。)及び専門病院入院基本料をいう。)を算定する病棟に180日を超えて入院している患者で厚生労働大臣が別に定める患者に該当しない者のうち、いかなる方法によっても退院後の受入先が確保できない者であって真にやむを得ないと判断される者については、別に定めるところにより、受入先が確保されるまでの間、当該患者が180日経過するまでに保険給付の対象とされていた入院基本料等の範囲内において必要な額を認定して差し支えないこと。

(5) 指定医療機関が、医療券によって診療を行なった場合には、診療報酬明細書又は訪問看護療養費明細書に必要事項を記載して発行した福祉事務所ごとにとりまとめ、当月診療分を所定の様式による診療報酬請求書を添えてこれらの書類を翌月10日までに当該指定医療機関の所在する都道府県の社会保険診療報酬支払基金の支部(以下「支払基金」という。)に提出させるものとすること。

(6) 指定医療機関のうち、旧総合病院における診療科別の初診料、検査料又は診療報酬の請求は、社会保険の取扱いの例によるものであるが、この場合においても医療券は1枚発行すれば足りること。

5 調剤の給付

(1) 調剤券の発行

医療扶助を申請した者が、診療の給付と同時に指定薬局による調剤の給付につき申出があった場合には、医療券と同時に調剤券を発行するものとすること。調剤券の発行については、指定薬局に対する委託、調剤券の作成、交付等は医療券の場合に準ずるものとするが、患者に処方せんを発行すべき場合には、保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)第23条に規定する様式に必要な事項を記載して交付する(電子処方箋の場合は、電子処方箋管理サービスに処方内容を登録する)よう指定医療機関に対して周知徹底を図ること。

なお、当該用紙への記載に当たっては、当該用紙中「保険医療機関」とあるのは「指定医療機関」と、「保険医」とあるのは「指定医」と読み替えるものとする。

患者は指定薬局により調剤の給付を受けようとするときは、指定医療機関から交付された処方せんを福祉事務所長の発行した調剤券に添付して調剤券に記載された指定薬局に提出するものとすること。(電子処方箋の場合を除く。)

指定薬局が調剤報酬の請求をする場合は、医療機関の場合に準ずること。

なお、指定薬局においては次の事項を記入した調剤録を保存すること。(ただし、この調剤録は、調剤済みとなった処方せんに調剤録と同様の事項を記入したものをもってかえることができる。)

一 薬剤師法施行規則第16条に規定する事項

二 調剤券を発行した福祉事務所名

三 当該薬局で調剤した薬剤について処方せんに記載してある用量、既調剤量および使用期間

四 当該薬局で調剤した薬剤についての薬剤価格、調剤手数料、請求金額、社保負担額、他法負担額および本人支払額

(2) 後発医薬品の給付

法第34条第3項の規定に基づき、医師又は歯科医師が医学的知見に基づき後発医薬品を使用することができると認めたときは、後発医薬品を調剤するよう、指定医療機関及び指定薬局に対して周知徹底を図ること(後発医薬品の薬価が先発医薬品の薬価よりも高くなっている又は先発医薬品の薬価と同額となっている場合を除く。)。また、被保護者に対しても、本取扱いについて周知徹底を図ること。

なお、後発医薬品の給付に係る具体的な取扱いについては、別に定めるところによる。

6 治療材料の給付

治療材料の給付(貸与及び修理を含む。第3の6において同じ。)につき申請があった場合には、必要事項を記載した給付要否意見書(治療材料)を要保護者に交付し、すみやかに指定医療機関及び取扱業者において所要事項の記入を受け、福祉事務所長又は町村長に提出するよう指導すること。

治療材料の給付を行うに当たって留意を要する点は次のとおりであること。

(1) 給付要否意見書(治療材料)の発行

要保護者の申請に基づき、その希望を参考に取扱業者を福祉事務所において選定し、給付要否意見書(治療材料)を発行するものとするが、その際、次の点につき要保護者を指導すること。

なお、治療材料が、貸与又は修理によることを適当としない場合については、給付要否意見書(治療材料)の当該箇所を抹消の上、発行すること。

ア 要保護者の医療を担当している医療機関において、給付要否意見書(治療材料)の所要事項の記入を受けること。

イ 福祉事務所が選定した取扱業者に所要経費概算見積の記入を受けること。その際、治療材料が貸与可能な物である場合又は要保護者が既に保有する治療材料を修理することで足りる場合は、治療材料の貸与又は修理に要する費用について、併せて見積を徴すること。

(2) 給付の決定及び治療材料券の発行

治療材料の給付を決定したときは、福祉事務所長は治療材料券を要保護者に交付すること。なお、当該材料が貸与を適当としない物品であるとき、修理が困難であるとき、貸与又は修理による費用が購入による費用より高額になるときその他貸与又は修理を適当としない場合を除き、原則として給付方法は貸与又は修理によること。また、給付要否意見書(治療材料)の記載に疑問がある場合には、それぞれ記載者に照会することとし、所要経費が適当でないと認められる場合には他の取扱業者にも照会して適正な給付を行うこと。

治療材料の給付にあたる業者は、原則として、給付要否意見書(治療材料)に記載されている取扱業者とし、これによりがたいときは、他の適当な取扱業者を福祉事務所において選定すること。

治療材料券を交付するにあたり、次の点を要保護者に指導すること。

ア 治療材料券に記載されている取扱業者から、治療材料券に記載されている方法で治療材料の給付を受けること。

イ 治療材料の給付を受けたときは、すみやかにその旨を福祉事務所長に連絡すること。

ウ 治療材料券の有効呈示期間は、発行の日から10日間であること。

なお、有効な治療材料券を提出した者に限り、治療材料を給付することとし、かつ、治療材料券は所定の治療材料の1回限りの購入若しくは修理又は治療材料券に記載された期間内の貸与によってその効力を消滅するものであることにつき、取扱業者に周知徹底を図ること。

(3) 治療材料給付方針及び治療材料費

ア 給付方針

(ア) 国民健康保険の療養費の支給対象となる治療用装具及び輸血に使用する生血は、その例により現物給付とする。

また、次に掲げる材料の範囲においては、必要最小限度の機能を有するものを、原則として現物給付によって行うものとすること。ただし、吸引器及びネブライザーについては、現物給付に限ること。

義肢、装具、眼鏡、収尿器、ストーマ装具、歩行補助つえ、尿中糖半定量検査用試験紙、吸引器及びネブライザー

(イ) (ア)に掲げる材料については、次によるものとする。

a 義肢、装具、眼鏡、収尿器、ストーマ装具及び歩行補助つえについては、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の規定に基づく補装具の購入若しくは修理又は日常生活上の便宜を図るための用具の給付若しくは貸与を受けることができない場合であること。さらに、歩行補助つえについては、前記の他、介護保険法又は生活保護法の規定に基づく福祉用具の貸与を受けることができない場合であること。

b 義肢、装具、眼鏡、収尿器、ストーマ装具及び歩行補助つえについては、治療等の一環としてこれを必要とする真にやむを得ない事由が認められる場合に限ること。

c 尿中糖半定量検査用試験紙は、現に糖尿病患者であって、医師が食事療法に必要と認めた場合に限り、必要最小限度の量を給付することができるものであること。

d 吸引器は、喉頭腫瘍で喉頭を摘出した患者等の気管内に分泌物が貯留し、その自力排泄が困難な者を対象とし、病状が安定しており、社会復帰の観点から吸引器使用による自宅療養のほうがより効果的であり、当該材料を給付しなければ、吸引器による処置のために入院が必要である場合に限ること。また、器具の使用に習熟していることが必要であること。

e ネブライザーは、呼吸器等疾病に罹患し、社会復帰の観点から当該材料の使用による在宅療養がより効果的である者であって、当該材料を給付しなければ、ネブライザーによる処置のために入院が必要である場合に限ること。なお、装置の使用に習熟していることが必要であり、通院による処置対応が可能な者については除くこと。

(ウ) (ア)に掲げる以外の材料については、それを治療の一環として必要とする真にやむを得ない事由が認められる場合は、以下により取り扱うこと。なお、当該材料が障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第5条第24項の規定に基づく補装具、第77条の規定に基づく日常生活上の便宜を図るための用具又は介護保険法第8条第12項若しくは第44条第1項の規定に基づく福祉用具である場合には、まず、それらの制度の活用を検討すること。

a 治療材料の費用(治療材料の1回の購入若しくは修理又は所要期間内の貸与につき必要とする額をいう。第3の6において以下同じ。)が2万5000円以内の場合、必要に応じて都道府県知事に技術的な助言を求めた上で給付すること。

b 治療材料の費用が2万5000円を超える場合、厚生労働大臣に対して特別基準の設定につき情報提供すること。

(エ) 治療材料の給付につき、要否の判定に疑義のある場合は必要に応じて都道府県知事に技術的な助言を求めること。

イ 費用

(ア) 治療材料の費用は、(1)のイの見積による額とし、原則として国民健康保険の療養費の例の範囲内とすること。

なお、義肢、装具、眼鏡及び歩行補助つえ(つえを除く。)の費用については、原則として障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の規定に基づく補装具の種目、購入又は修理に要する費用の額の算定等に関する基準(平成18年9月29日厚生労働省告示第528号)の別表に定める額の100分の106に相当する額(国、地方公共団体、日本赤十字社、社会福祉法人又は民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された法人の設置する補装具製作施設に委託する場合の費用については、さらに100分の95を乗じた額)を限度とすること。

真にやむを得ない事情によりこの基準の額を超えて給付する必要がある場合又は尿中糖半定量検査用試験紙、吸引器、ネブライザー、収尿器、ストーマ装具若しくは歩行補助つえ(つえに限る。)を給付する場合の費用については、当該材料の購入、貸与又は修理に必要な最小限度の実費とし、その額が2万5000円を超える場合であっても、特別基準の設定があったものとして取り扱って差し支えないが、いずれの場合についても、必要に応じて都道府県知事に技術的な助言を求めること。

(イ) アの(ウ)に係る治療材料の費用は、最低限度の実費とすること。

(4) 治療材料費の請求

治療材料の給付を行った取扱業者が、当該治療材料の費用を請求する場合は、交付された治療材料費請求明細書に所要事項を記載し、請求書を添付して当該治療材料券を発行した福祉事務所長に提出させるものとすること。

7 施術の給付

施術の給付につき、申請があった場合には、給付要否意見書(柔道整復、あん摩・マッサージ、はり・きゅう)に必要事項を記載のうえ、すみやかに指定施術機関及び指定医療機関において所要事項の記入を受け、福祉事務所長又は町村長に提出するよう指導して発行すること。

施術の給付を行なうにあたっては、柔道整復師が打撲又は捻挫の患部に手当をする場合および脱臼又は骨折の患部に応急手当をする場合は医師の同意は不要であるが、応急手当以外の脱臼又は骨折の患部に手当をする場合は医師の同意が必要であること。

この場合において、あん摩・マッサージ指圧師が脱臼又は骨折の患部以外に施術をするとき及びはり・きゅう師が施術をするときは、当該施術の要否に関する診断書をもって、医師の同意書に代えることができること。

施術の給付を行なうにあたって留意を要する点は次のとおりであること。

(1) 給付要否意見書の発行

要保護者の申請に基づき、その希望をきいて指定施術機関を福祉事務所において選定し、給付要否意見書を発行するものとするが、その際、次の点につき配意せしめること。

ア 福祉事務所が選定した指定施術機関において給付要否意見書の所要事項の記入を受けること。

イ 指定医療機関において給付要否意見書の所要事項の記入を受けること。

(2) 施術券の発行

給付要否意見書(施術)に基づき、施術の給付を必要と認めたときは、福祉事務所長は施術券を被保護者に発行すること。施術券は暦月を単位として発行するものとし、月末を始期とする施術の給付が翌月にまたがる場合は、一般診療の場合と同様とすること。

施術券により医療扶助を受けている者が、引き続き翌月にわたって施術を必要とするときは、翌月分の施術券を発行すること。

ただし、その者が引き続き3か月(あん摩・マッサージ及びはり・きゅうにあっては6か月)を超えて施術を必要とするときは、第4月分(あん摩・マッサージ及びはり・きゅうにあっては第7月分)の施術券を発行する前にあらかじめ(1)に定めるところに準じて発行した給付要否意見書により第4月(あん摩・マッサージ及びはり・きゅうにあっては第7月)以降における医療扶助継続の要否を十分検討することとし、さらに引き続き施術を必要とするときは、3か月(あん摩・マッサージ及びはり・きゅうにあっては6か月)を経過するごとに同様の手続により医療扶助継続の要否を十分検討すること。

施術機関は、原則として給付要否意見書に記載した機関とし、これによりがたいときは、他の適当な機関を福祉事務所長において選定すること。

施術券を交付するにあたり、次の点を被保護者に留意せしめること。

ア 施術券に記載されている施術機関から給付を受けること。

イ 当該施術券の有効期間内に受療すること。

ウ 施術が終ったとき又は施術を中止したときは、すみやかにその旨を福祉事務所に届け出ること。

(3) 施術給付方針および施術料

ア 給付方針

必要最小限度の施術を原則として現物給付するものとし、その範囲は、あん摩・マッサージ、柔道整復およびはり・きゅうとすること(はり・きゅうにあっては、慢性病であって、医師による適当な治療手段がないものを対象とするが、指定医療機関の医療の給付が行なわれている期間は、その疾病にかかる施術は、給付の対象とはならないこと。)。

なお、この者が現に指定医療機関において診療をうけている場合には、当該指定医療機関の意見を求めたうえで要否を決定すること。

イ 費用

費用は次によるものとすること。

(ア) あん摩・マッサージについては、別紙第4号の1協定書案に基づきあん摩・マッサージの施術料金の算定方法(別紙第4号の2)を基準として都道府県知事と関係団体との間で協定して定めた額以内の額とすること。

(イ) 柔道整復については、前記協定書案に基づき柔道整復師の施術料金の算定方法(別紙第4号の3)を基準として都道府県知事と関係団体との間で協定して定めた額以内の額とすること。

(ウ) はり・きゅうについては、前記協定書案に基づきはり師及びきゅう師の施術料金の算定方法(別紙第4号の4)を基準として都道府県知事と関係団体との間で協定して定めた額以内の額とすること。

(4) 施術料の請求

指定施術機関が施術券によって患者に対する施術を行なったときは、施術料に関する都道府県知事と施術師会との協定に基づき、当該施術に対する報酬の支払を請求させるものとすること。

施術報酬請求のため、指定施術機関に施術報酬請求明細書を、また、当月施術分をとりまとめて施術報酬請求書をそれぞれ作成させ、これらの書類を翌月10日までに当該施術券を発行した福祉事務所長に提出させるものとすること。

8 削除

9 移送の給付

(1) 給付方針

移送の給付については、個別にその内容を審査し、次に掲げる範囲の移送について給付を行うものとする。

また、給付については、療養に必要な最小限度の日数に限り、傷病等の状態に応じて経済的かつ合理的な経路及び交通手段によって行うものであること。

経済的かつ合理的な経路及び交通手段についての判断に当たっては、同一の病態にある当該地域の他の患者との均衡を失しないようにすること。

(2) 給付の範囲

アからクまでに掲げる場合において給付を行う。

受診する医療機関については、原則として要保護者の居住地等に比較的近距離に所在する医療機関に限るものであること。

ただし、傷病等の状態により、要保護者の居住地等に比較的近距離に所在する医療機関での対応が困難な場合は、専門的治療の必要性、治療実績、患者である被保護者と主治医との信頼関係、同一の病態にある当該地域の他の患者の受診行動等を総合的に勘案し、適切な医療機関への受診が認められる。

ア 医療機関に電車・バス等により受診する場合で、当該受診に係る交通費が必要な場合

イ 被保護者の傷病、障害等の状態により、電車・バス等の利用が著しく困難な者が医療機関に受診する際の交通費が必要な場合

ウ 検診命令により検診を受ける際に交通費が必要となる場合

エ 医師の往診等に係る交通費又は燃料費が必要となる場合

オ 負傷した患者が災害現場等から医療機関に緊急に搬送される場合

カ 離島等で疾病にかかり、又は負傷し、その症状が重篤であり、かつ、傷病が発生した場所の付近の医療機関では必要な医療が不可能であるか又は著しく困難であるため、必要な医療の提供を受けられる最寄りの医療機関に移送を行う場合

キ 移動困難な患者であって、患者の症状からみて、当該医療機関の設備等では十分な診療ができず、医師の指示により緊急に転院する場合

ク 医療の給付対象として認められている移植手術を行うために、臓器等の摘出を行う医師等の派遣及び摘出臓器等の搬送に交通費又は搬送代が必要な場合(ただし、国内搬送に限る。)

なお、福祉事務所において審査の結果、なお疑義がある場合及び上記の範囲で対応が困難な場合については、都道府県本庁に技術的助言を求めた上で、移送の給付が真に必要であると認められる場合には、給付を認めて差し支えないこと。

(3) 給付手続き

ア 給付手続きの周知

要保護者に対し、移送の給付について、その内容と原則として事前の申請や領収書等の提出が必要であることを周知すること。

イ 給付決定に関する審査

被保護者から申請があった場合、給付要否意見書(移送)により主治医の意見を確認するとともに、その内容に関する嘱託医協議及び必要に応じて検診命令を行い、福祉事務所において必要性を判断し、給付の対象となる医療機関、受診日数の程度、経路及び利用する交通機関を適正に決定すること。

ただし、医療要否意見書等により、移送を要することが明らかな場合であり、かつ、移送に要する交通費等が確実に確認できる場合は、給付要否意見書(移送)の提出を求める必要はないこと。

また、都道府県域を超える受診に係る移送や、管内で同一病態にある他の被保護者の受診に係る交通費と比較して高額である場合等、給付決定に関する審査において、被保護者の健康状態について確認する必要がある場合には、検診を受けるべき旨を命ずることができること。

なお、移送の際に利用する交通機関については、地域の実態料金や複数事業者の見積等により検討を行った上で、最も経済的な交通機関を福祉事務所において決定すること。

また、福祉事務所において給付を決定する以前に交通機関を利用した際の交通費や、福祉事務所において決定した医療機関、受診日数の程度、経路、交通機関と異なることにより生じた交通費については、原則として給付の対象にならないものであること。

ウ 事後申請の取扱い

緊急の場合等であって、事前の申請が困難なやむを得ない事由があると認められる場合であって、当該事由が消失した後速やかに申請があったときは、事後の申請であっても内容確認の上、給付を行って差し支えないこと。

エ 継続的給付の場合の手続

翌月にわたって移送の給付を必要とするときは、引き続き移送の給付を行って差し支えないが、その者が3か月を超えて移送の給付を必要とするときは、第4月分の移送を決定する前にあらかじめ給付要否意見書(移送)等を参考に、継続の要否を十分に検討すること。

ただし、被保護者の傷病等の状態により、3か月を超えて移送の給付を必要とすることが明らかである場合は、第7月分の移送を決定する前に、給付要否意見書(移送)等を参考に、継続の要否を検討することとして差し支えないこと。

(4) 費用

ア 移送に要する費用は、傷病等の状態に応じ、経済的かつ合理的な方法及び経路により移送を行ったものとして算定される最小限度の実費(医学的管理等のため付添人を必要とする場合に限り、当該付添人の日当等も含む。)

なお、身体障害者等の割引運賃が利用できる場合には、当該割引運賃を用いて算定した額とすること。

イ 当該料金の算定にあたっては、領収書、複数業者の見積書、地域の実態料金等の挙証資料に基づき、額の決定を行うこと。

10 急迫保護等

(1) 被保護者である患者が急迫した状況にあるため、各給付券を発行する余裕のないときは、福祉事務所長は、指定医療機関等に当該状況を説明して、各給付券を発行しないで各給付を行なっても差しつかえないこと。

ただし、保護を行なったときは、すみやかに各給付券を作成し、交付すること。

(2) 保護を受けていない患者が急迫した状況にあるため、保護の申請の手続をとらないで入院し、又は入院外の治療を受けた場合であって、保護の申請権者又は医療機関から医療扶助の適用について連絡があったときは、すみやかに保護申請書を提出するよう指示するとともに、要否の判定があるまでは医療扶助の決定があったものとして取扱うことはできないので、この点に留意させること。

この場合、連絡の経緯を記録にとどめることとし、保護を要するものと認められたときは、連絡のあった日を保護申請書の提出のあった日とみなして差しつかえないこと。

(3) 町村長は、その町村の区域内において特に急迫した事由により放置することができない状態にある要保護者に対して、応急的処置として、必要な医療扶助を行なうこと。

なお、町村長は、応急保護を行ったときは、ただちにその旨を福祉事務所長に報告し、すみやかに一般の手続をさせること。

11 医療区分等

福祉事務所長は、一般ファイル中に医療区分を設け、または一般ファイルと独立の医療ファイルを設けて、医療扶助関係書類を常時分類整理して編綴すること。

12 削除

13 非指定医療機関の診療報酬請求

急迫等のやむを得ない理由により非指定医療機関に患者の診療を委託したときは当該診療に対する報酬を、所定の様式による診療報酬明細書および診療報酬請求書(これによりがたいときは任意の請求書)により、委託した福祉事務所長に請求させるものとすること。

第4 医療扶助指定機関

1 指定医療機関の指定の際の留意事項

(1) 法による医療扶助のための医療を担当する機関は、申請のあったもののうち、法第49条の2第2項各号のいずれにも該当せず、医療扶助に基づく医療等について理解を有していると認められるものについて指定するものとすること。

このうち、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第37条の2に規定する内容の医療を行う医療機関にあっては、同法第38条第1項の規定による指定を受けている医療機関を指定すること。

(2) 指定を行った医療機関に対しては、指定後においても、第6の1の(2)アによる一般指導により、生活保護に関する法令、告示及び通知に定める事項について周知徹底を行い、医療扶助に基づく医療等に対する理解が一層深まるよう取り組むこと。

(3) 申請のあった医療機関が、法第49条の2第3項各号のいずれかに該当する医療機関については、指定をしないことができるものであること。

(4) 指定医療機関の指定の有効期間は6年間とし、6年ごとに更新の申請を行わせ、上記(1)の指定手続と同様に審査するものとすること。ただし、保険医療機関や保険薬局であって、指定医療機関の指定を受けた日から、おおむね引き続き当該開設者である保険医若しくは保険薬剤師のみが診療や調剤しているもの又はその者と同一世帯に属する配偶者等のみが診療若しくは調剤に従事しているものについては、その指定の効力を失う日前6月から同日前3月までの間に別段の申出がないときは、更新の申請があったものとみなすものであること。

2 健康保険法等による診療報酬に係る承認及び届出等

(1) 健康保険法に基づく保険医療機関であり、同法等により診療報酬に係る指定、承認又は認定を受けている場合には、生活保護法において重ねてこれらの指定、承認又は認定は要しないものであること。

(2) 健康保険法に基づく保険医療機関であり、同法等により診療報酬に係る届出をしている場合には、生活保護法において重ねてこれらの届出は要しないものであること。

3 指定施術機関および指定助産機関

指定医療機関の指定基準の際の留意事項、医療機関の指定および指定医療機関の義務は、法に定める範囲内で指定施術機関および指定助産機関に準用すること。

4 医療保護施設

指定医療機関の義務は、医療保護施設に準用すること。

第5 診療報酬の審査および支払

1 診療報酬の審査および支払

(1) 審査、支払機関

診療報酬審査機関は、社会保険診療報酬支払基金審査委員会又は社会保険診療報酬支払基金の主たる事務所に設けられた特別審査委員会(以下単に「審査委員会」という。)とし、支払機関は支払基金とすること。

(2) 委託契約

審査および支払に関する事務の委託につき、都道府県知事および市町村長は支払基金幹事長と別に定めるところにより契約を締結し、覚書を交換すること。

(3) 審査および支払の事務処理

都道府県知事および市町村長は、支払基金事務所の支部から送付された診療報酬明細書若しくは訪問看護療養費明細書又は併用分患者についてはこれらに代えて作成された連名簿(以下「明細書等」という。)を、医療券を発行した福祉事務所に送付すること。

2 診療報酬の決定

(1) 都道府県知事は、支払基金における審査の終了した明細書等について検討し、診療報酬額を決定することができるものであるが、診療報酬額の適否について審査委員会の審査を経ることになっているので、都道府県知事における診療報酬の決定の際には、特に、被保護者の本人支払額との関係等医療扶助における特異な点につき審査を行なうものとし、診療内容につき疑義のある場合は、審査委員会に再審査を求めたうえで診療報酬額を決定すること。

なお、再審査の結果につき疑義のある場合は、都道府県および審査委員会の双方において十分協議したうえで額を決定するものとすること。

(2) 知事決定の内容のうち、査定分については審査録を作成し、支払基金の再審査に附したものについては、再審査結果を確認すること。

3 審査および決定に関する注意事項

(1) 都道府県本庁主管課長は、支払基金幹事会に出席し、同会の状況を把握し、必要な事項はこれを要請するものとすること。

(2) 医系職員は、支払基金の審査状況を把握し、診療方針等に関し、必要な事項はこれを要請するものとすること。

(3) 支払基金審査と知事決定との円滑な実施を図るため、なるべく医系職員を審査委員会の委員として支払基金審査に参加させるように努めること。

(4) 生活保護法関係の診療報酬明細書の審査の際、社会保険診療報酬支払基金法第18条の規定に基づく診療担当者の出頭による審査を積極的に活用するよう、審査委員会に対し十分連絡要請すること。

(5) 診療報酬の額について過誤払いがあったときは、支払基金に通知し、翌月以降において支払うべき診療報酬金額からこれを控除するよう措置すること。この場合、当該返還額について都道府県知事の決定手続を行なうこと。ただし、過誤払いがあった当該医療機関に翌月以降において控除すべき診療報酬がない場合は、これを返還させるよう措置すること。

4 診療報酬以外の費用の支払等

(1) 治療材料費、施術料、看護料等の支払

治療材料費、施術料及び訪問看護における基本利用料以外の利用料に相当する費用については、福祉事務所長は、請求関係書類を審査し、請求額を確認した上、これを請求者に支払うこと。

なお、訪問看護における基本利用料以外の利用料に相当する費用については、指定訪問看護事業者に利用料請求書を当月分について作成させ、翌月10日までに医療券を発行した福祉事務所長に提出させるものとする。

(2) 非指定医療機関に対する診療報酬支払

福祉事務所長は、第3の13により請求を受けたときは、必要に応じ都道府県知事の技術的な助言を受け、請求関係書類を審査した上で、請求者に支払うこと。

当該審査は、当該患者の傷病の緊急性、転医の要否等に注意して行なうこと。

(3) 保護が遡及決定された場合等の医療費の支払

福祉事務所長は、保護が遡及決定された場合等で、保護申請以後の被保護者の医療費を真にやむを得ない事情のため当該被保護者が支払った場合は、その者にこれを金銭給付して差しつかえないこと。

第6 指導および検査

1 指定医療機関に対する指導

(1) 目的

指定医療機関に対する指導は、被保護者に対する援助の充実と自立助長に資するため、法による医療の給付が適正に行なわれるよう制度の趣旨、医療扶助に関する事務取扱等の周知徹底を図ることを目的とすること。

(2) 指導の形態

指導の形態は、一般指導と個別指導の2種とすること。

ア 一般指導

一般指導は、都道府県知事が、法並びにこれに基づく命令、告示及び通知に定める事項について、その周知徹底を図るため、講習会、広報、文書等の方法により行うものとすること。

イ 個別指導

個別指導は、厚生労働大臣又は都道府県知事が次のいずれかにより、指導の対象となる指定医療機関において個別に面接懇談方式により行うものとすること。ただし、必要に応じ、指定医療機関の管理者又はその他の関係者を一定の場所に集合させて行っても差し支えないこと。

(ア) 厚生労働大臣又は都道府県知事が単独で行う指導

(イ) 厚生労働大臣及び都道府県知事が共同で行う指導(以下「共同指導」という。)

(3) 指導対象の選定

指導は全ての指定医療機関を対象とするが、重点的かつ効率的な指導を行う観点から、指導形態に応じて次の基準を参考にして対象となる医療機関を一定の計画に基づいて選定すること。

ア 一般指導

原則として、全ての指定医療機関とするが、周知徹底を図る内容に応じ、一部の指定医療機関を選定しても差し支えないこと。

イ 個別指導

(ア) 厚生労働大臣又は都道府県知事が単独で行う指導

次に掲げる事項について、個別に内容審査をした上で、指定医療機関を選定すること。

a 社会保険診療報酬支払基金、実施機関、被保護者等から診療内容又は診療報酬の請求その他医療扶助の実施に関する情報の提供があり、個別指導が必要と認められた指定医療機関

b 個別指導の結果、再度個別指導を行うことが必要と認められた指定医療機関又は個別指導において改善を求めたにもかかわらず、改善が認められない指定医療機関

c 検査の結果、一定期間経過後に個別指導が必要と認められた指定医療機関

d 社会保険診療報酬支払基金から提供される被保護者に係る診療報酬請求データ又は電子レセプトの分析結果等を活用して得られる指定医療機関の特徴(例えば請求全体に占める被保護者に関する請求割合が高い、被保護者以外と比較して被保護者の診療報酬明細書(調剤報酬明細書を含む。)の1件あたりの平均請求点数が高い、被保護者の県外受診の割合が高い、他の指定医療機関と比較して、頻回受診者や重複・多剤投与者の割合が高い等)を総合的に勘案し、個別に内容審査をした上で個別指導が必要と認められる指定医療機関

e その他、特に個別指導が必要と認められる指定医療機関

(イ) 共同指導

上記(ア)により選定された指定医療機関の中から、その内容等を勘案し、共同指導を実施することが必要な指定医療機関を選定すること。

(ウ) 選定上の留意点

指導対象となる指定医療機関の選定にあたっては、指導にあたる職員(以下「指導担当者」という。)のみでなく複数の構成員からなる合議体において決定することや、医療関係者(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、看護師等)からの意見を聴取するなど、組織的に公正な選定を行うものとすること。

(4) 指導方法等

ア 一般指導

(ア) 指導方法

周知徹底を図る内容に応じ、以下の方法等により行うこと。

a 講習会方式による講習・講演

b 全ての指定医療機関に対する広報及び関係機関、関係団体等を通じた周知

c 新規指定医療機関に対する制度理解のための文書配布

(イ) 実施上の留意点

講習会方式で実施する場合において、指導対象となる指定医療機関を決定した時は、あらかじめ一般指導の日時、場所、出席者、指導内容等を文書により当該指定医療機関に通知すること。

イ 個別指導

(ア) 実施通知

厚生労働大臣又は都道府県知事は、指導対象となる指定医療機関を決定したときは、あらかじめ次に掲げる事項を文書により当該指定医療機関に通知すること。

なお、共同指導を実施する場合には、当該通知に厚生労働大臣及び都道府県知事が共同で行うことを明記すること。

a 個別指導の目的

b 個別指導の日時及び場所

c 出席者

d 準備すべき書類等

(イ) 指導方法

個別指導は、被保護者の医療給付に関する事務及び診療状況等について診療録その他の帳簿書類等を閲覧するとともに、関係者から説明を求め、面接懇談方式で行うこと。なお、個別指導を行う前に、被保護者から受療状況等の聴取が必要と考えられるときは、福祉事務所の協力を得ながら速やかに聴取を行い、その結果を基に当該指定医療機関の指導を行うこと。

(ウ) 指導後の措置等

a 再指導

個別指導において、適正を欠く取扱いが疑われ、再度指導を行わなければ改善の要否が判断できない場合には、当該指定医療機関に再指導を行うこと。なお、この場合、被保護者から受療状況等の聴取が必要と考えられるときは、福祉事務所の協力を得ながら速やかに聴取を行い、その結果をもとに当該指定医療機関の再指導を行うこと。

b 要検査

個別指導の結果、下記2の(2)に定める検査対象の選定項目に該当すると判断した場合には、後日、速やかに検査を行うこと。

なお、指導中に診療内容又は診療報酬の請求について、明らかに不正又は著しい不当を確認した場合には、個別指導を中止し、直ちに検査を行うことができるものであること。

c 指導結果の通知等

個別指導の結果、改善を要する事項が認められた場合又は診療報酬について過誤による調整を要すると認められた場合には、後日、文書によってその旨の通知を行うものとすること。

d 報告書の提出

都道府県知事は、当該指定医療機関に対して、文書で通知した事項について、文書により報告を求めること。

(エ) 実施上の留意点

a 指導の実施に際しては、つとめて診療に支障のない日時を選ぶこと。また、必要に応じ、関係団体との連絡調整(指導方針に係る協議、指導時の立会依頼など)を行い運営の円滑を期すること。

b 実施時期の決定にあたっては、地方厚生(支)局及び衛生関係部局の行う指導計画等との調整を図ること。

c 指導担当者は、公正かつ親切丁寧な態度を保持すること。

(5) 指摘事項の周知

個別指導の結果、改善を求めた指摘事項から留意すべき点を整理し、その改善に向けた取組内容について、管内の指定医療機関に対して、周知を行うこと。

2 指定医療機関に対する検査

(1) 目的

指定医療機関に対する検査は、被保護者にかかる診療内容および診療報酬の請求の適否を調査して診療方針を徹底せしめ、もって医療扶助の適正な実施を図ることを目的とすること。

(2) 検査対象の選定

検査は、次のいずれかに該当する場合に、厚生労働大臣又は都道府県知事が行うものとすること。ただし、法第84条の4第1項に該当すると認められる場合には、厚生労働大臣又は都道府県知事が共同で行うことを検討すること。

ア 診療内容に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

イ 診療報酬の請求に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

ウ 度重なる個別指導によっても診療内容又は診療報酬の請求に改善が見られないとき。

エ 正当な理由がなく個別指導を拒否したとき。

(3) 検査方法等

ア 実施通知

厚生労働大臣又は都道府県知事は、検査対象となる指定医療機関を決定したときは、あらかじめ次に掲げる事項を文書により当該指定医療機関に通知すること。

なお、厚生労働大臣及び都道府県知事が共同で検査を実施する場合には、当該通知にその旨を明記すること。

(ア) 検査の根拠規定及び目的

(イ) 検査の日時及び場所

(ウ) 出席者

(エ) 準備すべき書類等

イ 検査の内容及び方法

検査は、被保護者の診療内容及び診療報酬請求の適否その他医療扶助の実施に関して、診療報酬明細書(調剤報酬明細書を含む。)と診療録(調剤録を含む。)その他の帳簿書類の照合、設備等の調査により実地に行うものとすること。

なお、必要に応じ被保護者についての調査をあわせて行うものとすること。

ウ 実施上の留意点

(ア) 検査の実施に際しては、つとめて診療に支障のない日時を選ぶこと。また、必要に応じ、関係団体との連絡調整(検査方針に係る協議、検査時の立会依頼など)を行い運営の円滑を期すること。

(イ) 実施時期の決定にあたっては、地方厚生(支)局及び衛生関係部局の行う監査計画等との調整を図ること。

(ウ) 検査にあたる職員は、公正かつ親切丁寧な態度を保持すること。

3 検査後の措置等

(1) 検査結果の通知及び報告書の提出

ア 検査の結果は、後日、文書によってその旨の通知を行うものとすること。

イ 厚生労働大臣又は都道府県知事は、当該指定医療機関に対して、改善を要すると認められた通知事項については、文書により報告を求めるものとすること。

(2) 行政上の措置

ア 指定取消、効力停止

都道府県知事は、指定医療機関が次のいずれかに該当したときは、その指定の取消しを行なうこと。ただし、指定の取消しの処分に該当する医療機関の機能、事案の内容等を総合的に勘案し、医療扶助のための医療の確保を図るため特に必要と認められる場合は、期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力停止を行うことができるものとする。

(ア) 故意に不正又は不当な診療を行なったもの。

(イ) 故意に不正又は不当な診療報酬の請求を行なったもの。

(ウ) 重大な過失により、不正又は不当な診療をしばしば行なったもの。

(エ) 重大な過失により、不正又は不当な診療報酬の請求をしばしば行なったもの。

イ 戒告

都道府県知事は、法による指定医療機関が次のいずれかに該当したときは、戒告の措置を行なうこと。

(ア) 重大な過失により不正又は不当な診療を行なったもの。

(イ) 重大な過失により不正又は不当な診療報酬の請求を行なったもの。

(ウ) 軽微な過失により不正又は不当な診療をしばしば行ったもの。

(エ) 軽微な過失により不正又は不当な診療報酬の請求をしばしば行なったもの。

ウ 注意

都道府県知事は、法による指定医療機関が次のいずれかに該当したときは、注意の措置を行なうこと。

(ア) 軽微な過失により不正又は不当な診療を行なったもの。

(イ) 軽微な過失により不正又は不当な診療報酬の請求を行なったもの。

(3) 聴聞等

検査の結果、当該指定医療機関が指定の取消又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力停止の処分に該当すると認められる場合には、検査後、指定の取消等の処分予定者に対して、行政手続法(平成5年法律第88号)の規定に基づき聴聞又は弁明の機会の付与を行わなければならないこと。

(4) 経済上の措置

ア 都道府県知事は、検査の結果、診療及び診療報酬の請求に関し不正又は不当の事実が認められ、これに係る返還金が生じた場合には、すみやかに支払基金に連絡し、当該指定医療機関に支払う予定の診療報酬額からこれを控除させるよう措置すること。ただし、当該指定医療機関に翌月以降において控除すべき診療報酬がない場合は、これを保護の実施機関に直接返還させるよう措置すること。

イ 不正又は不当の診療および診療報酬の請求があったが、未だその診療報酬の支払いが行なわれていないときは、都道府県知事は、すみやかに支払基金に連絡し、当該指定医療機関に支払うべき診療報酬額からこれを控除させるよう措置すること。

ウ 指定の取消しの処分を行った場合、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力停止の処分を行った場合には、原則として、法第78条第2項の規定により返還額に100分の40を乗じて得た額も保護の実施機関に支払わせるよう措置すること。

(5) 厚生労働大臣への通知

都道府県知事は、指定医療機関について指定の取消しの処分を行った場合、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力停止の処分を行った場合において、健康保険法(大正11年法律第70号)第80条各号のいずれかに該当すると疑うに足りる事実があるときは、法第83条の2に基づき厚生労働大臣に対し、その事実を通知すること。

4 医療保護施設等の取扱い

1から3までに定めるところは、医療保護施設、指定施術機関および指定助産機関について準用するものとすること。

なお、医療保護施設が指定医療機関に対する取消しの事項に該当するときは、法第45条の規定に基づく改善命令を行なうこと。

第7 精神医療取扱要領

精神医療については、一般の取扱いによるほか、次によること。

1 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第29条の規定に基づく措置入院の要件に該当する精神医療の取扱手続

(1) 福祉事務所長は、要保護者が精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第29条の規定に基づく措置入院の要件に該当すると思われる者であるときは、(2)以下に定めるところによって取り扱うこと。

なお、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第29条の規定に基づく措置入院の基準については、昭和63年4月8日厚生省告示第125号で定められているものであること。

(2) 医療扶助による入院の申請を行なった要保護者が、精神障害者若しくはその疑いのある者又は覚せい❜❜剤の慢性中毒患者若しくはその疑いのある者であるときは、国若しくは都道府県の設置した精神科病院又は精神保健及び精神障害者福祉に関する法律による指定病院(同時に法による指定医療機関であるもの)と連絡をとり、当該要保護者を入院させなければ当該疾患のため自身を傷つけ、又は他人に害を及ぼすおそれがあると思われるときは、もよりの保健所長を経由し、都道府県知事(指定都市市長を含む。3を除き、以下同じ。)に対して精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第22条に規定する申請を行なうと同時に3の要領により医療扶助による申請を行なうこと。

なお、この場合、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第22条の申請結果が判明するまでは原則として医療扶助の決定を行なわないこと。

(3) (2)の申請を行った要保護者が精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の措置入院の要件に該当したときは、都道府県知事からその旨福祉事務所長に通知があるので、その通知を受理したときは、直ちに医療扶助の申請を却下し、この旨要保護者に通知すること。

また、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律による措置入院の要件に該当しなかったときは、3の要領により、医療扶助による入院の要否を判定すること。

(4) 医療扶助により入院している被保護者が精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の措置入院の要件に該当すると思われるときは、直ちに指定医療機関からその旨の連絡を求め、必要と認められる場合、(2)に準じて精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第22条に規定する申請を行なうこと。

なお、この被保護者に関して前記の申請をするときは、被保護者であることを証する書類を添付すること。

(5) (4)の申請を行った被保護者に関して、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の措置入院の要件に該当したときは、都道府県知事からその旨福祉事務所長に通知があるので、その通知を受理したときは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の措置入院決定日の前日限りで医療扶助を廃止し、被保護者及び指定医療機関にこの旨を通知すること。

また、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の措置入院の要件に該当しなかったときは、3の要領により、医療扶助による継続入院の要否を判定すること。

ただし、既に3の要領に基づいて判定された入院承認期間がある者についてはこの限りでないこと。

(6) 都道府県(指定都市及び中核市を含む。)民生部(局)は、昭和29年11月17日社発第904号厚生省社会局長、同公衆衛生局長連名通知「生活保護法による医療扶助と公衆衛生法規との関係について」に基づいて要保護者の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律による措置入院が適正に行なわれているか否か常時検討し、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の措置入院となるべきケースを医療扶助によって肩替りすることがないよう、当該都道府県衛生部(局)と適宜連絡をとり、それらに基づいて適切な措置を講ずること。

2 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第5条第22項の自立支援医療(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行令(平成18年政令第10号)第1条第3号の精神通院医療に限る。以下「精神通院医療」という。)の対象となる精神疾患に係る医療の取扱手続

(1) 福祉事務所長は、生活保護法による医療扶助の申請があった場合において、当該要保護者が精神通院医療の対象となる入院外医療を必要とする精神障害及び精神障害に付随する軽易な傷病を有する者であると思われるときは、直ちに精神通院医療の支給認定の申請手続を行うよう指導すること。ただし、現に精神通院医療の支給認定を受けているものについては所定の手続により医療扶助の要否を決定すること。

なお、精神通院医療の支給認定の申請手続を行う場合には、所定の申請書、診断書及び課税状況等の判る資料のほか、別に前記診断書の写し一部を添付して市町村長を経由し、都道府県知事に対して提出させること。

また、この申請を行った場合で、福祉事務所長の交付した医療要否意見書等があるときは、その意見書に精神通院医療の支給認定の申請をしたこと及び所要の医療費概算額のみを記入して、福祉事務所長に提出するよう指導すること。

(2) (1)の申請に要する診断書作成及び手続協力のための費用については、3000円以内の額を、医療機関の請求に基づき、福祉事務所払いの医療扶助費として支払って差し支えないこと。

(3) (1)の申請を行った要保護者に関する精神通院医療に係る支給認定を行ったかどうかについては、都道府県知事から市町村長を通じ次の資料をもって福祉事務所長に通知があるので、当該通知を受理したときは、通知に伴い送付された資料および(1)の医療要否意見書等を審査し、医療扶助の要否を決定すること。

なお、精神通院医療の支給認定却下通知を受けた者については、特に当該要保護者の病状について慎重に審査し、必要なときは指定医療機関に照会したうえ、医療扶助の要否を決定すること。

ア 精神通院医療の支給認定が行われたとき

医療受給者証(及び診断書)の写し

イ 精神通院医療の支給認定が行われなかったとき

却下通知書(及び診断書)の写し

(4) 福祉事務所長は、精神通院医療に係る支給認定を受けた被保護者に対しては、精神通院医療の支給認定の有効期間中においては、精神通院医療の対象となる入院外医療については、医療扶助を行わないものであること。なお、前記の被保護者に支給認定の行われない併発疾病のある場合には、一般の例により発行される医療要否意見書の「主要症状」欄には精神障害に関する病状を記載することは必要ないものであること。

3 精神疾患入退院取扱要領

(1) 福祉事務所長は、医療扶助による精神疾患に係る患者の入院を決定しようとするときは、指定医療機関に対して精神疾患入院要否意見書の提出を求めること。

なお、この取扱いは、新規の医療扶助による入院、入院外医療扶助の変更による入院および入院医療扶助の継続の場合のすべてに適用するものであること。

また、入院医療扶助の継続の場合は、当該入院の決定時から6箇月(6箇月の範囲内において、都道府県知事(指定都市及び中核市の市長を含む。(2)において同じ。)が期間を定めた場合には当該期間)又は(3)によって福祉事務所長が定めた期間ごとに精神疾患入院要否意見書の提出を求めること。

(2) (1)による精神疾患入院要否意見書を受理した福祉事務所長は、当該意見書を審査し、入院の要否について疑義があると認められるものについては、都道府県知事に技術的な助言を求め、その結果に基づいて入院の要否を決定すること。

なお、この協議にあたっては精神疾患入院要否意見書のほか、精神疾患入院要否判定補助カード(様式第10号)を整備のうえ、これを添付すること。

(3) 福祉事務所長は、入院期間を決定する場合は6箇月の範囲内において定めること。

第8 施行期日等

1 この通知は、昭和36年10月1日から施行すること。

2 昭和33年7月3日社発第424号厚生省社会局長通知「生活保護法による医療扶助運営要領について」は廃止する。ただし、同通知に基づいて調製された各給付要否意見書及び医療券(診療報酬請求明細書)等は、当分の間、これを取り繕って使用して差し支えないこと。

様式第1号

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様式第2号

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様式第10号

様式第11号

様式第12号

様式第13号

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様式第16号

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様式第17号

様式第18号の1

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様式第18号の1の3

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様式第18号の2

様式第19号

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様式第23号

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様式第23号の7

様式第23号の8

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様式第25号

様式第26号の1

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様式第26号の3

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様式第37号

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別紙第1号

医療係等の行なうべき職務内容

1 都道府県、指定都市及び中核市の本庁関係(中核市にあっては(1)のウを除く。)

(1) 医療係

ア 医療扶助運営台帳、実施書類および手続書類の作成、整備および保存

イ 様式等の公示

ウ 医療扶助の事務監査

エ 管内福祉事務所および町村の医療扶助運営体制の整備および実施に関する必要事項についての助言および連絡調整

オ 関係機関との連絡調整

カ 医療扶助関係統計分析

キ 医療機関等の指定

ク 指定医療機関に対する指導および検査

ケ 施術者組合との協定締結

コ 医療扶助審議会の運営(医療扶助審議会を設置している場合)

サ 健康保険法等による診療報酬に係る承認等

シ 社会保険診療報酬支払基金との契約締結および連絡調整

ス 診療報酬の知事決定

セ その他医療扶助の実施に関する事項

(2) 医系職員

ア 福祉事務所嘱託医の設置および活動についての技術的な助言

イ 医療扶助各給付の要否につき本庁に対する技術的助言の求めがあった場合の技術的検討

ウ その他医療扶助運営上必要な技術的検討

2 福祉事務所関係

(1) 査察指導員

ア 管内医療扶助の現状把握と問題点の分析

イ 地区担当員の指導とその効果の確認

ウ 指定医療機関、管内町村等に対する連絡調整の総括

(2) 地区担当員

ア 医療扶助の要否判定並びに医療扶助の開始、変更、停止及び廃止に係る調査等の事務

イ 入院外の患者を訪問して行う通院指導及び生活指導

ウ 入院患者を訪問して行う生活指導

エ 医療扶助受給世帯に対する一般的生活指導

オ アからエまでの事務を行うのに必要な各給付要否意見書等並びに診療報酬明細書及び訪問看護療養費明細書の検討

カ 指定医療機関、管内町村等との連絡調整

(3) 嘱託医

ア 医療扶助に関する各申請書及び各給付要否意見書等の内容検討

イ 要保護者についての調査、指導又は検診

ウ 診療報酬明細書及び訪問看護療養費明細書の内容検討

エ 医療扶助以外の扶助についての専門的判断及び必要な助言指導

(4) 医療事務担当者

ア 地区担当員、嘱託医等がその職務を行なう際これに協力し、問題点の検討資料を整備する等の事務

イ 医療機関、管内町村等に対する一般的事項についての連絡

ウ 診療報酬請求明細書等の検討

エ 医療券等の発行事務。ただし、福祉事務所の事務処理の実態に応じその必要がないと認められる場合は、この限りでない。

別紙第2号

他法関係

(1) 母体保護法関係

福祉事務所長は、要保護者が医療扶助によって人工妊娠中絶又は不妊手術を受けようとするときは、それらの診療を行なうべき母体保護法による指定医師(同時に法による指定医療機関であるもの)と連絡をとり、当該人工妊娠中絶又は不妊手術が、母体保護法によって認められるものであるかどうかを保護申請書若しくは傷病届の検討調査又は医療要否意見書の検討の過程において確認すること。

(2) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律関係

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」という。)における一類感染症、二類感染症若しくは指定感染症(政令により同法第19条又は第20条が準用されるものに限る。以下同じ。)の患者又は新感染症の所見がある者については、同法に基づき次の各号に掲げる施策が講じられるものであるから、福祉事務所長は、要保護者がこれに該当する場合には、当該要保護者に対し公費負担の申請を指導すること。

特に、エに掲げる結核に係る医療については、医療扶助で医療に係る費用の100分の5を支給する必要があることからも、保健所との連携を図り、公費負担の申請・承認状況について適宜確認するなどにより、施策の活用に遺漏がないよう努めること。

なお、これらの施策に該当しないものについては、一般の例により十分に調査を行った上で、医療扶助を適用して差し支えないこと。

ア 感染症法第19条若しくは第20条(これらの規定を第26条において準用する場合を含む。)又は第46条の規定により入院の勧告又は入院の措置が実施された一類感染症、二類感染症若しくは指定感染症の患者又は新感染症の所見がある者が感染症指定医療機関において受ける医療に要する費用の負担

イ アの患者等に対する感染症法第42条の規定に基づく療養費の支給

ウ アの患者等に対する感染症法第21条(第26条において準用される場合を含む。)又は第47条に規定する移送

エ 感染症法第37条の2の規定により結核患者が結核指定医療機関において受ける医療に要する費用の100分の95の負担

(3) ハンセン病問題の解決の促進に関する法律

国立ハンセン病療養所(以下、この項において「療養所」という。)の入所者に関しては、ハンセン病問題の解決の促進に関する法律によって療養所において医療が提供されるものであることから、福祉事務所長は、要保護者が療養所に再入所した場合には医療扶助は適用されないものであること。

なお、療養所の入所者が他病を併発して医療を要する場合には、当該医療は同所によって提供されるので医療扶助の適用の余地はないものであること。また、当該入所者の出身世帯の医療扶助関係事務は、生活保護関係事務職員に併任されたハンセン病対策関係事務職員が引き続き行うものであること。

(4) 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律関係

原子爆弾の被爆者に対しては、次の各号のとおり、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律によって医療の給付又は医療費の支給が行なわれるものであるから、福祉事務所長は、要保護者がこれに該当すると思われるときは、同法による指定医療機関又は被爆者一般疾病医療機関及び保健所又は都道府県衛生部(局)(広島市又は長崎市に居住する要保護者については、当該市の衛生課)と連絡をとり、当該要保護者が同法による医療の給付又は医療費の支給を受けるよう配意すること。ただし、次の各号に該当しない場合は、医療扶助を適用して差しつかえないこと。

ア 原子爆弾の傷害作用に起因する負傷又は疾病(以下「原爆症」という。)に関しては、同法第10条第1項の規定により医療の給付が行われるものであること。

なお、その者が原爆症以外の一定の傷病を併発した場合には、当該傷病についても同法により医療費の負担が行われるものであること。

イ 被爆者については、原爆症以外の傷病(遺伝性疾病、先天性疾病、被爆時以前にかかった精神疾患及びC1、C2のう歯を除く。以下この項において同じ。)に関しても、同法第18条第1項の規定により医療費の負担が行われるものであること。

(5) 麻薬及び向精神薬取締法関係

麻薬、大麻若しくはあへんの慢性中毒者(以下「麻薬中毒者」という。)の治療に関しては、麻薬及び向精神薬取締法によって措置すべきものであるから、福祉事務所長は、要保護者が麻薬中毒者またはその疑いのある者であるため医療を受けさせようとするときは、各都道府県薬務主管課に連絡をとり、麻薬中毒者医療施設において医療を受けさせること。

なお、麻薬及び向精神薬取締法による措置入院者が麻薬中毒以外の疾病(以下「合併症」という。)を治療する必要がある場合におけるその合併症に対する医療費については、原則として麻薬及び向精神薬取締法により負担されるものであるが、当該措置入院者が現に入院している麻薬中毒者医療施設以外の医療機関で医療を受けた場合における医療費については、同法では負担されないものであること。ただし、措置入院者が入院している麻薬中毒者医療施設において、その者の合併症に対する治療を行なうことができない場合で、当該施設が適当な医師を嘱託し、又は都道府県知事が他の適当な麻薬中毒者医療施設に転院させる等の方法により合併症の治療を行なうことを認める場合における医療費については、同法により負担されるものであること。

(6) 社会保険関係

ア 福祉事務所長は、医療扶助によって医療を受けようとする要保護者が社会保険の被保険者又は被扶養者であると思われるときは、地方社会保険事務局、社会保険事務所、健康保険組合、市町村、国民健康保険組合、保険医療機関等と連絡をとり、次の各号の事項を、保護申請書若しくは傷病届の検討、調査の過程において確認すること。

(ア) 当該要保護者が、健康保険、各種共済組合、国民健康保険、船員保険又は労働者災害補償保険の給付を受けることができるものであるかどうか。

(イ) 当該社会保険の保険者

(ウ) 当該社会保険の当該要保護者に対する給付率及び給付期間

(エ) 当該傷病に対する医療が、当該社会保険の給付の範囲内のものであるかどうか。

(オ) 当該社会保険による給付を受けるために患者が必要とする一部負担金

(カ) 当該社会保険による高額療養費支給制度又は高額医療・高額介護合算制度が当該要保護者に適用されているかどうか。

イ 福祉事務所長は高額療養費支給制度又は高額医療・高額介護合算制度の適用により保護を要しなくなる者については、保護の申請を却下し、又は保護を廃止することとなるが、その場合は、この措置が要保護者の利益となることを十分説明するとともに、高額療養費支給制度又は高額医療・高額介護合算制度の適用が償還払いにより行われるときは、その間生活に困窮する場合が生ずることも考えられるので、他法、他施策の活用あっせん等の援助について十分配慮すること。

(7) 国民健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律関係

社会保険関係のうち、国民健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律関係は、次によって取り扱うこと。

ア 法による保護を受けた世帯の世帯員は、その世帯が保護を受けなくなるまでは、保護を停止されている間を除き、市町村又は特別区の行なう国民健康保険及び後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者となることはできないから、市町村、特別区又は広域連合の区域内に住所を有する者に係る保護の開始、停止又は廃止の処分が行なわれたときは、その旨を市町村、特別区又は広域連合の長に連絡すること。

この場合、「保護」とは、法第11条第1項に規定する扶助をいい、施設事務費のみの対象となるもの(昭和38年4月1日社発第246号本職通知「生活保護法による保護の実施要領について」第10の2の(6)のウの(ア)に該当するものを除く。)は含まれないものであること。

イ 国民健康保険法第6条第6号及び高齢者の医療の確保に関する法律第51条の規定により同法の適用を除外されている世帯で、本人支払額が国民健康保険料又は後期高齢者医療の保険料相当額等(国民健康保険法又は後期高齢者医療の適用を受けた場合の保険料及び自己負担額並びに医療扶助の対象とならない治療材料及び医師が往診する際の交通費)を上回るに至った世帯については、生活保護法による保護を廃止して国民健康保険又は後期高齢者医療に加入させること。

ウ 国民健康保険加入世帯又は加入し得る世帯から新規に医療扶助の申請があった場合は、イに準じて保護開始時の要否判定を行うこと。

エ 国民健康保険における被保険者の資格及び療養の給付に関する経過措置は、次のとおりであるから留意されたいこと。

(ア) 国民健康保険法の施行(昭和34年1月1日)の際、国民健康保険を行なっている市町村の被保険者であって、国民健康保険法施行の際、現に療養の給付を受けている者が、次のいずれかに該当するときは、当該療養の給付事由たる疾病又は負傷及びこれによって発した疾病に関しては、被保険者資格の喪失後も、国民健康保険法施行の際における従前の例による療養の給付が行なわれるものであること。この場合の給付期間は、当該療養の給付を開始した日から起算して、国民健康保険法施行の際における従前の例により療養の給付を行なうべき期間であること。(国保法施行法第5条第3項)

a 当該市町村が、国民健康保険法施行と同時に、被保険者の資格に関して国民健康保険法の取扱いに切り替えたため、被保険者資格を喪失したとき。

b 当該市町村が、昭和36年3月31日までの間に被保険者の資格に関して国民健康保険法の取扱いに切り替えたため、国民健康保険法施行前から引き続き有していた被保険者資格を喪失したとき。

c 当該市町村が、昭和36年4月1日から、被保険者の資格に関して国民健康保険法の取扱いによることとなったため、国民健康保険法施行前から引き続き有していた被保険者資格を喪失したとき。

(イ) 被保険者の資格に関して国民健康保険法の取扱いによるときは、生活保護法関係はすべて国民健康保険法第6条第6号によるものであるから、条例により同号に該当しない者についてまで被保険者の資格が失われることのないよう特に留意すること。

(8) 社会福祉関係

福祉事務所長は、医療扶助によって医療を受けようとする要保護者が社会福祉関係の各種給付を受けることができる者であると思われるときは、福祉事務所社会福祉関係係(課)、本庁社会福祉担当課、市町村社会福祉協議会、自立支援医療等を担当する指定医療機関等と連絡をとり、次の各号の事項を保護申請書若しくは傷病届の検討、調査又は各給付要否意見書の検討の過程において確認すること。

ア 当該要保護者が自立支援医療等によって医療等の給付を受けることができるものであるかどうか。

イ 当該傷病に対する医療が、自立支援医療等による給付の範囲内のものであるかどうか。

ウ 当該要保護者が、生活福祉資金制度によって貸付けを受けることを適当とするものであるかどうか。

(9) 行刑機関、警察官署等との関係

行刑機関、警察官署等に拘束されている者が発病した場合には、これに対する医療は、原則として、刑事行政の一環として措置されるべきものであるが、法定の事由に基づきこれが釈放される場合には、あらかじめ福祉事務所長と行刑機関との間で連絡をとり、行刑機関等から釈放すべき理由を記載した手続書類の提出を受けたうえ、一般の手続きを進行させるものとすること。

(10) 学校保健安全法関係

学校保健安全法第24条の規定に基づき、地方公共団体が設置する義務教育諸学校の要保護及び準要保護児童又は生徒が次に掲げる疾病にかかり同法第14条の規定による治療の指示を受けたときは、地方公共団体は当該児童又は生徒の保護者(学校教育法第16条に規定する保護者をいう。)に対して、その疾病の治療のための医療に要する費用についてこれを援助するものとされているが、同法による援助と医療扶助との関係は次の各号によって取扱うものであること。

1 トラコーマ及び結膜炎

2 白癬、疥癬及び膿痂疹

3 中耳炎

4 慢性副鼻腔炎及びアデノイド

5 う歯

6 寄生虫病(虫卵保有を含む。)

ア 学校保健安全法第24条の規定による要保護児童生徒に対する医療費の援助(同条第1号に該当する者に対する医療費の援助をいう。)は法第4条第2項に規定する「他の法律に定める扶助」にあたるので、法第15条の規定による医療扶助に優先して行なわれるものであること。したがって、後記ウに該当する場合を除いて、学校保健安全法第24条により援助を行なうべきものについては、同法による援助を行なうものであること。

イ 地方公共団体は、学校保健安全法第24条の規定により医療費の援助を行なうについては、あらかじめ十分な具体的援助計画を立て、費用の不足等により疾病の治癒前に援助が打ち切られるようなことがないようにすべきは当然であるが、それでもなお、予測し得ない事情により予算の不足を生じ、援助を打ち切らざるを得ないような場合を生じたときは、すみやかに学校保健安全法による医療費の援助に要する予算の追加又は更正等の措置を講ずるものとされているので、保護の実施機関は地方公共団体と密接な連絡をとり、予算の不足等を理由として、要保護児童生徒と準要保護児童生徒に対する援助とを差別的に取り扱うこと等のないよう学校保健安全法による援助の予算の執行等について十分留意すること。なお、予算上又は取扱い上適切な措置がとられていない場合は、保護の実施機関は地方公共団体に対して必要な申し入れを行ない、適切な運用の行なわれるよう配意するとともに、地方公共団体から援助の予算を費消し、その追加、更正の措置が不可能なため現に行なっている治療を打ち切らざるを得ない旨の連絡を受けたときは、保護の実施機関は当該児童生徒の治療が中断されることのないよう、医療扶助を要するものについて、すみやかに医療扶助決定手続に従い、保護の申請及び決定の措置を講ずること。

ウ 学校保健安全法第24条の規定に基づく、同法施行令第8条に定める前記疾病は比較的軽症のものが多いと予想されるが、入院を要するごとき重症のものであって、保護の実施機関が入院を必要と認めた要保護児童生徒に係る入院時以降における医療費又はすでに医療費の援助をはじめた疾病が同法施行令第8条に定める疾病に該当しなくなった場合の医療費については、前記アにかかわらず、地方公共団体は保護の実施機関と連絡をとり、法による医療扶助の申請を行なうよう措置するものとされているので取扱上齟齬の生じないよう留意すること。

エ 前記ア、イ及びウの取扱いを適切に行なうため、都道府県(指定都市又は中核市)民生部(局)は、常時都道府県(指定都市又は中核市)教育委員会と密接な連絡をとり、学校保健安全法第24条による援助の予算措置及び同法第25条による国の補助、地方公共団体の具体的援助計画並びに援助の実施状況等をそれぞれ保護の実施機関に対して通知するとともに、援助計画の変更、予算の追加、更正等についても適切な連絡指導を行なうこと。

(11) 難病の患者に対する医療等に関する法律関係

ア 福祉事務所長は、生活保護法による医療扶助の申請があった場合において、当該要保護者が、難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号)第5条に規定する特定医療費(以下「特定医療費」という。)の対象となる医療を必要とする指定難病の患者であると思われるときは、直ちに難病指定医による診断を受けるよう指導すること。ただし、現に特定医療費の支給認定を受けているものについては所定の手続により医療扶助の要否を決定すること。

イ 特定医療費の支給認定に係る申請(以下「特定医療費申請」という。)に要する診断書(臨床調査個人票)の作成及び手続協力のための費用については、5000円以内の額を、医療機関の請求に基づき、福祉事務所払いの医療扶助費として支払って差し支えないこと。なお、診断書(臨床調査個人票)の添付書類における、複写フィルムや電磁的記録媒体(CD―R等)にかかる費用については、添付書類ごとにそれぞれ1000円以内の額を医療機関の請求に基づき、福祉事務所払いの医療扶助費として支払って差し支えないこと。

ウ 難病指定医による診断後、特定医療費の支給認定の申請手続を行うよう指導すること。その際、所定の申請書に診断書(臨床調査個人票)、住民票、生活保護受給者であることを証明する書類等を添付して、都道府県特定医療費担当課に対して提出させること。

エ 特定医療費申請が行われ、都道府県特定医療費担当課において、軽症であることを理由に却下された者については、指定難病に係る医療費が軽症高額該当基準に該当する場合(指定難病に係る医療費(指定難病の発症月以降のものに限る。)が3万3330円を超えた月数が申請月の属する月以前の12月以内に3月以上ある場合)には、都道府県特定医療費担当課に対し、医療費を証明する書類を添付して再申請させること。

なお、医療費の証明方法については、申請者が作成した医療費申告書とともに、医療費の額を証明する領収書又は実施機関が診療報酬明細書等により確認した医療費を証明する書面等を添付して証明を行うが、要保護者に対して診療報酬明細書等を交付する場合には、「診療報酬明細書等の被保護者への開示について」(平成9年8月15日社援保第151号厚生省社会・援護局長通知)における取扱いに留意すること。また、当該特定医療費申請前に難病の医療費助成に係る支給認定を受けたことのある者については、都道府県特定医療費担当課から医療受給者証とともに、自己負担上限額管理票が交付されていることから、当該支給認定期間に係る医療費については、これにより証明が行われること。

オ 要保護者が特定医療費申請を行った場合で、福祉事務所長の交付した医療要否意見書等があるときは、その意見書に特定医療費の申請をしたこと及び所要の医療費概算額のみを記入して、福祉事務所長に提出するよう指導すること。

カ 申請を行った要保護者に関する特定医療費の支給認定については、都道府県特定医療費担当課から次の資料をもって申請者に通知があるので、認定結果について申請者である当該要保護者に確認の上、当該資料の写し及び医療要否意見書等を審査し、医療扶助の要否を決定すること。

なお、特定医療費の支給認定却下通知を受けた者については、特に当該要保護者の病状について慎重に審査し、必要なときは指定医療機関に照会したうえ、医療扶助の要否を決定すること。

(ア) 特定医療費の支給認定が行われたとき

医療受給者証(及び診断書)

(イ) 特定医療費の支給認定が却下されたとき

却下通知書(及び診断書)

キ 福祉事務所長は、特定医療費に係る支給認定を受けた被保護者に対して、特定医療費の支給認定の有効期間においては、特定医療費の支給対象となる医療について、医療扶助を行わないものであること。なお、支給認定が行われた被保護者に特定医療費の対象とならない併発疾病のある場合には、医療要否意見書の「主要症状」欄には難病に関する病状を記載することは必要ないものであること。

別紙第3号

治療指針・使用基準関係

指定医療機関(医療保護施設を含む。以下同じ。)が医療を担当する場合における診療方針は国民健康保険法第40条第1項の規定により準用される保険医療機関及び保険医療養担当規則第2章保険医の診療方針並びに保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則第8条調剤の一般的方針又は老人保健法第30条第1項の規定に基づく老人保健法の規定による医療の取扱い及び担当に関する基準第2章保険医による医療の担当及び第30条調剤の一般方針によるが、特に次のものに留意すること。

性病の治療

昭和38年6月7日保発第11号 厚生省保険局長、公衆衛生局長連名通知による「性病の治療指針」

結核の治療

昭和38年6月7日保発第12号 厚生省保険局長通知による「結核の治療指針」 昭和61年3月7日厚生省告示第28号による「結核医療の基準」

高血圧の治療

昭和36年10月27日保発第73号 厚生省保険局長通知による「高血圧の治療指針」

慢性胃炎、胃潰瘍及び十二指腸潰瘍の治療

昭和30年8月3日保発第45号 厚生省保険局長通知による「社会保険における慢性胃炎、胃十二指腸潰瘍の治療指針」

精神科の治療

昭和36年10月27日保発第73号 厚生省保険局長通知による「精神科の治療指針」

抗生物質製剤による治療

昭和37年9月24日保発第42号 厚生省保険局長通知による「抗生物質の使用基準」

副腎皮質ホルモン、副腎皮質刺戟ホルモン及び性腺刺戟ホルモンによる治療

昭和37年9月24日保発第42号 厚生省保険局長通知による「副腎皮質ホルモン、副腎皮質刺戟ホルモン及び性腺刺戟ホルモンの使用基準」

歯槽膿漏症の治療

昭和42年7月17日保発第26号 厚生省保険局長通知による「歯槽膿漏症の治療指針」

歯科診療における抗生物質製剤による治療

昭和37年9月24日保発第42号 厚生省保険局長通知による「歯科領域における抗生物質の使用基準」

別紙第4号の1

別紙第4号の2

あん摩・マッサージの施術料金の算定方法

あん摩・マッサージの施術に係る費用の額は、次に定める額により算定するものとする。

1 施術

(1) マッサージを行った場合 1局所につき350円

(2) 温罨法を(1)と併施した場合 1回につき125円加算

(3) 変形徒手矯正術を(1)と併施した場合 1肢につき450円加算

(1) マッサージの「1局所につき」とは、上肢の左右、下肢の左右及び頭より尾頭までの躯幹をそれぞれ1局所として、全身を5局所とするものである。

(2) 温罨法と併せて、施術効果を促進するため、あん摩・マッサージの業務の範囲内において人の健康に危害を及ぼすおそれのない電気光線器具を使用した場合にあっては、160円とするものである。

(3) 変形徒手矯正術に係る医師の同意書の有効期間は1月以内とし、医療上1月を超える場合は、改めて同意書の添付を必要とするものである。

(4) 変形徒手矯正術と温罨法との併施は認められない。

2 往療

患者1人1回につき2300円

(1) 往療距離が片道4キロメートルを超えた場合は、2550円とする。

(2) 2戸以上の患家に対して引き続いて往療した場合の往療順位第2位以下の患家に対する往療距離の計算は、当該施術所の所在地を起点とせず、それぞれ先順位の患家の所在地を起点とする。

(3) 片道16キロメートルを超える場合の往療料は往療を必要とする絶対的な理由がある場合以外は認められないこと。

(4) 往療料は、歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由等により通所して治療を受けることが困難な場合に、患家の求めに応じて患家に赴き施術を行った場合に支給できること。

(5) 往療料は、治療上真に必要があると認められる場合(定期的・計画的に行う場合を含む。)に支給できること。治療上真に必要があると認められない場合、単に患家の求めに応じた場合又は患家の求めによらず定期的・計画的に行う場合については、往療料は支給できないこと。

3 施術報告書交付料 480円

注 施術報告書交付料を支給する施術費給付請求明細書には、施術者より記入を受けた施術報告書の写しを添付する取扱いとすること。

また、一連の施術において既に施術報告書交付料が支給されている場合は、直前の当該支給に係る施術の年月を記入する取扱いとすること。

4 実施上の留意事項

その他実施にあたっての細目については、国民健康保険の例によること。

別紙第4号の3

柔道整復師の施術料金の算定方法

柔道整復師の施術に係る費用の額は、次に定める額により算定するものとする。

1 初検、往療及び再検

初検料

1,520円

初検時相談支援料

100円

往療料

2,300円

再検料

410円

(1) 当該施術所が表示する施術時間以外の時間(休日を除く。)又は休日において初検を行った場合は、それぞれ所定金額に540円又は1560円を加算する。ただし、午後10時から午前6時までの間にあっての加算金額は3120円とする。

(2) 初検時相談支援料は、初検時において、患者に対し、施術に伴う日常生活等で留意すべき事項等をきめ細やかに説明し、その旨施術録に記載した場合に算定する。

(3) 往療距離が片道4キロメートルを超えた場合は、2,550円とする。

(4) 夜間、難路又は暴風雨時若しくは暴風雪時の往療については、所定金額(注(3)による金額を含む。)のそれぞれ100分の100に相当する金額を加算する。

(5) 2戸以上の患家に対して引き続いて往療した場合の往療順位第2位以下の患家に対する往療距離の計算は、当該施術所の所在地を起点とせず、それぞれ先順位の患家の所在地を起点とする。

(6) 片道16キロメートルを超える場合の往療料は往療を必要とする絶対的な理由がある場合以外は認められないこと。

(7) 往療料は、下肢の骨折又は不全骨折、股関節脱臼、腰部捻挫等による歩行困難等真に安静を必要とするやむを得ない理由により患家の求めに応じて患家に赴き施術を行った場合に算定できるものであり、単に患者の希望のみにより又は定期的若しくは計画的に患家に赴いて施術を行った場合には算定できないこと。

(8) 再検料の算定は、初回後療日に限る。

2 骨折

骨折

整復料

後療料






1 鎖骨

5,500円



850円

2 肋骨

5,500円

3 上腕骨

11,800円

4 前腕骨

11,800円

5 大腿骨

11,800円

6 下腿骨

11,800円

7 手根骨・足根骨

5,500円

8 中手骨、中足骨、指(手、足)骨

5,500円




(1) 関節骨折又は脱臼骨折は、骨折の部に準ずる。

(2) 医師により後療を依頼された場合で、拘縮が2関節以上に及ぶ場合の後療料は1090円とする。

3 不全骨折

不全骨折

固定料

後療料






1 鎖骨、胸骨、肋骨

4,100円



720円

2 骨盤

9,500円

3 上腕骨、前腕骨

7,300円

4 大腿骨

9,500円

5 下腿骨

7,300円

6 膝蓋骨

7,300円

7 手根骨、足根骨、中手骨、中足骨、指(手、足)骨

3,900円




注 医師により後療を依頼された場合で、拘縮が2関節以上に及ぶ場合の後療料は960円とする。

4 脱臼

脱臼

整復料

後療料






1 顎関節

2,600円



720円

2 肩関節

8,200円

3 肘関節

3,900円

4 股関節

9,300円

5 膝関節

3,900円

6 手関節、足関節、指(手、足)関節

3,900円




注 脱臼の際、不全骨折を伴った場合は、脱臼の部に準ずる。

5 打撲及び捻挫

打撲及び捻挫

施療料

後療料








1 打撲



760円



505円

2 捻挫




(1) 不全脱臼は捻挫の部に準ずる。

(2) 施術料は、次に掲げる部位を単位として算定する。

(打撲の部分)

頭部、顔面部、頸部、胸部、背部(肩部を含む)、上腕部、肘部、前腕部、手根・中手部、指部、腰臀部、大腿部、膝部、下腿部、足根・中足部、趾部

(捻挫の部分)

頸部、肩関節、肘関節、手関節、中手指・指関節、腰部、股関節、膝関節、足関節、中足趾・趾関節

備考

1 後療において強直緩解等のため、温罨法を併施した場合には、1回につき75円を、また施術効果を促進するため、柔道整復の業務の範囲内において人の健康に危害を及ぼすおそれのない電気光線器具を使用した場合には電療料として、1回につき30円を加算する。但し、いずれの場合であっても、骨折又は不全骨折の場合にあってはその受傷の日から起算して7日間、脱臼、打撲、不全脱臼又は捻挫の場合にあってはその受傷の日から起算して5日間については、当該加算を行わないものとする。

2 冷罨法を併施した場合(骨折又は不全骨折の場合にあっては、その受傷の日から起算して7日間に限り、脱臼の場合にあっては、その受傷の日から起算して5日間に限り、打撲又は捻挫の場合にあっては、受傷の日又はその翌日の初検の日に限るものとする。)は、1回につき85円を加算する。

3 施術部位が3部位以上の場合は、後療料、温罨法料、冷罨法料及び電療料について3部位目は所定料金の100分の60に相当する額により算定する。なお、4部位目以降に係る費用については、3部位目までの料金に含まれる。

4 初検日を含む月(ただし、初検の日が月の16日以降の場合にあっては、当該月の翌月)から起算して5か月を超える月における施術(骨折又は不全骨折に係るものを除く。)については、後療料、温罨法料、冷罨法料及び電療料について所定料金(備考3により算定されたものを含む。)の100分の80に相当する額により算定する。

5 初検日を含む月(ただし、初検の日が月の16日以降の場合にあっては、当該月の翌月)から起算して5か月を超えて、継続して3部位以上の施術(骨折又は不全骨折に係るものを含む。)を行った場合は、備考3及び備考4による方法に代えて、あらかじめ都道府県知事に届け出た施術所において施術を行う柔道整復師に限り、施術部位数に関係なく、後療料、温罨法料、冷罨法料及び電療料として、1回につき1200円を算定する。

6 骨折、脱臼の整復又は不全骨折の固定に当たり、特に施療上金属副子、合成樹脂副子又は副木・厚紙副子(以下「金属副子等」という。)を必要とし、これを使用した場合は、整復料又は固定料に1000円を加算する。

なお、金属副子等の交換が必要となった場合は、2回まで後療料に1000円を加算できることとする。

7 骨折、不全骨折又は脱臼に係る施術を行った後、運動機能の回復を目的とした各種運動を行った場合に柔道整復運動後療料として算定できる。

(1) 負傷の日から15日間を除き、1週間に1回程度、1か月(歴月)に5回を限度とし、後療時に算定できる。

(2) 当該負傷の日が月の15日以前の場合及び前月から施術を継続している者で、当該月の16日以降に後療が行われない場合には、当該月について2回を限度に算定できる。

(3) 部位、回数に関係なく1日320円とし、20分程度、柔道整復の一環としての運動による後療を実施した場合に算定できる。

8 骨折、不全骨折又は脱臼に係る応急施術を行った後に、指定医療機関に対して施術の状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合は、施術情報提供料として1000円を算定する。

9 患者から本人支払額の支払いを受けるときは明細書を無償で交付する施術所である旨をあらかじめ地方厚生(支)局長に届け出た施術所において、明細書を無償で交付する旨を施術所内に掲示し、明細書を無償で患者に交付した場合は、令和4年10月1日以降の施術分から、明細書発行体制加算として、月1回に限り、13円を算定する。

実施上の留意事項

その他実施にあたっての細目については、国民健康保険の例によること。

別紙第4号の4

はり・きゅうの施術料金の算定方法

1 施術

(1) 初検料

① 1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合

1780円

② 2術(はり、きゅう併用)の場合

1860円

(2) 施術料

① 1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合

1回につき 1550円

② 2術(はり、きゅう併用)の場合

1回につき 1610円

注 はり又はきゅうと併せて、施術効果を促進するため、それぞれ、はり又はきゅうの業務の範囲内において人の健康に危害を及ぼすおそれのない電気針、電気温灸器又は電気光線器具を使用した場合は、電療料として1回につき34円を加算する。

2 往療

患者1人1回につき2300円

(1) 往療距離が片道4キロメートルを超えた場合は、2550円とする。

(2) 2戸以上の患家に対して引き続いて往療した場合の往療順位第2位以下の患家に対する往療距離の計算は、当該施術所の所在地を起点とせず、それぞれ先順位の患家の所在地を起点とする。

(3) 片道16キロメートルを超える場合の往療料は往療を必要とする絶対的な理由がある場合以外は認められないこと。

(4) 往療料は、歩行困難等、真に安静を必要とするやむを得ない理由等により通所して治療を受けることが困難な場合に、患家の求めに応じて患家に赴き施術を行った場合に支給できること。

(5) 往療料は、治療上真に必要があると認められる場合(定期的・計画的に行う場合を含む。)に支給できること。治療上真に必要があると認められない場合、単に患家の求めに応じた場合又は患家の求めによらず定期的・計画的に行う場合については、往療料は支給できないこと。

3 施術報告書交付料 480円

注 施術報告書交付料を支給する施術費給付請求明細書には、施術者より記入を受けた施術報告書の写しを添付する取扱いとすること。

また、一連の施術において既に施術報告書交付料が支給されている場合は、直前の当該支給に係る施術の年月を記入する取扱いとすること。

4 実施上の留意事項

その他実施にあたっての細目については、国民健康保険の例によること。