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○社会福祉事業法における大都市特例の施行について

(平成九年三月一九日)

(社援企第五五号)

(各都道府県知事・指定都市市長・中核市市長あて厚生省大臣官房障害保健福祉部長・厚生省社会・援護局長・厚生省老人保健福祉局長・厚生省児童家庭局長通知)

民間活動における規制の改善及び行政事務の合理化のための厚生省関係法律の一部を改正する法律(平成八年法律第一〇七号)により、社会福祉事業法(昭和二六年法律第四五号)に大都市特例が設けられ、平成九年四月一日から施行されることとされているが、今般、平成九年三月一九日政令第三七号により「社会福祉事業法第一三条第三項ただし書の市を指定する政令及び地方自治法施行令の一部を改正する政令」(以下「一部改正政令」という。)が、また、平成九年三月一九日厚生省令第一二号により「社会福祉事業法施行規則の一部を改正する省令」が公布され、大都市特例の施行のための政省令の規定が定められた。その内容及び留意事項は、左記のとおりであるので、円滑な施行に特段の配意を図られたい。

第一 一部改正政令について

1 社会福祉事業法(以下「法」という。)第八三条の二第一項の規定により指定都市又は中核市の長その他の指定都市又は中核市の職員が行う事務については、社会福祉事業法施行令(昭和三三年政令第一八五号。一部改正政令により、「社会福祉事業法第一三条第三項ただし書の市を指定する政令」の題名を改正)第二条において、地方自治法施行令第一七四条の三〇の二第一項及び第二項並びに第一七四条の四九の七第一項及び第二項に定めるところによるものとされたが、その内容は、以下のとおりである。

(1) 指定都市関係(地方自治法施行令第一七四条の三〇の二関係)

法第七章に定める都道府県又は都道府県知事その他の都道府県の機関(以下「都道府県等」という。)が処理し又は管理し及び執行することとされている事務については、次の事務を除き、すべて指定都市又は指定都市の市長その他の指定都市の機関(以下「指定都市等」という。)が処理し又は管理し及び執行する事務であること。

① 都道府県が経営する社会福祉事業に係る法第六五条の規定による報告の徴収等に関する事務

② 法第六九条第一項の規定による寄附金の募集のうち募集しようとする地域が当該指定都市の区域を越えるものに係る同項の規定による寄附金募集の許可に関する事務

また、法第七章中都道府県等に関する規定は、前記①及び②の事務に係る規定を除き、指定都市等に関する規定として指定都市等に適用があるものであること。

(2) 中核市関係(地方自治法施行令第一七四条の四九の七関係)

法第七章に定める都道府県等が処理し又は管理し及び執行することとされている事務については、次の事務を除き、すべて中核市又は中核市の市長その他の中核市の機関(以下「中核市等」という。)が処理し又は管理し及び執行する事務であること。

① 法第二条第三項第三号の三に規定する精神障害者社会復帰施設を経営する事業及び精神障害者地域生活援助事業に係る法第六四条の規定による事業開始の届出等に関する事務

② ①の事業及び都道府県が経営する①以外の社会福祉事業に係る法第六五条の規定による報告の徴収等に関する事務

③ ①の事業に係る法第六七条の規定による社会福祉事業の制限又はその停止の命令に関する事務

④ 法第六九条第一項の規定による寄附金の募集のうち募集しようとする地域が当該中核市の区域を越えるものに係る同項の規定による寄附金募集の許可に関する事務

また、法第七章中都道府県等に関する規定は、前記①~④の事務に係る規定を除き、中核市等に関する規定として中核市等に適用があるものであること。

2 指定都市等又は中核市等が処理し又は管理し及び執行することとなる法第七章各条の具体的事務の内容は、以下のとおりである。

① 国、都道府県、指定都市及び中核市以外の者が施設を設置して第一種社会福祉事業を経営しようとするときの事業開始の届出又は許可に関する事務(法第五七条第一項又は第二項関係)

② ①の届出事項等に係る変更の届出又は許可に関する事務(法第五八条第一項又は第二項関係)

③ ①の事業に係る事業廃止の届出に関する事務(法第五九条関係)

④ 国、都道府県、指定都市及び中核市以外の者が施設を必要としない第一種社会福祉事業を経営しようとするときの事業開始の届出又は許可に関する事務(法第六二条第一項又は第二項関係)

⑤ ④の届出事項等に係る変更等の届出に関する事務(法第六三条関係)

⑥ 国、都道府県、指定都市及び中核市以外の者が第二種社会福祉事業を開始したときの事業開始等の届出に関する事務(法第六四条関係)。ただし、中核市にあっては、法第二条第三項第三号の三に規定する精神障害者社会復帰施設を経営する事業及び精神障害者地域生活援助事業に係るものを除く。

⑦ 都道府県を除く社会福祉事業を経営する者に対する報告徴収等に関する事務(法第六五条関係)。ただし、中核市にあっては、精神障害者社会復帰施設を経営する事業及び精神障害者地域生活援助事業に係るものを除く。

⑧ 社会福祉施設の改善命令に関する事務(法第六六条関係)

⑨ 社会福祉事業の経営の制限若しくはその停止の命令又は許可の取消に関する事務(法第六七条関係)。ただし、中核市にあっては、精神障害者社会復帰施設を経営する事業及び精神障害者地域生活援助事業に係るものを除く。

⑩ 当該指定都市又は中核市の区域内で行われる寄付金の募集の許可等(法第六九条関係)

3 指定都市等又は中核市等がその事務を処理し又は管理し及び執行するに当たって、都道府県等の監督規定を適用しないとする行政監督の特例については、一部改正政令の施行により、指定都市又は中核市が社会福祉事業を経営する場合には、社会福祉事業法第五七条第一項、第六二条第一項又は第六四条第一項に基づく届出が不要となることから、第二種社会福祉事業である精神障害者社会復帰施設及び精神障害者地域生活援助事業に係る法第六七条の行政監督の特例を除き、廃止されるものであること。

また、新たな行政監督の特例として、法第六五条の規定による社会福祉事業を経営する者に対する検査及び調査が対象とされたものであること。

4 社会福祉事業法の大都市特例の創設に伴う他法の大都市特例の改正について

法第七章の規定が適用される他法に規定されている事務については、これまで同章に大都市特例が設けられていなかったことを理由として、各法の大都市特例の対象から除外されていたものであるが、今回の大都市特例の創設によって、各法の大都市特例の対象となること。

したがって、指定都市及び中核市が以下に掲げる施設を設置し、又は事業を行うに当たっては(④に掲げる施設又は事業については、中核市が行う場合を除く。)、法第五七条第一項、第五八条第一項、第五九条、第六二条第一項、第六三条、第六四条第一項に規定する事業開始の届出等は、不要となること。また、法第六五条、第六六条及び第六七条に規定する都道府県知事の監督を受けないものであること。

① 知的障害者福祉法に基づく知的障害者援護施設の設置及び知的障害者地域生活援助事業に係る事務(地方自治法施行令第一七四条の三〇の三、第一七四条の四九の八関係)

② 母子及び寡婦福祉法に基づく母子福祉施設の設置に係る事務(地方自治法施行令第一七四条の三一、第一七四条の四九の九関係)

③ 老人福祉法に基づく軽費老人ホーム及び老人福祉センターの設置に係る事務(地方自治法施行令第一七四条の三一の二、第一七四条の四九の一〇関係)

④ 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づく精神障害者社会復帰施設の設置及び精神障害者地域生活援助事業の実施に係る事務(地方自治法第一七四条の三六の二関係)

5 経過措置

① 法第七章の規定により、都道府県知事がした処分その他の行為で一部改正政令の施行の際現にその効力を有するものであって、一部改正政令の施行日以後に指定都市又は中核市の市長が管理し及び執行することとなる事務に係るものは、当該施行日以後においては、指定都市又は中核市の市長のした処分その他の行為とみなすものであること。

② 一部改正政令の施行日前に法第七章の規定により都道府県知事に対してなされた申請、届出その他の行為(以下「申請等」という。)で、当該施行日以後において指定都市又は中核市の市長が管理し及び執行することとなる事務に係るものは、当該施行日以後においては、指定都市又は中核市の市長に対してなされた申請等とみなすものであること。

第二 社会福祉事業法施行規則の一部を改正する省令について

社会福祉事業法の大都市特例を施行するため、必要な読み替え規定を設けるとともに、様式の改正を行うものとすること。

第三 その他

社会福祉事業法における大都市特例の施行に当たっては、社会福祉事業法及び第一の4に掲げる各法の施行に関してこれまで発出し、なおその効力を有する通知のうち、指定都市又は中核市に移譲される事務に係るものについては、通知中「都道府県等」とあるのを「指定都市等」又は「中核市等」と読み替えて、指定都市又は中核市に適用するものとする。