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○市街地整備施策と社会福祉施設整備施策の連携による安全・安心まちづくりの推進について

(平成八年六月二七日)

(社援施第九八号・建設省都区発第三六号)

(各都道府県・各政令市・各中核市あて厚生省社会・援護局長・建設省都市局長連名通知)

二一世紀の本格的な少子・高齢社会を目前に控え、高齢者、障害者を含めてすべての人々が、安全かつ安心して豊かに生活できるよう、福祉の視点に立ったまちづくりを推進することが求められている。

このため、住宅・公共施設等のバリアフリー化等も含めた総合的な福祉のまちづくりの手引きとなるよう、「すべての人にやさしいまちづくりを目指して―福祉のまちづくり計画策定の手引き―」(平成八年三月二九日付け厚生大臣官房長、建設大臣官房長連名通知)を既に通知したところである。

この「福祉のまちづくり計画策定の手引き」を、市街地整備施策と社会福祉施設整備施策の連携の観点から、左記のとおり具体化したので通知する。地域の実情に応じた福祉のまちづくりを実現するためには、市町村の主体的かつ計画的な取組が不可欠であるが、中心市街地等において社会福祉施設を適正に配置していく際の視点として、「福祉のまちづくり計画の策定の手引き」と合わせ広く活用されたい。

なお、貴管下市町村にも周知徹底方お願いする。

(市街地における社会福祉施設の適正な立地の促進)

一 安全・安心まちづくりの推進のため、市街地整備施策においては、道路の歩道部の段差の解消等により面的なバリアフリー化を推進しているところである。また、福祉施策においては、高齢者分野の新ゴールドプラン、児童分野のエンゼルプラン、障害者分野の障害者プランを策定し、これら三プランに基づく社会福祉施設の整備を推進しているところである。

このような状況の中で、福祉の視点に立ったまちづくりを一層推進するため、高齢者等が利用する社会福祉施設を中心市街地等の利用しやすい場所に適正に配置することが特に必要になっている。

また、阪神・淡路大震災を契機として、安全な市街地を形成するために防災の視点からの都市計画を一層推進することが重要と認識されたところであるが、災害時には平常時よりも社会福祉施設が果たす役割の重要性が高まるため、防災都市づくりの観点からも社会福祉施設の配置に十分配慮することが必要である。

(市街地整備担当部局と社会福祉施設整備担当部局との連携)

二 面的な市街地整備を計画するに当たっては、社会福祉施設を適正に配置することを十分検討するとともに、その整備を円滑に進めるため、市町村の市街地整備担当部局と社会福祉施設整備担当部局との間で協議会を設置するなど、相互の担当する事業について密接な連絡調整を図るよう努められたい。

(国の支援等)

三 市町村において、市街地整備担当部局と社会福祉施設整備担当部局とが連絡調整し、市街地整備と社会福祉施設の整備を連携して計画的に進める場合には、建設省及び厚生省は、土地区画整理事業に係る国庫補助及び社会福祉施設の整備に係る国庫補助に関して、相互に連携して進めるよう努めることとしている。

なお、中心市街地等において市街地整備と連携して社会福祉施設を適正に配置する際には、<別紙>に掲げる施策が活用できるので、これらの積極的な活用を検討されたい。

<別紙>

(土地区画整理事業の活用)

○ 土地区画整理事業

・土地区画整理事業を活用し、公共公益施設の用地の集約・確保及び街区の再編等を推進。

○ 街区高度利用土地区画整理事業

・既成市街地において土地の有効・高度利用を図る土地区画整理事業への一般会計による補助。なお、平成八年度に、地方都市等の空洞化した商店街等を対象とできるよう地区要件を緩和するとともに、公益施設用地に係る建築物の除却・整地費を補助対象に追加。

(用地買取りへの支援)

○ 市街地宅地利用促進事業

・土地区画整理事業の施行地区において、施行者である地方公共団体が、居住者の福祉又は利便のため必要な公益的施設の用地を先行取得する際の公営企業債による起債措置。

○ 公共公益施設用地に係る都市開発資金貸付け

・大都市及び地方拠点都市地域の中心都市の既成市街地のうち地区計画の区域等において、地方公共団体等が、公共公益施設用地を買い取る際の低利融資。

○ 社会福祉・医療事業団による社会福祉施設等に対する低利融資

・社会福祉・医療事業団が、社会福祉施設等を設置・経営する社会福祉法人等に低利融資を行うもの。なお、土地取得費も低利融資の対象となる。

(社会福祉施設等施設整備費の活用等)

○ 社会福祉施設等施設整備費

・社会福祉施設等の整備に係る国庫補助。特に、都市部での施設整備を促進するため、社会福祉施設等施設整備費のなかに以下の制度が設けられている。

① 都市部で施設を整備する際に国庫補助単価の割り増しを行う都市部特例割増単価

② 都市部で三階建て以上の施設を整備する際に国庫補助基準面積の割り増しを行う高層化特例割り増し面積の制度

③ 都市部において既存施設の改築を行う際に社会福祉・医療事業団の無利子貸付等が受けられる既存社会福祉施設用地有効活用改築促進制度

○ 社会福祉施設の最低定員基準の緩和

・社会福祉施設に設けられている最低定員の基準を、都市部等における社会福祉施設の整備促進のために緩和

(例) *特別養護老人ホーム

原則:五〇人以上→都市部等:三〇人以上

*保育所

原則:六〇人以上→都市部等:三〇人以上