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○社会福祉施設における運営費の弾力運用と指導監査の強化について
(平成五年六月八日)
(社援監第九三号)
(各都道府県・各指定都市民生主管部(局)長あて厚生省社会・援護局監査指導・老人保健福祉局企画・児童家庭局企画課長通知)
社会福祉施設の運営費(措置費)の運用については従来「社会福祉施設における運営費の運用及び指導について」厚生省社会局長・児童家庭局長連名通知(昭和六二年九月二四日社施第一一一号(以下「一一一号通知」という。))により行われてきたところであるが、今般、施設の運営・経営の近代化、効率化、安定化を進めていく観点から運営費の一層の弾力化を図ることとし、「社会福祉施設における運営費の運用及び指導について」厚生省社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長連名通知(平成五年三月一九日社援施第三九号(以下「三九号通知」という。))が施行されたところである。
運営費の弾力運用については、一一一号通知においても、入所者処遇及び職員の給与水準等が適正に確保されていることを前提として認めることとされていたところであるが、厚生省及び都道府県(市)における社会福祉法人・社会福祉施設(以下「社会福祉施設等」という。)に対する指導監査を通じてみると、①役職員が特定の親族又は特別の関係にある者で構成され、理事長、施設長等特定の者により専断的な運営が行われている事例、②施設建物の敷地が民間からの借地でありながら利用権が設定されていない事例、③事務職員等を配置しながら会計責任者等の権限と責任の範囲が不明確である事例、④運営・経営の責任者である理事長等の役員、施設長及び職員の国、地方公共団体等による研修会への参加が著しく低調である事例、⑤職員が未充足である事例等、社会福祉施設等が必ずしも適切に運営されていない場合においても運営費の弾力運用が行われている等の事例が見受けられたことは、極めて遺憾である。
ついては、今般新たに三九号通知が施行され、運営費の大幅な弾力運用を認めることとされたことに伴い、同通知の趣旨に則り適正な運用が図られるよう、次の点に留意の上、指導監査の実施に当たられたい。
記
1 指導監査の結果、重大な問題を有し適正な運営が確保されていないと認められる施設に対しては、三九号通知に基づく運営費の弾力運用は認めない取扱いとし、指導監査結果による改善指示事項について必要な改善措置が講じられない施設に対しては、同通知6の(3)に規定する新規入所措置の停止、民間施設給与等改善費の減額等の措置を含め効果的な指導を行われたいこと。
2 一部の都道府県においては、独自の運営費の弾力運用指導指針を策定し、適正な運営を行っている社会福祉施設等に対しても弾力運用を制限するような取扱いをしている事例が見受けられるが、三九号通知による運営費の弾力運用の趣旨に反するような取扱いは差し控えること。
3 多額の繰越金等を有し民間施設給与等改善費が停止されている施設に対しては、指導監査の実施に際して、備品、設備、建物等の整備状況及び職員処遇・入所者処遇が適切に行われているか否かについて総合的な点検を行い、問題を有すると認められる施設に対しては期限を定め所要の改善を行うよう強力に指導すること。
4 必要な改善措置を講じていない等の問題を有する施設に対しては、確認監査等を励行し、改善指示事項についての改善状況等を確認したうえで運営費の弾力運用を認めること。