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○社会福祉施設の長の資格要件について

(昭和五三年二月二〇日)

(社庶第一三号)

(各都道府県知事、各指定都市市長あて厚生省社会・児童家庭局長連名通知)

社会福祉施設の長(以下「施設長」という。)の具備すべき要件については、関係省令又は関係通知に規定されているがその中には、具体的基準によらず抽象的に規定されているものが多く、その結果運用上の幅が大きくなっている。

一方、近年における社会福祉処遇技術の複雑高度化、社会福祉施設運営費の改善等に伴い、社会福祉施設の管理運営の任にあたる施設長の職責は従来にも増して加重されてきており、その資質の向上、適格性の確保が重要となっている。

このため、今般、とりあえず関係省令又は関係通知に規定する施設長の具備すべき要件のうち抽象的要件について、具体的判断基準を示すこととし、所定の講習会の課程を終了した者を当該要件を具備する者とすることとした。

貴職におかれては、自ら経営する施設はもとより、管下市町村、社会福祉法人等に対し、趣旨の徹底を図るとともに、左記事項に留意のうえ、施設長の資質向上のため、強力な指導を行うよう御配意願いたい。

一 施設長の具備すべき要件のうち抽象的要件についての判断基準

(一) 基本的考え方

関係省令又は関係通知に規定されている施設長の具備すべき要件のうち、(二)の表の資格内容の項に掲げる抽象的要件の明確化を図り、二に示す「施設長資格認定講習会」(以下「講習会」という。)の課程を終了した者を、当該要件を具備する者とする。

(二) 対象者

講習会の受講が必要となる者は、次の表の施設種別の項に掲げる施設の施設長又は施設長に就任しようとする者であって、次の表の資格内容の項に係る者とする。

施設種別

名称

資格内容

根拠規程

救護施設

更生施設

施設長

これらと(注1)同等以上の能力を有すると認められる者

救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する最低基準(四一・七・一厚令一八)第五条第一項

乳児院

母子寮

養護施設

精神薄弱児施設

虚弱児施設

盲児施設

ろうあ児施設

施設長

健全な心身を有し、児童福祉事業に熱意のある者であつて、できる限り児童福祉事業の理論及び実務について訓練を受けた者。ただし、①社会福祉事業法第一八条各号のいずれかに該当する者②児童福祉法第一一条の二各号(第五号を除く。)のいずれかに該当する者及び③児童福祉事業に二年以上従事した者を除く。

児童福祉施設最低基準(二三・一二・二九厚令六三)第七条第一項

精神薄弱者援護施設

施設長

前二号(注2)に掲げる者と同等以上の学識経験を有すると認められる者

精神薄弱者援護施設基準(四三・五・一○厚令一四)第六条第一項

養護老人ホーム

特別養護老人ホーム

施設長

これら(注1)と同等以上の厚生大臣が指定する講習会を履修した者

養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(四一・七・一厚令一九)第五条第一項

軽費老人ホーム

施設長

これら(注1)と同等以上の厚生大臣が指定する講習会を履修した者

軽費老人ホームの設備及び運営について(四七・二・二六社老一七)第二の五の(二)及び第三の五の(二)

肢体不自由者更生施設

重度身体障害者更生援護施設

視覚障害者更生施設

聴覚・言語障害者更生施設

内部障害者更生施設

身体障害者療護施設

身体障害者授産施設

重度身体障害者授産施設

身体障害者通所授産施設

施設長

これら(注3)に準ずる者

身体障害者更生施設等の設備及び運営について(六○・一・二二・社更四)別紙の第一章第一一の二

身体障害者福祉工場

施設長

身体障害者福祉に熱意があり、かつ、企業経営の能力または実績を有する者。ただし、身体障害者更生施設等の設備及び運営について(昭和六○年一月二二日社更四号)の別紙の第一章第一一の二のいずれかに該当する者(これら(注3)に準ずる者を除く。)を除く。

身体障害者福祉工場の設備及び運営の取扱いについて(四七・七・二四社更一三○)三の(一)のア

(注1) 「これら」又は「これ」とは、「社会福祉事業法第一八条各号のいずれかに該当する者であって、厚生大臣が指定する講習会を履修した者」。

(注2) 「前二号」とは、次のとおりである。

① 社会福祉事業に五年以上従事した者であつて、援護施設を運営するのに適切であると認められるもの

② 精神衛生に関して相当の学識経験を有する医師

(注3) 「これら」とは、「医師、各施設の入所対象者に係る分野に関する特殊教育諸学校の長であつた者、同分野に係る特殊教育教員免状を有する者であつて三年以上同分野における福祉、教育の経験を有するもの、身体障害者福祉司若しくは社会福祉主事として五年以上勤務した者」である。

(三) 留意事項

講習会の受講については、次の点に留意すること。

ア 公立施設の施設長も受講が必要であること。

イ 施設長就任前に講習会の課程を終了しておく必要があること。ただし、特別の事情のある場合には、施設長就任後であつてもやむを得ないこと。

ウ 現に施設長に就任している者であつて具体的要件に該当しない者については、施設長就任後二年を経過していない場合には、講習会を受講するよう指導すること。

(四) 実施の時期

別紙

この通知の実施の時期は、昭和五三年四月一日とする。

二 講習会の内容

(一) 対象者

一の(二)に掲げる者とする。

(二) 方法

ア 通信授業及び面接授業の組合せとする。

イ 通信授業の期間は六か月、面接授業の期間は、五日間とする。

(三) カリキュラム

カリキュラムは、別紙のとおりとする。

(四) 実施主体

厚生省が実施の能力があると認めた者とする。

社会福祉施設長資格認定講習課程履修科目

 

科目名

備考

通信教育科目

一 社会保障論入門

九については、二科目選択とする。

二 社会福祉概論

三 社会福祉行政論

四 地域福祉論

五 社会福祉施設運営論

六 人事管理論

七 財務管理論

八 社会福祉事業方法論

九 分野・対象別福祉論

(1) 生活保護制度論

(2) 身体障害者福祉論

(3) 老人福祉論

(4) 児童・母子福祉論

(5) 精神薄弱者福祉論

面接授業科目

一 社会福祉の動向

一~六までは各三時間、七は六時間とする。

二 社会福祉施設長論

三 社会福祉施設運営論

四 人事管理論

五 財務管理論

六 社会福祉事業方法論

七 分野対象別福祉論