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○共同募金会に対してなされた社会福祉に関する寄付金についての税制上の取扱いについて
(昭和四五年五月二二日)
(社庶第一〇五号)
(各都道府県知事あて厚生省社会局長通知)
各都道府県共同募金会が毎年実施する共同募金については、かねてより所得税法の特定寄付金又は法人税法の指定寄付金として取り扱われてきたところであるが、今般、昭和四五年度税制改正の一環として、中央共同募金会又は都道府県共同募金会に対する寄付金のうち、共同募金として寄付される寄付金以外の寄付金についても、その金額を所得税法の特定寄付金又は法人税法の指定寄付金として取り扱う旨別添〔略〕のとおり大蔵大臣から告示され、昭和四五年五月一日以後に支出された寄付金から適用されることとなつた。
これが取扱いについては、寄付金の効果的な配分を期すとともに税制上税の不当軽減をきたす結果とならないよう別紙「特定寄付金及び指定寄付金取扱基準」により取り扱われることとなつたので、左記事項にご留意のうえ、貴都道府県共同募金会及び関係団体に対し、指導願いたい。
記
1 今回指定されたのは、共同募金以外の寄付金であり、これについては、各共同募金会は、単に寄付金の受入れ及び配分を行なうものであつて、社会福祉事業法第六九条にいう寄付金の募集を行なうものではないこと。
2 社会福祉法人等が、社会福祉施設の整備のため寄付金を募集しようとする場合には、その募金活動について社会福祉事業法第六九条の規定により厚生大臣又は都道府県知事の許可を受け、寄付金の募集を行なうものであるが、
当該寄付金について、この制度によつて、共同募金会を経由し、その審査を経て配分を受けるという形をとる場合には、税制上は、個別に大蔵大臣の指定を受けないでも所得税法の特定寄付金又は法人税法の指定寄付金として取り扱われるものであること。
おつて、各都道府県共同募金会における配分計画の策定方法等実施細目については、中央共同募金会から各都道府県共同募金会に対し別途連絡する予定であるので念のため申し添える。
別紙
特定寄付金及び指定寄付金取扱基準
第一 対象
社会福祉事業又は更生保護事業を営むことを主たる目的とする者のこれらの事業の用に供される土地、建物及び機械その他の設備の取得若しくは改良の費用(融資により、すでに取得し、又は改良した土地、建物及び機械その他の設備に係る償還に要する費用を含む。以下単に「社会福祉施設整備費」という。)これらの事業に係る経営的経費(以下単に「経営的経費」という。)又は社会福祉事業に係る民間奉仕活動に必要な基金(以下単に「基金造成費」という。)に充てるため、中央共同募金会又は都道府県共同募金会(以下「共同募金会」という。)に対して支出される寄付金であつて、寄付者が所得税法の特定寄付金又は法人税法の指定寄付金として取り扱われることを希望するものを対象とする。
第二 寄付金の受入れ
1 取扱機関
一都道府県内で配分されることを目的として寄付される寄付金については当該都道府県共同募金会が、二以上の都道府県にわたつて配分されること又は全国的視野から受配者が選定されることを目的として寄付される寄付金については中央共同募金会が、寄付金の受入れ及び配分を行なうものとする。
2 受入れの決定
(1) 共同募金会は、受配者を指定していない寄付金については、直ちに受け入れるものとし、所定の様式による領収書を当該寄付者に交付するものとする。
(2) 共同募金会は、受配者を指定している寄付金については、当該寄付金が所得税法の特定寄付金又は法人税法の指定寄付金として指定される趣旨に適合しているものであるかどうかを審査し、適合しているものについて受け入れるものとし、受け入れたときは、所定の様式による領収書を交付するものとする。
(3) 前項の寄付金の受入れの決定については、第一項の受配者を指定していない寄付金についての「第三 寄付金の配分」の例により、取り扱うものとする。
第三 寄付金の配分
受配者を指定していない寄付金についての配分については次によるものとする。
1 共同募金会は、配分計画を決定し、これに基づいて配分を行なうものとする。
2 配分の基準
配分計画は、次の基準に適合するものでなければならないものとする。
ア 社会福祉施設整備費、経常的経費又は基金造成費であつて、社会福祉の増進に著しく寄与するとともに緊急に必要とされるものに配分するものであること。
イ 当該寄付者について、税の不当な軽減をきたす結果となる配分でないこと。
3 配分計画の審査
(1) 審査の基準
寄付者と特別の関係にある者を受配者とする配分を含む配分計画は、次の各号のいずれかに該当するものを除き、税の不当軽減をきたす結果となるものとみなす。
ア 当該寄付者の寄付金の額の二分の一をこえる金額が当該寄付者と特別の関係のある者以外の者に配分されるもの
イ 受配者と特別の関係にある各寄付金の寄付金の額がそれぞれ当該受配者に対する総配分額の二分の一に満たないもの
ウ ア又はイに該当しない場合であつて、寄付者と特別の関係にある者の受配者からの報酬の受給状況及び受配施設の利用状況からみて税の不当軽減をきたす結果とならないと共同募金会が認めたもの
(2) この基準において「特別の関係」とは、寄付者(法人である場合にはその役員をいう。)又はその親族が受配者の給与を受けている役員又は職員であるという関係をいう。
第四 結果の報告
中央共同募金会は、毎会計年度終了後二月以内に共同募金会の実績を取りまとめ厚生省を経由して大蔵省に報告するものとする。