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○共同募金の実施について

(昭和二九年一月三〇日)

(社発第六四号)

(各都道府県知事あて厚生省社会局長通知)

共同募金が過去七年間にわたり、民間社会福祉事業の窮状を打開し、これが振興を図る上において果たした役割は大きく今後とも益々その発展が期待されており、貴職におかれても常々これが育成について種々御配意を願つていることと存ずるが、当局においても、本運動が純然たる民間運動であり、常に世論の強い支持を必要とする特殊性を考慮し、その本旨に合致した適切なる運動方法を中央共同募金会とも連絡の上検討した結果、先般一部都道府県共同募金会について実施した監査の結果にも鑑み、特に左記事項について改善を行う必要があると思料されるので、本運動が今後共益々堅実に進展するようこれが育成指導について何分の御配意を願いたい。

一 運動の方法について

1 本運動は寄附者の理解と協力を基調とするものであり、国民の自主的意志尊重の建前の下に行なわれるべきものであるので、この本旨を充分徹底するよう指導されたいこと。

2 募金の取扱いについては特に慎重を期する必要があるので次の諸点に留意して行なわれるよう指導されたいこと。

(イ) 募金取扱者は募金収納の都度直ちに銀行、郵便局、農業協同組合等金融機関を通じて共同募金会に送付するか、又は共同募金会の支会、分会に納入するよう留意すること。

募金の奉仕団体等が集つた募金を一応自己の取引金融機関に預入れ、募金期間終了後共同募金会へ一括送金する等の方法をとつている向もあるように見受けられるが、これはとかく問題を生ずる原因となるものであるから、かかることのないようにすること。

(ロ) 募金箱の開閉は金融機関の関係者又は募金会の支会、分会の責任者立合の下に行うこと。

二 配分について

1 募金の配分に当つては、受配者についての正確な資料に基き、その事業内容を詳細に検討して、例えば配分金以外の経常収入の状況を充分勘案する等経営の実態に即して行うよう考慮すること。

2 都市(区)町村社会福祉協議会に対する配分については、現状を見ると単に還元金的性格を帯びたようなものも見受けられるが、必ずその事業計画の内容を検討の上行うよう考慮すること。

3 配分金の交付は非常に細分して行なわれている向もあるが、臨時費の工事竣工程度による分割交付は止むを得ないとして、経常費については、出来るだけ早い時期に一括して交付するか、又は分割の回数を少くして行う等受配者の便益を考慮して行なわれることが適当であること。

三 募金の経理について

1 共同募金の経理の明確化は本運動を推進する上において特に重要であるので、寄附金の経理はすべて特別会計とし募金会事務局経費の経理(一般会計)と分離すること。

なお、募金会事務局経費中で寄附金の一部をこれに充てることが妥当と認められるもの(例えば一定限度内の募金事務費)については特別会計より一般会計へ繰入れの方法によること。

2 特殊募金の経理については世間の誤解を招かないよう特に明確にすること。

3 一部府県において特殊事情に依り実施されているバッヂ募金の経理については、特殊募金とせず一般募金に含めて行うこと。