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○福祉事務所の開設に際して(依命通知)

(昭和二六年九月二九日)

(発社第八六号)

(各都道府県知事あて厚生事務次官通知)

福祉事務所の設置に関しては、財政事情及び要員の充足等に種々の困難があつたにも拘らず、各位の御尽力により全国的にその準備を完了し、愈々一○月一日より発足の運びとなつたことは感謝に堪えない処である。

今後これが効果的な運営を図りその目的を達成する為には、要員の充実、指導監督、訓練等を十分に行うことが必要である。差し当つては、開設早々にして手不足と不なれ等が懸念されるが、当初において一般の期待を裏切らないようにすることが将来における本制度の運営を円滑にする上に極めて重要なことであるから、この際特に民生委員及び町村長等に対し必要な協力を求めることは勿論、開設早々であるから、従来にも増して関係諸機関と積極的な連絡を保ち、更には一般国民の理解ある支持協力を得ることが不可欠であると存ぜられるので、この点に関しては、特に左記事項御了承のうえ、いやしくも援護に空白や、支障を来さないよう何分の御高配を煩わしたく、右命により通知する。

1 民生委員は、篤志奉仕者としての本旨に立脚して、民生の安定と社会福祉の増進とを使命とし、自由な立場において自主性のある活動を行うものであるが、福祉事務所の円滑なる運営は民生委員との密接な連けいによつて初めて期し得られるものであるから、両者は相互に積極的な連絡を保つ必要があること。

2 従つて、民生委員には、福祉事務所の行う公的保護の運営についてその所謂相談相手としてこれが育成強化を図り、保護が適正に行われるよう配意し、常に要保護者の立場の理解者として、福祉事務所と要保護者双方の仲介人的役割をもつて、両者の間のよき紐帯となり、以つて、社会福祉の増進のため広汎な活動を期待すべきものであること。

3 公的保護に対する協力の具体的な関係については、右の主旨に基き昭和二四年一○月三一日厚生省発社第七二号をもつて通知されている処であるが、去る八月行われた改選により相当多数の民生委員が更送されている現情にも鑑み、この際これが主旨の周知徹底を図るとともに、この主旨に基いての積極的な協力がなされるよう適切な方途を講ぜられたいこと。

4 民生委員は、名誉職であり、全く献身的な奉仕活動を行つているので、今回の改選を機会に厚生大臣より全民生委員及び、今回退職された者に対し謝意を表し、今後の積極的な協力を依頼致したい意向であるので、別紙「激励の言葉」を全民生委員に、「感謝の言葉」を今回退職された民生委員に、それぞれ適当な方法によつて伝達されたいこと。

5 町村長は福祉事務所が行う保護事務の執行を適切ならしめるため、協力の義務があるのであるが、差し当り福祉事務所の要員の充足及び訓練の現情等に鑑みるとき、相当積極的な協力を求めることが必要であると考えられる。

これが協力の方法については、九月一三日厚生省発社第八○号「生活保護法の一部を改正する法律の施行について」通知に準拠するものとし、福祉事務所が行う保護事務を代行せしめるようなことのないよう十分留意し、それぞれ地方の実情に応じ協力方につき適切な方途を講ぜられたいこと。

6 福祉事務所の開設の当初において、その地域内における関係諸機関と十分な連絡を積極的にとるような措置を講ぜられたいこと。

7 なお本年二月一日厚生大臣官房丙第九五号「社会、衛生事業関係者の褒賞について」通知による褒賞は、今後とも広く行う意向であるから、適格者については、今から御準備のうえ内申方御配意願いたい。

激励文・感謝文省略