アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○改正薬事法に基づく医薬品等の製造販売承認申請書記載事項に関する指針について

(平成17年2月10日)

(薬食審査発第0210001号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律(平成14年法律第96号)の施行に伴う薬事法(昭和35年法律第145号。以下「改正薬事法」という。)第2条第12項の規定により原薬たる医薬品は製造販売承認を要しないものとされ、また、改正前の薬事法(以下「旧法」という。)に規定されている品目毎の製造業の許可等(旧法第12条及び第13条の製造業許可、第22条の輸入販売業許可及び第23条において準用する場合を含む。)が廃止されることとされました。また、改正薬事法第14条第6項により、政令で定める医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器については、製品の製造管理及び品質管理の方法に関する基準に対する適合性を承認の際及び政令で定める期間を経過する前に確認することとされました。

これに伴い、平成16年7月9日付薬食発第0709004号医薬食品局長通知「薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律等の施行について」に基づき、医薬品(体外診断用医薬品を除く。以下同じ。)、医薬部外品及び化粧品(以下「医薬品等」という。)の製造販売承認申請書に記載する事項として、製造所に関連する情報及びこれまで原薬の承認事項とされてきた原薬の性状、製造方法、規格及び試験方法、貯法、有効期間(リテスト期間)等の品質に関する事項について、新たに製剤の承認申請書に記載する事項とされました。また、原薬等登録原簿を利用した医薬品にあっては、承認申請書記載事項について、原薬等登録原簿の登録事項とされたところであります。

つきましては、製造販売承認申請書における製造方法等に係る記載方法及び承認審査上の手続き等に関する取扱いについて、下記の通り取り扱うこととしましたので、貴管内関係者への周知をお願いするとともに、適切な指導をお願いします。

第1 平成17年4月1日以降に申請する製造販売承認申請書の製造方法に係る記載方法

1.医療用医薬品及び新有効成分含有一般用医薬品(再審査期間中に申請されるものを含む。)の場合

(1) 製剤の承認申請書には、成分、分量、本質、貯蔵方法及び有効期間、規格及び試験方法等の原薬に関する事項に加えて、別添1及び2の記載要領に従って、承認申請書の製造方法欄に、原薬及び製剤の製造場所に関する事項並びに製造方法を記載すること。ただし、生物学的製剤基準に収載されているワクチン、血液製剤等の生物学的製剤、及び組換えDNA技術応用医薬品、細胞培養医薬品その他のバイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品に該当する場合は、原則、別添3の記載要領に従って記載を行い、必要に応じて別添1及び2を参考とすること。

(2) 承認申請書の製造方法欄の製造場所及び製造方法の記載にあたっては、別添1及び2に示す記載例を参考に、あらかじめ製造方法の変更時における承認事項一部変更承認申請の対象事項と改正薬事法第14条第10項に規定する承認事項の軽微変更に係る届出(以下「軽微変更届出」という。)の対象事項とを申請者自らが区別し、設定しておくこと。

(3) 必要に応じて、別添4、5、6及び7の製造工程流れ図を参考に、製造工程の流れがわかる資料を作成し、承認申請時の参考資料として添付すること。

(4) 原薬として、製造業許可又は外国製造業者認定(以下「製造業許可等」という。)を有しない製造所で製造された食品・工業用製品等をやむを得ず転用する場合には、上記(1)の規定にかかわらず、当該原薬については製造場所に関する事項のみを記載することで差し支えないこと。なお、食品・工業用製品等の転用は製造販売業者の責任で行うこととし、製造販売業者が当該成分の規格及び試験方法を設定し、当該成分を原料として使用する製造業者に受入れ試験を実施させること。

(5) 上記(4)の取扱いについては、改正薬事法移行期における当分の間の措置とするものであること。

2.一般用医薬品(新有効成分含有一般用医薬品(再審査期間中に申請されるものを含む。)を除く。以下同じ。)、医薬部外品及び化粧品の場合

(1) 一般用医薬品、GMP対象医薬部外品及び殺虫剤又は殺そ剤たる医薬部外品(以下「一般用医薬品等」という。)の製剤の承認申請書には、成分、分量、本質、貯蔵方法及び有効期間、規格及び試験方法等に加えて、原薬については別添1、製剤については別添2それぞれの1.に従って、承認申請書の製造方法欄に製造場所及び製造工程の範囲を記載すること。

(2) 医薬部外品(GMP対象医薬部外品及び殺虫剤又は殺そ剤たる医薬部外品を除く。)及び化粧品の承認申請書には、成分、分量、本質、貯蔵方法及び有効期間、規格及び試験方法等に加えて、別添2の1.に従って、承認申請書の製造方法欄に製造場所及び製造工程の範囲を記載すること。

(3) 上記(1)及び(2)に規定する記載方法以外の記載については、従前の例によることができるものとする。ただし、製造方法欄の従前の記載の範囲において、あらかじめ製造方法の変更時における承認事項一部変更承認申請の対象事項と軽微変更届出の対象事項とを申請者自らが区別し、設定しておくこと。

(4) 上記(1)から(3)の規定にかかわらず、生物由来原料基準及び平成15年5月20日付医薬審発第0520001号・医薬安発第0520001号・医薬監麻発第0520001号・医薬血発第0520001号医薬局審査管理課長・安全対策課長・監視指導・麻薬対策課長・血液対策課長連名通知「薬事法施行規則の一部改正等に伴う事務取扱い等について」に基づく動物由来原料に関する原産国、部位、不活化等の処理方法等の記載については、従前のとおり記載するものであること。また、製造方法欄における当該記載の変更については、それぞれ別添1又は別添2の2.2及び2.3に従うこと。

(5) 必要に応じて、製造工程の流れがわかる資料を作成し、承認申請時の参考資料として添付すること。

(6) 一般用医薬品等の原薬として、製造業許可等を有しない製造所で製造された食品・工業用製品等をやむを得ず転用する場合には、上記(1)及び(3)の規定にかかわらず、当該原薬については製造場所に関する事項のみを記載することで差し支えないこと。なお、食品・工業用製品等の転用は製造販売業者の責任で行うこととし、製造販売業者が当該成分の規格及び試験方法を設定し、当該成分を原料として使用する製造業者に受入れ試験を実施させること。

(7) 上記(1)から(3)及び(6)の取扱いについては、改正薬事法移行期における当分の間の措置とするものであること。

3.生薬

生薬の承認申請書の製造方法欄については、一般用医薬品の例によること。

4.小分け製造

旧法に基づく小分け製造に係る承認申請書については、これまで製造方法欄等の簡略記載を認めてきたところであるが、今後については、製造販売承認をもつ製造販売業者が製品の品質や市場への責任を負うという改正薬事法の趣旨に鑑み、原則、製造方法欄については上記1.から3.に従って承認申請書の記載を行うこと。その他の欄についても簡略記載は行わず適切に記載すること。

第2 承認審査上の手続き等に関する取扱い

1.承認審査における取扱い

医薬品等の承認審査においては、承認申請書の製造方法欄に記載されている申請者自らが設定した一部変更承認申請の対象事項と軽微変更届出の対象事項についても考慮するものであること。

2.製造方法等の変更時の取扱い

(1) 医薬品等の製造方法の変更については、品質への影響の大きさにかかわらず、一部変更承認申請又は軽微変更届出のいずれの変更においても適切なバリデーション、変更管理等が行われていることが前提であること。すなわち、GMPに基づき実施した変更管理により、品質に明らかな影響がないと判断する根拠に基づき、変更すること。

(2) 軽微変更届出の該当性については、原薬の場合は別添1の1.2、2.2及び2.3、製剤の場合は別添2の1.2、2.2及び2.3、及び生物学的製剤等に係る原薬・製剤の場合は、別添3の1.2及び2.3それぞれにより判断するべきものであること。ただし、一般用医薬品等に係る原薬(生物学的製剤等に係る原薬及び指定医薬品成分を除く。)の製造場所及び製造方法の変更は、原則として軽微変更届出事項として差し支えないこと。

(3) 一部変更承認申請の対象事項に該当するか否かについては、別添1から3の記載要領によりあらかじめ設定された事項に照らし、申請者自らにより判断されるべきものであること。しかしながら、次の場合にあっては、対象品目に係る審査当局への相談を行うことができる。

1 変更に際して実施する評価プロトコールの妥当性

2 プロトコールに従って実施した試験結果から、品質に明らかに影響がないとする判断の適否

3 その他、製造方法欄の変更時において相談を要する事項

なお、軽微変更届出の対象事項と定めた工程について、変更管理手続きにおいて品質への影響が否定できない結果がでた場合など、品質に与える影響が設定時と異なると判断される場合は、当該変更の中止、再検討、一部変更承認申請、又は新規製品としての承認申請を行うこと。必要に応じ、当該製品に係る審査当局に相談すること。

(4) 軽微変更届出にあたっては、一部変更承認申請の場合と同様、変更内容を明らかにするための新旧対照表を参考資料として添付すること。また、軽微変更届出の内容は変更事項のみとし、申請者は適切なバリデーション、変更管理を実施した旨の宣誓書を提出すること。

(5) 軽微変更届出における変更の時点とは、当該変更を行った時点又は当該変更により製造された製品の出荷時と解するが、どちらを選択するかは、変更内容に応じて製造販売業者が判断すること。ただし、変更後に承認書の記載と異なるものが出荷されることがないよう、適切に対応すること。

(6) 軽微変更届出の対象事項を一部変更承認申請の対象事項に変更する場合にあっては、軽微変更届出を行うこと。

(7) 本来軽微変更では行うべきでない製造工程の変更等に関して、軽微変更届出を行ったことがGMP調査の際に判明した場合にあっては、当該軽微変更届出は無効となり、薬事法違反を問われる可能性があること。この場合、既に変更後の方法により製造された製品又は既に製造販売された製品については、当該変更のリスク等に鑑み、出荷停止、回収その他の必要な行政上の措置がとられることとなる。なお、GMP調査の際にGMP調査当局が一部変更承認申請対象事項か否かの疑義を持った場合は、GMP調査当局は当該品目に係る審査当局に連絡すること。

(8) 一般用医薬品、医薬部外品及び化粧品について、別添1及び2に示す一部変更申請の対象事項を変更する場合は、一部変更承認申請を行う必要があるが、軽微変更届出の対象事項については、当該事項が承認書上記載されていない場合にあっては、軽微変更届出は必要ないものであること。

(9) 有効期間の延長については、生物学的製剤等を除き、承認審査時点で提出された安定性試験実施に関するコミットメントに従い、承認後に継続するものについては、軽微変更届出による変更ができるものとすること。

(10) 一部変更承認申請中の軽微変更届出は可能であること。ただし、この場合、一部変更承認申請書の差し替えにより、軽微変更届出に係る事項をすべて記載すること。

3.原薬等登録原簿の取扱い

改正薬事法第14条の11に規定する原薬等登録原簿の登録申請をする場合にあっても、登録申請書の記載の取扱いは、上記1.と同様とする。

第3 その他

1.新規製造販売承認申請時の添付資料における製造規模の取扱い

(1) 製造方法欄、規格及び試験方法欄の設定及び記載を行うために、承認申請の際に提出されるデータは、実生産を反映した規模の製造設備で収集されたものとし、申請時には必ずしも、実生産の製造設備で得られたデータであることを必要としない。

(2) 医薬品等の承認前に行われるGMP適合性調査前には、最終的な実生産の製造方法をプロセスパラメータ、重要工程及び重要中間体の管理基準/管理値等も含めて確立し、製造に係るデータとともに審査当局に提出すること。また、GMP適合性調査の際には実生産の製造設備で得られたデータが必要となるので、GMP適合性調査の申請時期を考慮すること。

第4 平成17年3月31日までに旧法に基づく承認を取得している又は承認申請が行われた品目に係る承認書記載整備の届出等

1.改正薬事法施行規則附則第3条の規定により、旧法の製造業又は輸入販売業許可を有する者(以下「製造業者等」という。)が、その許可期間の満了時までに、既に承認を受けて製造又は輸入している品目について、製剤の承認ごとに製造販売承認に求められる承認書記載事項に適合するよう製造販売業者が承認書記載事項の整備に係る届出(以下「承認書記載整備届出」という。)を旧承認を行った者に提出することとなるが、当該届出に係る記載は、第1により行うこと。

2.旧法に基づく承認申請について、平成17年4月1日以降、その承認の取得までに旧法の許可期間が満了する場合には、当該申請に係る承認を取得後速やかに承認書記載整備届出を行うこと。

3.旧法の業許可更新に伴う承認書記載整備届出を行う前に、一部変更承認申請又は軽微変更届出を行う場合、当該変更に係る部分について製造販売承認申請書記載事項に合致するよう記載整備を行うこと。

4.3.の場合であって記載整備が完了した場合であっても、業許可更新時の記載整備届出を行うこと。この場合、再度記載整備の内容を記載する必要はなく、備考欄にどの時点で記載整備が完了したかを記載すればよい。

5.承認書記載整備届出は、別に定めるFD等の電子的な方法により行うこと。

6.承認書記載事項の整備においては、実際に行っている製造工程、規格及び試験方法を記載するものであり、従前の承認書や製品標準書に規定されている内容を逸脱した記載は行わないこと。

7.従前書面による申請で承認を得ているものについては、製造方法欄以外に、成分及び分量又は本質、用法及び用量、効能又は効果、貯蔵方法及び有効期間、規格及び試験方法、備考欄の薬効分類に係る承認書記載事項について、電子的に記載を整備したうえで承認書記載整備届出を行うこと。その際に、承認書の写しを合わせて提出すること。

8.承認書記載整備届出に用いる様式は、改正薬事法施行規則様式第24(1)を用いることとするが、上記7.の場合は、併せて、別紙様式を用いたものを提出すること。

9.旧法の承認は、法附則第8条及び整備政令附則により、平成17年4月1日以降改正薬事法の承認とみなされること。しかしながら、専ら製造の用に供する原薬については、改正薬事法第2条第12項の規定により、製造販売承認を受ける対象ではないものであること。従って、上記1.の承認書記載整備届出を行う際に、専ら製造の用に供する原薬に関する承認を整理すること。

別添1

1.化学薬品原薬の製造方法の承認申請書記載要領

A.一般的な注意

製造方法欄の記載に関して:

「製造方法欄」には下記に従い、製造場所及び製造方法を記載する。

1.製造場所

1.1.製造場所の記載内容

・各製造所(委託した製造業者の製造所および試験検査に係る施設を含む)毎に名称、住所、製造工程の範囲を記載する。

・製造所毎に許可あるいは認定番号を記載する。

・ただし、製造販売承認申請書の製造所欄に製造所の記載があるものについては、住所及び許可あるいは認定番号の記載は省略してよい。

1.2 製造場所に関する一部変更承認申請対象事項

・製造場所の変更は、適切な変更管理が求められるものであり、原則として承認事項一部変更承認申請の対象となるものとする。ただし、以下に相当する場合であって、変更管理が適正になされたものにあっては軽微変更届出の対象となるものとする。

① 製造方法の変更が軽微変更届出の範囲とされたものであって、同一の許可あるいは認定区分であって、関連工程を共有する同系統の品目についても過去2年以内のGMP調査(実地調査のみをいう。以下同じ。)でGMP適合(その後もGMP不適事項が判明していない等この状態が維持されていることが見込まれる場合をいう。以下同じ。)とされている国内に存在する製造場所への変更

② 試験検査に係る施設の変更

③ 包装・表示・保管のみに係る施設の変更

・国内製造場所から国外製造場所への変更および国外での製造場所の変更も、上記条件に適合する場合には、軽微変更届出事項とする。

2.製造方法

2.1.製造方法の記載内容

・出発物質から原薬の一次包装工程までの全工程を工程に従い記載する。ただし、二次包装が安定性確保等の機能を持つ場合は二次包装も含める。

・申請者は原薬の品質確保に必要な工程から記載する。出発物質は、平成13年11月2日付医薬発第1200号医薬局長通知「原薬GMPガイドラインについて」において示された考え方に従い、決定する。ただし、反応工程が1工程のみの製造工程の記載は出発物質の品質が直ちに原薬の品質に影響を与える危険性があるため、原則として避けるべきである。

・製造方法の流れに従い記載する。記載内容には下記事項を含める。

① 出発物質・中間体の名称及び分子式(必要な場合には化学構造式を別紙とする。以下同じ)

② 反応及び精製に用いる試薬の名称及び分子式、溶媒の名称

③ 原薬の名称

④ 重要工程あるいは最終中間体以降の工程については、その旨を明記し、その工程操作の概略について説明する

・製造工程中の一連の操作手順の内、品質の恒常性確保に必要な事項を適切に選択し記述する。

① 原材料、溶媒、触媒及び試薬の量、装置、操作条件(温度、圧力、pH、時間等)、収率(収量)、重要工程、重要中間体、プロセス・パラメータ(温度、pH、時間等)等を適切に記載する。特別な機能を有する装置に関しては機器の詳細を記載する。

② 操作条件等は目標値/設定値を記載しても良い。目標値/設定値を設定した場合には、参考値を『 』または《 》内に記載し(記号の付け方については「2.2 製造方法に関する一部変更承認申請/軽微変更届出の区別」を参照のこと)、同時に製品標準書あるいは標準操作手順書に目標値/設定値の許容範囲を設定しなければならない。ただし、当該パラメータがパラメトリックリリースとして利用するために設定される場合(ICH―Q6Aに規定されている無菌試験に代えて滅菌パラメータによる出荷判定を行う場合に限る。)や品質に重大な影響を与えるパラメータの場合には許容範囲を承認申請書に明示する必要があり、目標値/設定値とすることはできない。この場合にあっては、承認申請書に記載されたパラメータの範囲を逸脱することは認められない。なお、仕込量に関しても目標値/設定値に準じて取り扱うことが出来るものとし、その場合には承認申請書には標準的仕込量を記載する。

③ 製造工程のうち①で示された重要工程において工程が管理されていることを保証するための試験が実施されている場合にあっては、その試験法の名称、原理及び要点及び管理値/判定基準を記載する。

④ 出発物質の管理基準および試験法の名称、原理及び要点を記載する。

⑤ ウシ等由来原料においては、原産国、部位、処理方法、必要に応じTSE資料に関する情報その他の品質・安全性確保の観点から必要な事項を記載する。ヒトおよび動物由来原料については由来、ドナースクリーニングの内容、製造工程中の細菌、真菌、ウィルス等の不活化/除去処理の方法等、品質・安全性確保の観点から重要と思われる事項について記載する。

⑥ 重要工程で用いる原材料のうち、品質に重大な影響を与える原材料の管理基準及び試験方法の名称、原理及び要点を記載する。

⑦ 最終中間体以降の原材料の管理基準および試験方法の名称、原理及び要点を記載する。

⑧ 重要中間体及び最終中間体の管理基準及び管理方法(試験法の名称、原理及び要点を含む)を記載する。

⑨ その他品質確保に必要な事項についても記載する。

2.2 製造方法に関する一部変更承認申請/軽微変更届出の区別

・製造方法欄に記載された事項の変更は、全て適切な変更管理が求められるものであり、一部変更承認申請あるいは軽微変更届出の対象である。

・一部変更承認申請対象とされた製造工程以外の事項に関する変更に関しては、最終製品の品質に影響を与えない場合には、軽微変更届出の対象とする。

・ウシ海綿状脳症(BSE)に係る原産国の変更及び公定書の変更その他行政の定める手順に基づく変更並びに規格値/判定基準を狭めるなど製品の品質に悪影響を与えないと十分合理的に判断される変更の場合は軽微変更届出で差し支えないこととする。

・ヒトおよび動物由来原料において、感染性因子等に対する新たなリスクへの対応として行う原産国等の変更、その他行政の定める手順に基づく変更の場合であって、その旨を指示するときは軽微変更届出で差し支えないこととする。

・目標値/設定値とするプロセス・パラメータ又は標準的仕込量のうち、軽微変更届出対象事項は『 』内に、一部変更承認申請対象事項は《 》内に記載すること。また、目標値/設定値以外の軽微変更届出対象事項は“ ”内に記載し、それ以外については一部変更承認申請対象事項とするものとする。

2.3 製造方法に関する一部変更承認申請の対象事項

・反応工程(出発物質、中間体)の変更

・最終中間体以降における工程操作の概略と用いる原材料等の変更

・重要工程である場合には、工程操作の概略と用いる原材料等の変更

・原薬の出荷試験の一部として重要中間体又は重要工程の試験が実施される場合の試験方法及び判定基準に関する情報の変更

・出発物質、重要中間体、原材料の管理基準及び管理方法の内、特別な管理が必要な事項の変更(例えば無菌原薬の製造に関わる事項の変更)

・最終工程、重要工程のパラメータとそれらの工程が管理されていることを保証する試験方法と判定基準の内、特別な管理が必要な事項の変更(例えば無菌原薬の製造に関わる事項の変更)

・機器の内特別な管理が必要なものの変更

・最終精製工程に使用される溶媒で、特に原薬に影響を与える可能性が大きい場合にあっては管理基準の変更

・細菌、ウイルス等の病原体の不活化及び除去の方法に関する追加及び削除並びに不活化及び除去条件の変更(ただし、除去膜等の粒子径の改善については、十分にバリデートされている場合は、軽微変更届出による変更も可とする。)

・その他特別な管理を要する事項の変更

3 参考資料

製造方法についての理解を促すため、必要に応じて以下の参考資料を添付すること。

・一部変更承認申請対象事項又は軽微変更届出対象事項の区別に関する理由等を説明した注釈([参考]を参照のこと)

・下記事項について記載されている製造方法の流れ図

1 出発物質・中間体の名称及び化学構造式(あるいは分子式)

2 反応及び精製に用いる試薬の名称及び化学構造式(あるいは分子式)、溶媒の名称

3 原薬の名称及び化学構造式(原薬の立体化学を含む)

4 重要工程あるいは最終中間体以降の工程については、その旨を明記し、工程操作の概略について説明する

工程操作の概略:工程操作の本質を特定することが出来る名称、例えば再結晶操作、ろ過操作、抽出操作、カラムクロマトグラフィー等、を記載しても良い。

用語

重要工程:

原薬が規格に適合することを保証するために事前に決定した限度値以内で管理される必要のある工程条件、試験、その他関連あるパラメータを含む工程をいう。

重要工程の例として以下のようなものがある。

・多成分の混合

・相の変換や分離工程(濃縮、ろか)

・温度及びpHの制御が重要である工程

・分子構造の本質的な構成要素が形成される工程および主要な化学変換を生じる中間工程

・重要な不純物が生じるあるいは重要な不純物を原薬から除去する工程

・光学活性医薬品製造で、光学純度が決定する工程

・最終精製工程

中間体:

化学合成原薬については、原薬合成工程において製造される物質で、原薬になるまでに、分子的な変化をうける物質。単離される場合、単離されない場合がある。

最終中間体:

あと1反応行うことにより原薬が生成される化合物。反応工程は共有結合が形成あるいは切断する反応とし、塩交換反応は含まれない。

目標値/設定値:

目標値とは、測定値のような、ある製造工程の実施の結果得られる値をいい、設定値とは、ある製造工程の実施のための条件として設定される値をいう。目標値/設定値について、どちら又は両方の値を設定すべきか、また、それらの値が一部変更承認申請事項か軽微変更届出対象事項か、ということは個々の製造工程によるものである。

B 承認申請書記載例(原薬)

原薬について承認申請書の記載事項に関し、記載例を示すこととした。全体の操作の流れを把握できるよう、一部変更承認申請により変更すべき事項(以下「一変事項」という。)と軽微変更に係る届出により変更できる事項(以下「届出事項」という。)を分離せずに製造工程の流れに従って記載することとする。ただし、以下の記載例のとおり、届出事項が判別されやすいよう承認申請書に記載するとともに、目標値/設定値として取扱うパラメータ等も区別して記載する。なお、改正薬事法に基づく製造販売承認で求められる承認書の記載に整合するための届出を提出する場合も同様とする。また、「参考」は、一変事項又は届出事項の区別に関する理由等を説明した注釈を加えた解説であり、必要に応じて参考資料として添付すること。

本承認申請書記載例はあくまで例示であり、実際の承認申請においては、承認申請書記載内容は2.1項に従い、また、一変事項及び届出事項の区分の判断は2.2項及び2.3項に従うこととし、個々の医薬品の特性によってケースバイケースの判断によって記載すべきものである。

原薬の記載例

Step1(重要工程)

2―(1―トリフェニルメチル―1H―テトラゾル―5―イル)―4’―ブロモメチルビフェニル[1]『(21.6kg)』,2―ホルミル―5―[(1E,3E)―1,3―ペンタジエニル]―1H―イミダゾール[2]『(6.9kg)』,炭酸カリウム『(11.8kg)』,およびジメチルホルムアルデヒド『(60L)』を『25℃で24時間』かき混ぜる。水素化ホウ素ナトリウム『(3.2kg)』を加え,更に『25℃で24時間』かき混ぜる。反応液をろ過し,不溶物を除去する。ろ液を減圧濃縮する。残留物に水『(50L)』を加え,酢酸エチル『(50L)』で抽出する。有機層を水『(50L)』および“10%”食塩水『(30L)』で洗浄する。有機層を約半量まで減圧濃縮する。残留物を『5℃で3時間』かき混ぜる。析出した結晶を遠心分離し,酢酸エチル『(10L)』で洗浄する。結晶を《40℃》で,8~10時間減圧乾燥し,1―[2’―(1―トリチル―1H―テトラゾル―5―イル)―4―ビフェニルメチル]―5―[(1E,3E)―1,3―ペンタジエニル]―2―ヒドロキシメチルイミダゾール[3]を得る。

Step2

Step1で得た[3]『(約22Kg)』,“10%”塩酸『(200L)』およびテトラヒドロフラン『(400L)』を『25℃で4時間』かき混ぜる。反応液に“10%”水酸化ナトリウム水溶液『(200L)』を加える。混合液を減圧濃縮する。残留物に水『(100L)』を加える。ろ過して不溶物を除去する。ろ液を“35%”塩酸でpH3±0.5に調整する。析出した結晶を遠心分離し,水で洗浄する。結晶を《40℃》で減圧乾燥し,1―[2’―(1H―テトラゾル―5―イル)ビフェニル―4―イル]メチル)―5―[(1E,3E)―1,3―ペンタジエニル]―2―ヒドロキシメチル―1H―イミダゾール[4]の粗結晶を得る。

Step3

[4]の粗結晶を“90%”メタノール『(80L)』に加え,『60℃』に加熱,攪拌して結晶を溶かす。活性炭を加え,『60℃で30分』攪拌する。固形物を加圧ろ過して除き,加熱した“90%”メタノール『(5L)』で洗う。ろ液及び洗液を合わせ《30℃》まで徐々に冷却して晶出させる。晶出した後,更に冷却し,《5℃》で1時間以上攪拌する。析出した結晶を遠心分離し,《10℃》以下に冷却した“90%”メタノール『(10L)』で洗浄する。結晶を《40℃》で減圧乾燥後,粉砕(粒子径メジアン10μm以下)して1―[2’―(1H―テトラゾル―5―イル)ビフェニル―4―イル]メチル)―5―[(1E,3E)―1,3―ペンタジエニル]―2―ヒドロキシメチル―1H―イミダゾール[4]を得る。

Step4(包装工程)

[4]をポリエチレン袋に入れ“ファイバードラム”に詰める。

Step1中間体[3]の管理項目及び管理値(重要中間体)

項目 管理値

外観 帯黄白色の結晶性粉末(肉眼観察)

確認試験 適合(IR)

類縁物質 4%以下(HPLC,面積百分率)

ジメチルホルムアミド 1000ppm以下(GC)

含量 93%以上(HPLC,絶対検量線法)

Step2粗結晶[4]の管理項目及び管理値(重要中間体)

項目 管理値

外観 白色~帯黄白色の結晶又は結晶性粉末(肉眼観察)

総類縁物質 0.4%以下(HPLC,絶対検量線法)

類縁物質Ⅰ 0.3%以下(HPLC,絶対検量線法)

その他の類縁物質 0.1%以下(HPLC,絶対検量線法)

Step3乾燥結晶[4]の管理項目及び管理値(重要中間体)

項目 管理値

外観 白色~帯黄白色の結晶又は結晶性粉末(肉眼観察)

テトラヒドロフラン 100ppm以下

メタノール 300ppm以下

(注)

目標値/設定値とするプロセス・パラメータ又は標準的仕込量のうち、届出事項は『 』内に、一変事項は《 》内に記載。また、目標値/設定値以外の届出事項は“ ”内に記載し、それ以外については一変事項である。

「参考」

Step1

2―(1―トリフェニルメチル―1H―テトラゾル―5―イル)―4’―ブロモメチルビフェニル[1]『(21.6kg)』注1),2―ホルミル―5―[(1E,3E)―1,3―ペンタジエニル]―1H―イミダゾール[2]『(6.9kg)』注1),炭酸カリウム『(11.8kg)』注1),およびジメチルホルムアルデヒド『(60L)』注1)を『25℃で24時間』注2)かき混ぜる。水素化ホウ素ナトリウム『(3.2kg)』注1)を加え,更に『25℃で24時間』注2)かき混ぜる。反応液をろ過し,不溶物を除去する。ろ液を減圧濃縮注4)する。残留物に水『(50L)』注1)を加え,酢酸エチル『(50L)』注1)で抽出する。有機層を水『(30L)』注1)および“10%”注3)食塩水『(30L)』注1)で洗浄する。有機層を約半量まで減圧濃縮注4)する。残留物を『5℃で3時間』注2)かき混ぜる。析出した結晶を遠心分離注4)し,酢酸エチル『(10L)』注1)で洗浄する。結晶を《40℃》,8~10時間注5)減圧乾燥し注4),1―[2’―(1―トリチル―1H―テトラゾル―5―イル)―4―ビフェニルメチル]―5―[(1E,3E)―1,3―ペンタジエニル]―2―ヒドロキシメチルイミダゾール[3]を得る。(収率又は収量)注6)

Step2

Step1で得た[3]『(約22Kg)』注1),“10%”塩酸『(200L)』注1)およびテトラヒドロフラン『(400L)』注1)を『25℃で4時間』注2)かき混ぜる。反応液に“10%”注3)水酸化ナトリウム水溶液『(200L)』注1)を加える。混合液を減圧濃縮注4)する。残留物に水『(100L)』注1)を加える。ろ過して不溶物を除去する。ろ液を“35%”注3)塩酸でpH3±0.5注7)に調整する。析出した結晶を遠心分離注4)し,水で洗浄する。結晶を《40℃》で注5)減圧乾燥注4)し,1―[2’―(1H―テトラゾル―5―イル)ビフェニル―4―イル]メチル)―5―[(1E,3E)―1,3―ペンタジエニル]―2―ヒドロキシメチル―1H―イミダゾール[4]の粗結晶を得る。

Step3

[4]の粗結晶を“90%”注3)メタノール『(80L)』注1)に加え,『60℃』に注2)加熱,攪拌して結晶を溶かす。活性炭を加え,『60℃で30分』注2)攪拌する。固形物を加圧ろ過注4)して除き,加熱した“90%”注3)メタノール『(5L)』注1)で洗う。ろ液及び洗液を合わせ《30℃》注5)まで徐々に冷却して晶出させる。晶出した後,更に冷却し,《5℃》で1時間以上注5)攪拌する。析出した結晶を遠心分離注4)し、10℃以下に冷却した“90%”注3)メタノール『(10L)』注1)で洗浄する。結晶を《40℃》注5)で減圧乾燥注4)後,粉砕(粒子径メジアン10μm以下注8))して1―[2’―(1H―テトラゾル―5―イル)ビフェニル―4―イル]メチル)―5―[(1E,3E)―1,3―ペンタジエニル]―2―ヒドロキシメチル―1H―イミダゾール[4]を得る。

Step4(包装工程)

[4]をポリエチレン袋注9)に入れ“ファイバードラム”注10)に詰める。

注1) スケールにより変動する数値であり、届出事項

注2) この温度及び時間は目標値/設定値(幅、範囲は製品標準書、SOPに記載し管理)

注3) 濃度は軽微変更可能

注4) 減圧濃縮、遠心分離、減圧乾燥は操作原理

注5) この温度(範囲は製品標準書に記載)、時間はクリティカル事項

注6) 収量か収率は品質を確保するために必須な条件となる場合は記載する

注7) この場合のpHはクリティカルであり範囲記載

注8) 粒子径は一変事項として管理

注9) 一次容器の材料名を記載する

注10) 安定性を確保するための二次容器は記載する

別添2

2.化学薬品製剤の製造方法の承認申請書記載要領

A.一般的な注意

製造方法欄の記載に関して:

「製造方法欄」には下記に従い、製造場所及び製造方法を記載する。

1.製造場所

1.1.製造場所の記載内容

・各製造所(委託した製造業者の製造所および試験検査に係る施設を含む)毎に名称、住所、製造工程の範囲を記載する。

・製造所毎に許可あるいは認定番号を記載する。

・ただし、製造販売承認申請書の製造所欄に製造所の記載があるものについては、住所及び許可あるいは認定番号の記載は省略してよい。

1.2 製造場所に関する一部変更承認申請対象事項

・製造場所の変更は、適切な変更管理が求められるものであり、原則として承認事項一部変更承認申請の対象となるものとする。ただし、以下に相当する場合であって、変更管理が適正になされたものにあっては軽微変更届出の対象となるものとする。

① 製造方法の変更が軽微変更届出の範囲とされたものであって、同一の許可あるいは認定区分であって、関連工程を共有する同系統の品目についても過去2年以内のGMP調査(実地調査のみをいう。以下同じ。)でGMP適合(その後もGMP不適事項が判明していない等この状態が維持されていることが見込まれる場合。以下同じ。)とされている国内に存在する製造場所への変更

② 試験検査に係る施設の変更

③ 包装・表示・保管のみに係る施設の変更

・国内製造場所から国外製造場所への変更および国外での製造場所の変更も、上記条件に適合する場合には、軽微変更届出事項とする。

2.製造方法

2.1 製造方法の記載内容

・原材料から製剤の包装・表示工程までの全工程を工程に従い記載する。

・製造工程の流れに従い、原材料、仕込み量、調整液・溶媒、収量、中間製品、一次包装材料等を示すとともに操作条件を明記する。

・製造工程中の一連の操作手順の内、品質の恒常性確保に必要な事項を適切に選択し記述する。

① 原材料の量、重要工程、プロセス・パラメータ、装置、操作条件(速度、温度、圧力、pH、時間等)等を適切に記載する。特別な機能を有する装置に関しては機器の詳細を記載する。

② 操作条件等は目標値/設定値を記載しても良い。目標値/設定値を設定した場合には、参考値を『 』または《 》内に記載し(記号の付け方については「2.2 製造方法に関する一部変更承認申請/軽微変更届出の区別」を参照のこと)、同時に製品標準書あるいは標準操作手順書に目標値/設定値の許容範囲を設定しなければならない。ただし、当該パラメータがパラメトリックリリースとして利用するために設定される場合(ICH―Q6Aに規定されている無菌試験に代えて滅菌パラメータによる出荷判定を行う場合に限る。)や品質に重大な影響を与えるパラメータの場合には許容範囲を承認申請書に明示する必要があり、目標値/設定値とすることはできない。この場合にあっては、承認申請書に記載されたパラメータの範囲を逸脱することは認められない。なお、仕込量に関しても目標値/設定値に準じて取り扱うことが出来るものとし、その場合には承認申請書には標準的仕込量を記載する。

③ 製造工程のうち①で示された重要工程において工程が管理されていることを保証するために実施される管理手法(プロセス管理値、判定基準、概略の試験方法など)を記載する。

④ 品質に重大な影響を与える原材料の規格及び試験方法を記載する。(規格及び試験方法欄に記載されるものは除く。)

⑤ ウシ等由来原料においては、原産国、部位、処理方法、必要に応じTSE資料に関する情報その他の品質・安全性確保の観点から必要な事項を記載する。ヒトおよび動物由来原料については由来、ドナースクリーニングの内容、製造工程中の細菌、真菌、ウィルス等の不活化/除去処理の方法等、品質・安全性確保の観点から重要と思われる事項について記載する。

⑥ 中間製品の規格及び概略の試験方法。ただし、中間製品の規格が製品の出荷試験の一部として実施される場合は詳細な試験方法を記載する。

⑦ 製品の品質に影響を与える包装材料の材料名を記載する。

⑧ 必要に応じ、製品の品質に影響を与える包装材料の製造元及び型番または規格を記載する。

2.2 製造方法に関する一部変更承認申請/軽微変更届出の区別

・製造方法欄に記載された事項の変更は、全て適切な変更管理が求められるものであり、一部変更承認申請あるいは軽微変更届出の対象である。

・一部変更承認申請対象とされた製造工程以外の事項に関する変更に関しては、最終製品の品質に影響を与えない場合には、軽微変更届出の対象とする。

・ウシ海綿状脳症(BSE)に係る原産国の変更及び公定書の変更その他行政の定める手順に基づく変更並びに規格値/判定基準を狭めるなど製品の品質に悪影響を与えないと十分合理的に判断される変更の場合は軽微変更届出で差し支えないこととする。

・ヒトおよび動物由来原料において、感染性因子等に対する新たなリスクへの対応として行う原産国等の変更、その他行政の定める手順に基づく変更の場合であって、その旨を指示するときは軽微変更届出で差し支えないこととする。

・目標値/設定値とするプロセス・パラメータ又は標準的仕込量のうち、軽微変更届出対象事項は『 』内に、一部変更承認申請対象事項は《 》内に記載すること。また、目標値/設定値以外の軽微変更届出対象事項は“ ”内に記載し、それ以外については、一部変更承認申請対象事項とするものとする。

2.3 製造方法に関する一部変更承認申請対象事項

・重要工程の操作原理およびその工程の品質終点基準としての工程管理基準の変更

・製品の品質に影響を与える包装材料の材料名の変更(ただし、内服固形製剤に限り、直接の容器等の材料名としてポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、アルミ箔若しくはセロファン及びこれらを組合わせた多層フィルム又はガラスを用いる場合の、材料名の変更については軽微変更届出を認める。)

・製品の出荷試験の一部として中間製品又は重要工程の試験が実施される場合の試験方法及び判定基準に関する情報の変更

・原材料の品質及び管理方法の内、無菌製造に関わる事項、徐放性製剤における機能性添加剤など特別な管理が必要な事項の変更

・重要工程のパラメータとそれらの工程が管理されていることを保証する試験方法と判定基準の内、特別な管理が必要な事項や無菌製造に関わる事項等の変更

・細菌、ウイルス等の病原体の不活化及び除去の方法に関する追加及び削除並びに不活化及び除去条件の変更(ただし、除去膜等の粒子径の改善については、十分にバリデートされている場合は、軽微変更届出による変更も可とする。)

・機器の内特別な管理が必要な事項なものの変更

・その他特別な管理を要する事項の変更

承認規格項目に代表される品質基準項目に直接影響を与える工程を重要工程とし、それらの工程の“品質終点基準”、品質終点基準を満たすための管理手法(運転パラメータ)まで含め承認書に記載すべきである。重要工程単位操作の原理、品質終点基準としての工程管理基準の変更は一部変更承認申請対象事項である。一方、品質終点基準を管理するための運転条件などは軽微変更届出対象事項とする。

3 参考資料

製造方法についての理解を促すため、必要に応じて以下の参考資料を添付すること。

・一部変更承認申請対象事項又は軽微変更届出対象事項の区別に関する理由等を説明した注釈([参考]を参照のこと。)

・製造方法の流れ図

用語

重要工程:

製品が規格に適合することを保証するために事前に決定した限度値以内で管理される必要のある工程条件、試験、その他関連あるパラメータを含む工程をいう。

重要工程の例として以下のようなものがある。

・低含量固形製剤の混合工程、造粒工程、整粒工程、輸送工程及び打錠工程

・固形製剤の溶出特性を決める工程

・製造スケールが製品規格に影響を及ぼす工程。混合工程、造粒工程、薬液調製工程、ろ過工程、凍結乾燥工程、最終滅菌工程等

・無菌操作を用いる製造法における、バイオバーデンを決める原材料管理、プロセスフィルター管理等

・分解物が生じる可能性のある工程。固形製剤における造粒工程、乾燥工程、注射剤における薬液調製工程、最終滅菌工程等

・製品の安定性に影響を与える工程。乾燥工程などの製造工程、一次包装工程等

品質終点基準:

最終製品の規格および試験方法に代表される品質基準に重要な影響を与える中間製品の特質。

・例1 粒度別含量分布が大きく変化する顆粒(中間製品)における粒度分布。均一性そのものを測定すれば基準は満たすが、次工程で起こりうる偏析のため最終製品の均一性に重要な影響を与える。(粒度分布)

・例2 造粒物の水分含量が溶出性の経時変化に大きく影響を与える場合の水分。(水分)

目標値/設定値:

目標値とは、測定値のような、ある製造工程の実施の結果得られる値をいい、設定値とは、ある製造工程の実施のための条件として設定される値をいう。目標値/設定値について、どちら又は両方の値を設定すべきか、また、それらの値が一部変更承認申請事項か軽微変更届出対象事項か、ということは個々の製造工程によるものである。

B 承認申請書記載例(製剤)

製剤について承認申請書の記載事項に関し、記載例を示すこととした。全体の操作の流れを把握できるよう、一部変更承認申請により変更すべき承認事項(以下「一変事項」という。)と軽微変更届出により変更できる記載事項(以下「届出事項」という。)を分離せずに製造工程を流れに従って記載することとする。ただし、以下の記載例のとおり、届出事項が判別されやすいよう承認申請書に記載するとともに、目標値/設定値として取扱うパラメータ等も区別して記載する。なお、改正薬事法に基づく製造販売承認で求められる承認書の記載に整合するための届出を提出する場合も同様とする。また、「参考」は、一変事項又は届出事項の区別に関する理由等を説明した注釈を加えた解説であり、必要に応じて参考資料として添付すること。

本記載例は錠剤、注射液、凍結乾燥注射剤の3製剤に関して作成した。本承認書申請書記載例はあくまで例示であり、実際の承認申請においては、承認申請書記載内容は2.1項に従い、また、一変事項及び届出事項の区分の判断は2.2項及び2.3項に従うこととし、個々の医薬品の特性によってケースバイケースの判断によって記載すべきものである。

錠剤の記載例

重要工程

<第一工程>混合・造粒・乾燥工程

<第四工程>打錠工程

<第五工程>糖衣コーティング工程

<第六工程>包装工程

<第一工程>混合・造粒・乾燥工程

カキクケコン『×kg』,カルメロースカルシウム『×kg』及び乳糖『×kg』を流動層造粒機“(250L)”に入れてよく混合する。その後,ヒドロキシプロピルセルロース溶液をスプレーし造粒する。造粒終点は【工程管理1】により決定する。続いて乾燥を行う。乾燥終点は排気温度『50℃』とする(標準乾燥時間『90分』)。自然冷却したのち,乾燥品の水分活性を測定する【工程管理2】。測定値が管理値を超えた場合,乾燥操作を『60分』を限度として追加する。

<第二工程>整粒工程

第一工程で製造した造粒乾燥品を整粒機に入れ,“スクリーン径φ1mm”で整粒する。

<第三工程>混合顆粒工程

第二工程で製造した『nバッチ分』の整粒品(×kg/バッチ)及びステアリン酸マグネシウム(×kg/バッチ)をV型混合機“(1000L)”に入れ“10~20分”混合する。

<第四工程>打錠工程

例1) 第三工程で製造した顆粒『×kg』をロータリー打錠機を用い,“硬度X~XN/m”,“錠重量XX~XXmg”,“厚み○~○mm”となるよう打錠する。【工程管理3】

例2) 第三工程で製造した顆粒『×kg』をロータリー打錠機を用い,“予圧×t/杵(×~×t/杵)”,“本圧×t/杵(×~×t/杵)”,『毎分××回転』で打錠する。【工程管理3】

<第五工程>糖衣コーティング工程

第四工程で製造した素錠をコーティング機(ハイコーター:“HC―150”に入れ,下掛け液『11.5L』及びシロップ液『11.5L』を混合した液を数回に分けてスプレーする。各スプレー後乾燥する前に下掛散布粉を散布する。下掛散布粉の合計量は『60kg』とする。下掛け終了後入風温度48℃(45~50℃)で乾燥を行う(標準乾燥時間《60分》)。

次に,練り込み液『275L』をスプレーし乾燥する。

室温付近となるまで自然冷却した後,シロップ液『225L』をスプレーする。スプレー終了後乾燥する。

マクロゴール6000を『150g』添加し乾燥を行う。【工程管理4】

<第六工程>包装工程

例1) PTP包装機を用い,“ポリプロピレンフィルム”に錠剤を充てんし,“アルミニウム箔”をセットして加熱シールする。シール品を裁断し,PTPシートとする。

“PTPシートにアルミニウム・ポリエチレンラミネートフィルムを用いシールしてアルミニウム袋充てん品とし、紙函に入れる。”【工程管理5】

例2) PTP包装機を用い,“ポリプロピレンフィルム”に錠剤を充てんし,“アルミニウム箔”をセットして190~210℃(管理幅175~230℃)で加熱シールする。シール品を裁断し,PTPシートとする。

“PTPシートにアルミニウム・ポリエチレンラミネートフィルムを用いシールしてアルミニウム袋充てん品とし、紙函に入れる。”

【工程管理1】工程試料×gを量り,メッシュeeeのふるいを用いて粒度を測定するとき,ふるい上残分は全量の×~×w/w%である。

【工程管理2】工程試料×gをとり,水分活性測定装置を用いて水分活性を測定するとき,2~4%である。

【工程管理3】工程試料につき,含量均一性試験を行うとき,これに適合する。

【工程管理4】工程試料につき,重量及び厚みを計測するとき、重量は220mg(218~223mg),厚みは4.6±0.3mmである。

【工程管理5】工程試料を水中に沈め,×kPa以下に減圧するとき,気泡の発生を認めない。

用語の説明

ヒドロキシプロピルセルロース溶液:精製水『××L』にヒドロキシプロピルセルロース『×kg』を投入し,撹拌混合する。

下掛け液:白糖『1.3kg』,アラビアゴム末『0.6kg』を精製水に溶かして『3L』とする。

シロップ液:白糖『44.4kg』を精製水に溶かして『50L』とする。

下掛散布粉:沈降炭酸カルシウム『6.0kg』及びタルク『6.0kg』を混合する。

練り込み液:白糖『43.6kg』,沈降炭酸カルシウム『13.9kg』,タルク『8.6kg』及びアラビアゴム末『2.0kg』に精製水を加えて混合し,『60L』とする。

(注)

目標値/設定値とするプロセス・パラメータ又は標準的仕込量のうち、届出事項は『 』内に、一変事項は、《 》内に記載する。また、目標値/設定値以外の届出事項は“ ”内に記載し、それ以外については一変事項である。

「参考」

<第一工程>混合・造粒・乾燥工程

カキクケコン『×kg』注1),カルメロースカルシウム『×kg』注1)及び乳糖×kg注1)を流動層造粒機注2)“(250L)”注1)に入れてよく混合する。その後,ヒドロキシプロピルセルロース溶液をスプレーし造粒する。造粒終点は【工程管理1】により決定する。続いて乾燥を行う。乾燥終点は排気温度『50℃』注1)とする(標準乾燥時間『90分』注1))。自然冷却したのち,乾燥品の水分活性を測定する【工程管理2】。測定値が管理値を超えた場合,乾燥操作を『60分』注1)を限度として追加する。

<第二工程>整粒工程

第一工程で製造した造粒乾燥品を整粒機に入れ,“スクリーン径φ1mm”注3)で整粒する。

<第三工程>混合顆粒工程

第二工程で製造『nバッチ分』注1)の整粒品(×kg/バッチ)及びステアリン酸マグネシウム(×kg/バッチ)をV型混合機注2)“(1000L)”注1)に入れ“10~20分”注4)混合する。

<第四工程>打錠工程

例1) 第三工程で製造した顆粒『×kg』注1)をロータリー打錠機注2)を用い,“硬度X~XN/m”注5),“錠重量XX~XXmg”注5),“厚み○~○mm”注5)となるよう打錠する。【工程管理3】

例2) 第三工程で製造した顆粒『×kg』注1)をロータリー打錠機注2)を用い,“予圧×t/杵(×~×t/杵)”注6),“本圧×t/杵(×~×t/杵)”注6),『毎分××回転』注6)で打錠する。【工程管理3】

*例1は品質基準、例2は運転パラメータ管理

<第五工程>糖衣コーティング工程

第四工程で製造した素錠をコーティング機(ハイコーター注7):“HC―150”注8))に入れ,下掛け液『11.5L』注1)及びシロップ液『11.5L』注1)を混合した液を数回に分けてスプレーする。各スプレー後乾燥する前に下掛散布粉を散布する。下掛散布粉の合計量は『60kg』注1)とする。下掛け終了後入風温度48℃(45~50℃)注9)で乾燥を行う(標準乾燥時間《60分》)注9)

次に,練り込み液『275L』注1)をスプレーし乾燥する。

室温付近となるまで自然冷却した後,シロップ液『225L』注1)をスプレーする。スプレー終了後乾燥する。

マクロゴール6000を『150g』注1)添加し乾燥を行う。【工程管理4】

<第六工程>包装工程

例1) PTP包装機を用い,“ポリプロピレンフィルム”注10)錠剤を充てんし,“アルミニウム箔”をセットして加熱シールする。シール品を裁断し,PTPシートとする。“PTPシートにアルミニウム・ポリエチレンラミネートフィルムを用いシールしてアルミニウム袋充てん品とし、紙函に入れる。”注11)【工程管理5】注12)

例2) PTP包装機を用い,“ポリプロピレンフィルム”注10)に錠剤を充てんし,“アルミニウム箔”をセットして190~210℃(管理幅175~230℃)注13)で加熱シールする。シール品を裁断し,PTPシートとする。

“PTPシートにアルミニウム・ポリエチレンラミネートフィルムを用いシールしてアルミニウム袋充てん品とし、紙函に入れる。”注11)

【工程管理3】工程試料につき,含量均一性試験を行うとき,これに適合する。注14)

用語の説明

ヒドロキシプロピルセルロース溶液:『××L』注1)にヒドロキシプロピルセルロース『×kg』注1)を投入し,撹拌混合する。

下掛け液:白糖『1.3kg』注1),アラビアゴム末『0.6kg』注1)を精製水に溶かして『3L』注1)とする。

シロップ液:白糖『44.4kg』1)を精製水に溶かして『50L』注1)とする。

下掛散布粉:沈降炭酸カルシウム『6.0kg』注1)及びタルク『6.0kg』注1)を混合する。

練り込み液:白糖『43.6kg』注1),沈降炭酸カルシウム『13.9kg』注1),タルク『8.6kg』注1)及びアラビアゴム末『2.0kg』注1)に精製水を加えて混合し,『60L』注1)とする。

注1) スケールにより変動する数値であり、届出事項

注2) 機器のタイプは操作原理を示す

注3) この場合のスクリーン径は重要管理値ではない

注4) この工程の時間は目安

注5) 品質基準値として設定、原料のロットや機器の違い等により変動。最終的には工程は工程管理値3で管理

注6) パラメータ管理(バリデーションに基づき品質確保)として設定、原料のロットや機器の違い等により変動。最終的には工程は工程管理値3で管理

注7) 機種名称は操作原理を示しており、一変事項

注8) 型番はスケールにより異なる

注9) この場合温度及び時間で工程を担保しており重要事項

注10) 一次容器の材料名を記載する

注11) 二次容器以降に関する記載は届出事項

注12) 例1は工程管理5で密封性を担保

注13) 例2はバリデーションに基づき密封性を担保

注14) 本試験は規格及び試験方法の含量均一性及び定量法の代替として実施することができる

注射液の記載例

重要工程

<第二工程>pH調整・定容工程

<第三工程>ろ過・充てん工程

<第四工程>滅菌工程

<第一工程>溶解工程

水酸化ナトリウム『×kg』を注射用水『××L』に加えて溶解する。これをミキシングタンクに移す。これに『80℃』に加熱した注射用水『××L』を加え,撹拌しながら65~75℃まで自然冷却する。「△△(原薬)」『××kg』を加え,65~75℃に保ちながら,溶解するまで撹拌する。【工程管理1】

<第二工程>pH調整・定容工程

注射用水を用いて調製した“1mol/L”塩酸溶液にてpHを『×.×』に調整する。必要に応じ注射用水を用いて調製した“1mol/L”水酸化ナトリウム溶液も使用する。

注射用水適量を用いて全量を『×××L』とし,『15分以上』撹拌する。必要に応じ“1mol/L”塩酸溶液又は“1mol/L”水酸化ナトリウム溶液にてpHを調整する。【工程管理2】

<第三工程>ろ過・充てん工程

“セルロース製のカートリッジフィルター”(孔径0.2μm)にてろ過する。

洗浄及び脱パイロジェン(××℃,×分以上)した×mL無色ガラス製アンプルに×.×±×.×mLを充てんし,密封する。【工程管理3】

<第四工程>滅菌工程

充てんしたアンプル最大『XX千本』を,オートクレーブにて品温121℃,20分を担保するようオートクレーブにて“××~××℃,×~×分間”の設定で最終滅菌を行う。【工程管理4】

<第五工程>包装工程

ラベルを貼付する。

【工程管理1】目視により溶解したことを確認する。

【工程管理2】

性状:無色澄明の液。

pH:×.×~×.×。

類縁物質:液体クロマトグラフ法により試験を行うとき,類縁物質Ⅰは×%以下。

微生物限度:××cfu/mL以下。

【工程管理3】充てん・密封済みアンプルの質量は×.×±×.×g

【工程管理4】自動リーク試験機により試験を行い,密封性を検査する。

(注)

目標値/設定値とするプロセス・パラメータ又は標準的仕込量のうち、届出事項は『 』内に、一変事項は、《 》内に記載する。また、目標値/設定値以外の軽微届出対象事項は“ ”内に記載し、それ以外については一変事項である。

「参考」

<第一工程>溶解工程

水酸化ナトリウム『×kg』注1)を注射用水『××L』注1)に加えて溶解する。これをミキシングタンクに移す。これに『80℃』注2)に加熱した注射用水『××L』注1)を加え,撹拌しながら65~75℃注3)まで自然冷却する。「△△(原薬)」『××kg』注1)を加え,65~75℃に保ちながら注3),溶解するまで撹拌する。【工程管理1】

<第二工程>pH調整・定容工程

注射用水を用いて調製した“1mol/L”注4)塩酸溶液にてpHを『×.×』注5)に調整する。必要に応じ注射用水を用いて調製した1mol/L注4)水酸化ナトリウム溶液も使用する。

注射用水適量を用いて全量を『×××L』注1)とし,『15分以上』注6)撹拌する。必要に応じ“1mol/L”注4)塩酸溶液又は“1mol/L”注4)水酸化ナトリウム溶液にてpHを調整する。【工程管理2】

<第三工程>ろ過・充てん工程

“セルロース製のカートリッジフィルター”注7)(孔径0.2μm)注8)にてろ過する。

洗浄及び脱パイロジェン(××℃,×分以上)注9)した×mL無色ガラス製アンプル注10)に×.×±×.×mL注11)を充てんし,密封する。【工程管理3】

<第四工程>滅菌工程

充てんしたアンプル最大『XX千本』注1)を,オートクレーブにて品温121℃,20分注12)を担保するよう“××~××℃,×~×分間”注13)の設定で最終滅菌を行う。【工程管理4】

<第五工程>包装工程

ラベルを貼付する。

注1) スケールにより変動する数値であり、届出事項

注2) 温度は目安

注3) 溶解温度がクリティカルな場合、温度は重要事項

注4) 濃度は変更可能

注5) この工程のpHは目安

注6) 時間は目標値

注7) この場合のろ過は念のために実施しており重要度は低い

注8) 孔径は機能を示している

注9) この場合、温度及び時間という運転パラメータで品質を担保している

注10) 材料や容量を規定する

注11) 充填容量は重要事項

注12) 滅菌の必須条件

注13) 滅菌条件を達成するための運転パラメータ

凍結乾燥注射剤の記載例

重要工程

<第二工程>無菌ろ過・充てん工程

<第三工程>凍結乾燥工程

<第一工程>薬液調製工程

(1) 溶解

窒素気流下,容量“××L”の溶解タンクに注射用水『△△L』を入れ,これに主薬A『××kg』,原料B『×kg』,原料C『×kg』を投入して溶解する。【工程管理1】

(2) ろ過

調製液を“孔径0.45μmの親水性メンブランフィルター”を用いろ過する。

(3) pH調整

“5%”水酸化ナトリウム溶液(注射用水を用いて調製したもの)を用いてpHを『約×.×』に調整する。

(4) 液量調整

注射用水を加え,全量を『××kg』とする。【工程管理2】

薬液は窒素を充満した密閉タンクで○℃以下に保管し,△時間以内に次工程を行う。

<第二工程>無菌ろ過・充てん工程

(1) 無菌ろ過

第一工程で調製した薬液を孔径0.22μmの酢酸セルロース製カートリッジフィルターを用いて無菌ろ過を行う。【工程管理3】

(2) 充てん

クリーンブース内にて窒素気流下,洗浄・乾燥滅菌済み無色ガラスバイアル(容量○○mL)に充てん液量2,000mg±3%で薬液を充てんする。

(3) 半打栓

ゴム栓半打栓機を用い,薬液充てんバイアルを洗浄・蒸気滅菌済みゴム栓で半打栓する。ゴム栓は滅菌後2日以内のものを使用する。

<第三工程>凍結乾燥工程

(1) 仕込み・凍結

凍結乾燥機の棚温を『-40℃』とした後,集積した半打栓バイアルを入庫し,棚温『-40℃』で『3時間』凍結する(最大仕込み量:『36千バイアル』)。

(2) 一次乾燥

真空度『×Pa』で『-40℃』から『20℃』まで『×分』かけて昇温した後,『20℃』で『△時間』一次乾燥する。

(3) 二次乾燥

一次乾燥終了後,『40℃』まで『×分』かけて昇温する。その後真空度『×Pa』で『△時間』二次乾燥する。【工程管理4】

(4) 取出し

窒素を用い,『-20kPa』まで復圧し,全打栓を行う。全打栓後,湿度×%以下の圧縮空気で大気圧まで復圧する。

<第四工程>巻き締め工程

凍結乾燥バイアルをプレス方式のキャップ巻き締め機で巻き締めする。【工程管理5】

<第五工程>包装工程

ラベルを貼付し,包装する。

【工程管理1】目視により溶解していることを確認する。

【工程管理2】外観:無色澄明の液,肉眼で確認できる異物を認めない,

pH:×.×~×.×,吸光度(UV×××nm):△.△△±△.△△

【工程管理3】フィルター完全性:フィルター完全性試験機“(××社製△△型)”を用いてフォワードフロー試験を行うとき,“25kPa以下”。

【工程管理4】乾燥終了後,真空度5Paで5分間保持し,10Pa以上の圧力上昇がないことを確認する。

【工程管理5】1500ルクス以上の照度でバイアル外観検査機によりバイアルを検査する。

外観:バイアルの汚れ・傷等がない,キャップ巻き締め状態は良好,凍結乾燥ケーキ形状は白色の粉末又は塊。本検査は出荷試験の代替として取り扱うことができる。

溶状:バイアル内容物を注射用水××mLに溶かすとき,無色~微黄色澄明で不溶性異物(可視的)を認めない。

気密性:0.25Mpaで漏れがない。

(注)

目標値/設定値とするプロセス・パラメータ又は標準的仕込量のうち、届出事項は『 』内に、一変事項は、《 》内に記載する。また、目標値/設定値以外の届出事項は“ ”内に記載し、それ以外については一変事項である。

「参考」

<第一工程>薬液調製工程

(1) 溶解

窒素気流下,容量“××L”注1)の溶解タンクに注射用水『△△L』注1)を入れ,これに主薬A『××kg』注1),原料B『×kg』注1),原料C『×kg』注1)を投入して溶解する。【工程管理1】

(2) ろ過

調製液を“孔径0.45μmの親水性メンブランフィルター”注2)を用いろ過する。

(3) pH調整

“5%”注3)水酸化ナトリウム溶液(注射用水を用いて調製したものを用いてpHを『約×.×』注4)に調整する。

(4) 液量調整

注射用水を加え,全量『××kg』注1)とする。【工程管理2】

薬液は窒素を充満した密閉タンクで○℃以下に保管し,△時間以内に次工程を行う注5)

<第二工程>無菌ろ過・充てん工程

(1) 無菌ろ過

第一工程で調製した薬液を孔径0.22μmの酢酸セルロース製カートリッジフィルター注6))を用いて無菌ろ過を行う。【工程管理3】

(2) 充てん

クリーンブース内にて窒素気流下注7),洗浄・乾燥滅菌済み注8)無色ガラスバイアル(容量○○mL)注9)に充てん液量2,000mg±3%注10)で薬液を充てんする。

(3) 半打栓

ゴム栓半打栓機を用い,薬液充てんバイアルを洗浄・蒸気滅菌済み注8)ゴム栓で半打栓する。ゴム栓は滅菌後2日以内注11)のものを使用する。

<第三工程>凍結乾燥工程

(1) 仕込み・凍結

凍結乾燥機の棚温を『-40℃』注12)とした後,集積した半打栓バイアルを入庫し,棚温『-40℃』注12)で『3時間』注12)凍結する(最大仕込み量:『36千バイアル』注1))。

(2) 一次乾燥

真空度『×Pa』注12)で『-40℃』注12)から『20℃』注12)まで『×分』注12)かけて昇温した後,『20℃』注12)で『△時間』注12)一次乾燥する。

(3) 二次乾燥

一次乾燥終了後,『40℃』注12)まで『×分』注12)かけて昇温する。その後真空度『×Pa』注12)で『△時間』注12)二次乾燥する。【工程管理4】

(4) 取出し

窒素を用い,『-20kPa』注12)まで復圧し,全打栓を行う。全打栓後,湿度×%以下の圧縮空気で注13)大気圧まで復圧する。

<第四工程>巻き締め工程

凍結乾燥バイアルをプレス方式注14)のキャップ巻き締め機で巻き締めする。【工程管理5】

<第五工程>包装工程

ラベルを貼付し,包装する。

【工程管理3】フィルター完全性:フィルター完全性試験機“(××社製△△型)”注15)を用いてフォワードフロー試験を行うとき,“25kPa以下”注15)

【工程管理5】1500ルクス以上の照度でバイアル外観検査機によりバイアルを検査する。

外観:バイアルの汚れ・傷等がない,キャップ巻き締め状態は良好,凍結乾燥ケーキ形状は白色の粉末又は塊。本検査は出荷試験の代替として取り扱うことができる。

溶状:バイアル内容物を注射用水××mLに溶かすとき,無色~微黄色澄明で不溶性異物(可視的)を認めない。

気密性:0.25Mpaで漏れがない。

*外観及び溶状(不溶性異物試験)は製剤規格試験(リリース試験)に代用できる。

注1) スケールにより変動する数値であり、届出事項

注2) この工程は不溶物等の除去であり、重要度は低い

注3) 濃度は変更可能溶解温度がクリティカルな場合、温度は重要事項

注4) この工程のpHは目安

注5) 不安定な場合、バリデーションに基づき時間を規定し品質を確保

注6) この工程を保証するためにはフィルターの規定が重要

注7) 品質を確保するための必要な環境設備、条件を記載

注8) 品質上要求される状態(洗浄、滅菌済み)を規定

注9) 材料や容量を規定する

注10) 実際に使用するメーカー製品番号を規定(バリデーションに基づき規定)

注11) 必要な管理事項

注12) 実使用機器についてバリデーションに基づき設定された運転パラメータ

注13) 品質確保のため重要な条件の規定

注14) 機器の機能を規定

注15) 同じ試験が出来るのであれば必ずしも特定の機器装置に限定されない。また規格は機器装置に依存する

別添3

3.生物学的製剤等(生物薬品(バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)及び特定生物由来製品)の製造方法の承認申請書記載要領

本要領は、生物学的製剤基準に収載されているワクチン、血液製剤等の生物学的製剤及び組換えDNA技術応用医薬品、細胞培養医薬品その他のバイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品を対象としたものであるが、生物薬品の多様性からすべての製品を代表する記載例を示すことは困難なため、平成13年5月1日付医薬審発第571号医薬局審査管理課長通知「生物薬品(バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)の規格及び試験方法の設定について」の対象とされた生物薬品についての記載事例の一般原則を示すものである。これ以外の類縁医薬品についても、これを参考として記載すること。

なお、製剤については、別添2 A.一般的な注意を参考に記載すること。

A.一般的な注意

製造方法欄の記載に関して:

「製造方法欄」には下記に従い、製造場所及び製造方法を記載する。

1.製造場所

1.1.製造場所の記載内容

・各製造所(委託した製造業者および試験検査に係る施設を含む)毎に名称、住所、製造工程の範囲を記載する。

・製造所毎に許可あるいは認定番号を記載する。

・ただし、製造販売承認申請書の製造所欄に製造所の記載があるものについては、住所及び許可あるいは認定番号の記載は省略してよい。

1.2 製造場所に関する一部変更承認申請対象事項

・製造場所の変更は、適切に変更管理が求められているものであり、原則として一部変更承認申請の対象とする。ただし、試験検査に係る施設の変更であって、変更管理が適正になされたものにあっては軽微変更届出の対象とする。

2.製造方法および関連事項

2.1 細胞基材の調製方法および管理方法(適宜図表を用いること)。

① 調製方法

1) 遺伝子発現構成体の調製

遺伝子組換え技術応用医薬品においては、遺伝子発現構成体の作製について、遺伝子の入手方法、作製の経緯、構造等に関して記述する。

2) マスター・セル・バンクの調製

宿主と遺伝子発現構成体を用いて実施されたマスター・セル・バンク調製の経緯を記述する。

3) ワーキング・セル・バンクの調製

マスター・セル・バンクからのワーキング・セル・バンクの調製の経緯を記述する。

② 管理方法

マスター・セル・バンクおよびワーキング・セル・バンクの(1)特性解析試験および純度試験の試験項目、分析方法、基準、(2)保存中の安定性に関する情報、(3)更新方法等を記載する。

2.2 製造方法

・細胞培養、精製、保存までの工程を記載する。

① 医薬品の品質確保に必要な工程について記載する。

② 原材料、品質に影響を及ぼす可能性のある試薬類、重要工程、重要中間体、主要な装置、重要なプロセス・パラメータ(温度、pH、時間等)等を適切に記載する。特別な機能を有する装置のうち品質に影響を及ぼす機器に関してはその詳細(機能、容量等)を記載する。

③ 工程内管理試験を設定した重要工程については、その試験項目、分析方法、適否の判定基準を記載する。

④ 単離・保存される重要中間体が設定されている場合は、保存条件及び保存期間を記載する。また、重要中間体について工程内管理試験が設定されている場合は、その試験項目、分析方法、適否の判定基準を記載する。

・プロセス・パラメータにおいて、操作条件等は目標値/設定値を記載してもよい。目標値/設定値を設定した場合には、参考値を『 』または《 》内に記載し(記号の付け方については「2.3 製造方法に関する一部変更承認申請/軽微変更届出の区別」を参照のこと)、原則として同時に製品標準書あるいは標準操作手順書に目標値/設定値の許容範囲を設定しなければならない。ただし、当該パラメータがパラメトリックリリースとして利用するために設定される場合(無菌試験に代えて滅菌パラメータによる出荷判定を行う場合に限る。)や品質に重大な影響を与えるパラメータの場合には許容の範囲を承認申請書に明示する必要がある。なお、仕込量に関しても目標値/設定値に準じて取り扱うことが出来るものとし、その場合には、承認申請書には標準的仕込量を記載する。(注)

・原材料

① 培地成分等細胞培養に使用される原材料、精製に用いられるモノクローナル抗体、酵素等の生物由来の原材料、原薬としての調製工程に使用される原材料について記載する。

② ウシ等由来原材料においては、原産国、部位、処理方法、必要に応じTSE資料に関する情報その他の品質・安全性確保の観点から必要な事項。

③ ヒトおよび動物由来原料については由来、ドナースクリーニングの内容、製造工程中の細菌、真菌、ウィルス等の不活化/除去処理の方法等、品質・安全性確保の観点から重要と思われる事項について記載する。

・製造方法の流れ図として以下の内容を記載する。

① 細胞培養から保存までの品質確保に必要な工程(種類の異なる工程単位のすべて)及び設定されている場合は重要中間体

② 各工程の重要なプロセス・パラメータ等関連事項(細胞数倍加レベル、細胞濃度、pH、時間、温度等)

③ 工程内管理試験

④ 品質に影響を及ぼす特別な機能を有する装置の容量

・その他品質確保に必要な事項

2.3 製造方法に関する一部変更承認申請/軽微変更届出の区別

・製造方法欄に記載された事項の変更は、すべて適切な変更管理が求められるものであり、原則として一部変更承認申請対象である。(注)

ただし、最終製品の品質・安全性に悪影響を与える可能性が極めて低いことが明らかで、確認されている次の場合、軽微変更届出の対象となることがある。

① 医薬品の種類および製造方法の変更の種類によっては、軽微変更届出が適用される場合がある。適用対象については、承認申請時に申請者が提案し、審査の過程で適用の可否が判断される。適用対象の例として、申請時に提案したプロセス・パラメータ等の許容幅を承認審査の過程やその後の生産実績に伴い変更する場合等がある。

② 社内工程内管理試験及び同様な目標値を記載した場合にあって、その変更をする場合。

③ 同一製造場所での製造工程の範囲の変更は原則として軽微変更届出の対象とする。

④ ウシ海綿状脳症(BSE)に係る原産国の変更及び公定書の変更その他行政の定める手順に基づく変更並びに規格値/判定基準を狭めるなど製品の品質に悪影響を与えないと十分合理的に判断される変更の場合は軽微変更届出で差し支えないこととする。

⑤ ヒトおよび動物由来原料において、感染性因子等に対する新たなリスクへの対応として行う原産国等の変更、その他行政の定める手順に基づく変更の場合であって、その旨を指示するときは軽微変更届出で差し支えないこととする。

・目標値/設定値とするプロセス・パラメータ又は標準的仕込量のうち、軽微変更届出対象事項は『 』内に、一部変更承認申請対象事項は《 》内に記載すること。また、目標値/設定値以外の軽微変更届出対象事項は“ ”内に記載する。

用語

重要工程:

品質に影響のある工程で、原薬が規格に適合することを保証するために事前に決定した管理値以内で操作される必要のある工程条件、試験、その他関連あるパラメータを含む工程をいう。