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○医療用医薬品の品質再評価に係る公的溶出試験(案)等について

(平成16年11月25日)

(薬食審査発第1125004号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

平成15年1月31日厚生労働省告示第3号及び平成16年1月21日厚生労働省告示第12号をもって行われた再評価指定については、それぞれ平成15年5月2日及び平成16年4月20日、が再評価申請期限であったところであるが、今般、このうち別紙製剤につき、公的溶出試験(案)を別添1、標準製剤等を別添2、標準的な溶出試験条件を別添3のとおりとすることとしたので、貴管下関係業者に対し周知徹底方よろしく御配慮願いたい。

なお、今般、公的溶出試験(案)が示されたことに伴い、当該製剤に係る再評価申請者が平成10年9月9日医薬審第790号審査管理課長通知「医療用医薬品の品質再評価に伴う溶出試験の設定に係る承認事項一部変更承認申請等の取扱いについて」による溶出試験一変申請を行う場合には、平成17年2月25日までに行うよう、併せて御指導願いたい。

別紙

酢酸フルドロコルチゾン(0.1mg錠)

レピリナスト(100mg/g細粒剤)

塩化トロスピウム(5mg錠)

クエン酸タンドスピロン(5mg錠、10mg錠)

塩酸ミルナシプラン(15mg錠、25mg錠)

塩酸ピルメノール(50mgカプセル、100mgカプセル)

トラセミド(4mg錠、8mg錠)

塩酸イミダプリル(2.5mg錠、5mg錠、10mg錠)

塩酸セリプロロール(100mg錠、200mg錠)

塩酸チリソロール(10mg錠、20mg錠)

塩酸ベタキソロール(5mg錠、10mg錠)

塩酸ベナゼプリル(2.5mg錠、5mg錠、10mg錠)

トランドラプリル(0.5mg錠、1mg錠)

L―グルタミン(900mg/g顆粒)

ベラプロストナトリウム(20μg錠a、20μg錠b、40μg錠)

別添1

公的溶出試験(案)について

(別に規定するものの他,日本薬局方一般試験法溶出試験法を準用する。)

酢酸フルドロコルチゾン0.1mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始15分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別に酢酸フルドロコルチゾン標準品を100℃で2時間減圧乾燥し,その約25mgを精密に量り,アセトニトリル50mLを加え,5分間超音波を照射して溶かした後,水を加えて正確に200mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとする。この液4mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液の酢酸フルドロコルチゾンのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が70%以上のときは適合とする。

酢酸フルドロコルチゾン(C23H31FO6)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×9/25

WS:酢酸フルドロコルチゾン標準品の量(mg)

C:1錠中の酢酸フルドロコルチゾン(C23H31FO6)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:245nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:水/アセトニトリル混液(11:9)

流量:酢酸フルドロコルチゾンの保持時間が約2.5分になるよう調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,酢酸フルドロコルチゾンのピークの理論段数及びシンメトリー係数はそれぞれ1000段以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,酢酸フルドロコルチゾンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

酢酸フルドロコルチゾン標準品 C23H31FO6:422.49 9―フルオロ―11β,17,21―トリヒドロキシプレグン―4―エン―3,20―ジオン21―酢酸エステルで,下記の規格に適合するもの。

性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

確認試験

(1) 本品を乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3440cm-1,1736cm-1,1715cm-1,1652cm-1,1360cm-1,1273cm-1,1246cm-1及び1041cm-1付近に吸収を認める。

(2) 本品の核磁気共鳴スペクトル測定用重水素化ジメチルスルホキシド溶液(1→50)につき,核磁気共鳴スペクトル測定用テトラメチルシランを内部基準物質として核磁気共鳴スペクトル測定法(1H)により測定するとき,δ0.8ppm付近に単一線のシグナルAを,δ4.8ppm付近に二重線のシグナルBを,δ5.5ppm付近に単一線のシグナルCを,δ5.7ppm付近に単一線のシグナルDを示し,各シグナルの面積強度比A:B:C:Dはほぼ3:1:1:1である。

乾燥減量 1.0%以下(1g,減圧,100℃,2時間)

純度試験 類縁物質 本品20mgを移動相10mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に50mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液の酢酸フルドロコルチゾン以外のピークの合計面積は,標準溶液の酢酸フルドロコルチゾンのピーク面積の1/2より大きくない。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)

カラム:内径4.6mm,長さ20cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:水/テトラヒドロフラン混液(13:7)

流量:酢酸フルドロコルチゾンの保持時間が約10分になるように調整する。

面積測定範囲:酢酸フルドロコルチゾンの保持時間の約2倍の範囲

システム適合性

検出の確認:標準溶液5mLを正確に量り、移動相を加えて正確に100mLとする。この液20μLから得た酢酸フルドロコルチゾンのピーク面積が標準溶液の酢酸フルドロコルチゾンのピーク面積の4.0~6.0%になることを確認する。

システムの性能:酢酸フルドロコルチゾン及び酢酸ヒドロコルチゾン2mgずつを移動相50mLに溶かす。この液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,酢酸ヒドロコルチゾン,酢酸フルドロコルチゾンの順に溶出し,その分離度は1.5以上である。

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,酢酸フルドロコルチゾンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

レピリナスト100mg/g細粒剤

溶出試験 試験液として,ラウリル硫酸ナトリウムのpH6.8のリン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液溶液(2→1000)を用いる。本品の表示量に従いレピリナスト(C20H21NO5)約0.15gに対応する量を精密に量り,試験液900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験を開始し,溶出試験開始15分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液2mLを正確に量り,アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(800:200:1)を加えて正確に20mLとし,試料溶液とする。別に,レピリナスト標準品を105℃で4時間乾燥し,その約0.030gを精密に量り,アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(800:200:1)を加えて溶かし,正確に200mLとする。この液5mLを正確に量り,試験液5mLを正確に加えた後,アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(800:200:1)を加えて正確に50mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき,試験液5mLに,アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(800:200:1)を加えて50mLとした液を対照とし,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長289nmにおける吸光度AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

レピリナスト(C20H21NO5)の表示量に対する溶出率(%)=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×450

WS:レピリナスト標準品の量(mg)

WT:レピリナスト細粒小児用10%の秤取量(g)

C:1g中のレピリナスト(C20H21NO5)の表示量(mg)

リン酸水素二ナトリウム・クエン酸緩衝液,pH6.8 0.05mol/Lリン酸水素二ナトリウム試液1000mLに,クエン酸一水和物5.25gを水に溶かして1000mLとした液を加え,pH6.8に調整する。

塩化トロスピウム5mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始15分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液5mLを正確に量り,0.2mol/L塩酸試液5mLを正確に加えて試料溶液とする。別に定量用塩化トロスピウムを減圧60℃で5時間乾燥し,その約0.028gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液5mLを正確に量り,0.2mol/L塩酸試液5mLを正確に加えて標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液50μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のトロスピウムのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が75%以上のときは適合とする。

塩化トロスピウム(C25H30ClNO3)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×18

WS:定量用塩化トロスピウムの量(mg)

C:1錠中の塩化トロスピウム(C25H30ClNO3)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:pH3.0の0.05mol/Lリン酸二水素ナトリウム試液/メタノール混液(13:7)

流量:トロスピウムの保持時間が約7.5分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液50μLにつき,上記の条件で操作するとき,トロスピウムのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,トロスピウムのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である。

定量用塩化トロスピウム 日本薬局方外医薬品規格「塩化トロスピウム」。ただし,乾燥したものを定量するとき,塩化トロスピウム(C25H30ClNO3)99.0%以上を含むもの。

クエン酸タンドスピロン5mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始15分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別にクエン酸タンドスピロン標準品を105℃で3時間減圧乾燥し,その約0.022gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液50μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のタンドスピロンのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

クエン酸タンドスピロン(C21H29N5O2・C6H8O7)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×22.5

WS:クエン酸タンドスピロン標準品の量(mg)

C:1錠中のクエン酸タンドスピロン(C21H29N5O2・C6H8O7)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:239nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:1―ヘプタンスルホン酸ナトリウム溶液(1→1000)にリン酸を加えpHを3.0に調整する。この液700mLにアセトニトリル300mLを加える。

流量:タンドスピロンの保持時間が約6分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液50μLにつき,上記の条件で操作するとき,タンドスピロンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,タンドスピロンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

クエン酸タンドスピロン標準品 C21H29N5O2・C6H8O7:575.62 (1R*,2S*,3R*,4S*)―N―[4―[4―(2―pyrimidinyl)―1―piperazinyl]butyl]―2,3―bicyclo[2,2,1]heptanedicarboximide dihydrogen citrateで,下記の規格に適合するもの。必要な場合には,次に示す方法で精製する。

精製法 クエン酸タンドスピロンをメタノールから再結晶し,減圧下で恒量になるまで乾燥する。

性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

類縁物質 本品0.10gをメタノール/イソプロピルアミン混液(100:1)10mLに溶かし,試料溶液とする。この液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液10μLを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にヘキサン/酢酸エチル/ジエチルアミン/メタノール混液(23:10:5:2)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,主スポット及び原点のスポット以外にスポットを認めない。

乾燥減量 1.0%以下(1g,減圧,105℃,3時間)。

含量 99.0%以上。

定量法 本品を乾燥し,その約0.5gを精密に量り,酢酸(100)80mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=28.781mg C21H29N5O2・C6H8O7

クエン酸タンドスピロン10mg錠

溶出試験規格:本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始15分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液5mLを正確に量り,水を加えて正確に10mLとし,試料溶液とする。別にクエン酸タンドスピロン標準品を105℃で3時間減圧乾燥し,その約0.022gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液50μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のタンドスピロンのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

クエン酸タンドスピロン(C21H29N5O2・C6H8O7)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×45

WS:クエン酸タンドスピロン標準品の量(mg)

C:1錠中のクエン酸タンドスピロン(C21H29N5O2・C6H8O7)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:239nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:1―ヘプタンスルホン酸ナトリウム溶液(1→1000)にリン酸を加えpHを3.0に調整する。この液700mLにアセトニトリル300mLを加える。

流量:タンドスピロンの保持時間が約6分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液50μLにつき,上記の条件で操作するとき,タンドスピロンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,タンドスピロンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

クエン酸タンドスピロン標準品 C21H29N5O2・C6H8O7:575.62 (1R*,2S*,3R*,4S*)―N―[4―[4―(2―pyrimidinyl)―1―piperazinyl]butyl]―2,3―bicyclo[2.2.1]heptanedicarboximide dihydrogen citrateで,下記の規格に適合するもの。必要な場合には,次に示す方法で精製する。

精製法 クエン酸タンドスピロンをメタノールから再結晶し,減圧下で恒量になるまで乾燥する。

性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

類縁物質 本品0.10gをメタノール/イソプロピルアミン混液(100:1)10mLに溶かし,試料溶液とする。この液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液10μLを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にヘキサン/酢酸エチル/ジエチルアミン/メタノール混液(23:10:5:2)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,主スポット及び原点のスポット以外にスポットを認めない。

乾燥減量 1.0%以下(1g,減圧,105℃,3時間)。

含量 99.0%以上。

定量法 本品を乾燥し,その約0.5gを精密に量り,酢酸(100)80mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=28.781mg C21H29N5O2・C6H8O7

塩酸ミルナシプラン15mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.5μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別に塩酸ミルナシプラン標準品を105℃で4時間乾燥し,その約0.017gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に50mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液30μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のミルナシプランのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

塩酸ミルナシプラン(C15H22N2O・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×90

WS:塩酸ミルナシプラン標準品の量(mg)

C:1錠中の塩酸ミルナシプラン(C15H22N2O・HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)

カラム:内径4.0mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム13.6gを水1000mLに溶かし,リン酸を用いてpHを3.5に調整する。この液830mLをとり,アセトニトリル170mLを加える。

流量:ミルナシプランの保持時間が約15分になるよう調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液30μLにつき,上記の条件で操作するとき,ミルナシプランのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ4000段以上,2.0以下である。

システム再現性:標準溶液30μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ミルナシプランのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

塩酸ミルナシプラン標準品 C15H22N2O・HCl:282.81 (±)―シス―2―アミノメチル―N,N―ジエチル―1―フェニルシクロプロパンカルボキサミド一塩酸塩で下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 本品10gにアセトン500mLを加え,65℃の油浴中で約10分間かき混ぜた後,クロロホルム50mLを加えて溶かし,ろ過する。ろ液を室温に24時間放置後,析出した結晶をガラスろ過器(G2)を用いてろ取し,少量のジエチルエーテルで洗う。得られた結晶を減圧下,60℃で一夜乾燥する。

性状 本品は白色の結晶性の粉末である。

確認試験 本品の核磁気共鳴スペクトル測定用重水素化クロロホルム溶液(1→25)につき,核磁気共鳴スペクトル測定用テトラメチルシランを内部基準物質として核磁気共鳴スペクトル測定法(1H)により測定するとき,δ8.8付近,δ7.2付近,δ3.7付近,δ3.3付近,δ2.5付近,δ1.8付近,δ1.1付近及びδ0.9付近にシグナルを示し,各シグナルの面積強度比は,ほぼ3:5:1:4:1:2:4:3である。また,この液に核磁気共鳴スペクトル測定用重水を適量添加し,核磁気共鳴スペクトルを測定するとき,δ8.8付近のシグナルは消失する。

類縁物質 本品0.10gをとり,移動相に溶かし,正確に100mLとし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に10mLとする。更にこの液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,主ピーク以外のピークの合計面積は,標準溶液のミルナシプランのピーク面積の2倍より大きくない。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)

カラム:内径4.0mm,長さ30cmのステンレス管に10μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:トリエチルアミン1mL及びリン酸二水素カリウム1.75gを水950mLに溶かし,薄めたリン酸(1→50)若しくは水酸化カリウム試液を用いてpH7.0に合わせた後,水を加えて1000mLとする。この液650mLをとり,アセトニトリル350mLを加える。

流量:ミルナシプランの保持時間が約8分となるように調整する。

面積測定範囲:溶媒のピークの後からミルナシプランの保持時間の約5倍の範囲。

システム適合性

検出の確認:試料溶液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,検出確認用溶液とする。標準溶液20μLから得たミルナシプランのピーク面積が,検出確認用溶液のミルナシプランのピーク面積の7~13%になることを確認する。

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,ミルナシプランのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である。

システム再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ミルナシプランのピーク面積の相対標準偏差は5.0%以下である。

乾燥減量 1.0%以下(0.5g,105℃,4時間)

含量 99.5%以上。 定量法 本品を乾燥し,その約0.28gを精密に量り,無水酢酸・酢酸(100)混液(7:3)50mLを加えて溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=28.281mg C15H22N2O・HCl

塩酸ミルナシプラン25mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.5μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液3mLを正確に量り,水を加えて正確に5mLとし,試料溶液とする。別に塩酸ミルナシプラン標準品を105℃で4時間乾燥し,その約0.017gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に50mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液30μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のミルナシプランのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

塩酸ミルナシプラン(C15H22N2O・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×150

WS:塩酸ミルナシプラン標準品の量(mg)

C:1錠中の塩酸ミルナシプラン(C15H22N2O・HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)

カラム:内径4.0mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム13.6gを水1000mLに溶かし,リン酸を用いてpHを3.5に調整する。この液830mLをとり,アセトニトリル170mLを加える。

流量:ミルナシプランの保持時間が約15分になるよう調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液30μLにつき,上記の条件で操作するとき,ミルナシプランのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ4000段以上,2.0以下である。

システム再現性:標準溶液30μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ミルナシプランのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

塩酸ミルナシプラン標準品 C15H22N2O・HCl:282.81 (±)―シス―2―アミノメチル―N,N―ジエチル―1―フェニルシクロプロパンカルボキサミド一塩酸塩で下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 本品10gにアセトン500mLを加え,65℃の油浴中で約10分間かき混ぜた後,クロロホルム50mLを加えて溶かし,ろ過する。ろ液を室温に24時間放置後,析出した結晶をガラスろ過器(G2)を用いてろ取し,少量のジエチルエーテルで洗う。得られた結晶を減圧下,60℃で一夜乾燥する。

性状 本品は白色の結晶性の粉末である。

確認試験 本品の核磁気共鳴スペクトル測定用重水素化クロロホルム溶液(1→25)につき,核磁気共鳴スペクトル測定用テトラメチルシランを内部基準物質として核磁気共鳴スペクトル測定法(1H)により測定するとき,δ8.8付近,δ7.2付近,δ3.7付近,δ3.3付近,δ2.5付近,δ1.8付近,δ1.1付近及びδ0.9付近にシグナルを示し,各シグナルの面積強度比は,ほぼ3:5:1:4:1:2:4:3である。また,この液に核磁気共鳴スペクトル測定用重水を適量添加し,核磁気共鳴スペクトルを測定するとき,δ8.8付近のシグナルは消失する。

類縁物質 本品0.10gをとり,移動相に溶かし,正確に100mLとし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に10mLとする。更にこの液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,主ピーク以外のピークの合計面積は,標準溶液のミルナシプランのピーク面積の2倍より大きくない。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:220nm)

カラム:内径4.0mm,長さ30cmのステンレス管に10μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:トリエチルアミン1mL及びリン酸二水素カリウム1.75gを水950mLに溶かし,薄めたリン酸(1→50)若しくは水酸化カリウム試液を用いてpH7.0に合わせた後,水を加えて1000mLとする。この液650mLをとり,アセトニトリル350mLを加える。

流量:ミルナシプランの保持時間が約8分となるように調整する。

面積測定範囲:溶媒のピークの後からミルナシプランの保持時間の約5倍の範囲。

システム適合性

検出の確認:試料溶液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,検出確認用溶液とする。標準溶液20μLから得たミルナシプランのピーク面積が,検出確認用溶液のミルナシプランのピーク面積の7~13%になることを確認する。

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,ミルナシプランのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である。

システム再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ミルナシプランのピーク面積の相対標準偏差は5.0%以下である。

乾燥減量 1.0%以下(0.5g,105℃,4時間)

含量 99.5%以上。 定量法 本品を乾燥し,その約0.28gを精密に量り,無水酢酸・酢酸(100)混液(7:3)50mLを加えて溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=28.281mg C15H22N2O・HCl

塩酸ピルメノール50mgカプセル

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法(ただし,シンカーを用いる)により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始15分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別に塩酸ピルメノール標準品(別途水分を測定しておく)約0.016gを精密に量り,水に溶かし,正確に50mLとする。この液4mLを正確に量り,水を加えて正確に20mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長260nmにおける吸光度AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が80%以上のときは,適合とする。

ピルメノール(C22H30N2O)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(360/C)×0.903

WS:脱水物に換算した塩酸ピルメノール標準品の量(mg)

C:1カプセル中のピルメノール(C22H30N2O)の表示量(mg)

塩酸ピルメノール標準品 C22H30N2O・HCl・H2O:392.96 (±)―4―(シス―2,6―ジメチルピペリジノ)―1―フェニル―1―(2―ピリジル)ブタノール塩酸塩一水和物で,下記の規格に適合するもの。

性状 本品は白色の結晶性の粉末である。

確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3380cm-1,2950cm-1,2580cm-1,1595cm-1,1395cm-1及び705cm-1付近に吸収を認める。

純度試験 類縁物質 本品0.10gをクロロホルム10mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,クロロホルムを加えて正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,クロロホルムを加えて正確に20mLとし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に,アンモニア飽和クロロホルム試液を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する。これにドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧し,乾燥した後,過酸化水素試液を均等に噴霧するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは1個以下であり,標準溶液から得たスポットより濃くない。

水分 4.2~4.8%(0.05g,電量滴定法)

含量 塩酸ピルメノール(C22H30N2O・HCl)99.5%以上(脱水物換算)。

定量法 本品約0.3gを精密に量り,無水酢酸・非水滴定用酢酸混液(4:1)50mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=18.75mg C22H30N2O・HCl

試薬・試液

クロロホルム,アンモニア飽和 クロロホルム100mLにアンモニア水(28)50mLを加えて,10分間激しく振り混ぜた後,静置する。下層液を用いる。用時調製する。

塩酸ピルメノール100mgカプセル

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法(ただし,シンカーを用いる)により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始15分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液5mLを正確に量り,試験液を加えて正確に10mLとし,試料溶液とする。別に塩酸ピルメノール標準品(別途水分を測定しておく)約0.016gを精密に量り,水に溶かし,正確に50mLとする。この液4mLを正確に量り,水を加えて正確に20mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長260nmにおける吸光度AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が80%以上のときは,適合とする。

ピルメノール(C22H30N2O)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(720/C)×0.903

WS:脱水物に換算した塩酸ピルメノール標準品の量(mg)

C:1カプセル中のピルメノール(C22H30N2O)の表示量(mg)

塩酸ピルメノール標準品 C22H30N2O・HCl・H2O:392.96 (±)―4―(シス―2,6―ジメチルピペリジノ)―1―フェニル―1―(2―ピリジル)ブタノール塩酸塩一水和物で,下記の規格に適合するもの。

性状 本品は白色の結晶性の粉末である。

確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3380cm-1,2950cm-1,2580cm-1,1595cm-1,1395cm-1及び705cm-1付近に吸収を認める。

純度試験 類縁物質 本品0.10gをクロロホルム10mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,クロロホルムを加えて正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,クロロホルムを加えて正確に20mLとし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に,アンモニア飽和クロロホルム試液を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する。これにドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧し,乾燥した後,過酸化水素試液を均等に噴霧するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは1個以下であり,標準溶液から得たスポットより濃くない。

水分 4.2~4.8%(0.05g,電量滴定法)

含量 塩酸ピルメノール(C22H30N2O・HCl)99.5%以上(脱水物換算)。

定量法 本品約0.3gを精密に量り,無水酢酸・非水滴定用酢酸混液(4:1)50mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=18.75mg C22H30N2O・HCl

試薬・試液

クロロホルム,アンモニア飽和 クロロホルム100mLにアンモニア水(28)50mLを加えて,10分間激しく振り混ぜた後,静置する。下層液を用いる。用時調製する。

トラセミド4mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始15分後に溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別にトラセミド標準品を80℃で1時間減圧乾燥し,その約0.022gを精密に量り,メタノールに溶かし,正確に100mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のトラセミドのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

トラセミド(C16H20N4O3S)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×18

WS:トラセミド標準品の量(mg)

C:1錠中のトラセミド(C16H20N4O3S)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:291nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:pH3.0のリン酸塩緩衝液/メタノール混液(11:9)

流量:トラセミドの保持時間が約8分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,トラセミドのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0%以下である。

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,トラセミドのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

トラセミド標準品 C16H20N4O3S:348.43 N―(1―メチルエチルアミノカルボニル)―4―(3―メチルフェニルアミノ)―3―ピリジンスルホンアミドで,下記の規格に適合するもの。必要ならば次に示す方法により精製する。

精製法 40℃に加温したメタノール2Lに,トラセミド14gを徐々に添加し,かき混ぜながら溶かす。この液をろ過した後,ろ液を約0.8Lまで濃縮する。この液をろ過し,ろ液を約4℃で1日間放置する。得られた結晶をろ取し,少量の冷メタノールで洗浄後,風乾し,更にシリカゲルを乾燥剤として1日間減圧乾燥する。この結晶を乳鉢で粉砕した後,水150mLに懸濁し,室温で4日間かき混ぜる。得られた結晶をろ取し,水及び少量のエタノール(95)で洗浄後,風乾し,更にシリカゲルを乾燥剤として3日間減圧乾燥する。

性状 本品は白色の結晶性の粉末である。

確認試験 本品の0.1mol/L塩酸試液溶液(1→50000)につき,紫外可視吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長285~288nmに吸収の極大を示す。

類縁物質 本品0.02gを移動相50mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液50μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のトラセミド以外のピークの合計面積は,標準溶液のトラセミドのピーク面積より大きくない。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:291nm)

カラム:内径4.6mm,長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:pH3.0のリン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(3:1)

流量:トラセミドの保持時間が約10分になるように調整する。

面積測定範囲:溶媒のピークの後からトラセミドの保持時間の約3倍の範囲

システム適合性

検出の確認:標準溶液5mLを正確に量り,移動相を加えて正確に25mLとする。この液50μLから得たトラセミドのピーク面積が標準溶液のトラセミドのピーク面積の15~25%になることを確認する。

システムの性能:トラセミド8mg及び2―ナフトール20mgを移動相100mLに溶かす。この液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,トラセミド,2―ナフトールの順に溶出し,その分離度が12以上のものを用いる。

システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,トラセミドのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

乾燥減量 0.3%以下(1g,減圧,80℃,1時間)

含量 99.0%以上 定量法 本品を乾燥し,その約0.3gを精密に量り,酢酸(100)50mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=34.843mg C16H20N4O3S

リン酸塩緩衝液,pH3.0 リン酸二水素カリウム2.72gを水900mLに溶かし,リン酸を加えてpHを3.0に調整した後,水を加えて1000mLとする。

トラセミド8mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始15分後に溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液5mLを正確に量り,水を加えて正確に10mLとし,試料溶液とする。別にトラセミド標準品を80℃で1時間減圧乾燥し,その約0.022gを精密に量り,メタノールに溶かし,正確に100mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のトラセミドのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

トラセミド(C16H20N4O3S)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×36

WS:トラセミド標準品の量(mg)

C:1錠中のトラセミド(C16H20N4O3S)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:291nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:pH3.0のリン酸塩緩衝液/メタノール混液(11:9)

流量:トラセミドの保持時間が約8分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,トラセミドのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0%以下である。

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,トラセミドのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

トラセミド標準品 C16H20N4O3S:348.43 N―(1―メチルエチルアミノカルボニル)―4―(3―メチルフェニルアミノ)―3―ピリジンスルホンアミドで,下記の規格に適合するもの。必要ならば次に示す方法により精製する。

精製法 40℃に加温したメタノール2Lに,トラセミド14gを徐々に添加し,かき混ぜながら溶かす。この液をろ過した後,ろ液を約0.8Lまで濃縮する。この液をろ過し,ろ液を約4℃で1日間放置する。得られた結晶をろ取し,少量の冷メタノールで洗浄後,風乾し,更にシリカゲルを乾燥剤として1日間減圧乾燥する。この結晶を乳鉢で粉砕した後,水150mLに懸濁し,室温で4日間かき混ぜる。得られた結晶をろ取し,水及び少量のエタノール(95)で洗浄後,風乾し,更にシリカゲルを乾燥剤として3日間減圧乾燥する。

性状 本品は白色の結晶性の粉末である。

確認試験 本品の0.1mol/L塩酸試液溶液(1→50000)につき,紫外可視吸光度測定法により吸収スペクトルを測定するとき,波長285~288nmに吸収の極大を示す。

類縁物質 本品0.02gを移動相50mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液50μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のトラセミド以外のピークの合計面積は,標準溶液のトラセミドのピーク面積より大きくない。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:291nm)

カラム:内径4.6mm,長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:pH3.0のリン酸塩緩衝液/アセトニトリル混液(3:1)

流量:トラセミドの保持時間が約10分になるように調整する。

面積測定範囲:溶媒のピークの後からトラセミドの保持時間の約3倍の範囲

システム適合性

検出の確認:標準溶液5mLを正確に量り,移動相を加えて正確に25mLとする。この液50μLから得たトラセミドのピーク面積が標準溶液のトラセミドのピーク面積の15~25%になることを確認する。

システムの性能:トラセミド8mg及び2―ナフトール20mgを移動相100mLに溶かす。この液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,トラセミド,2―ナフトールの順に溶出し,その分離度が12以上のものを用いる。

システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,トラセミドのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

乾燥減量 0.3%以下(1g,減圧,80℃,1時間)

含量 99.0%以上 定量法 本品を乾燥し,その約0.3gを精密に量り,酢酸(100)50mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=34.843mg C16H20N4O3S

リン酸塩緩衝液,pH3.0 リン酸二水素カリウム2.72gを水900mLに溶かし,リン酸を加えてpHを3.0に調整した後,水を加えて1000mLとする。

塩酸イミダプリル2.5mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始30分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.5μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別に塩酸イミダプリル標準品を105℃で3時間乾燥し,その約0.028gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液50μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のイミダプリルのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の30分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

塩酸イミダプリル(C20H27N3O6・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×9

WS:塩酸イミダプリル標準品の量(mg)

C:1錠中の塩酸イミダプリル(C20H27N3O6・HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:215nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクチルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム1.36gを水1000mLに溶かし,リン酸を加えてpH2.7に調整する。この液600mLにメタノール400mLを加える。

流量:イミダプリルの保持時間が約8分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液50μLにつき,上記の条件で操作するとき,イミダプリルのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,イミダプリルのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

塩酸イミダプリル標準品 C20H27N3O6・HCl:441.91 (-)―(4S)―3―[(2S)―2―[[(1S)―1―エトキシカルボニル―3―フェニルプロピル]アミノ]プロピオニル]―1―メチル―2―オキソイミダゾリジン―4―カルボン酸一塩酸塩で,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 塩酸イミダプリル10gをとり,エタノール(99.5)120mLを加え,加温して溶かし,冷後,ろ過する。ろ液に酢酸エチル300mLを加え,2~8℃で約20時間放置後,析出した結晶をガラスろ過器(G4)を用いてろ取し,酢酸エチル10mLずつで3回洗う。得られた結晶5gに水25mLを加え,加温して溶かし,冷後,薄めた塩酸(1→2)2mLを加え,氷水中で2時間放置する。析出した結晶をガラスろ過器(G4)を用いてろ取し,シリカゲルを乾燥剤として,減圧で24時間乾燥する。

性状 本品は白色の結晶である。

確認試験 本品を乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数1731cm-1,1685cm-1,1395cm-1,749cm-1及び701cm-1付近に吸収を認める。

旋光度〔α〕画像1 (1KB)別ウィンドウが開きます
:-66.0~-69.0°(乾燥後,0.1g,メタノール,10mL,100mm)。

純度試験 類縁物質 本品5mgを移動相10mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のイミダプリル以外のピークの合計面積は,標準溶液のイミダプリルのピーク面積の1/5より大きくない。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:215nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクチルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム1.36gを水1000mLに溶かし,リン酸を加えてpH2.7に調製する。この液600mLにメタノール400mLを加える。

流量:イミダプリルの保持時間が約8分になるように調整する。

面積測定範囲:溶媒のピークの後からイミダプリルの保持時間の約2倍の範囲

システム適合性

検出の確認:標準溶液5mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとする。この液20μLから得たイミダプリルのピーク面積が標準溶液のイミダプリルのピーク面積の3~7%になることを確認する。

システムの性能:本品0.01g及びパラオキシ安息香酸エチル5mgを移動相100mLに溶かす。この液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,イミダプリル,パラオキシ安息香酸エチルの順に溶出し,その分離度は4以上である。

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,イミダプリルのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

乾燥減量 0.5%以下(1g,105℃,3時間)。

含量 99.0%以上。 定量法 本品を乾燥し,その約0.4gを精密に量り,水70mLに溶かし,0.1mol/L水酸化ナトリウム液で滴定する(電位差滴定法)。ただし,第1変曲点と第2変曲点の間の0.1mol/L水酸化ナトリウム液の消費量より求める。

0.1mol/L水酸化ナトリウム液1mL=44.19mg C20H27N3O6・HCl

塩酸イミダプリル5mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始30分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.5μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液5mLを正確に量り,水を加えて正確に10mLとし,試料溶液とする。別に塩酸イミダプリル標準品を105℃で3時間乾燥し,その約0.028gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液50μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のイミダプリルのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の30分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

塩酸イミダプリル(C20H27N3O6・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×18

WS:塩酸イミダプリル標準品の量(mg)

C:1錠中の塩酸イミダプリル(C20H27N3O6・HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:215nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクチルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム1.36gを水1000mLに溶かし,リン酸を加えてpH2.7に調整する。この液600mLにメタノール400mLを加える。

流量:イミダプリルの保持時間が約8分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液50μLにつき,上記の条件で操作するとき,イミダプリルのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,イミダプリルのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

塩酸イミダプリル標準品 C20H27N3O6・HCl:441.91 (-)―(4S)―3―[(2S)―2―[[(1S)―1―エトキシカルボニル―3―フェニルプロピル]アミノ]プロピオニル]―1―メチル―2―オキソイミダゾリジン―4―カルボン酸一塩酸塩で,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 塩酸イミダプリル10gをとり,エタノール(99.5)120mLを加え,加温して溶かし,冷後,ろ過する。ろ液に酢酸エチル300mLを加え,2~8℃で約20時間放置後,析出した結晶をガラスろ過器(G4)を用いてろ取し,酢酸エチル10mLずつで3回洗う。得られた結晶5gに水25mLを加え,加温して溶かし,冷後,薄めた塩酸(1→2)2mLを加え,氷水中で2時間放置する。析出した結晶をガラスろ過器(G4)を用いてろ取し,シリカゲルを乾燥剤として,減圧で24時間乾燥する。

性状 本品は白色の結晶である。

確認試験 本品を乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数1731cm-1,1685cm-1,1395cm-1,749cm-1及び701cm-1付近に吸収を認める。

旋光度 〔α〕画像2 (1KB)別ウィンドウが開きます
:-66.0~-69.0°(乾燥後,0.1g,メタノール,10mL,100mm)。

純度試験 類縁物質 本品5mgを移動相10mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のイミダプリル以外のピークの合計面積は,標準溶液のイミダプリルのピーク面積の1/5より大きくない。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:215nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクチルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム1.36gを水1000mLに溶かし,リン酸を加えてpH2.7に調製する。この液600mLにメタノール400mLを加える。

流量:イミダプリルの保持時間が約8分になるように調整する。

面積測定範囲:溶媒のピークの後からイミダプリルの保持時間の約2倍の範囲

システム適合性

検出の確認:標準溶液5mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとする。この液20μLから得たイミダプリルのピーク面積が標準溶液のイミダプリルのピーク面積の3~7%になることを確認する。

システムの性能:本品0.01g及びパラオキシ安息香酸エチル5mgを移動相100mLに溶かす。この液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,イミダプリル,パラオキシ安息香酸エチルの順に溶出し,その分離度は4以上である。

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,イミダプリルのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

乾燥減量 0.5%以下(1g,105℃,3時間)。

含量 99.0%以上。 定量法 本品を乾燥し,その約0.4gを精密に量り,水70mLに溶かし,0.1mol/L水酸化ナトリウム液で滴定する(電位差滴定法)。ただし,第1変曲点と第2変曲点の間の0.1mol/L水酸化ナトリウム液の消費量より求める。

0.1mol/L水酸化ナトリウム液1mL=44.19mg C20H27N3O6・HCl

塩酸イミダプリル10mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始30分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.5μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液5mLを正確に量り,水を加えて正確に20mLとし,試料溶液とする。別に塩酸イミダプリル標準品を105℃で3時間乾燥し,その約0.028gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液50μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のイミダプリルのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の30分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

塩酸イミダプリル(C20H27N3O6・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×36

WS:塩酸イミダプリル標準品の量(mg)

C:1錠中の塩酸イミダプリル(C20H27N3O6・HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:215nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクチルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム1.36gを水1000mLに溶かし,リン酸を加えてpH2.7に調整する。この液600mLにメタノール400mLを加える。

流量:イミダプリルの保持時間が約8分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液50μLにつき,上記の条件で操作するとき,イミダプリルのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液50μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,イミダプリルのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

塩酸イミダプリル標準品 C20H27N3O6・HCl:441.91 (-)―(4S)―3―[(2S)―2―[[(1S)―1―エトキシカルボニル―3―フェニルプロピル]アミノ]プロピオニル]―1―メチル―2―オキソイミダゾリジン―4―カルボン酸一塩酸塩で,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 塩酸イミダプリル10gをとり,エタノール(99.5)120mLを加え,加温して溶かし,冷後,ろ過する。ろ液に酢酸エチル300mLを加え,2~8℃で約20時間放置後,析出した結晶をガラスろ過器(G4)を用いてろ取し,酢酸エチル10mLずつで3回洗う。得られた結晶5gに水25mLを加え,加温して溶かし,冷後,薄めた塩酸(1→2)2mLを加え,氷水中で2時間放置する。析出した結晶をガラスろ過器(G4)を用いてろ取し,シリカゲルを乾燥剤として,減圧で24時間乾燥する。

性状 本品は白色の結晶である。

確認試験 本品を乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数1731cm-1,1685cm-1,1395cm-1,749cm-1及び701cm-1付近に吸収を認める。

旋光度 〔α〕画像3 (1KB)別ウィンドウが開きます
:-66.0~-69.0°(乾燥後,0.1g,メタノール,10mL,100mm)。

純度試験 類縁物質 本品5mgを移動相10mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液20μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のイミダプリル以外のピークの合計面積は,標準溶液のイミダプリルのピーク面積の1/5より大きくない。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:215nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクチルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム1.36gを水1000mLに溶かし,リン酸を加えてpH2.7に調製する。この液600mLにメタノール400mLを加える。

流量:イミダプリルの保持時間が約8分になるように調整する。

面積測定範囲:溶媒のピークの後からイミダプリルの保持時間の約2倍の範囲

システム適合性

検出の確認:標準溶液5mLを正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとする。この液20μLから得たイミダプリルのピーク面積が標準溶液のイミダプリルのピーク面積の3~7%になることを確認する。

システムの性能:本品0.01g及びパラオキシ安息香酸エチル5mgを移動相100mLに溶かす。この液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,イミダプリル,パラオキシ安息香酸エチルの順に溶出し,その分離度は4以上である。

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,イミダプリルのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

乾燥減量 0.5%以下(1g,105℃,3時間)。

含量 99.0%以上。 定量法 本品を乾燥し,その約0.4gを精密に量り,水70mLに溶かし,0.1mol/L水酸化ナトリウム液で滴定する(電位差滴定法)。ただし,第1変曲点と第2変曲点の間の0.1mol/L水酸化ナトリウム液の消費量より求める。

0.1mol/L水酸化ナトリウム液1mL=44.19mg C20H27N3O6・HCl

塩酸セリプロロール100mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始45分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別に塩酸セリプロロール標準品を80℃,減圧で4時間乾燥し,その約0.022gを精密に量り,水に溶かして正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長323nmにおける吸光度AT及びASを測定する。

本品の45分間の溶出率が80%以上のときは適合とする。

塩酸セリプロロール(C20H33N3O4・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×450

WS:塩酸セリプロロール標準品の量(mg)

C:1錠中の塩酸セリプロロール(C20H33N3O4・HCl)の表示量(mg)

塩酸セリプロロール標準品 C20H33N3O4・HCl:415.95 (±)―3―[3―アセチル―4―[3―(tert―ブチルアミノ)―2―ヒドロキシプロポキシ]フェニル]―1,1―ジエチルウレア塩酸塩で下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 塩酸セリプロロール1gをとり,薄めたアセトン(9→10)8mLを加え,15~20℃にて1時間以上撹拌し,ろ過する。更に,アセトン2mLで洗浄後,ろ取する。得られた結晶を,80℃,減圧で4時間乾燥する。

性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

確認試験 本品を乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3290cm-1,2980cm-1,2780cm-1,1669cm-1,1637cm-1及び1264cm-1付近に吸収を認める。

類縁物質 本品0.20gをとり,メタノール10mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に25mLとする。この液2mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に20mLとし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した2枚の薄層板にスポットする。1枚の薄層板は酢酸エチル/エタノール(95)/薄めたアンモニア水(28)(13→100)混液(10:5:4)を展開溶媒として,約10cm展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない。残りの薄層板は,2―プロパノール/アンモニア水(28)混液(10:1)を展開溶媒として,同様に試験を行う。

乾燥減量 1.0%以下(1g,減圧,80℃,4時間)。

含量 99.0%以上 定量法 本品を乾燥し,その約0.5gを精密に量り,酢酸(100)10mLを加え,加温して溶かす。これに無水酢酸100mLを加え,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=41.60mg C20H33N3O4・HCl

塩酸セリプロロール200mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始45分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液5mLを正確に量り,水を加えて正確に10mLとし,試料溶液とする。別に塩酸セリプロロール標準品を80℃,減圧で4時間乾燥し,その約0.022gを精密に量り,水に溶かして正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長323nmにおける吸光度AT及びASを測定する。

本品の45分間の溶出率が80%以上のときは適合とする。

塩酸セリプロロール(C20H33N3O4・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×900

WS:塩酸セリプロロール標準品の量(mg)

C:1錠中の塩酸セリプロロール(C20H33N3O4・HCl)の表示量(mg)

塩酸セリプロロール標準品 C20H33N3O4・HCl:415.95 (±)―3―[3―アセチル―4―[3―(tert―ブチルアミノ)―2―ヒドロキシプロポキシ]フェニル]―1,1―ジエチルウレア塩酸塩で下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 塩酸セリプロロール1gをとり,薄めたアセトン(9→10)8mLを加え,15~20℃にて1時間以上撹拌し,ろ過する。更に,アセトン2mLで洗浄後,ろ取する。得られた結晶を,80℃,減圧で4時間乾燥する。

性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

確認試験 本品を乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3290cm-1,2980cm-1,2780cm-1,1669cm-1,1637cm-1及び1264cm-1付近に吸収を認める。

類縁物質 本品0.20gをとり,メタノール10mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に25mLとする。この液2mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に20mLとし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した2枚の薄層板にスポットする。1枚の薄層板は酢酸エチル/エタノール(95)/薄めたアンモニア水(28)(13→100)混液(10:5:4)を展開溶媒として,約10cm展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない。残りの薄層板は,2―プロパノール/アンモニア水(28)混液(10:1)を展開溶媒として,同様に試験を行う。

乾燥減量 1.0%以下(1g,減圧,80℃,4時間)。

含量 99.0%以上 定量法 本品を乾燥し,その約0.5gを精密に量り,酢酸(100)10mLを加え,加温して溶かす。これに無水酢酸100mLを加え,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い,補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=41.60mg C20H33N3O4・HCl

塩酸チリソロール10mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始60分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別に,塩酸チリソロール標準品を酸化リン(Ⅴ)を乾燥剤として80℃で5時間減圧乾燥し,その約0.022gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長295nmにおける吸光度AT及びASを測定する。

本品の60分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

塩酸チリソロール(C17H24N2O3・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×45

WS:塩酸チリソロール標準品の量(mg)

C:1錠中の塩酸チリソロール(C17H24N2O3・HCl)の表示量(mg)

塩酸チリソロール標準品 C17H24N2O3・HCl:340.85 (±)―4―(3―tert―ブチルアミノ―2―ヒドロキシプロポキシ)―2―メチル―1(2H)―イソキノリノン塩酸塩で,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 メタノール/イソプロピルエーテル混液(2:1)で2回再結晶し,精製した後,乾燥(減圧,酸化リン(Ⅴ),80℃,5時間)する。

性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

確認試験 本品を乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定する時,波数3370cm-1,1661cm-1,1605cm-1,1241cm-1及び766cm-1付近に吸収を認める。

純度試験(類縁物質) 本操作は,遮光した容器を用いて行う。本品0.10gをメタノール10mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にアセトニトリル/2―プロパノール/水/ギ酸混液(10:5:2:1)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,標準溶液が検出される条件下で,試料溶液は主スポット以外にスポットを認めない。

乾燥減量 0.5%以下(1g,減圧,酸化リン(Ⅴ),80℃,5時間)。

含量 99.0%以上 本品を乾燥し,その約0.10gを精密に量り,酢酸(100)10mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸15mLを正確に加え,水浴上で30分間加熱する。冷後,酢酸(100)を加えて60mLとし,過量の過塩素酸を0.1mol/L酢酸ナトリウム液で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行う。

0.1mol/L過塩素酸1mL=34.085mg C17H24N2O3・HCl

塩酸チリソロール20mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始90分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液10mLを正確に量り,水を加えて正確に20mLとし,試料溶液とする。別に,塩酸チリソロール標準品を酸化リン(Ⅴ)を乾燥剤として80℃で5時間減圧乾燥し,その約0.022gを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする。この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき,紫外可視吸光度測定法により試験を行い,波長295nmにおける吸光度AT及びASを測定する。

本品の90分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

塩酸チリソロール(C17H24N2O3・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×90

WS:塩酸チリソロール標準品の量(mg)

C:1錠中の塩酸チリソロール(C17H24N2O3・HCl)の表示量(mg)

塩酸チリソロール標準品 C17H24N2O3・HCl:340.85 (±)―4―(3―tert―ブチルアミノ―2―ヒドロキシプロポキシ)―2―メチル―1(2H)―イソキノリノン塩酸塩で,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 メタノール/イソプロピルエーテル混液(2:1)で2回再結晶し,精製した後,乾燥(減圧,酸化リン(Ⅴ),80℃,5時間)する。

性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

確認試験 本品を乾燥し,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定する時,波数3370cm-1,1661cm-1,1605cm-1,1241cm-1及び766cm-1付近に吸収を認める。

純度試験(類縁物質) 本操作は,遮光した容器を用いて行う。本品0.10gをメタノール10mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次にアセトニトリル/2―プロパノール/水/ギ酸混液(10:5:2:1)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき,標準溶液が検出される条件下で,試料溶液は主スポット以外にスポットを認めない。

乾燥減量 0.5%以下(1g,減圧,酸化リン(Ⅴ),80℃,5時間)。

含量 99.0%以上 本品を乾燥し,その約0.10gを精密に量り,酢酸(100)10mLに溶かし,0.1mol/L過塩素酸15mLを正確に加え,水浴上で30分間加熱する。冷後,酢酸(100)を加えて60mLとし,過量の過塩素酸を0.1mol/L酢酸ナトリウム液で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行う。

0.1mol/L過塩素酸1mL=34.085mg C17H24N2O3・HCl

塩酸ベタキソロール5mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験を開始し,溶出試験開始15分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別に,塩酸ベタキソロール標準品を105℃で4時間乾燥し,その約0.025gを精密に量り,水を加えて溶かし,正確に50mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のベタキソロールのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

塩酸ベタキソロール(C18H29NO3・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(18/C)

WS:塩酸ベタキソロール標準品の量(mg)

C:1錠中の塩酸ベタキソロール(C18H29NO3・HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:274nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:1mol/L塩酸試液でpH3.0に調整した薄めた0.05mol/Lリン酸二水素カリウム試液(1→2)/アセトニトリル/メタノール混液(26:7:7)

流量:ベタキソロールの保持時間が約12分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,ベタキソロールのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ2000段以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ベタキソロールのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

塩酸ベタキソロール標準品 C18H29NO3・HCl:343.89 (±)―1―{4―[2―(シクロプロピルメトキシ)エチル]フェノキシ}―3―(イソプロピルアミノ)―2―プロパノール塩酸塩で,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 塩酸ベタキソロールをアセトンで数回再結晶し,得られた結晶を105℃で4時間乾燥する。

性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3250cm-1,1514cm-1,1249cm-1,1092cm-1,1053cm-1及び830cm-1付近に吸収を認める。

融点 115~117℃

純度試験 (1) 類縁物質(薄層クロマトグラフ法)本品0.10gをメタノール10mLに溶かし,試料溶液とする。この液3mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に50mLとする。この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に20mLとし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エチル/酢酸(100)/水混液(10:3:3)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を乾燥する。これをヨウ素蒸気中に1時間放置するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない。

純度試験 (2) 類縁物質(液体クロマトグラフ法)本品0.10gを移動相50mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のベタキソロール以外のピークの合計面積は,標準溶液のベタキソロールのピーク面積より大きくない。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:273nm)

カラム:内径4mm,長さ15cmのステンレス管に5μmのオクチルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:1mol/L塩酸試液でpH3.0に調整した薄めた0.05mol/Lリン酸二水素カリウム試液(1→2)/アセトニトリル/メタノール混液(26:7:7)

流量:ベタキソロールの保持時間が約9分になるように調整する。

面積測定範囲:溶媒フロントに起因するピークの後からベタキソロールの保持時間の2倍の範囲

システム適合性

検出の確認:標準溶液10mLを正確に量り,移動相を加えて正確に50mLとする。この液10μLから得たベタキソロールのピーク面積が標準溶液のベタキソロールのピーク面積の10~30%になることを確認する。

システムの性能:本品0.05g及びβ―ナフトール5mgをとり,移動相に溶かし200mLとする。この液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,ベタキソロール,β―ナフトールの順に溶出し,その分離度が4以上のものを用いる。

システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ベタキソロールのピーク面積の相対標準偏差は3.0%以下である。

乾燥減量 0.5%以下(1g,105℃,4時間)。

含量 99.0%以上。 定量法 本品を乾燥し,その約0.3gを精密に量り,酢酸(100)30mLに溶かし,無水酢酸30mLを加え,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。

同様の方法で空試験を行い補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=34.389mg C18H29NO3・HCl

塩酸ベタキソロール10mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験を開始し,溶出試験開始15分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液5mLを正確に量り,水を加えて正確に10mLとし,試料溶液とする。別に,塩酸ベタキソロール標準品を105℃で4時間乾燥し,その約0.025gを精密に量り,水を加えて溶かし,正確に50mLとする。この液2mLを正確に量り,水を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のベタキソロールのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

塩酸ベタキソロール(C18H29NO3・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(36/C)

WS:塩酸ベタキソロール標準品の量(mg)

C:1錠中の塩酸ベタキソロール(C18H29NO3・HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:274nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:1mol/L塩酸試液でpH3.0に調整した薄めた0.05mol/Lリン酸二水素カリウム試液(1→2)/アセトニトリル/メタノール混液(26:7:7)

流量:ベタキソロールの保持時間が約12分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,ベタキソロールのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ2000段以上,2.0以下である。

システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ベタキソロールのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。

塩酸ベタキソロール標準品 C18H29NO3・HCl:343.89 (±)―1―{4―[2―(シクロプロピルメトキシ)エチル]フェノキシ}―3―(イソプロピルアミノ)―2―プロパノール塩酸塩で,下記の規格に適合するもの。必要な場合には次に示す方法により精製する。

精製法 塩酸ベタキソロールをアセトンで数回再結晶し,得られた結晶を105℃で4時間乾燥する。

性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

確認試験 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき,波数3250cm-1,1514cm-1,1249cm-1,1092cm-1,1053cm-1及び830cm-1付近に吸収を認める。

融点 115~117℃

純度試験 (1) 類縁物質(薄層クロマトグラフ法)本品0.10gをメタノール10mLに溶かし,試料溶液とする。この液3mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に50mLとする。この液1mLを正確に量り,メタノールを加えて正確に20mLとし,標準溶液とする。これらの液につき,薄層クロマトグラフ法により試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフ用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エチル/酢酸(100)/水混液(10:3:3)を展開溶媒として約10cm展開した後,薄層板を乾燥する。これをヨウ素蒸気中に1時間放置するとき,試料溶液から得た主スポット以外のスポットは,標準溶液から得たスポットより濃くない。

純度試験 (2) 類縁物質(液体クロマトグラフ法)本品0.10gを移動相50mLに溶かし,試料溶液とする。この液1mLを正確に量り,移動相を加えて正確に200mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定するとき,試料溶液のベタキソロール以外のピークの合計面積は,標準溶液のベタキソロールのピーク面積より大きくない。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:273nm)

カラム:内径4mm,長さ15cmのステンレス管に5μmのオクチルシリル化シリカゲルを充てんする。

カラム温度:25℃付近の一定温度

移動相:1mol/L塩酸試液でpH3.0に調整した薄めた0.05mol/Lリン酸二水素カリウム試液(1→2)/アセトニトリル/メタノール混液(26:7:7)

流量:ベタキソロールの保持時間が約9分になるように調整する。

面積測定範囲:溶媒フロントに起因するピークの後からベタキソロールの保持時間の2倍の範囲

システム適合性

検出の確認:標準溶液10mLを正確に量り,移動相を加えて正確に50mLとする。この液10μLから得たベタキソロールのピーク面積が標準溶液のベタキソロールのピーク面積の10~30%になることを確認する。

システムの性能:本品0.05g及びβ―ナフトール5mgをとり,移動相に溶かし200mLとする。この液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,ベタキソロール,β―ナフトールの順に溶出し,その分離度が4以上のものを用いる。

システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ベタキソロールのピーク面積の相対標準偏差は3.0%以下である。

乾燥減量 0.5%以下(1g,105℃,4時間)。

含量 99.0%以上。 定量法 本品を乾燥し,その約0.3gを精密に量り,酢酸(100)30mLに溶かし,無水酢酸30mLを加え,0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。

同様の方法で空試験を行い補正する。

0.1mol/L過塩素酸1mL=34.389mg C18H29NO3・HCl

塩酸ベナゼプリル2.5mg錠

溶出試験 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,溶出試験法第2法により,毎分50回転で試験を行う。溶出試験開始15分後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.5μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする。別に塩酸ベナゼプリル標準品を105℃で3時間乾燥し,その約0.017gを精密に量り,水に溶かし,正確に50mLとする。この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に50mLとする。更にこの液4mLを正確に量り,水を加えて正確に50mLとし,標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液50μLにつき,次の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のベナゼプリルのピーク面積AT及びASを測定する。

本品の15分間の溶出率が85%以上のときは適合とする。

塩酸ベナゼプリル(C24H28N2O5・HCl)の表示量に対する溶出率(%)=WS×(AT/AS)×(1/C)×(72/5)

WS:塩酸ベナゼプリル標準品の量(mg)

C:1錠中の塩酸ベナゼプリル(C24H28N2O5・HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:239nm)