添付一覧
○生物由来製品の感染症定期報告に係る調査内容及び記載方法について
(平成15年6月18日)
(医薬安発第0618001号)
(各都道府県薬務主管部(局)長あて厚生労働省医薬局安全対策課長通知)
標記については、平成15年5月15日付け医薬発第0515008号厚生労働省医薬局長通知「生物由来製品に関する感染症定期報告制度について」(以下「局長通知」という。)をもって、通知したところであるが、当該報告に係る調査内容及び記載方法について、その細部を下記のとおり定めたので、御了知のうえ、貴管下関係業者に対し指導方御配慮願いたい。
記
1 調査内容
(1) 研究報告について
局長通知の記の二の5における研究報告とは、次に掲げる事項を対象としたものであること。
① 当該生物由来製品の由来となる人その他の生物から人に感染すると認められる疾病
② 当該生物由来製品の原材料(生物由来原料基準(平成15年厚生労働省告示第210号)に規定する「原材料」であって、人その他の生物を由来とするものに限る。以下同じ。)から人に感染すると認められる疾病
③ 当該生物由来製品に含有し、又は製造工程において使用している原料又は材料(人その他の生物(植物を除く。)に由来するものに限る。以下「生物由来成分」という。)から人に感染すると認められる疾病
④ 当該生物由来製品の原材料から生物由来成分に至る間の物から人に感染すると認められる疾病
⑤ 当該生物由来製品から人に感染すると認められる疾病
(2) 調査方針について
上記1の(1)の研究報告に係る調査を行うに際しては、対象となる研究報告のうち、各生物由来製品の承認取得者等の責任に基づく適正な判断のもと、次に掲げるものなど当該製品を評価するに当たって、より重要と考えられるものから、必要な調査を実施すること。
① 新たに判明した感染症に関するもの
② 感染症の発生頻度の増加に関するもの
③ 新たに判明した感染経路に関するもの
④ 重大な感染症に関するもの
(3) 種類別発生状況及び発生症例一覧について
局長通知の記の二の6における感染症の種類別発生状況及び発生症例一覧を報告しなければならない当該生物由来製品等とは、次のとおりであること。
① 当該生物由来製品
② 外国で使用されている物であって、当該生物由来製品と同一の原材料からなる生物由来成分を含有し、又は製造工程に使用している医薬品又は医療用具(製品名が不明であるものを含む。)
(4) 論文等により発表された感染症症例に関する報告の取扱いについて
論文、学会報告等により発表された個別の症例については、当該論文等を端緒として企業が把握した当該生物由来製品によるものと疑われる個別の症例であることから、局長通知の記の二の6に該当するものとして、報告を行うこと。
(5) 調査対象外成分について
生物由来原料基準の適用を受けない原料又は材料に基づく調査は、本報告の対象外であること。
(6) 調査対象文献等について
感染症定期報告に係る調査については、別添に掲げる学会誌、学会、ホームページ等を目安として行うこと。
2 局長通知別紙様式の記載方法
(1) 生物由来製品の概要について
① 「区分」欄には、医薬品、医療用具等の区別を記載するとともに、特定生物由来製品又は生物由来製品の区別を記載すること。
② 「薬効分類/JMDNコード」欄には、医薬品にあっては薬効分類を、医療用具にあってはJMDNコードを記載すること。
なお、医療用具については、JMDNコードが策定されるまでの間、一般的名称コードを記載すること。
③ 国際誕生日があるものについては、「国際誕生日」欄に、我が国又は外国で初めて当該製品の製造又は販売が認められた日を記載すること。
(2) 生物由来成分の概要について
① 「名称」欄には、当該生物由来製品の生物由来成分の名称を記載すること。
② 「原材料名」欄には、当該生物由来製品の原材料の名称を記載すること。
③ 当該生物由来製品中の生物由来成分の含量を把握している場合には、「含量」欄に、当該生物由来成分の含量を記載すること。
さらに、当該生物由来成分の1日当たりの曝露量が推定できる場合には、その数値も併せて記載すること。
④ 生物由来原料基準において、「原産国」の記録を要するものについては、「原産国」欄に当該生物由来成分の由来となる生物の原産国名を記載すること。
⑤ 「含有区分」欄には、医薬品については、当該生物由来成分が有効成分として含有されているものにあっては「有効成分」と、添加物として含有されているものにあっては「添加物」と、製造工程において使用されているものにあっては「製造工程」と記載すること。
また、医療用具については、当該生物由来成分が組成又は構造に含まれているものにあっては「組成・構造」と、製造工程において使用されているものにあっては「製造工程」と記載すること。
⑥ 遺伝子組換え製剤にあっては、「その他」欄に「遺伝子組換え」と記載すること。
(3) 出荷数量等について
① 「出荷数量」欄には、当該調査期間中に出荷された数量を記載すること。
② 「起算日」欄には、局長通知の記の三に基づく起算日を記載すること。
ただし、局長通知の記の六に従い一括報告する場合には、当該報告日の根拠となる起算日を記載し、それ以外の起算日については( )書きとして記載すること。
(4) 安全性に関する見解等について
「安全性等に関する見解等」欄には、当該報告に係る調査結果の概要及びその調査結果に基づき検討した結果を踏まえた今後の安全対策について記載すること。
(5) 同一生物種等から人に感染すると認められる疾病についての研究報告について
「同一生物種等から人に感染すると認められる疾病についての研究報告」欄には、上記1の(1)の①から⑤に関する研究報告について、次のとおり記載等を行うこと。
① 当該調査期間中に収集した研究報告(文献その他の知見を含む。)の名称一覧について、「感染症に関する研究報告の名称一覧」(別紙様式第1)を作成し、添付すること。
② ①の「感染症に関する研究報告の名称一覧」に掲げる各研究報告ごとの、「研究報告調査報告書」(別紙様式第2)を作成し、添付すること。
③ ②の各「研究報告調査報告書」ごとに、各研究報告を参考資料として添付すること。
④ なお、各研究報告のうち、薬事法第77条の4の2の規定による報告の対象外であるものについては、「研究報告調査報告書」(別紙様式第2)において、薬事法第77条の4の2の規定に基づく報告に際して付与される識別番号等の記載は不要であること。
(6) 当該生物由来製品等によるものと疑われる感染症について
上記1の(3)の①及び②の製品によるものと疑われる感染症について、次のとおり記載等を行うこと。
① 「種類別発生状況」欄には、当該調査期間終了時までに収集された感染症症例について、「感染症の種類別発生状況」(別紙様式第3)を作成し、添付すること。
② 「発生症例一覧」欄には、当該調査期間終了時までに収集された感染症症例について、「感染症発生症例一覧」(別紙様式第4)を作成し、添付すること。
③ ②の「感染症発生症例一覧」に掲げる各感染症症例ごとに、次の感染症症例にあっては「個別症例票」(医薬品:別紙様式第5―1、医療用具:別紙様式第5―2)を、それ以外のものにあっては「研究報告調査報告書」(別紙様式第2)を作成し、添付すること。
a) 当該生物由来製品によるものと疑われる感染症症例
b) 外国で使用されている物(医薬品の場合にあっては、当該生物由来製品における生物由来成分の含有区分が同一で、かつ、当該生物由来製品の有効成分が同一の医薬品に限り、医療用具の場合にあっては、当該生物由来製品と同一の医療用具に限る。)によるものと疑われる感染症症例
④ なお、各感染症症例のうち、薬事法第77条の4の2の規定による報告の対象外であるものについては、「個別症例票」(医薬品:別紙様式第5―1、医療用具:別紙様式第5―2)又は「研究報告調査報告書」(別紙様式第2)において、薬事法第77条の4の2の規定に基づく報告に際して付与される識別番号等の記載は不要であること。
(7) 適正使用等確保措置について
「適正使用等確保措置」欄には、当該生物由来製品について、保健衛生上の危害の発生若しくはその拡大を防止するための措置、又は適正使用を確保するための措置が講じられた場合のうち、感染症に係るものについて、当該措置内容を記載すること。
(8) 適正使用情報について
「適正使用情報」欄には、次のとおり記載等を行うこと。
① 外国における上記1の(3)の①及び②に係る製造、輸入又は販売の中止、回収、廃棄その他保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置の実施のうち、感染症に係るものについて、「外国措置調査報告書」(別紙様式第6)を作成し、添付すること。
② 上記2の(5)から(8)の①に掲げるもののほか、当該生物由来製品等について品質、有効性及び安全性に関する事項その他適正使用のために収集された情報のうち、感染症に関するものについて記載すること。
(9) その他
「備考」欄に、市販後調査管理責任者名(医療用具にあっては、市販後調査責任者名)、担当者名及び連絡先を記載すること。
また、当該生物由来製品の最新の添付文書を添付すること。
さらに、CCDS、CCSI等の国内外における主要な安全性情報文書があり、かつ、当該文書に感染症に係る記載がある場合は、当該記載に下線を付した上で当該文書を添付すること。
3 その他の留意点
(1) 一括報告について
局長通知の記の六の1に従い一括報告する場合は、局長通知別紙様式に、当該報告書において報告する全ての生物由来製品について記載すること。
また、「販売名」欄に記載した各販売名の冒頭に番号を付し、各欄における記載が各販売名ごとに異なるものについて、各販売名に付した番号に対応する番号を付すこと。
(2) 別紙による記載について
局長通知及び本通知の各別紙様式の記載欄について、記載事項のすべてを記載できない場合には、当該欄に「別紙( )のとおり」と記載し、別紙を添付して差し支えないこと。
別添
1 学会誌名
1 AIDS
2 American Journal of Infection Control
3 American Journal Tropical Medicine & Hygine
4 Annals of Neurology
5 Archives of Neurology
6 Archives of Virology
7 Biologicals
8 Blood
9 British Journal of Haematology
10 British Medical Journal
11 Clinical Infectious Diseases
12 Clinical Microbiol Infect
13 Current Opinion Infectious Diseases
14 Dtsch Med Wochenschr
15 EMBO Journal
16 Emerging Infectious Diseases
17 Epidemil Infect
18 Euro Surveillance
19 Hepatology
20 Infection and Immunity
21 International Journal of Food Microbiology
22 International journal of leprosy and other mycobacterial diseases
23 Intervirology
24 Journal of American Veterinary Medical Association
25 Journal of General Virology
26 Journal of Transplantation
27 The Journal of the American Medical Association
28 Japanese Journal of Infectious Diseases
29 Journal of Bacteriology
30 Journal of Clinical Microbiology
31 Journal of Clinical Virology
32 Journal of General Virology
33 Journal of Human Virology
34 Journal of Immunology
35 Journal of Infectious Diseases
36 Journal of Medical Virology
37 Journal of Parasitology
38 Journal of Travel Medicine
39 Journal of Veterinary Medical Science
40 Journal of Virological Methods
41 Journal of Virology
42 Microbes and Infection
43 Nature
44 Nature Medicine
45 Neurology
46 The New England Journal of Medicine
47 Pediatric Infectious Disease Journal
48 Procedings of the National Academy of Sciences
49 Science
50 The Lancet
51 The Lancet Infectious Diseases
52 Transfusion
53 The official Journal of the transplantation Society
54 Tubercle and Lung Diseases
55 Vaccine
56 Virology
57 Virus Genes
58 Virus Research
59 Vox Sanguinis
60 WHO Weekly Epidemiological Record
61 Xenotransplantation
62 ウイルス
63 環境感染症学会雑誌
64 感染と抗菌薬
65 寄生虫学会誌
66 食品衛生研究
67 日本エイズ学会誌
68 日本公衆衛生学会誌
69 日本再生医療学会 学会誌
70 日本獣医公衆衛生学会誌
71 日本組織移植学会 学会誌
72 日本輸血学会雑誌
73 結核
74 小児感染免疫
75 日本ハンセン病学会誌
76 日本化学療法学会雑誌
77 日本感染症学雑誌
78 日本細菌学雑誌
79 日本小児科学会誌
80 日本性感染症学雑誌
81 日本熱帯医学雑誌
82 臨床とウイルス
83 臨床と微生物
2 学会名
(1) 国内
1 日本医真菌学会
2 日本ウイルス学会
3 日本エイズ学会
4 日本衛生動物学会
5 日本感染症学会
6 日本寄生虫学会
7 日本血液学会
8 日本結核病学会
9 日本公衆衛生学会
10 日本細菌学会
11 日本小児感染症学会
12 日本小児血液学会
13 日本ハンセン病学会
14 日本免疫学会
15 日本輸血学会
16 日本臨床ウイルス学会
17 日本臨床寄生虫学会
18 日本臨床血液学会
19 日本ワクチン学会
20 日本小児循環器病学会
21 日本リスク研究学会
(2) 国外
1 国際感染症会議
2 米国微生物学会議
3 米国獣医学会議
4 国際細菌学、応用微生物学会議
5 国際ウィルス学会議
6 国際寄生虫学会議
7 国際真菌学会議
8 国際輸血学会議
9 TEPHINET議
10 EIS会議
11 新興再興感染症会議
12 国際旅行医学会議
3 ホームページ等名
1 PubMed
2 ProMED
3 Reuters Health Information
4 Time
5 Infectious Diseases News Brief
6 WHOのホームページ
7 CDCのホームページ
8 FDAのホームページ
9 OIEのホームページ
10 PHLS(UK)のホームページ(CDRweekly、CDPH 等)
11 CCDR(Canada)のホームページ
12 American Association of Blood Bankのホームページ(AABB Weekly Report 等)
13 国立感染症研究所感染症情報センターのホームページ(IASR(病原微生物検出情報)、IDWR(感染症発生動向調査週報)等)
14 MMWR (CDC/USA)
15 SCIEH Weekly Report(Scotland)
16 日本医薬情報センター(JAPIC)データベース
17 医学中央雑誌のCD―ROM
18 Google
19 HotVot
20 AltaVista
21 Inktomi
22 yahoo