添付一覧
○日本薬局方の作成基本方針等について
(平成14年12月27日)
(医薬審発第1227010号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬局審査管理課長通知)
日本薬局方については、薬事法第41条により、医薬品の性状及び品質の適正を図るため、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めるとされており、現在、平成13年11月27日にとりまとめられた薬事・食品衛生審議会答申「日本薬局方作成基本方針」を踏まえて、第十五改正日本薬局方の作成をすすめているところである。
今般、上述の「日本薬局方作成基本方針」において検討課題とされた事項等について、平成14年12月10日、薬事・食品衛生審議会で審議が行われ、別添「今後の日本薬局方のあり方について」が答申としてとりまとめられた。ついては下記事項につき、御了知のうえ、貴管下関係業者に対して周知徹底方お願いする。
記
1 第十五改正日本薬局方の作成基本方針
第十五改正日本薬局方(平成18年4月施行予定)は、平成13年11月にとりまとめられた薬事・食品衛生審議会答申「日本薬局方作成基本方針(以下、「作成基本方針」という。)(参考)」に加え、今般、同審議会でとりまとめられた「今後の日本薬局方のあり方について(以下、「あり方」という。)(別添)」を基本方針として作成することとしたこと。
2 日本薬局方への収載等について
「あり方」を踏まえ、保健医療上重要な医薬品を積極的に収載することとしたこと。また、基本的な収載規則は以下のとおりとしたこと。
(1) 新医薬品(平成15年4月以後、新有効成分含有医薬品、新医療用配合剤及び新剤型医薬品として承認される医薬品)については、優先審査対象品目や既に国際的に流通している医薬品を中心に原則として収載する。ただし、流通実績が少ない場合、安全性、有効性又は品質に大きな問題がある場合等は、収載を慎重に行うこととする。なお、「あり方」において、収載時期は承認後2~4年程度を目途とされていることから、承認後2年を経過した際に、適切な製造又は輸入業者に対し、原案作成を依頼することとする。
(2) 既承認医薬品(平成15年3月末までに承認された医薬品を含む。)については、以下の点に留意しつつ、順次、収載する。なお、収載品目選定後、適宜、適切な製造又は輸入業者に対し、原案作成を依頼することとする。
ア 原則として、優先審査がなされた画期的な新薬など医療上必要性が高いと考えられる医薬品から収載する。
イ 既承認医薬品のうち米国薬局方(USP)や欧州薬局方(EP)に収載されている品目について優先的に収載する。
ウ 再評価により有効性、安全性及び品質が確認された医薬品であり繁用性があると認められた医薬品を収載する。
エ 日本薬局方外医薬品規格(以下、「局外規」という。)等の他の規格書に収載されている品目については、積極的に収載する。
(3) 既収載医薬品の収載見直しについては、優先順位を決めて定期的に見直しを行っていくこととする。また、見直し品目選定後、適宜、適切な製造又は輸入業者に対し、原案作成を依頼することとしている。また、医療上の必要性が低くなった収載品目や安全性の問題で回収などの措置がとられた品目については、その都度、削除等の適切な措置を講じることとする。
3 その他
医薬品各条規格の策定方針については、「あり方」の8に示されているところであるが、上述の2の原案作成に当たって参考となる要領及び具体的な運用の手続き等を示した第十五改正日本薬局方原案作成要領については、別途、連絡することとしたこと。
今後の日本薬局方のあり方について
1 日本薬局方の役割
日本薬局方については、薬事法第41条及び第56条において、医薬品の性状及び品質の適正を図るために作成されること、日本薬局方に収められている医薬品であって、その性状又は品質が日本薬局方で定める基準に適合しないものについては、販売、製造等を禁止する旨などが規定されている。
また、日本薬局方は医薬品の品質確保の観点から種々の活用がなされている。行政の立場からは承認審査での品質審査の基準、監視指導での品質確保の標準書として、製薬企業の立場では医薬品開発における品質規格の科学的、技術的水準を示すものとして活用されている。教育現場においても薬学教育の品質に関する基本書として利用されている。
このような日本薬局方の法的位置づけ及び活用の状況から、現時点における日本薬局方の役割は、日本で流通する医薬品の品質を確保することということができよう。
日本薬局方の今後の役割については、医薬品の品質分野の国際調和が積極的にすすめられている状況を踏まえ、さらに通則、製剤総則、一般試験法及び医薬品各条の充実を図り、当該分野における国際調和の核としての役割を果たすべきである。
また、今後は医薬品の品質のみに着目するのではなく、2に示すように有効性又は安全性の観点から優れた医薬品の収載をすすめ、保健医療上重要な医薬品を収載した日本薬局方を整備していくべきである。この結果、日本薬局方の新たな役割として、保健医療上重要な医薬品を規定するものとの位置づけを確立すべきである。
2 保健医療上重要な医薬品の全面的収載による充実化
日本薬局方が1に記載した役割を果たすためには、日本薬局方への保健医療上重要な医薬品の全面的な収載が重要な課題である。
ここでいう「保健医療上重要な医薬品」とは、「有効性又は安全性に優れているものであり、医療現場において不可欠なもの」といいかえることができる。具体的には、優先審査がなされた画期的な新薬、諸外国で既に広く利用されている必須医薬品などがその代表的なものと考えられる。また、再評価により有効性、安全性及び品質が確認された医薬品についても収載されるべき「保健医療上重要な医薬品」の候補としてみなされるであろう。
これらの医薬品は、幅広く医療現場で使用がなされ、あるいはなされることが想定されるもの、あるいは代替薬がないものである。したがって、科学の進歩にあわせて常に品質、有効性及び安全性が見直されるものであり、また、広く国民にその情報が提供されるべきものである。
また、日本薬局方作成基本方針(平成13年11月薬事・食品衛生審議会答申)において、「保健医療上重要な医薬品は市販後可及的速やかな収載を目指す」こととされていることなどを踏まえ、今後、保健医療上重要な医薬品の日本薬局方への早期収載を図るべきである。
これらを踏まえ、以下に示す基本的な収載規則に基づき、収載をすすめていくべきである。
<<日本薬局方収載規則>>
(1) 新医薬品(今後、新有効成分含有医薬品、新医療用配合剤及び新剤型医薬品として承認される医薬品)に係る収載規則
新医薬品は、一般に一定の医療上の役割を有することを前提に承認されている。したがって、優先審査対象品目や既に国際的に流通している医薬品を中心に原則として日本薬局方に収載するべきである。しかしながら、収載時には流通実績が少ない場合、有効性、安全性又は品質に大きな問題があると考えられる場合、その他保健医療上重要な医薬品とみなすことができない場合等については、日本薬局方への収載は慎重に検討すべきである。
収載時期は、収載規則を勘案し、承認後一定の期間を経たときとし、例えば、品質、安全性及び有効性にかかる一定の情報を収集することが可能と考えられる市販後2~4年程度を目途に収載をすすめることも検討すべきである。
収載の効率化を図るためには、承認申請時にその日本薬局方原案の提出を求め、承認審査の一環として内容の確認を行うことも検討すべきである。
(2) 既承認医薬品に係る収載規則
既承認医薬品については、原則として、優先審査がなされた画期的な新薬など医療上必要性が高いと考えられる医薬品から、以下の点を考慮しつつ、順次、収載すべきである。
諸外国でも広く利用されている医薬品については、一般に日本における医療上の必要性も高いものと考えられる。したがって、既承認医薬品のうち米国薬局方(USP)や欧州薬局方(EP)に収載されている品目については、優先的に収載すべきである。
再評価により有効性、安全性及び品質が確認された医薬品であり、繁用性があると認められた医薬品についても収載をすすめるべきである。
また、日本薬局方外医薬品規格(以下、「局外規」という。)等の他の規格書に収載されている品目については、既に公的な検討会等において品質規格の設定がなされているものであることなどから、積極的に収載すべきである。
なお、既承認医薬品で局外規等の他の規格書に収載されていない医薬品については、医療現場における繁用度、医療上の重要性を確認の上、収載を行うべきである。
(3) 既収載医薬品の収載見直し
日本薬局方に収載されている医薬品の見直しは、適宜行うことが望ましいが、収載品目数が多いことから、優先順位を決めて定期的に見直しを行うべきである。また、時代の変遷により医療上の必要性が低くなった収載品目については、必要に応じ、削除を行うべきである。特に、安全性の問題で回収などの措置がとられた品目については、その都度、削除等の適切な措置を講じる必要がある。
なお、効率性の観点から、再審査や再評価がなされる際に、あわせて見直しを行うことも検討すべきである。
3 日本薬局方の構成
旧薬事法(平成13年法87号)において、日本薬局方の構成は、第一部は、主として、繁用される原薬たる医薬品及び基礎的製剤を、第二部は、主として、混合製剤及びその原薬たる医薬品を収めることとされていた。この日本薬局方の二部構成については、歴史的に「旧薬局方」及び「旧国民医薬品集」の系譜を反映するものであり、その境界の合理性は現在の科学的な水準を反映したものとなっていないこと、また、バイオ医薬品をはじめとする多様な医薬品が開発されていること等から、収載品目の性質に着目して弾力的に日本薬局方の構成の変更を行う必要性が指摘されていた。
このような状況を踏まえ、平成14年の薬事法改正においては、旧薬事法第41条第2項における構成にかかる規定が削除され、日本薬局方の構成は科学技術の進歩等に応じて速やかに変更することができることとなった。
第15改正日本薬局方の構成については、現在の医薬品開発の状況に鑑み、また日本薬局方利用者の利便性向上に資する観点から、化学薬品等、生物薬品及び生薬に三分類し、各分類における医薬品各条の収載順序は、原則、五十音順とすべきである。
4 医薬品に係る他の基準書・規格書との関係
薬事法の規定に基づき、医薬品の規格を定めるものとしては、薬事法第41条に基づく日本薬局方の他、薬事法第42条に基づく生物学的製剤基準、日本抗生物質医薬品基準、放射性医薬品基準等(以下、「42条基準」という。)がある。その他、通知により医薬品の規格を定めているものとしては、日本薬局方外医薬品規格、日本薬局方外生薬規格、医薬品添加物規格等がある。これらの基準書・規格書ごとの役割や収載品目等については、その整合性の観点から、かねてより議論されているところである。
現在、生物学的製剤基準等の42条基準は薬事法により保健衛生上特別の注意を要する医薬品を収載することとされており、日本薬局方は日本薬局方作成基本方針により保健医療上重要な医薬品を収載することとされ、その区分は明確にされている。
他方、日本薬局方外医薬品規格などの通知に基づく各種規格については、その位置づけが必ずしも明らかでないこと、その収載品目が日本薬局方収載品目とその性格に大きな相違がないことなどが指摘されている。今後、日本薬局方への保健医療上重要な医薬品の収載がすすめばその必要性が低くなることも踏まえ、原則として廃止の方向で検討を行うこととし、存続させる場合にはその位置づけを明確にすべきである。
5 通則の策定方針
通則は、局方全般に係わる共通のルールを定めたものである。
通則の構成については、品質規格に共通するものを適切な順に記載し、ついで各条項目に係る内容のものについては、各条の項目順に記載すべきである。
なお、通則の改正については、全ての医薬品に共通するあるべき姿を念頭におき、表現方法等全般に及ぼす影響に考慮し検討を行うべきである。
6 製剤総則の策定方針
製剤総則は、製剤に関する共通のルール及び各種剤型ごとの定義、製法、保存方法等を規定しており、新規開発医薬品を含め、医薬品の剤型の基本をなすものである。
製剤総則は、製剤通則と製剤各条から構成される。製剤通則は、製剤に関する全般的な内容を規定する。製剤各条は、五十音順で配列し、剤型の定義、製法、剤型に対して要求される試験法、保存方法等を規定する。なお、製剤総則の改正については、新技術や医療需要に対応できるように又薬事行政上、他の規制に対する影響も考慮して検討を行うべきである。
7 一般試験法の策定方針
一般試験法は、医薬品各条に共通する試験法、医薬品の品質評価に有用な試験法及びこれに関連する事項を規定する。
一般試験法の構成は、原則として、各試験法をカテゴリーに分類し、固定番号を付して番号順に配列すべきである。
8 医薬品各条規格の策定方針
現在、日本薬局方に収載されている多くの医薬品は、収載後、承認不要医薬品*として指定されることを前提として規格が整備されてきた。このため、原則として、収載医薬品の多くには、承認に必要な全ての規格が規定されてきた。
しかしながら、種々の医薬品の開発がすすみ、医薬品の製法技術も多様化していることなどから、細部にわたる医薬品の品質規格を設定することが困難な場合も生じてきている。例えば、製造方法の異なる同種同効薬(同一品目)の場合、「工程由来不純物」に対する純度試験の試験方法及び規格値はそれぞれ異なり、一つの統一的試験法を設定することは困難である。また、製法や規格にかかる細部の情報は一般に企業秘密に属する情報であり、特に新医薬品の収載においては日本薬局方でこれらの規格を設定することは必ずしも適切であるとはいえない。
したがって、今後の医薬品各条規格の策定においては、日本薬局方の目的に照らし、科学水準の向上に伴い、定期的な見直しを行うこととし、承認に必要な全ての規格を設定する従来の各条規格の策定方法に加え、各条規格の設定をより柔軟に考え必要に応じて品質確保の目的を達成することのできる策定方法を採用できることとすべきである。具体的には、上述の「工程由来不純物」に対する純度試験の試験方法及び規格値の例などでは、日本薬局方通則30による「別に規定する」を適用し、薬事法に基づく承認等の際に規定すべきである。
なお、日本薬局方通則30については、原則として、品質確保に本質的に必要な試験項目であって、統一的な規格基準値及び試験方法の設定が不合理な規格項目に適用されるのが適当と考えられる。
*薬事法第14条第1項の規定に基づき製造又は輸入の承認を要しないものとして厚生労働大臣の指定する医薬品等(平成6年3月28日厚告104)
9 参考情報の有効利用
参考情報については、医薬局長通知により日本薬局方の附録として位置づけられているものである。日本薬局方と一体として運用することにより、日本薬局方の質的向上や利用者の利便性の向上に資することができる。
具体的な有効利用の方法としては、以下のような使用方法があげられよう。
(1) 通則等重要な部分の解説あるいは補足を行うことにより、利用者が日本薬局方をより理解できるものとする。
(2) バイオ医薬品や高機能賦与製剤などの新しい技術を応用して開発された医薬品の品質評価に必要な新試験法、近い将来日本薬局方に収載予定の試験法など、一般試験法として収載されていないものを収載する。これにより、高度な品質管理を必要とする医薬品の開発を側面支援することができるとともに、医薬品開発における全体的なレベルの向上に寄与できる。
(3) 国際調和の結果及びその重要な根拠の情報を提供する。
(4) その他、医薬品の品質確保に有用な情報を収載する。
10 その他
(1) 国際調和の推進
国際調和への積極的な取組み、調和事項の速やかな日本薬局方への取込み等を推進するため、日本薬局方部会のもとにPDG関連調整会議が設置されたところである。本会議においては、PDG会合への対応方針の検討及びPDG会合における調和合意事項を日本薬局方に着実に反映させる業務の推進等、国際的な調和案件の対応について審議がなされている。この会議を中心にさらに国際調和をすすめるよう積極的な対応を図っていくべきである。
また、生薬分野においては、WHO勧告を踏まえ、アジア各国により新たに生薬調和フォーラムが設置されたことから、本フォーラムの活動についても積極的に支援していくべきである。
(2) 日本薬局方の普及
日本薬局方の普及については、日本薬局方作成基本方針を踏まえ、早急にその具体的な方法を検討すべきである。また、日本薬局方の国際化の観点から、英文版の早期発行は必須の要件であり、告示との同時発行を目標に、できる限り早期に英文版を発行すべきである。併せて、現時点で最も一般的な普及方法であるインターネットを活用し、日本語及び英語のホームページによる公開を可能な限り早期に行うべきである。
(3) 日本薬局方標準品の設定
日本薬局方標準品は、日本薬局方各条を作成する上で不可欠なものである。したがって、今後の収載品目の増加に対応するため、標準品の定義・考え方の再検討、製造・供給・使用等の各段階における問題点の整理をできるだけ早期に行い、必要に応じて対応策を講じていくべきである。
日本薬局方作成基本方針
1 役割と性格 ―公的・公共・公開の規格書―
日本薬局方は、その時点での学問・技術の進歩と医療需要に応じて、わが国の医薬品の品質を確保するために必要な公的基準を示すものである。医薬品全般の品質を総合的に保証するための規格及び試験法の標準を示すとともに、医療上重要と認められた医薬品の品質等に係る判断基準を明確にする役割を有する。
また、日本薬局方は、その作成に当たって、多くの医薬品関係者の知識と経験が結集されており、関係者に広く活用されるべき公共の規格書としての性格を有するとともに、国民に医薬品の品質に関する情報を公開し、説明責任を果たす役割をもつ。
さらに日本薬局方は、医薬品の品質に関する薬事行政の円滑かつ効率的推進及び国際的整合性の維持・確保に資するものである。
2 作成方針 ―日本薬局方の5本の柱―
上述したように、日本薬局方の基本的な役割は医薬品全般の品質を総合的に保証することである。この役割を果たすための課題として、収載品目の充実が重要である。
また、近年の薬学、医学の急速な進歩や薬事行政と日本薬局方の有機的な連携の必要性の高まり等を考慮した場合、従来からの五年ごとの大改正及び追補改正に加え、必要に応じ、適宜、部分改正を行う必要がある。
医薬品の開発が国の境界を越えて行われ、ICH等における議論を受けて医薬品承認申請に係るガイドライン等の調和が図られていることを踏まえると、日本薬局方の国際調和の推進も重要な課題である。
これらの状況等を考慮し、日本薬局方の質的向上及び合理化を目指して作成方針として以下の五項目を定め、作成を推進することとする。
(日本薬局方の5本の柱)
(1) 保健医療上重要な医薬品の全面的収載による充実化
(2) 必要に応じた速やかな部分改正及びそれによる行政の円滑な運用
(3) 国際調和の推進
(4) 日本薬局方改正に係る透明性の確保及び日本薬局方の普及
(5) 最新の分析法の積極的導入及び標準品の整備等の促進
3 基本方針達成のための第十五改正に向けての具体的な方策
(1) 保健医療上重要な医薬品の全面的収載による充実化
① 日本薬局方への収載意義及び基準の明確化
具体的な収載規則の検討
保健医療上重要な医薬品は市販後可及的速やかな収載を目指す
② 日本薬局方の構成の見直し
第一部・第二部の分類、収載品目の構成等の検討
③ 医薬品に係る他の規格集との関係の見直しを検討
④ 日本薬局方外医薬品規格、医薬品添加物規格等の他の規格集の有効活用
(2) 必要に応じた速やかな部分改正及びそれによる行政の円滑な運用
① 医薬品の安全性に係る情報が得られた場合や薬局方検討会議(PDG)等における国際調和がなされた場合等には、従来の大改正や追補以外にも部分改正を実施
② 参考情報については、その改正手続きが比較的容易であるため、その有効活用を推進
(3) 国際調和の推進
① 国際調和への積極的な取組み及び調和事項の速やかな日本薬局方への取込み
② 日本薬局方に規定されている試験方法等について、PDG等の場を通じた国際化
③ 国際化への対応の一環として、国際社会での評価を高めるための方途の検討
④ 特に医薬品添加物及び一般試験法の国際調和の推進
(4) 日本薬局方改正に係る透明性の確保及び日本薬局方の普及
① 日本薬局方のより効果的な普及方法の策定
② インターネット上での公開
③ 分かりやすい日本薬局方の策定(分かりやすい文言等の考案)
④ USP,EPの長所を積極的に日本薬局方に取り込むための検討
⑤ 参考情報、付録、索引等の充実・拡充
(5) 最新の分析法の積極的導入及び標準品の整備等の促進
1) 通則の改正
全ての医薬品に共通するあるべき姿につき検討する。
2) 製剤総則の改正
製剤の剤形及び試験法等について、新技術や医療需要に対応出来るように随時検討する。
3) 一般試験法の改正
主として次の項目につき検討する。
① 無菌試験法等の生物試験法の改正
② USP,EP等他の薬局方に収載され、かつ、日本薬局方に未収載である試験法の積極的な取込み
③ 国際調和が終了した試験法の取込み
④ 一般試験法等の分類、付番体制の抜本的な見直し(固定化)
4) 医薬品各条の整備
既収載品目及び新規収載品目の試験法については、主に次の項目に留意し検討する。
① 局方に基づく命名法とJAN(INN)命名法の整合性をとり、一元的な命名法の確立
② 確認試験、純度試験、定量法等への最新の分析法の積極的導入
③ 試験に用いる試料量の低減化
④ 試験項目の合理的設定(ヒ素、重金属、類縁物質等)
⑤ 有害試薬の可及的排除
⑥ 溶出試験規格の収載推進
⑦ 動物を使用しない試験法の検討(代替試験法の検討)
⑧ 先端技術応用医薬品に対応した医薬品各条設定の検討
5) 標準品の整備
① 日本抗生物質医薬品基準標準品の日本薬局方標準品への移行等、日本薬局方標準品の充実
② 日本薬局方の各委員会における標準品の考え方等の調整・整備
6) その他の留意事項
上述のほか改訂に当たっては次の項目に留意する。
① 参考情報の有効活用
② 日本薬局方全般における表記の整備
4 施行時期
第十五改正の施行時期は平成18年4月を目標とする。なお、審議状況等を勘案し、第十四改正日本薬局方の追補改正、部分改正を適宜行う。
5 組織
改定に係る審議の効率化を図るため、薬事・食品衛生審議会日本薬局方部会の中に以下の調査会、委員会等を設置する。
(1) 薬事・食品衛生審議会日本薬局方部会の中に以下の調査会を設置する。
1) 日本薬局方調査会
2) 医薬品名称調査会
3) 医薬品添加物調査会
(2) 日本薬局方調査会の中に以下の委員会を設置する。
1) 総合委員会
各委員会間の調整を行うとともに各委員会(小委員会を含む。)でとりまとめられた事項につき審議等を行う。また、各委員会に分類されない重要事項や外部機関によりまとめられた重要事項についても審議を行う。
2) 理化学試験法委員会
理化学、物性及び製剤に係る試験法等について審議を行う。
3) 化学薬品委員会
医薬品各条(化学薬品)の規格及び試験法に係る事項の審議を行う。
4) 生物薬品委員会
医薬品各条(生物薬品)の規格及び試験法に係る事項並びに生物試験法について審議を行う。
5) 生物試験法委員会
生物試験法(ただし、生物薬品委員会で所管する試験法を除く。)について審議を行う。
6) 抗生物質委員会
医薬品各条(抗生物質)の規格及び試験法に係る事項の審議を行う。
7) 生薬等委員会
生薬に関する事項全般について審議を行う。
(3) 総合委員会のもとに、全体的な基本方針や各委員会にまたがる事項で特に重要な課題について、対応案を検討するための小委員会を設置する。
図 第十五改正日本薬局方作成審議組織
6 第十四改正時からの主な変更点
(1) 医薬品名称調査会局方分科会と新薬名称分科会を統合し、一元的な名称管理を医薬品名称調査会で行うこととしたこと。
(2) 従来、総合委員会では総合調整が主たる業務であったが、基本方針、収載品目の選定、日本薬局方の普及等の幅広い審議を行うこととしたこと。
(3) 委員会を整理・統合するとともに、重要な事項のみを委員会の審議事項としたこと。
(4) 重点的に審議することが必要な事項に対し、小委員会を設置し、弾力的・効率的に対応を行うこととしたこと。
7 その他
(1) 日本薬局方は、医薬品承認申請システムと有機的に連携がとられるべきであり、医薬品承認申請システムの変更に伴い、本基本方針については必要に応じ弾力的に変更を行うこと。
(2) 日本薬局方の改正に当たっては、生物学的製剤基準等の基準書や承認不要医薬品基準などの他の制度との整合性や連携についても検討を行うこと。
(3) 日本薬局方作成後のその普及についても、インターネット上での公開を含む日本薬局方普及のための方法を検討すること。特に追補や部分改正の周知方法の検討を行うこと。