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レボチロキシン標準品 C15H11I4NO4:776.87 O―(4―ヒドロキシ―3,5―ジヨードフェニル)―3,5―ジヨード―L―チロシンで,下記の規格に適合するもの.必要な場合には次に示す方法により精製する.

精製法 レボチロキシン1gをエタノール(99.5)/2―アミノエタノール溶液(61→500)混液(5:2)25mLに溶解した後,ろ過する.ろ液に2mol/L塩酸試液を加えてpHを4~5に調整した後,1時間氷冷し,遠心分離する.得られた沈殿をエタノール(95)/水混液(5:2)25mLずつで3回洗い,酸化リン(V)を乾燥剤として60℃で4時間減圧乾燥する.

性状 本品は白色~淡黄褐色の粉末である.

確認試験 本品の希水酸化ナトリウム試液溶液(1→10000)につき,紫外可視吸収度測定法〈2.24〉により吸収スペクトルを測定するとき,波長323~327nmに吸収の極大を示す.

類縁物質 本品0.10gをとり,エタノール(95)/アンモニア水(28)混液(14:1)10mLを正確に加えて溶かし,試料溶液とする.この液につき,薄層クロマトグラフィー〈2.03〉により試験を行う.試料溶液2μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする.次にt―ブチルアルコール/t―アミルアルコール/水/アンモニア水(28)/2―ブタノン混液(59:32:17:15:7)を展開溶媒として約12cm展開した後,薄層板を風乾する.これにニンヒドリン0.3gを1―ブタノール/酢酸(100)混液(97:3)100mLに溶かした液を均等に噴霧し,100℃で3分間加熱するとき,主スポット以外の赤紫色のスポットを認めない.

乾燥減量〈2.41〉 1.0%以下(0.5g,減圧,酸化リン(V),60℃,4時間)

含量 99.0%以上.定量法 本品を乾燥し,その約25mgを精密に量り,水酸化ナトリウム溶液(1→100)10mL及び新たに製した亜硫酸水素ナトリウム溶液(1→100)1mLの混液を吸収液とし,酸素フラスコ燃焼法〈1.06〉により検液を調製する.装置のAの上部に少量の水を入れ,注意してCをとり,水40mLでC,B及びAの内壁を洗い込む.この液に臭素・酢酸試液1mLを加え,栓Cを施し,1分間激しく振り混ぜる.水40mLでC,B及びAの内壁を洗い込み,ギ酸0.5mLを加え再び栓Cを施し,1分間激しく振り混ぜ,水40mLでC,B及びAの内壁を洗い込む.Aに窒素を十分に吹き込み,酸素と過量の臭素を追い出し,ヨウ化カリウム0.5gを加えて溶かし,直ちに希硫酸3mLを加えて振り混ぜ,2分間放置した後,0.02mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定〈2.50〉する(指示薬:デンプン試液3mL).同様の方法で空試験を行い,補正する.

0.02mol/Lチオ硫酸ナトリウム液 1mL=0.6474mg C15H11I4NO4

ペントキシベリンクエン酸塩錠

Pentoxyverine Citrate Tablets

溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にペントキシベリンクエン酸塩(C20H31NO3・C6H8O7)約11μgを含む液となるように水を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別にペントキシベリンクエン酸塩標準品を酸化リン(V)を乾燥剤として60℃で4時間減圧乾燥し,その約22mgを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のペントキシベリンのピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

ペントキシベリンクエン酸塩(C20H31NO3・C6H8O7)の表示量に対する溶出率(%)

=WS×(AT/AS)×(V′/V)×(1/C)×45

WS:ペントキシベリンクエン酸塩標準品の秤取量(mg)

C:1錠中のペントキシベリンクエン酸塩(C20H31NO3・C6H8O7)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:230nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:水/アセトニトリル/トリエチルアミン混液(600:400:1)にリン酸を加えてpH3.0に調整する.

流量:ペントキシベリンの保持時間が約7分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,ペントキシベリンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ2000段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ペントキシベリンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

10mg

120分

80%以上

15mg

45分

80%以上

30mg

90分

85%以上

ペントキシベリンクエン酸塩標準品 ペントキシベリンクエン酸塩(日局).ただし乾燥したものを定量するとき,ペントキシベリンクエン酸塩(C20H31NO3・C6H8O7)99.0%以上を含むもの.

ジメモルファンリン酸塩散

Dimemorfan Phosphate Powder

溶出性〈6.10〉 本品の表示量に従いジメモルファンリン酸塩(C18H25N・H3PO4)約10mgに対応する量を精密に量り,試験液に溶出試験第2液900mLを用い,パドル法により,毎分75回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液とする.別にジメモルファンリン酸塩標準品を105℃で3時間乾燥し,その約22mgを精密に量り,溶出試験第2液に溶かし,正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,溶出試験第2液を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のジメモルファンのピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

ジメモルファンリン酸塩(C18H25N・H3PO4)の表示量に対する溶出率(%)

=(WS/WT)×(AT/AS)×(1/C)×45

WS:ジメモルファンリン酸塩標準品の秤取量(mg)

WT:本品の秤取量(g)

C:1g中のジメモルファンリン酸塩(C18H25N・H3PO4)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:268nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:30℃付近の一定温度

移動相:トリエチルアミン10mLに水950mLを加え,リン酸を加えてpHを2.5に調整した後,水を加えて1000mLとする.この液700mLにアセトニトリル300mLを加える.

流量:ジメモルファンの保持時間が約6分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,ジメモルファンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ジメモルファンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

100mg/g

15分

75%以上

ジメモルファンリン酸塩標準品 ジメモルファンリン酸塩(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,ジメモルファンリン酸塩(C18H25N・H3PO4)99.0%以上を含むもの.

ジメモルファンリン酸塩錠

Dimemorfan Phosphate Tablets

溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にジメモルファンリン酸塩(C18H25N・H3PO4)約11μgを含む液となるように水を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別にジメモルファンリン酸塩標準品を105℃で3時間乾燥し,その約22mgを精密に量り,水に溶かし,正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のジメモルファンのピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

ジメモルファンリン酸塩(C18H25N・H3PO4)の表示量に対する溶出率(%)

=WS×(AT/AS)×(V′/V)×(1/C)×45

WS:ジメモルファンリン酸塩標準品の秤取量(mg)

C:1錠中のジメモルファンリン酸塩(C18H25N・H3PO4)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:268nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:30℃付近の一定温度

移動相:トリエチルアミン10mLに水950mLを加え,リン酸を加えてpHを2.5に調整した後,水を加えて1000mLとする.この液700mLにアセトニトリル300mLを加える.

流量:ジメモルファンの保持時間が約6分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,ジメモルファンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ジメモルファンのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

10mg

60分

75%以上

ジメモルファンリン酸塩標準品 ジメモルファンリン酸塩(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,ジメモルファンリン酸塩(C18H25N・H3PO4)99.0%以上を含むもの.

チアミンジスルフィド10mg・ピリドキシン塩酸塩50mg・シアノコバラミン0.25mg錠

Thiamine Disulfide 10mg,Pyridoxine Hydrochloride 50mg and Cyanocobalamin 0.25mg Tablets

溶出性〈6.10〉 本操作は光を避けて行う.本品1個をとり,試験液に水900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液を試料溶液(1)とする.試料溶液(1)2mLを正確に量り,0.1mol/L塩酸試液2mLを正確に加え,試料溶液(2)とする.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

チアミンジスルフィド,ピリドキシン塩酸塩

別にチアミンジスルフィド標準品(別途0.2gにつき,容量滴定法,直接滴定により水分〈2.48〉を測定しておく)約15mgを精密に量り,0.1mol/L塩酸試液に溶かし,正確に50mLとし,標準原液(1)とする.また,ピリドキシン塩酸塩標準品をシリカゲルを乾燥剤として4時間減圧乾燥し,その約25mgを精密に量り,0.1mol/L塩酸試液に溶かし,正確に50mLとし,標準原液(2)とする.標準原液(1)2mLを正確に量り,標準原液(2)6mLを正確に加え,更に0.1mol/L塩酸試液を加えて正確に50mLとする.この液2mLを正確に量り,水2mLを正確に加え,標準溶液とする.試料溶液(2)及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のチアミンジスルフィド及びピリドキシンのピーク面積ATa及びATb並びにASa及びASbを測定する.

チアミンジスルフィド(C24H34N8O4S2)の表示量に対する溶出率(%)

=WSa×(ATa/ASa)×(1/Ca)×72

ピリドキシン塩酸塩(C8H11NO3・HCl)の表示量に対する溶出率(%)

=WSb×(ATb/ASb)×(1/Cb)×216

WSa:脱水物に換算したチアミンジスルフィド標準品の秤取量(mg)

WSb:ピリドキシン塩酸塩標準品の秤取量(mg)

Ca:1錠中のチアミンジスルフィド(C24H34N8O4S2)の表示量(mg)

Cb:1錠中のピリドキシン塩酸塩(C8H11NO3・HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:250nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:リン酸二水素カリウム6.80g及び1―オクタンスルホン酸ナトリウム0.26gをとり,水に溶かして1000mLとした後,リン酸でpHを2.1に調整する.この液870mLにアセトニトリル130mLを加える.

流量:ピリドキシンの保持時間が約3分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,ピリドキシン,チアミンジスルフィドの順で溶出し,その分離度が5以上,各成分のピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ1500段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ピリドキシン及びチアミンジスルフィドのピーク面積の相対標準偏差はそれぞれ2.0%以下である.

シアノコバラミン

別に,シアノコバラミン標準品(別途酸化リン(V)を乾燥剤として100℃で4時間減圧(0.67kPa以下)乾燥し,その減量〈2.41〉を測定しておく)約20mgを精密に量り,水に溶かし,正確に200mLとする.この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,水を加えて正確に100mLとし,標準溶液とする.試料溶液(1)及び標準溶液100μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のシアノコバラミンのピーク面積ATc及びAScを測定する.

シアノコバラミン(C63H88CoN14O14P)の表示量に対する溶出率(%)

=WSc×(ATc/ASc)×(1/Cc)×9/8

WSc:乾燥物に換算したシアノコバラミン標準品の秤取量(mg)

Cc:1錠中のシアノコバラミン(C63H88CoN14O14P)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:361nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:酢酸アンモニウム3.85gを水約900mLに溶かし,酢酸(100)でpHを4.0に調整し,水を加えて1000mLとする.この液890mLにアセトニトリル110mLを加える.

流量:シアノコバラミンの保持時間が約7分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液100μLにつき,上記の条件で操作するとき,シアノコバラミンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ1500段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液100μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,シアノコバラミンのピーク面積の相対標準偏差は3.0%以下である.

溶出規格

 

表示量

規定時間

溶出率

チアミンジスルフィド

10mg

3時間

80%以上

ピリドキシン塩酸塩

50mg

3時間

80%以上

シアノコバラミン

0.25mg

3時間

85%以上

エデト酸カルシウム二ナトリウム腸溶錠

Calcium Disodium Edetate Enteric-coated Tablets

溶出性〈6.10〉

〔pH1.2〕本品1個をとり,試験液に溶出試験第1液900mLを用い,パドル法により,毎分100回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にエデト酸カルシウム二ナトリウム(C10H12CaN2Na2O8)約11.1μgを含む液となるように0.1mol/L塩酸試液を加えて正確にV′mLとする.この液20mLを正確に量り,0.01mol/L塩化鉄(Ⅲ)試液1mLを正確に加え,試料溶液とする.別にエデト酸カルシウム二ナトリウム標準品(別途0.2gにつき,容量滴定法,直接滴定により水分〈2.48〉を測定しておく)約22mgを精密に量り,溶出試験第1液に溶かし,正確に200mLとする.この液10mLを正確に量り,0.1mol/L塩酸試液を加えて正確に100mLとする.更に,この液20mLを正確に量り,0.01mol/L塩化鉄(Ⅲ)試液1mLを正確に加え,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のエデト酸のピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

エデト酸カルシウム二ナトリウム(C10H12CaN2Na2O8)の表示量に対する溶出率(%)

=WS×(AT/AS)×(V′/V)×(1/C)×45

WS:脱水物に換算したエデト酸カルシウム二ナトリウム標準品の秤取量(mg)

C:1錠中のエデト酸カルシウム二ナトリウム(C10H12CaN2Na2O8)の表示量(mg)

〔pH6.8〕本品1個をとり,試験液に溶出試験第2液900mLを用い,パドル法により,毎分100回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にエデト酸カルシウム二ナトリウム(C10H12CaN2Na2O8)約11.1μgを含む液となるように0.1mol/L塩酸試液を加えて正確にV′mLとする.この液20mLを正確に量り,0.01mol/L塩化鉄(Ⅲ)試液1mLを正確に加え,試料溶液とする.別にエデト酸カルシウム二ナトリウム標準品(別途0.2gにつき,容量滴定法,直接滴定により水分〈2.48〉を測定しておく)約22mgを精密に量り,溶出試験第2液に溶かし,正確に200mLとする.この液10mLを正確に量り,0.1mol/L塩酸試液を加えて正確に100mLとする.更に,この液20mLを正確に量り,0.01mol/L塩化鉄(Ⅲ)試液1mLを正確に加え,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のエデト酸のピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

エデト酸カルシウム二ナトリウム(C10H12CaN2Na2O8)の表示量に対する溶出率(%)

=WS×(AT/AS)×(V′/V)×(1/C)×45

WS:脱水物に換算したエデト酸カルシウム二ナトリウム標準品の秤取量(mg)

C:1錠中のエデト酸カルシウム二ナトリウム(C10H12CaN2Na2O8)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:255nm)

カラム:内径4mm,長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:臭化テトラ―n―ブチルアンモニウム3.2gを水に溶かし1000mLとした液にリン酸を加え,pH2.5に調整する.この液960mLにアセトニトリル40mLを加える.

流量:エデト酸の保持時間が約8分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液10μLにつき,上記の条件で操作するとき,エデト酸のピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ5000段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液10μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,エデト酸のピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である.

溶出規格

表示量

pH

規定時間

溶出率

500mg

1.2

120分

5%以下

 

6.8

120分

80%以上

エデト酸カルシウム二ナトリウム標準品 C10H12CaN2Na2O8:374.27({N,N′―1,2―エタンジイルビス[N―(カルボキシメチル)グリシナト]}(4―)―N,N′,O,O′,ON,―ON′)カルシウム酸(2―)二ナトリウムで,下記の規格に適合するもの.

性状 本品は白色の粉末又は粒である.

pH〈2.54〉 本品2.0gを水に溶かし10mLとした液のpHは6.5~8.0である.

純度試験

エデト酸ナトリウム水和物 本品1.00gをとり,水50mLに溶かし,pH10.7のアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液5mLを加え,0.01mol/L塩化マグネシウム液で滴定〈2.50〉する.その消費量は3.0mL以下(エデト酸ナトリウム水和物として1.2%以下)である(指示薬:エリオクロムブラックT・塩化ナトリウム指示薬40mg).ただし,滴定の終点は液の青色が赤色に変わるときとする.

水分〈2.48〉 13.0%以下(0.2g,容量滴定法,直接滴定).

含量 換算した脱水物に対し,99.0%以上. 定量法 本品約0.5gを精密に量り,水を加えて溶かし,正確に200mLとし,この液20mLを正確に量り,水80mLを加え,更に希硝酸を加えてpHを2~3に調整し,0.01mol/L硝酸ビスマス液で滴定〈2.50〉する(指示薬:キシレノールオレンジ試液2滴).ただし,滴定の終点は液の黄色が赤色に変わるときとする.同様の方法で空試験を行い,補正する.

0.01mol/L硝酸ビスマス液1mL=3.743mg C10H12CaN2Na2O8

0.01mol/L塩化鉄(Ⅲ)試液 塩化鉄(Ⅲ)六水和物0.27gを0.01mol/L塩酸試液に溶かし,100mLとする.

ヒドロキシジンパモ酸塩錠

Hydroxyzine Pamoate Tablets

溶出性〈6.10〉 本品1個をとり,試験液に溶出試験第1液900mLを用い,パドル法により,毎分50回転で試験を行う.溶出試験を開始し,規定時間後,溶出液20mL以上をとり,孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する.初めのろ液10mLを除き,次のろ液VmLを正確に量り,表示量に従い1mL中にヒドロキシジン塩酸塩(C21H27ClN2O2・2HCl)約28μgを含む液となるように溶出試験第1液を加えて正確にV′mLとし,試料溶液とする.別にヒドロキシジン塩酸塩標準品を105℃で2時間乾燥し,その約28mgを精密に量り,溶出試験第1液に溶かし,正確に100mLとする.この液5mLを正確に量り,溶出試験第1液を加えて正確に50mLとし,標準溶液とする.試料溶液及び標準溶液20μLずつを正確にとり,次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行い,それぞれの液のヒドロキシジンのピーク面積AT及びASを測定する.

本品が溶出規格を満たすときは適合とする.

ヒドロキシジン塩酸塩(C21H27ClN2O2・2HCl)の表示量に対する溶出率(%)

=WS×(AT/AS)×(V′/V)×(1/C)×90

WS:ヒドロキシジン塩酸塩標準品の秤取量(mg)

C:1錠中のヒドロキシジン塩酸塩(C21H27ClN2O2・2HCl)の表示量(mg)

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:232nm)

カラム:内径4.6mm,長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんする.

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:リン酸3mL及び水酸化ナトリウム試液33mLを水900mLに加え,薄めたリン酸(1→10)を加えてpH2.4に調整し,更に水を加えて1000mLとする.この液350mLにメタノール650mLを加える.

流量:ヒドロキシジンの保持時間が約4分になるように調整する.

システム適合性

システムの性能:標準溶液20μLにつき,上記の条件で操作するとき,ヒドロキシジンのピークの理論段数及びシンメトリー係数は,それぞれ3000段以上,2.0以下である.

システムの再現性:標準溶液20μLにつき,上記の条件で試験を6回繰り返すとき,ヒドロキシジンのピーク面積の相対標準偏差は1.5%以下である.

溶出規格

表示量

規定時間

溶出率

25mg

120分

80%以上

ヒドロキシジン塩酸塩として

ヒドロキシジン塩酸塩標準品 ヒドロキシジン塩酸塩(日局).ただし,乾燥したものを定量するとき,ヒドロキシジン塩酸塩(C21H27ClN2O2・2HCl)99.0%以上を含むもの.