添付一覧
(1) 重要な品質特性及び重要な工程パラメータが識別されていること;
(2) 適切な工程内試験の判定基準及び管理が設定されていること;
(3) 作業者のミス以外の原因に起因する重要工程の不具合や製品の不良、及び、装置の適合性と関係なく起きる装置不具合がないこと;さらに
(4) 既存の原薬についての不純物プロファイルが確立していること
12.45 回顧的バリデーションのために選択されたロットは、規格に適合しなかった全てのロットを含めて、調査期間中に実施した全てのロットを代表するロットであること。また、工程の恒常性を実証するのに十分なロット数とすること。工程に対して回顧的にバリデーションを行うためのデータを得るために、参考品・保存品の試験を行う場合がある。
12.5 プロセスバリデーションの計画
12.50 バリデーションのための工程稼動回数は、工程の複雑性又は考慮すべき工程変更の規模によること。予測的及びコンカレントバリデーションに関しては、3回の連続して成功した製造ロットを一つの指標として使用すべきであるが、工程(例えば、複雑な原薬工程又は終了時間が長引いた原薬工程)の恒常性を証明するために、稼動回数の追加が認められる場合がある。回顧的バリデーションに関しては、工程の恒常性を評価するために、一般的に10から30の連続するロットのデータを検討すべきであるが、正当な理由があれば、より少ないロット数で検討を行う場合もある。
12.51 プロセスバリデーションを実施している期間中は、重要工程パラメータを管理し、モニターすること。なお、例えばエネルギー消費量又は装置使用を最少化するために管理する変数のように、品質に関係しない工程パラメータについては、プロセスバリデーションに含める必要はない。
12.52 プロセスバリデーションでは、各原薬について不純物プロファイルが規定した限界値内であることを確認すること。なお、当該不純物プロファイルは、実績データ、及び適用できる場合には工程開発中に定められたプロファイル又は重要な臨床試験及び毒性試験に使用したロットに係るプロファイルに匹敵するかそれ以上良好であること。
12.6 検証したシステムの定期的照査
12.60 システム及び工程は、それらがなお妥当な状態で作動していることを確認するために定期的に評価すること。当該システム及び工程に重要な変更がなく、また、品質照査によりシステム又は工程が恒常的に規格に適合する中間体等を製造していることが確認されている場合には、通常は、再バリデーションの必要性はない。
12.7 洗浄のバリデーション
12.70 洗浄手順は、通常、バリデーションを行うこと。一般的に、洗浄のバリデーションは、汚染又は偶発的な原材料等のキャリーオーバーが原薬の品質に最大のリスクをもたらす状況又は工程に対して行うこと。例えば、初期段階の製造では、残留物がそれ以降の精製段階で除去される場合には、装置の洗浄についてバリデーションを実施する必要はない場合がある。
12.71 洗浄手順のバリデーションでは、実際の装置の使用パターンを反映させること。種々の原薬・中間体を同じ装置で製造し、当該装置を同じ方法で洗浄する場合は、洗浄のバリデーションには代表的な中間体・原薬を選択する場合がある。その選択は、溶解性、洗浄の困難さ並びに力価、毒性及び安定性に基づく残留物限界値の推定に基づいて行うこと。
12.72 洗浄のバリデーション実施計画書には、洗浄する装置、手順、原材料等、合格洗浄水準、モニタリング及び管理を行うパラメータ並びに分析方法を記載すること。また、実施計画書には、採取する検体の種類、採取方法及び表示方法を記載すること。
12.73 不溶性及び溶解性残留物の両方を検出するために、検体採取には、スワブ法、リンス法又は代替方法(例えば、直接抽出)を適切に含めること。使用する検体採取方法は、洗浄後の装置表面上に残留する残留物の水準を定量的に測定できる方法にすること。スワブ法は、製品接触表面に装置設計又は工程の制約のために容易に近づけない場合は実際的ではない。例えば、ホースの内部表面、移送パイプ、反応タンクの開口部の小さい部分、毒性材料を取扱う反応タンク、微粉砕機やマイクロフルーダイザー等の小型で複雑な装置等があげられる。
12.74 残留物又は汚染物を検出できる感度を有するバリデーション済みの分析方法を使用すること。各分析方法の検出限界は、残留物又は汚染物の設定合格水準を検出するのに十分な感度とすること。当該分析方法の達成可能な回収水準を設定すること。残留物限界値は、実際的で、達成可能であり、立証可能であり、かつ、最も有毒な残留物に基づいたものとすること。限界値は、原薬又はその最も有毒な組成物に関する既知の薬理学的、毒性学的又は生理学的活性の最小量に基づいて設定すること。
12.75 装置の洗浄作業・消毒作業の検討は、原薬中の生菌数又はエンドトキシンを低減する必要のある工程、又は、そのような汚染が問題となる他の工程(例えば、無菌製剤の生産に用いる非無菌原薬)について、微生物汚染及びエンドトキシン汚染を対象として行うこと。
12.76 洗浄手順は、当該洗浄手順が通常の製造時に有効であることを保証するために、バリデーション後適切な間隔でモニタリングを行うこと。装置の清浄性は、分析試験及び可能な場所では目視検査でモニタリングを行う場合がある。目視検査により、検体採取及び分析では検出できない、小さな部分に集中する大量の汚染の検出が可能な場合がある。
12.8 分析法のバリデーション
12.80 採用する分析法が、薬局方又はその他認知された参考文献に収載されていない場合には、バリデーションを行うこと。バリデーションが実施されていない場合でも、使用する全ての試験方法の適合性を実際の使用条件で証明し、記録すること。
12.81 分析法は、分析法のバリデーションに関するICHガイドラインに含まれる特性を考慮して、バリデーションを行うこと。実施する分析のバリデーションの程度は分析の目的及び原薬工程の段階を反映するものとすること。
12.82 分析法のバリデーションを開始する前に、分析装置の適切な適格性評価を検討すること。
12.83 バリデーションを行った分析法に係る全ての修正について、完全な記録を保管すること。当該記録には、修正の理由及び修正された方法が確立した方法と同様に正確で信頼できる結果をもたらすものであることを証明する適切なデータを含めること。
13 変更管理
13.10 中間体・原薬の製造及び管理に影響を与えるおそれのある全ての変更を評価するために、正式な変更管理体制を確立すること。
13.11 原料、規格、分析法、設備、支援システム、装置(コンピュータハードウエアを含む)、工程、表示・包装材料及びコンピュータソフトウエアに係る変更の確認、記録、適切な照査及び承認に関して文書による手順を設けること。
13.12 GMPに関連する変更に係る全ての提案は、適切な部署が起案し、照査し、承認し、さらに品質部門が照査し、承認すること。
13.13 提案された変更により起こり得る中間体・原薬の品質への影響を評価すること。バリデーションを既に行った工程に係る変更を正当化するために必要な試験、バリデーション及び文書化の程度を決定するために、レベル分けの手順は助けになる。変更の性質及び程度並びにこれらの変更が工程に与える影響により変更を分類する場合がある(例えば、小さな変更又は大きな変更)。なお、科学的判断に基づき、バリデーションを行った工程の変更を正当化するのに適切な追加の試験及びバリデーションの決定を行うこと。
13.14 承認を受けた変更を実施する場合、その変更によって影響を受けるすべての文書が確実に改定されるよう対策を講じること。
13.15 変更実施後、変更の下で製造又は試験を行った最初の複数ロットについて評価を行うこと。
13.16 設定したリテスト日又は使用期限について重要な工程変更により起こり得る影響を評価すること。必要な場合には、修正した工程により製造した中間体・原薬の検体を加速安定性試験や安定性モニタリングプログラムに供する。
13.17 設定した製造手順及び工程管理手順からの変更が原薬の品質に影響を与えるおそれがある場合には、現在製剤を製造している製造業者にその旨を通知すること。
14 中間体、原薬等の不合格及び再使用
14.1 不合格
14.10 設定規格に適合しない中間体・原薬は、その旨を識別し、区分保管すること。当該中間体・原薬は以下に示すとおり再加工又は再処理する場合がある。不合格原材料等の最終処置は記録すること。
14.2 再加工
14.20 基準又は規格に適合しないものを含め中間体・原薬を工程に戻し、設定された製造工程の一部である結晶化段階又はその他の適切な化学的又は物理的操作(例えば、蒸留、濾過、クロマトグラフィー、粉砕等)を繰返すことにより再加工することは、一般的には、許容される。ただし、そのような再加工を大部分のロットで行う場合は、そのような再加工は標準的な製造工程の一部として含めること。
14.21 工程内管理試験により、当該工程が未完了であることが示された場合、その後の工程の継続は通常の工程の一部と考える。これは再加工とは考えない。
14.22 未反応物を工程に戻し、化学反応を繰返すことは、それが設定した工程の一部でなければ、再加工と考える。そのような再加工は、中間体・原薬の品質が生成するおそれのある副生成物及び過剰反応物質により悪影響を受けないことを保証するために慎重な評価を行うこと。
14.3 再処理
14.30 設定した基準又は規格に適合しないロットを再処理することを決定する前に、不適合の理由を調査すること。
14.31 再処理したロットについては、再処理製品が本来の工程で製造されるものと同等の品質を有することを示すために、適切に評価し、試験し、安定性を保証する場合は安定性試験を行い、記録すること。コンカレントバリデーションは、しばしば再処理手順に関する適切なバリデーション手法となる。これにより、実施計画書に再処理手順、実施方法及び予測結果を定義することが可能になる。再処理するロットが1ロットのみの場合、再処理をまず行い、その後、報告書を作成し、当該ロットが問題ないことが判明した後出荷を行う場合がある。
14.32 再処理を行ったロットについて、当該ロットごとの不純物プロファイルを設定した工程で生産されたロットと比較する手順を設けること。通常の分析方法が再処理ロットの特性化に不十分な場合には、他の方法を使用すること。
14.4 中間体、原薬等及び溶媒の回収
14.40 反応物・中間体・原薬の回収(例えば、母液又は濾液からの回収)は、承認を受けた回収に係る手順が存在し、回収したものが目的とする用途に適切な規格に適合する場合には許容される。
14.41 溶媒を回収し、同じ工程又は別の工程で再使用する場合がある。ただし、この場合には、当該溶媒を再使用する前の段階、又は、当該溶媒を他の承認された溶媒と混合する前の段階において、当該溶媒が該当する基準に適合することを保証するため、回収手順を管理し、モニターすること。
14.42 溶媒及び試薬の新規のもの及び回収したものを混合する場合には、適切な試験により、当該溶媒又は試薬を使用する全ての製造工程について当該溶媒又は試薬の適合性が証明されていること。
14.43 回収溶媒、母液及びその他の回収物質の使用については、適切に記録すること。
14.5 返品
14.50 返品された中間体・原薬は、その旨を識別し、区分保管すること。
14.51 返品された中間体・原薬が、返品前あるいは返品中に保管又は輸送された条件又はその容器の状態により、その品質に疑いがもたれる場合、返品された中間体・原薬は適切に再加工、再処理又は破棄のいずれかの処置を行うこと。
14.52 返品された中間体・原薬の記録を保管すること。当該記録には、返品ごとに、以下の事項を含めること:
―荷受人の氏名及び住所
―中間体・原薬名、ロット番号及び返品量
―返品の理由
―返品された中間体・原薬の使用又は廃棄
15 苦情及び回収
15.10 全ての品質に関連する苦情は、口頭又は文書のいずれで受けた場合にも、手順書に従って、記録し、調査すること。
15.11 苦情記録書には、以下の事項を含むこと。:
―苦情申出者の名称及び住所;
―苦情を提出した人の氏名(及び該当する場合には、肩書き)並びに電話番号;
―苦情の内容(原薬の名称及びロット番号を含む);
―苦情を受けた日付;
―最初に取った措置(措置を取った日付及び担当者の氏名を含む);
―実施した全ての追跡調査;
―苦情申出者への対応(返答した日付を含む);及び
―中間体・原薬のロットに係る最終決定
15.12 苦情記録書は、傾向、製品に関連した頻度及び改善措置を追加的にかつ必要に応じて直ちに行う観点からの重要度を評価するために保管すること。
15.13 中間体・原薬の回収を検討すべき状況を明確に定義した手順書を設けること。
15.14 回収手順には、情報評価に関与する担当者、回収を開始する方法、回収について知らせるべき者及び回収品の処理方法を明示すること。
15.15 重篤又は生命を脅かすおそれのある状況の場合には、地方、国又は国際的な当局にその旨を連絡し、助言を求めること。
16 受託製造業者(試験機関を含む)
16.10 全ての受託製造業者(試験機関を含む)は本ガイドラインで規定したGMPに従うこと。交叉汚染の防止及びトレーサビリティの維持に特別の考慮を払うこと。
16.11 受託製造業者(試験機関を含む)は、契約現場で行われる定められた作業がGMPに適合していることを保証するために、委託者による評価を受けること。
16.12 契約の委託者及び受託者は、文書による、承認を受けた契約書又は正式の合意書を備えること。当該契約書又は合意文書には、品質に関わる処置を含めてGMPで規定されているそれぞれの責任分担を詳細に明記すること。
16.13 契約書では、GMP適合を確認するために、委託者が受託者の施設を監査する権利を認めていること。
16.14 下請契約が認められている場合、受託者は、委託者による下請け合意に関する事前の評価及び承認なしに、契約を結んで委託されたいかなる仕事も第三者に委譲しないこと。
16.15 製造記録及び試験記録は、その作業が行われた場所で保管し、すぐに利用できるようにしておくこと。
16.16 工程、設備、試験方法、規格又はその他契約上の要件の変更は、委託者がその変更について連絡を受け、かつ、承認しない限り、行わないこと。
17 代理店、仲介業者、貿易業者、流通業者、再包装業者及び再表示業者
17.1 適用範囲
17.10 第17章は、原薬・中間体の販売・取扱い、再包装、再表示、処理、流通又は保管を行う、オリジナルの製造業者以外の全ての関連業者に適用する。
17.11 全ての代理店、仲介業者、貿易業者、流通業者、再包装業者及び再表示業者は本ガイドラインで規定されたGMPに従うこと。
17.2 出荷された原薬・中間体のトレーサビリティ
17.20 代理店、仲介業者、貿易業者、流通業者、再包装業者及び再表示業者は、自らが販売した原薬・中間体を完全に追跡できるようにしておくこと。以下の事項を含む記録文書は利用できるように保管すること:
―製造業者の名称
―製造業者の住所
―購入注文書
―積荷証券(輸送関係書類)
―受領書類
―原薬・中間体の名称又は呼称
―製造業者のロット番号
―輸送及び配送記録
―製造業者のものを含む全ての真正の試験成績書
―リテスト日又は使用期限
17.3 品質マネージメント
17.30 代理店、仲介業者、貿易業者、流通業者、再包装業者又は再表示業者は、第2章で規定する品質マネージメントを行う有効な体制を確立し、文書化し、実施すること。
17.4 原薬・中間体の再包装、再表示及び保管
17.40 原薬・中間体の再包装、再表示及び保管は、混同及び原薬・中間体の特性又は純度の低下を避けるために、本ガイドラインで規定したように、適切なGMP管理下で実施すること。
17.41 再包装は、汚染及び交叉汚染を避けるために、適切な環境条件下で実施すること。
17.5 安定性
17.50 原薬・中間体を当該原薬・中間体の製造業者が使用したものと異なる形態の容器に再包装した場合には、指定された使用期限日又はリテスト日を正当化するための安定性試験を実施すること。
17.6 情報の伝達
17.60 代理店、仲介業者、流通業者、再包装業者又は再表示業者は、原薬・中間体の製造業者から受けた全ての品質又は規制上の情報を顧客に伝達すること、及び顧客からの該当情報を当該原薬・中間体の製造業者に伝達すること。
17.61 原薬・中間体を顧客に供給する代理店、仲介業者、貿易業者、流通業者、再包装業者又は再表示業者は、当該原薬・中間体の製造業者の名称及び供給したロット番号を記録すること。
17.62 代理店は、規制当局の求めに応じて、原薬・中間体の製造業者名を提示すること。当該製造業者は、認可された代理店との法的関係次第で、規制当局に対し、直接対応する場合、又は、認可された代理店を通して対応する場合がある。(本項でいう「認可された」とは、製造業者によって認可されたことを意味する。)
17.63 第11.4章にある試験成績書に関する規定に適合すること。
17.7 苦情及び回収の処理
17.70 代理店、仲介業者、貿易業者、流通業者、再包装業者及び再表示業者は、自らに向けられた全ての苦情及び回収に関して、第15章で規定されているような苦情記録書及び回収記録書を保管すること。
17.71 状況が許せば、代理店、仲介業者、貿易業者、流通業者、再包装業者又は再表示業者が苦情を受けた場合には、その原薬・中間体を受け取った可能性のある他の顧客又は規制当局もしくはその両者に対して、更なる措置を講じるべきかどうかを決めるために、当該原薬・中間体の製造業者と共に当該苦情を照査すること。苦情又は回収の原因についての調査は、適切な部署が実施し、記録すること。
17.72 苦情が製造業者に関係する場合、代理店、仲介業者、貿易業者、流通業者、再包装業者又は再表示業者が保管する記録には、原薬・中間体の製造業者から受けた当該苦情に係る全ての回答(日付及び提供された情報を含む)を含めること。
17.8 返品の処理
17.80 返品は、第14.52章で規定されているとおり処理すること。代理店、仲介業者、貿易業者、流通業者、再包装業者又は再表示業者は、返品された原薬・中間体に係る文書を保管すること。
18 細胞培養・発酵により生産する原薬のガイドライン
18.1 一般事項
18.10 第18章は、前章まででは適切に網羅していない天然生物体又は組換え生物体を使用し、細胞培養又は発酵により生産する原薬・中間体に特異的な管理について記述している。ただし、独立の章としてあるものではなく、全般的には、本ガイドラインの他の章に規定されるGMPの原則が適用される。低分子を製造するための「クラシカルな」工程における発酵の原則と、蛋白質又はポリペプチドを製造するために組換え及び非組換え生物体を用いる細胞培養・発酵の原則は、その管理の程度が異なっているものの、同じであることに留意されたい。実際として、本章ではこれらの違いについて記述している。一般的に、蛋白又はポリペプチドを製造するために用いられるバイオテクノロジー工程における管理の程度は、クラシカルな発酵工程の管理の程度より厳格である。
18.11 「バイオテクノロジー工程(バイテク)」とは、原薬製造のために、組換えDNA、ハイブリドーマ、その他の技術により産み出された又は変化させた細胞又は微生物の使用をいう。バイオテクノロジー工程により製造された原薬は、通常、例えば蛋白質及びポリペプチドのような高分子物質であり、本章ではそれらに係るガイドラインを示す。なお、抗生物質、アミノ酸、ビタミン、炭水化物類のような、低分子の原薬も、組換えDNA技術により製造される場合があるが、この類の原薬の管理レベルは、クラシカル発酵の場合に求められる管理レベルに類似している。
18.12 「クラシカル発酵」とは、天然に存在する、又はコンベンショナルな手法(例えば、放射線照射、化学的に引き起こした変異)により変化させた微生物を使用する原薬製造工程をいう。「クラシカル発酵」により製造された原薬は、通常、抗生物質、アミノ酸、ビタミン、炭水化物類のような低分子物質である。
18.13 細胞培養又は発酵からの原薬・中間体の製造には、細胞培養又は生物体からの物質の抽出及び精製等の生物学的工程が含まれる。物理化学的修飾等の更なる工程段階が存在する場合があるが、これも製造工程の一部であることを留意されたい。使用する原料(培地、緩衝剤成分)は微生物汚染を増大させるおそれがある。供給源、調製法及び原薬・中間体の目的用途によって、製造及び工程の適切な段階でのモニタリングにおいてバイオバーデン、ウイルス汚染やエンドトキシンの管理が必要である。
18.14 中間体・原薬の品質を確保するために、生産の全ての段階で適切な管理を確立すること。本ガイドラインの適用は細胞培養・発酵の段階から始まるが、前段階、例えば細胞バンク作製は、適切な工程管理の下で実施すること。本ガイドラインは、細胞バンクのバイアルを製造に使用するために取り出した時点からの細胞培養・発酵を対象とする。
18.15 汚染のリスクを最小限にするために適切な装置管理及び環境管理を採用すること。環境管理上の判定基準及びモニタリングの頻度は、製造の段階及び製造条件(開放、閉鎖又は準閉鎖システム)による。
18.16 一般的に工程管理には以下の事項を考慮すること:
―ワーキングセルバンクの保守(必要な場合);
―適切な接種及び培養の拡大;
―発酵・細胞培養の間の重要な作業パラメータの管理;
―必要な場合には、細胞増殖、生存率(ほとんどの細胞培養工程について)及び生産性のモニタリング;
―中間体・原薬を汚染(特に微生物汚染)及び品質低下から保護しながら、細胞、細胞残渣及び培地成分を除去するハーベスト及び精製手順
―バイオバーデン、及び必要な場合にはエンドトキシンのレベルについて、製造の適切な段階でモニターすること;
―ICHQ5Aガイドライン「ヒト又は動物細胞株を用いて製造されるバイオテクノロジー応用医薬品のウイルス安全性評価」に記載されたウイルス安全性に関する事項
18.17 必要な場合には、培地成分、宿主細胞の蛋白質、その他の工程に関する不純物、製品に関する不純物及び汚染物の除去を立証すること。
18.2 細胞バンクの保守及び記録の保管
18.20 細胞バンクの取扱いは許可を受けた担当者に限定すること。
18.21 細胞バンクは、生存率を維持し、汚染を防止するように設計した保管条件で維持管理すること。
18.22 細胞バンクからのバイアルの使用及び保管条件についての記録を保管すること。
18.23 必要な場合には、細胞バンクは使用適合性を判定するために定期的にモニターすること。
18.24 細胞バンクに係る詳細については、ICHQ5Dガイドライン「生物薬品(バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)製造用細胞基剤の由来、調製及び特性解析」を参照のこと。
18.3 細胞培養・発酵
18.30 細胞基材、培地、緩衝液及び気体の無菌的な添加が必要な場合、可能であれば、閉鎖系又は封じ込めシステムを使用すること。最初の容器への接種やその後の移送又は添加(培地、緩衝液)を開放容器で行う場合には、汚染のリスクを最小限にするための管理及び手順を備えること。
18.31 微生物汚染により原薬の品質が影響を受けるおそれがある場合には、開放容器を使用する作業は、バイオセイフティ・キャビネット又はこれと同様に管理された環境のもとで行うこと。
18.32 作業者は適切に着衣を着用し、培養工程を取扱う上で、特別な注意を払うこと。
18.33 重要な運転パラメータ、例えば、温度、pH、撹拌速度、気体の添加、圧力等は、設定した工程との一致を保証するためにモニターすること。また、細胞増殖、生存率(ほとんどの細胞培養工程について)、さらに、必要な場合には生産性もモニターすること。重要なパラメータは、工程ごとに変動するものであるが、また、クラシカル発酵については、ある種のパラメータ(例えば細胞生存率)はモニターする必要はない。
18.34 細胞培養装置は、使用後に、清掃し、滅菌すること。また、発酵装置は、必要な場合には、清掃するとともに、衛生的な状態にするか、又は滅菌を行うこと。
18.35 培養培地は原薬の品質を保護するために適切な場合には使用前に滅菌すること。
18.36 汚染を検出し、取るべき措置の方針を決定するために適切な手順を備えること。当該手順には、製品に対する汚染の影響を判定するための手順及び装置から汚染を除去し次のロットに使用する条件に戻すための手順が含まれること。発酵工程の間に観察された混入微生物について適切に識別を行い、必要ならばそれらの存在が製品の品質へ及ぼす影響を評価すること。当該評価の結果は生成物の処置の際に考慮すること。
18.37 汚染事実の記録は保管すること。
18.38 共用装置(多品種製造)では、交叉汚染のリスクを最小限にするために、製品の一連の期間製造(キャンペーン製造)の間に、適切に、清掃後の追加試験が要求されることがある。
18.4 ハーベスト、分離及び精製
18.40 細胞又は細胞組成物を除去する、又は、細胞破壊後の細胞組成物を採集するハーベスト工程は、汚染のリスクを最小限にするために、設計した装置及び区域で行うこと。
18.41 製造に用いた生物体、細胞残渣及び培地成分を除去又は不活化するハーベスト及び精製の手順は、分解、汚染及び品質の低下を最小限にしながら、中間体・原薬を一定した品質で得ることを保証するために適切なものとすること。
18.42 全ての装置は、使用後適切に清掃するとともに、適切な場合には消毒を行うこと。なお、中間体・原薬の品質が低下しない場合には、清掃なしで多数の連続ロットの製造に利用する場合がある。
18.43 開放システムを使用する場合、精製は製品の品質を保持するのに適切に管理した環境条件で実施すること。
18.44 装置を複数の製品に使用する場合、専用クロマトグラフィー用樹脂の使用、追加試験等、追加的な管理が適切な場合がある。
18.5 ウイルス除去・不活化
18.50 ウイルス除去・不活化段階に係る詳細については、ICHQ5Aガイドライン「ヒト又は動物細胞株を用いて製造されるバイオテクノロジー応用医薬品のウイルス安全性評価」を参照のこと。
18.51 ウイルス除去及びウイルス不活化段階は、工程において重要な処理段階であり、バリデーションを行ったパラメータの範囲内で実施すること。
18.52 ウイルス除去・不活化の前段階から後段階へのウイルス汚染のおそれを防止するために適切な予防措置を講じること。そのために、開放処理は、他の処理作業を行う区域と分離され、かつ、独立した空気処理ユニットを備えた区域で実施すること。
18.53 通常、異なる精製段階には、同じ装置は使用しない。同じ装置を使用する場合には、当該装置は、使用の前に、適切に清掃し、消毒すること。前段階からのウイルスのキャリーオーバー(例えば、装置又は環境を通して)のおそれを防止するために適切な予防措置を講じること。
19 臨床試験に使用する原薬
19.1 一般事項
19.10 開発段階における治験用新規原薬生産については、今まで述べた本ガイドラインの管理手法の全てが適切とはいえない。本章では、治験用原薬に特異的なガイドラインを示す。
19.11 臨床試験用に用いる原薬の製造過程で実施する管理は、当該原薬を配合する製剤の開発段階と整合性を持たせること。工程についての知見が蓄積され、製剤の試験が前臨床段階から臨床段階に進むに従い、工程及び試験手順は、変更に備えて、柔軟性を持たせること。開発が臨床試験を目的とする製剤用の製造段階に入った場合、製造業者は、原薬の品質を保証する適切な製造管理手順を用い、適正な設備で製造していることを保証すること。
19.2 品質
19.20 臨床試験に使用する原薬の製造には、適切なGMPの考え方を適用し、また、各ロットの承認を行う体制を備えること。
19.21 臨床試験に使用する原薬の合否判定をするため、製造部門から独立した品質部門を設置すること。
19.22 通常品質部門において実施される試験の一部は、他の部門において実施する場合がある。
19.23 品質評価として、原料、包装材料、中間体及び原薬を試験する体制を有すること。
19.24 工程及び品質の問題について評価を行うこと。
19.25 臨床試験への使用を目的とする原薬の表示は適切に管理し、治験用であることを明記すること。
19.3 装置及び設備
19.30 臨床試験に使用する原薬を生産する小規模設備又は実験室の使用を含め、臨床開発の全過程を通じて、装置を校正し、清掃し、当該装置が使用目的に適合することを保証する手順を設けること。
19.31 設備使用に係る手順は、汚染及び交叉汚染のリスクを最小限にする方法で原材料等が取り扱われていることを保証するものであること。
19.4 原料の管理
19.40 臨床試験に使用する原薬製造用の原料は、試験により評価判定を行い、又は供給者の分析情報を受け、確認試験を行うこと。原料試験が危険と考えられる場合には、供給者の分析情報で十分である。
19.41 場合によっては、原料の適合性の判定は、分析試験だけでなく、むしろ使用前の小規模実験(即ち、使用試験)により行うことがある。
19.5 製造
19.50 臨床試験に使用する原薬の製造は、実験ノート、ロット記録又はその他の適切な方法で記録すること。これらの記録には、使用した原材料等、装置、処理方法及び科学的な観察記録を含めること。
19.51 期待収量は、実製造段階で設定する期待収量より変動が大きく、決定し難い。収量変動の原因調査は要求されない。
19.6 バリデーション
19.60 臨床試験に使用する原薬の製造に係るプロセスバリデーションは、単一の原薬ロットしか製造されない場合又は原薬開発中の工程変更によりロットの再現が困難又は不正確である場合には、通常、不適切である。この開発段階における原薬の品質保証は、管理、校正、及び必要な場合には装置の適格性評価の組み合わせにより行うものである。
19.61 販売用に製造するロットは、当該ロットがパイロットスケール又は小スケールであっても、第12章に従ってプロセスバリデーションを実施すること。
19.7 変更
19.70 開発中においては、知識が蓄積し、製造がスケールアップするに従って、種々の変更が予測される。製造手順、規格又は試験方法に係る全ての変更は適切に記録すること。
19.8 試験室の管理
19.80 臨床試験に使用する原薬のロットを評価するために実施される分析法に対しバリデーションが行われていない場合には、当該分析法は科学的に信頼できるものであること。
19.81 全てのロットの参考品を保管するシステムを有し、申請の承認、中止又は中断後の適切な期間、十分な量の参考品を保管すること。
19.82 第11.6章で規定した使用期限及びリテスト日は、臨床試験に使用する既存の原薬に適用される。新規の原薬については、通常、臨床試験の初期の段階では、第11.6章の規定は適用されない。
19.9 文書化
19.90 臨床試験に使用する原薬の開発及び生産中に得られた情報を文書化し、利用できることを保証する体制を持つこと。
19.91 臨床試験に使用する原薬の出荷判定に用いる分析法の開発及び実施については適切に記録すること。
19.92 製造・管理に係る記録及び文書を保管するためのシステムを有し、申請の承認、中止、又は中断後の適切な期間、当該記録及び文書が保管されることを保証すること。
20 用語集
一次標準品
高い純度の標準物質であることが、一連の広範囲な分析試験によって示された物質。一次標準品は、(1)公式に認定された入手先から得る場合、(2)特別に合成される場合、(3)既存の高純度の製造品から得られる場合、又は、(4)既存の製造品をさらに精製することによって得られる場合がある。
逸脱
承認された指示又は設定された基準からの乖離
汚染
製造、検体採取、包装、再包装、保管又は輸送において生じる、原料、中間体又は原薬の中又は表面への化学的又は微生物学的不純物もしくは異物の好ましくない混入。
規格
試験項目、分析手順に関する参照文献及び当該試験の数的限界値、範囲又はその他の基準となる適切な判定基準のリスト。それにより、原材料等が目的の用途に許容されると判断するために適合すべき基準一式が設定される。「規格適合」とは、原材料等を定められた分析手順に従って試験した時、定められた判定基準に適合することを意味する。
期待収量
事前の実験段階、パイロットスケール又は実生産のデータに基づき、製造の適切な段階において予測される生成物の量、又は当該量の理論収量に対する百分率。
区分保管
後の合格又は不合格判定を待つために、物理的又はその他の有効な方法で分離した物質の状態。
原材料等(原材料、中間体、原薬等)
原料(出発物質、試薬、溶媒)、助剤、中間体、原薬及び包装材料・表示材料を示すのに使用する一般的な用語。
(参考)
原材料等:原材料、中間体、原薬、助剤、ガスケット等。
原材料:原料、資材。
原料:原薬出発物質、試薬、溶媒。
資材:表示材料、包装材料。
原薬(医薬品有効成分)(API)
医薬品の生産に使用することを目的とする物質又は物質の混合物で、医薬品の製造に使用された時に医薬品の有効成分となるもの。そのような物質は、疾患の診断、治療、緩和、手当又は予防において直接の効果又は薬理活性を示すこと、又は身体の構造及び機能に影響を与えることを目的としている。
原薬出発物質
原薬の製造に使用され、かつ、それが原薬の構造中の重要な構成部分として組込まれる原料、中間体又は原薬である。市販品の場合、委託又は販売契約の下で供給者から購入する場合又は自社で製造する場合がある。原薬出発物質は、通常、化学的性質及び構造を明確にされているものである。
原料
中間体・原薬を製造する目的で使用する、出発物質、試薬及び溶媒を示すのに使用する一般的な用語。
交叉汚染
他の原材料等又は製品による原材料等又は製品の汚染。
校正
特定の計器又は装置が、適切な測定の範囲において、ある対照品又は追跡可能な標準品との比較によって、規定した限界値内の結果を示すことを実証すること。
工程管理
工程内管理の項参照
工程内管理(工程管理)
工程をモニターするため、適切な場合には工程を調整するため、又は、中間体・原薬が規格に適合することを保証するため、製造中に実施するチェック。
コンピュータ化システム
コンピュータ・システムで統合された工程又は作業。
コンピュータ・システム
特定の機能又は一連の機能を実行するために、設計し、組立てられたハードウエア及び関連するソフトウエアのグループ。
再加工
基準又は規格に適合しないものを含め、中間体・原薬を工程に戻し、設定された生産工程の一部である結晶化段階もしくはその他の適切な化学的又は物理的操作段階(例えば蒸留、濾過、クロマト分離、粉砕等)を繰返すこと。工程内管理試験により反応が不完全であることが示された場合、その後、当該工程を継続することは、通常の工程の一部と考え、再加工とは考えない。
再処理
基準又は規格に適合しない中間体・原薬について、許容できる品質を得るために、設定された生産工程とは異なる処理段階(例えば、異なる溶媒による再結晶)を行うこと。
重要な
原薬が規格に適合することを保証するために、予め定めた基準内で管理する必要がある工程段階、工程条件、試験要件又はその他の関連パラメータ又は項目であることを意味する。
収量:期待収量、理論収量
期待収量、理論収量の項参照
受託製造業者
オリジナルの製造業者に代わり生産のある部分を行う製造業者
使用期限
原薬の容器・ラベルに記載された日付であって、当該原薬を規定した条件で保管した場合に、当該原薬が規格を維持することが予測される保管期間の長さを示すもの。この使用期限を過ぎた原薬は使用すべきではない。
助剤
中間体・原薬の生産において、それ自体は化学的又は生物的反応に介入しない補助として使用される原材料であって、溶媒以外のもの(例えば、濾過助剤、活性炭等)。
署名
特定の措置又は照査をした者の記録。この記録には、イニシアル、完全な手書き署名、個人の捺印又は本物であることが証明され、保証された電子署名の場合がある。
製剤
市販を目的とした最終の直接包装にはいった投与剤形(参考:ICHQ1Aガイドライン)。
生産
原薬の原材料受入、製造、包装、再包装、表示、再表示、品質管理、出荷、保管・流通及びその他関連する管理
製造
原材料の受入から、一連の工程及び原薬の包装を通じて、原薬の調製に関与する全ての作業。
製造業者
生産に関わる全ての業者。
中間体
原薬の製造段階において製造される物質であって、当該物質が原薬になるまでに、さらなる分子変化又は精製が行われるもの。中間体は分離される場合もあるし、分離されない場合もある。(注:本ガイドラインは、企業が、原薬製造の開始点として定義する時点以降の中間体のみを取り扱う。)
適格性評価
装置又は付帯システムが適切に据え付けられ、正しく作動し、実際に期待される結果が得られることを証明し、記録する活動。適格性評価はバリデーションの一部であるが、個々の適格性評価のステップのみではプロセスバリデーションとはならない。
手順
中間体・原薬の生産に関連して直接的又は間接的に実施する作業、払うべき注意、適用すべき対策を文書で記述したもの。
二次標準品
一次標準品と比較することによって設定した品質及び純度を有することが示され、日常の試験室での分析に標準品として使用する物質。
バイオバーデン
原料、原薬出発物質、中間体又は原薬中に存在するおそれのある微生物のレベルとタイプ(例えば、特定微生物又は非特定微生物)。バイオバーデンは、一定のレベルを超えない、又は規定した特定微生物を検出しない限り、汚染と考えない。
バリデーション
特定の工程、方法又はシステムが、一貫して、予め設定した判定基準に適合する結果を与えるという高度の保証を提供する文書によるプログラム。
バリデーション実施計画書
バリデーションの実施方法、判定基準の規定を記述した計画書。例えば、生産工程に関する実施計画書は、使用する設備、重要工程のパラメータ・運転範囲、製品特性、検体採取方法、収集するべき試験データ、バリデーションの回数及び許容すべき試験結果を明確にするものである。
判定基準
試験結果を許容するための数的な限界値、範囲又はその他適切な措置
標準品:一次標準品、二次標準品
一次標準品、二次標準品の項参照
品質管理(QC)
規格に適合していることを確認又は試験すること。
品質部門
品質保証及び品質管理の両責任を果たす、製造から独立した組織部門。品質部門は、組織の規模及び構造によって、別々のQA部門及びQC部門の形態をとる場合もあり、また、単一組織又はグループの形態をとる場合もある。
品質保証(QA)
全ての原薬が目的用途に必要な品質を有し、その品質システムが維持されていることを保証する目的でつくられた組織化した機構の総体。
不純物
中間体・原薬の中に存在し、かつ、その混入が好ましくない全ての成分
不純物プロファイル
原薬の中に存在する同定された及び同定されていない不純物を記述したもの
包装材料
保管及び輸送において中間体・原薬を保護する目的の原材料。
母液
結晶化工程又は分離工程の後に残る残留液。母液には、未反応原料、中間体、一定量の原薬や不純物が含まれている。母液はさらに工程で使用することができる。
溶媒
中間体・原薬の生産において、溶液又は懸濁液調製用の媒体として使用される無機又は有機の液体。
リテスト日
未だ使用可能であることを保証するために、ある物質を再検査すべき日付。
理論収量
実際の製造でいかなるロス又は誤りもない場合に、使用した原材料等の量に基づき、製造の適切な段階で製造される量。
ロット
規定された限度内で均質と予測できる、一つの工程又は一連の工程で製造された原材料等の特定の量。連続製造の場合には、ロットは製造の規定された画分に相当する。ロットサイズは、特定の量又は特定の時間内に製造された量と定義される。バッチともいう。
ロット番号
ロットを識別する数字、文字又は記号の固有の組み合わせで、これにより製造及び流通の履歴が判定できるもの。バッチ番号ともいう。
ICHQ1Aガイドライン
「安定性試験ガイドラインについて」(平成6年4月21日付け薬新薬第30号厚生省薬務局新医薬品課長通知/改正:平成13年5月1日付け医薬審発第565号厚生労働省医薬局審査管理課長通知)
ICHQ5Aガイドライン
「「ヒト又は動物細胞株を用いて製造されるバイオテクノロジー応用医薬品のウイルス安全性評価」について」(平成12年2月22日付け医薬審第329号厚生省医薬安全局審査管理課長通知)
ICHQ5Dガイドライン
「「生物薬品(バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)製造用細胞基剤の由来、調製及び特性解析」について」(平成12年7月14日付け医薬審第873号厚生省医薬安全局審査管理課長通知)
ICHQ6Bガイドライン
「生物薬品(バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)の規格及び試験方法の設定について」(平成13年5月1日付け医薬審発第571号厚生労働省医薬局審査管理課長通知)