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○薬事法施行規則等に伴う医療用具製造(輸入)承認申請等の取扱いについて

(平成一二年三月三〇日)

(医薬審第五四〇号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省医薬安全局審査管理課長通知)

平成一二年三月三〇日厚生省令第六七号をもって薬事法施行規則の改正等が行われ、平成一二年三月三〇日医薬発第三四一号医薬安全局長通知「薬事法施行規則の一部を改正する省令の施行等について」(以下「局長通知」という。)により本改正等に伴う取扱いについて示されたところであるが、今般、承認不要医療用具に係る基準の運用上の留意事項等について左記のとおり定めたので、御了知の上、関係業者に対して周知方お願いしたい。

おって、本通知の写しを財団法人医療機器センター理事長、日本医療機器関係団体協議会会長、在日米国商工会議所医療機器小委員会委員長及び欧州ビジネス協議会医療機器委員会委員長あて送付することとしている。

一 承認不要医療用具に係る基準(医用不織布ガーゼ基準(平成一二年厚生省告示第一三三号))の運用上留意すべき事項等について

(一) ポリエステル繊維をフィルム状、ネット状に整形したものは、基準三の形態に含まれないものであること。

(二) 基準四の「皮膚に対する刺激性等の影響について評価を行わなければならない。」とは、使用前例のない原材料規格の原料を使用するに際しては、生物学的試験のガイドラインに沿った試験等によりその安全性を自己の責任において評価するものであること。

(三) 基準五のア中「白色」とは、純白だけをさすのではなく、ほぼ白色であればよいこと。

二 医用不織布ガーゼの取扱いに関するQ&A等について

別紙一のとおり、医用不織布ガーゼの取扱いに関するQ&Aを取りまとめたので、参考とされたい。

なお、別紙二「医用不織布ガーゼ基準の解説について」は、(社)日本衛生材料工業連合会、日本不織布協会、在日米国商工会議所が医用不織布ガーゼの品質確保のために作成した自主基準であるが、その内容を確認したところ適当と思われるので、参考とされたい。

別紙1

医用不織布ガーゼの取扱いに関するQ&A

(一般的名称について)

Q1 医用不織布ガーゼ基準が適応される医療用具は、一般的名称ではどの分類の医療用具が該当するか。

A1 医用不織布ガーゼ基準は、一般的名称「医用不織布ガーゼ」中の一部の製品について適応される基準である。

なお、この一般的名称の「医用不織布ガーゼ」は、日本薬局方に収載されている「ガーゼ」との区別をするため、意味が異なる不織布とガーゼを組み合わせた造語となっている。

(クラス分類について)

Q2 医用不織布ガーゼのクラス分類は、どのクラスに分類されるのか。

A2 医用不織布ガーゼは、その医療用具のもっているリスクからクラスⅡに該当する医療用具である。

(承認の要・不要の取扱いについて)

Q3 医用不織布ガーゼ基準に適合しないものは、承認の取得が必要か。

A3 医用不織布ガーゼ基準の中で、一定の基準を設けた製品群に限り今回承認不要の取扱いとした。従って、この基準に合致しない医用不織布ガーゼは、従来どおり承認申請が必要である。

(「医用不織布ガーゼ基準の解説について」について)

Q4 医用不織布ガーゼ基準と「医用不織布ガーゼ基準の解説について」は、どのような関係か。

A4 医用不織布ガーゼ基準は、承認不要の基準を示したものである。「医用不織布ガーゼ基準の解説について」は、当該基準に適合し、承認不要となった医用不織布ガーゼの品質確保を目的に作成された業界自主基準である。

なお、「医用不織布ガーゼ基準の解説について」の内容は適切と考えられるため、品質確保に際しては、これに沿って行うことが望ましい。

(医用不織布ガーゼ基準の各項の内容について)

Q5 医用不織布ガーゼ基準の適合範囲に「セルロース繊維等」とあるが、「等」にはどのようなものが含まれるか。

A5 基準の材料に規定されているセルロース繊維以外の化学繊維が含まれる。基準の材料に示された以外の材料を用いる製品は、本基準の適用外となり、承認申請が必要である。

Q6 一般的名称「その他の衛生材料」に含まれる製品群としてフィルム材、パッド状製品のフィルムラミネート加工製品は医用不織布ガーゼ基準の対象となるのか。

A6 形態が本基準に適合しないため、基準対象外の製品となる。従って、それら製品については、個々に承認申請が必要である。

Q7 材料について「皮膚に対する刺激性等の影響について評価を行わなければならない」と規定されているが、既承認の材料を用いて製造される製品は、その原材料の皮膚に対する刺激性等の影響に対する評価が既に行われていると考えて良いか。

A7 既承認の材料を用いた場合、その材料の皮膚に対する安全性評価は既に行われていると考えて良い。ただし、あくまでも材料の安全性評価は自社の責任において確保すること。

Q8 性状の項で「白色」とあるが、製品及び材料の特性から独自の性状を有する場合があるのでこれらの性状を考慮されるのか。

A8 製品及び材料の特性により、性状が純白でなくとも白色といえる色調であればかまわない。

なお、着色剤の使用は、基準外の製品となる。

(GMP等の扱いについて)

Q9 医用不織布ガーゼは、許可要件GMP(医療用具の製造管理及び品質管理規則)の適用を受けるのか。

A9 許可要件GMPの適用を受ける。なお、医用不織布ガーゼ基準に適合する滅菌製品も承認不要であるが、滅菌バリデーション基準に基づき無菌性を保証すること。

Q10 輸入品の医用不織布ガーゼは、GMPI(医療用具の輸入販売管理及び品質管理規則)が適用されるのか。

A10 適用される。

別紙2

医用不織布ガーゼ基準の解説について

目次

1 適用範囲

2 引用規格

3 定義

3.1 セルロース繊維

3.2 創傷面保護

3.3 布状製品

3.4 球状製品

3.5 パット状製品

3.6 X線造影材

3.7 一次包装

3.8 二次包装

4 形態

5 材料

6 物理的要求事項

6.1 性状

6.2 重量偏差

7 化学的要求事項

7.1 溶出物

7.1.1 泡立ち

7.1.2 pH

7.1.3 過マンガン酸カリウム還元性物質

7.1.4 蒸発残留物

7.2 蛍光増白剤

8 生物学的要求事項

9 無菌性の保証

10 包装

10.1 一次包装

10.2 二次包装

11 表示

別添1 医用不織布ガーゼの製品形態図

別添2 セルロース繊維

別添3 天然ゴム

別添4 X線造影材

医用不織布ガーゼ基準

1 適用範囲

この基準は、セルロース繊維等の単一繊維又はこれらの複数の繊維からなるガーゼ状製品又は不織布製品であって、人の皮膚、粘膜、組織、骨又は血液に接触し、創傷面の保護、血液・体液等の吸収又は薬剤の塗布等いわゆるガーゼの代用とされるものである。但し、日本薬局方に収載されたガーゼ及び脱脂綿は含まない。

2 引用規格

この基準は下記の規格を引用した。

JIS L1912(1997)医療用不織布試験方法

日本薬局方(平成8年3月13日厚生省告示第73号第十三改正)

滅菌バリデーション基準(平成9年7月1日医薬監第1号厚生省医薬安全局監視指導課課長通知「滅菌バリデーション基準について」)

医療用具の製造(輸入)承認申請に必要な生物学的試験のガイドラインについて(平成7年6月27日薬機第99号厚生省薬務局医療機器開発課長通知)

3 定義

3.1 セルロース繊維

セルロース繊維は、綿繊維(Gossypium hirsutum Linn¥又はその他同族植物(Malvaceae)の種子の毛を脱脂し、漂白したものをいう。)、ビスコース繊維(ビスコース法により製造された再生セルロース繊維である。)及びキュプラ繊維(銅アンモニア法により製造された再生セルロース繊維である。)をいう。

3.2 創傷面保護

切り傷、さし傷、かき傷等の創傷面、手術後の縫合部、カテーテル及び留置針等穿刺部の被覆保護を言う。

3.3 布状製品

ガーゼ又は不織布をそのまま折り畳んだもの、その周囲等糸で縫い合わせたもの及び切り込みを入れたもの等をいう。

3.4 球状製品

ガーゼ、不織布又は脱脂綿等を球状にしたものである。これに天然ゴム、糸等を付与したものもある。

3.5 パッド状製品

ガーゼ、不織布又は、脱脂綿等の各繊維を積層したもの。

3.6 X線造影材

硫酸バリウムを合成樹脂等に配合し、X線の造影効果を目的とした材料をいう。

3.7 一次包装

医用不織布ガーゼを直接に覆う包装で、滅菌済の医用不織布ガーゼにあっては無菌性を保持するためのものをいい、更にこれを二次包装される場合は、内袋として用いられる。

3.8 二次包装

一次包装を直接に覆う包装であるが、通常、複数の医用不織布ガーゼを入れるものをいう。

4 形態

医用不織布ガーゼは、布状製品、球状製品、パッド状製品等があり、これらに使用目的に応じ別添1のような紐(柄)及びX線造影材(糸)の付いたものもある。なお、ここで言う形態は一般的なものを示したものであって、本基準の要求事項ではない。

5 材料

セルロース繊維、天然ゴム、X線造影材を使用するものにあっては、別添2~4の規格にそれぞれ適合するものであること。

6 物理的要求事項

6.1 性状

本品は、白色で、におい及び著しい異物を含まない。

6.2 重量偏差

本品10個をとり、その重量を精密に量り、平均重量を計算するとき、平均値は標準重量±10%以内であること。この平均値と個々の製品の重量との偏差は±10%を超えるものがあっても、2個以下で、かつ20%を超えるものがあってはならない。

7 化学的要求事項

7.1 溶出物

本品5.0gをとり、水500mLを加え、還流冷却器をつけ30分間穏やかに煮沸し、冷後、ガラスろ過器(G2)を用いろ過し、これを試験液とする。

別に、水につき同様な方法で空試験液を調整する。試験液及び空試験液につき、次の試験を行うとき、これに適合しなければならない。

7.1.1 泡立ち

試験液5mLを内径15mm、長さ200mmの共栓試験管に入れ、3分間激しく振り混ぜ静置するとき、生じた泡は10分間以内に消失する。

7.1.2 pH

試験液及び空試験液の各20mLをとり、これに塩化カリウム1.0gを水に溶かして1000mLとした液1.0mLを加え、日本薬局方一般試験法のpH測定法により試験を行うとき両液の差は2.0以下である。

7.1.3 過マンガン酸カリウム還元性物質

試験液及び空試験液の各5mLを共栓三角フラスコにとり、0.002mol/L過マンガン酸カリウム液20.0mL及び希硫酸1.0mLを加え、3分間煮沸し、15℃まで急冷後、直ちにヨウ化カリウム0.1g及び溶液デンプン試液5滴を加え、0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定するとき、両液の過マンガン酸カリウム液の消費量の差は3.0mL以下である。

7.1.4 蒸発残留物

試験液及び空試験液の各200mLを水浴上で蒸発乾燥し、残留物を105℃で1時間乾燥し、その重量を量るとき、両液の残留物の重量の差は20.0mg以下である。

7.2 蛍光増白剤

日局ガーゼの純度試験の蛍光増白剤の項により試験を行うとき、全面に吸着された蛍光を認めない。

8 生物学的要求事項

医用不織布ガーゼは、皮膚、粘膜、組織、骨又は血液に接触することから、医療用具の製造(輸入)承認申請に必要な生物学的試験のガイドラインに基づいて安全性を確保すること。但し、使用前例のあるものはこの限りでない。

9 無菌性の保証

滅菌済みであることを標榜するものは、滅菌バリデーション基準又は、これと同等以上の基準に基づき、無菌性を保証しなければならない。

10 包装

10.1 一次包装

滅菌済みであることを標榜するものの一次包装は、使用前に容易に破れる恐れが無く、微生物の進入を防止することができ、通常の取扱い、輸送、保管中に内容物を適切に保護できるものであること。但し、包装は単回使用の包装とする。

10.2 二次包装

二次包装は、通常の取扱いで使用前に容易に破れる恐れが無く、輸送、保管中に内容物を適切に保護できるものであること。

11 表示

直接の容器又は直接の被包に次の項目を表示しなければならない。

(1) 製造業者又は輸入販売業者の氏名又は名称および住所

(2) 医療用具の製造業又は輸入販売業の許可番号

(3) 販売名

(4) 製造番号又は製造記号

(5) 重量、容量又は個数等の内容物

(6) 滅菌済みのものにあっては、「滅菌済み」の旨

(7) 一回限り使用の旨

(8) 天然ゴムを使用したものにあっては、医薬安第34号平成11年3月25日医薬安全対策課長通知「天然ゴムを含有する医療用具の添付文書等の記載事項の改定について」に従い記載すること

別添1

医用不繊布ガーゼの製品形態図

別添2

セルロース繊維

性状

本品は、白色、乳白色又はわずかに黄味を有する繊維で、におい及び味はなく、混在物及び著しい異物を含まない。

形状

顕微鏡(倍率150~500倍)で繊維の側面及び断面を観察するとき次の形状を示す。

(1) 綿繊維にあっては、側面は扁平なリボン状で全長にわたり天然より(ねじれ)、断面はそらまめ型、馬蹄型など種々のものがあり中空部分がある。

(2) ビスコース繊維(注)にあっては、側面は繊維軸方向に線条が走り、断面は輪郭が不規則な花弁状である。

(3) キュプラ繊維にあっては、側面はなめらかで線条は見られず、断面は円形である。

(注) ビスコース繊維の中には、特殊な製法で造られたもの(例えば、強力レーヨンやポリノジックと称される物等)があり、特にポリノジックはその側面は表面のきめがあらい円形の断面を呈する。厳密に区別するには、スキンコア染め分け法を用いたときにポリノジックはスキン染色されるが、キュプラはスキン染色されないことでも区別できる。アセテートには線条がある。絹は、その断面が三角形をしている。絹の区別にはキサントプロテイン反応を用いることもできる。

純度試験

(1) 水溶性物質

日本薬局方ガーゼの純度試験(1)水溶性物質の項により試験を行うとき、これに適合する。

(2) 酸及びアルカリ

日本薬局方ガーゼの純度試験(2)酸及びアルカリの項により試験を行うとき、これに適合する。

(3) 色素

日本薬局方ガーゼの純度試験(4)色素の項により試験を行うとき、これに適合する。

(4) 蛍光増白剤

日本薬局方ガーゼの純度試験(5)蛍光増白剤の項により試験を行うとき、これに適合する。

(5) 沈降速度

日本薬局方ガーゼの純度試験(6)沈降速度の項により試験を行うとき、これに適合する。ただし、非吸収性を標榜するものは本試験を除外する。

(6) その他繊維

日本薬局方ガーゼの純度試験(7)その他繊維の項により試験を行うとき、薄青色、濃青色(注)以外の色に着色した繊維を認めない。

(注) ビスコース繊維は、濃青色、キュプラ繊維は薄青色に着色する。綿は着色しない。

(7) ネップ(綿繊維に適用)

日本薬局方脱脂綿の純度試験(8)ネップの項により試験を行うとき、これに適合する。

(8) 硫化水素(ビスコース繊維(注)に適用)

本品15gをとり、150mLの水に浸して解かし、密栓容器に2時間放置した後、上澄み液を別の容器に移す。残った試料と液をガラス棒でしぼり、上澄み液と合わせてろ過する。ろ液10mLをとり、水1.9mL、2M酢酸溶液0.15mL及び酢酸鉛溶液(80ppm「pb」以上)1mLを加え、混合した後2分間静置し試験液とする。

別に、鉛標準液(10ppm「pb」)1.7mL、ろ液10mL、2M酢酸溶液0.15mL及びチオアセトアミド試液(10ppm以上)1.2mLを加え、混合した後2分間静置し比較液とする。

試験液と比較液を比較するとき、試験液は比較液より濃くない。

(注) ビスコース繊維は、その製造に二硫化炭素が使われているため、糸中にその分解物質である硫化水素他の硫黄化合物が残留していることがある。これらは水に抽出されたり、酸に接触することなどで硫化水素を発生する懸念があるため、特に水溶性物質から生成する硫化水素を規定する。英局(1993)のビスコースに準ずる。

判定に必要な酢酸鉛溶液の濃度は計算上17ppm「pb」以上であればよいが、判定を容易にするために過剰に加える。また、チオアセトアミド試液も計算上は6ppm以上の濃度であればよいが、比較標準液の同一性を保つためには過剰に加えるほうがよい。

(9) 重金属

本品1.0gをるつぼにとり、日本薬局方一般試験法重金属試験第2法により試験を行うとき、20ppm以下であること。

灰分

日本薬局方ガーゼの灰分の項により試験を行うとき、これに適合する。

別添3

天然ゴム

主としてHevea Braziliensisの樹木を傷つけて浸出する、ポリ(シス―1、4―ポリイソプレン)を主成分とする乳状分泌物を原材料として製造した弾性ゴムをいう。

性状

本品は、黄色からあめ色で不透明であり、特異なにおい及び味がある。

純度試験

本品25gを水で洗った後、室温で乾燥する。これを硬質ガラス製容器に入れ、試料重量の10倍の水を正確に加え、適当な栓を施した後、高圧蒸気滅菌器を用いて121℃で1時間加熱した後、硬質ガラス製容器を取り出して室温になるまで放置し、速やかにゴム栓を除き、この液を試料液とする。別に水につき、同様の方法で空試験液を調整する。試験液及び空試験液につき、次の試験を行う。

(1) pH

試験液及び空試験液の各20mLをとり、これに塩化カリウム1.0gを水に溶かして1000mLとした液1.0mLを加え、両液のpHを測定するとき、その差は1.0以下である。

(2) 重金属

試験液10mLをとり、日局の重金属試験法第1法により試験を行う。比較液には鉛標準液2.0mLを加える。

(3) 過マンガン酸カリウム還元性物質

試験液100mLを共栓三角フラスコにとり、0.002mol/L過マンガン酸カリウム液10mL及び希硫酸5mLを加え、3分間煮沸する。冷後、これにヨウ化カリウム0.10gを加えて密栓し、振り混ぜて10分間放置した後、0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:デンプン試液5滴)。別に、空試験液100mLを用い、同様に操作する。0.002mol/L過マンガン酸カリウム液の消費量の差は2.0mL以下である。

(4) 蒸発残留物

試験液100mLをとり、水浴上で蒸発乾固し、残留物を105℃で1時間乾燥するとき、その重量は2.0mg以下である。

別添4

X線造影材

性状

本品は、黒、緑、青色等に着色しており、においはなく、異物を含まない。

純度試験

(1) 溶出試験

本品10gを水で洗った後、室温で乾燥する。これを内容約300mLの硬質ガラス製容器に入れ、水200mLを正確に加え、適当な栓で密封した後、高圧蒸気滅菌器を用いて121℃、1時間加熱した後、硬質ガラス製容器を取り出して室温になるまで放置し、この液を試験液とする。別に、水につき同様の方法で空試験液を調整する。試験液及び空試験液について次の試験を行う。

ア 外観及びpH

試験液はほとんど無色透明で、目視により異物を認めない。試験液及び空試験液各20mLにそれぞれ塩化カリウム溶液(1-1000)1mLを加え、日本薬局方一般試験法のpH測定法により試験を行うとき、両液のpHの差は2.0以下である。

イ 過マンガン酸カリウム還元性物質

試験液5mLを共栓三角フラスコにとり、0.002mol/L過マンガン酸カリウム液20mL及び希硫酸1.0mLを加え、2分間煮沸し、急冷後(15℃くらいにする)、直ちにヨウ化カリウム0.1g及び水溶性デンプン試液5滴を加え、0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する。試験液の代わりに空試験液5mLを用い、同様に操作するとき、過マンガン酸カリウムの消費量の差は2.0mL以下である。

ウ 蒸発残留物

試験液200mLを水浴上で蒸発乾固し、残留物を105℃で1時間乾燥し、その重量を量るとき、残留物は20mg以下である。

エ 泡立ち

試験液約5mLを内径15mm、長さ約200mmの共栓試験管中に入れ、3分間激しく振り混ぜ静置し、液の表面を目視により観察するとき、泡は10分以内に消える。

(2) 重金属

本品1.0gをるつぼにとり、日本薬局方一般試験法の重金属試験第2法により試験を行うとき、20ppm以下であること。

硫酸バリウム含有率

本品2gを正確に量り、るつぼに入れ、水5mL、希硫酸(1+1)0.5mLを加え、徐々に加熱する。これを更に800℃、1時間加熱しデシケーター内で冷却した後、灰化後重量を測定し、硫酸バリウムの含有率を求めるとき50%以上とする。

硫酸バリウム含有率(%)=((灰化後重量-るつぼ重量)/試料重量)×100