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c) 販売名

d) モデル名又はモデル番号

e) 製造番号又は製造記号

f) 「滅菌済」「Sterile」等滅菌済みの旨

g) 滅菌年月

注) 製造番号又は製造記号が滅菌年月を表している場合は、改めて滅菌年月の表示は要しないこと。また、滅菌年月の代わりに使用期限を表示してもよいこと。

h) コネクタの構成(単極、双極又は多極)

i) 寸法(長さ及び心内膜リードについては挿入径)付属書A

パルス発生器の様式コード

A・一 本基準中、パルス発生器の主要な使用法を表示するのに使われる三文字コードを下記のとおり定める。これは、British Pacing and Electrophysiology GroupとNorth American Society for Pacing and Electrophysiolcogyが現在使っている五文字コードより最初の三文字を採用したものであり、残りの二文字を使用することは任意である。

A・二 コードの基本的考え方を表―一に示す。

表―一 基本コード表

第一文字

第二文字

第三文字

第四文字

第五文字

ペーシングされるチャンバ

センシングされるチャンバ

応答様式

プログラム機能

抗頻拍機能

A・三 以下の略記法をコードで使用する。

V 心室

A 心房

S シングルチャンバ(心室、心房のいずれか、:第一文字又は第二文字)

S ショック(第五文字)

D 心房と心室(第一又は第二文字)

D 抑制とトリガ(第三文字)

D 抗頻拍ペーシング+ショック(第五文字)

I 抑制

T トリガ(同期)

O 該当なし

P シンプルプログラム(第四文字)

P 抗頻拍ペーシング(第五文字)

M マルチプログラム

C テレメトリ

R レート応答

A・四 コード文字の位置の意味は以下の通りである。

第一文字

ペーシングされるチャンバ(部位)は、以下のコード文字のいずれかによって識別される。

V 心室

A 心房

D デュアルチャンバ(心室と心房の両方)

S シングルチャンバ(心房又は心室のいずれか)

第二文字

センシングされるチャンバ(部位)は、以下のコード文字のいずれかによって識別される。

V 心室

A 心房

O パルス発生器はセンシング機能を持たないことを示す

D デュアルチャンバ(心室と心房の両方)

S シングルチャンバ(心房又は心室のいずれか)

第三文字

センシングに対する反応は、以下のコード文字のいずれかによって識別される。

I 抑制型(パルス発生器の出力はセンシングされた信号によって抑制される)

T トリガ型(パルス発生器の出力はセンシングされた信号によってトリガされる)

O パルス発生器はセンシング機能を持たないことを示す

D ダブル(抑制型とトリガ型の両方)

第四文字

レート応答機能あるいはプログラム機能の有無と内容は、以下のコード文字のいずれかによって識別される。

O 機能なし

P 心拍数出力のみプログラム可能

M 3種類以上のパラメータのプログラム可能

C テレメトリー機能有り

R レート応答機能有り

第五文字

抗頻拍機能の有無と内容は、以下のコード文字のいずれかによって識別される。

O 機能なし

P 抗頻拍ペーシング

S ショック

D 抗頻拍ペーシング+ショック

付属書B

パルス発生器のテスト

B・一 序文

この付属書は、ペースメーカの基本的な試験方法を示す。この試験方法を参考に、ペースメーカの基本的な心房、心室機能の試験をすること。

B・一・一 試験条件

パルス発生器は三七±二℃での環境下で試験を行うこと。デュアルチャンバにおいて心房、心室の両方に機能を有するものは、その両方を測定項目とすること。

B・一・二 測定系の精度

一般に測定系の精度は以下の範囲内に収まっていること。

測定

精度

パルス振幅

±五%

パルス幅

±五%

パルスインターバル/テストパルスインターバル

±〇・二%

パルスレート/テストパルスレート

±〇・五%

感度

±一〇%

入力インピーダンス

±二〇%

エスケープインターバル

±一〇%

不応期

±一〇%

A―Vインターバル

±五%

B・二 試験装置

B・二・一 五〇〇Ω±五%の負荷抵抗

B・二・二 オシロスコープ

二掃引式で以下の特性をもつこと。

感度:一V/目盛未満(標準)

最大立上がり時間:一〇μs

最小入力インピーダンス:一MΩ

最大入力容量:五〇pF

フルスケールの読取り値に達するまでの時間:一〇μs

B・二・三 インターバルカウンタ

最小入力インピーダンス一MΩを持つこと。

B・二・四 試験信号発生器

感度試験用で、最大出力インピーダンス一kΩで心房感知や心室感知の評価が行えるだけの信号を発生させることができること。試験信号は、三角波(図―七)を用いてプラス及びマイナスの両極性において可能なこと。波形の前縁は二ms、後縁は一三msであること。但し、製造業者が他の波形を指定する場合はその波形を明示すること。

図―7 感度試験信号

B・二・五 トリガ可能ダブルパルス信号発生器

センシング及びペーシング後の不応期の測定用で、信号波形は製造業者の指定されたものでなければならないが、〇から二秒までパルス遅延が調節できること。サイクル期間は少なくとも四秒まで調節できること。但し、この信号発生器は一度トリガされると信号を発生するまでは再度トリガされないこと。

B・三 パルス振幅、パルス幅、パルスインターバル(パルスレート)の測定

B・三・一 試験用回路

適切なパルス発生器の端子を図―八に示す試験用装置に接続する。

図―8 パルス振幅、パルス幅、パルスインターバル測定用回路

B・三・二 試験方法

一つのパルス発生器のパルスを前縁から後縁まで表示するためにオシロスコープを調節し、パルス振幅及びパルス幅を測定する。

振幅がピークパルス振幅の一/三に等しいパルス波形の点でパルス幅を測定する(図―九)。パルス幅で割った電流又は電圧での時間積分からパルス振幅を計算する(図―一〇)。但し、測定方法が明確であれば、必ずしも時間積分でなくともよい。

パルスインターバルを測定するためにパルス発生器パルスの前縁によってトリガされるようにインターバルカウンタ(B・二・三を参照)を設定する。インターバルカウンタの表示からパルスインターバルを測定する。

図―9 パルス幅の測定

図―10 パルス振幅の測定

B・三・三 負荷変化の影響

抵抗の変化で特性がどう変化するかの判断のため、二五〇Ωと七五〇Ωの負荷でB・三・二の試験方法によりパルスの特性を測定する。

B・四 感度(センシング閾値)の測定

B・四・一 試験用回路

適切なパルス発生器の端子を選び、図―一一に示すように試験装置を接続する。

図―11 感度測定用回路

B・四・二 試験方法

B・四・二・一 プラスパルスを使う方法

感度試験信号発生器(B・二・四を参照)からのプラス信号をA点に加える。信号のパルス間隔を調整し、少なくともパルス発生器の基本パルスインターバルより五〇ms小さくなるようにする。

試験信号振幅をゼロに調整し、オシロスコープを調整していくつかのパルス発生器パルスを表示する。

以下のいずれかになるまで試験信号振幅を徐々に増加させる。

a) パルス発生器の出力パルスが抑制される(抑制型)

b) パルス発生器の出力パルスが試験信号と同期する(トリガ型)

試験信号発生器の電圧を二〇〇で割ってプラスの感度振幅を計算する。

注:ここで得られたプラスの感度振幅はenegとして参照される。

B・四・二・二 マイナスパルスを使う方法

A点において、B・四・二・一で説明されている試験方法をマイナスの試験信号で繰り返す。

試験信号発生器の電圧を二〇〇で割ってマイナスの感度振幅を計算する。

注:ここで得られたマイナスの感度振幅はenegとして参照される。

B・五 入力インピーダンスの測定

B・五・一 試験用回路

適切なパルス発生器の端子を選び、図―一二に示すように試験装置を接続する。

図―12 入力インピーダンス測定回路

B・五・二 試験方法

B・五・二・一 スイッチを閉じ、試験信号振幅(どちらかの極性におく)をゼロからパルス発生器が完全に抑制又はトリガされる値E1まで調整する。

B・五・二・二 スイッチを開放し、試験信号発生器の出力をB・五・二・一での条件が満たされる値E2まで増加させる。

B・五・二・三 以下の式からパルス発生器の入力インピーダンスZin(単位はkΩ)を計算する。

Zin=((10E1/(E2-E1)))-0.5

B・六 エスケープインターバル、不応期、A―Vインターバルの測定

B・六・一 試験用回路

試験装置とパルス発生器を図―一三のように接続する。

図―13 エスケープインターバル、不応期 測定用回路

B・六・二 エスケープインターバル測定のための試験方法

B・六・二・一 試験信号の振幅が、二enegまたは二eneg(B・四・二・一とB・四・二・二の注を参照)近辺になるまで信号発生器を調整する。信号発生器をトリガして遅延t後の試験信号を発生させtがパルス発生器の基本パルスインターバルtpよりわずかに大きくなるように信号発生器を調整する。

B・六・二・二 試験パルスとパルス発生器のパルスの両方が現れるように、オシロスコープと信号発生器を調整する(図―一四)。

図―14 エスケープインターバル測定時の初期設定

B・六・二・三 試験パルスが不応期からはずれるまで、試験信号遅延tを減少させる。

抑制型のパルス発生器を試験しているときには、図―一五に示すような表示が得られる。

図―15 抑制型でのエスケープインターバルの測定

トリガ(同期)型を試験しているときには、図―一六に示すような表示が得られる。

図―16 トリガ型でのエスケープインターバルの測定

B・六・二・四 パルス発生器が抑制された(又は出力が試験パルスによってトリガされた)点と次の出力パルスまでの時間であるエスケープインターバルteを測定する。

B・六・三 センシング不応期を測定するための試験方法

B・六・三・一 センシング可能な一対のパルス(試験信号)がトリガ可能ダブルパルス信号発生器により得られるように信号発生器を調整する。試験信号はパルス発生器の出力端子のパルスインターバルtpよりわずかに大きな遅延(t1及びt2)で、できる限り両パルスとも接近させる。

試験信号はB・六・二・一と同様、2eneg又は2enegとほぼ等しい振幅を持っていること。

B・六・三・二 図―一七のように、オシロスコープと信号発生器を調整する。

図―17 センシング不応期、ペーシング不応期測定時の初期設定

B・六・三・三 最初の試験信号がパルス発生器によりセンシングされるまで試験信号の遅延時間t1とt2を両方とも減らす(できる限り両パルスとも近接状態を保つ)。

抑制型の場合、図―一八のようにパルス発生器から一つのパルスが抑制される。トリガ(同期)型の場合、図―一九のように試験信号により出力はトリガされる。

B・六・三・四 抑制型の場合、図―一七に示されたパルス発生器の二番目のパルスが図―一八に示されたようにさらに遅延されるまで(すなわち、右へ移動)、若しくはトリガ型の場合、図―一七に示された三番目の出力パルスが図―一九に示されたようにすぐに発生するまで(すなわち、試験信号二と同時)、試験信号二の遅延t2を増加させる。

図―18 抑制型でのセンシング不応期の測定

図―19 トリガ型でのセンシング不応期の測定

B・六・三・五 二つの試験信号に対応する二点間の時間であるセンシング不応期tsrを測定する。

B・六・四 ペーシング後の不応期測定のための試験手順(抑制型パルス発生器のみ)

B・六・四・一 B・六・二・一で説明しているようにセンシング可能な一つのパルスがトリガ可能パルス発生器により得られるように信号発生器を調整する。

B・六・四・二 B・六・二・二で説明しているようにオシロスコープと信号発生器を調整する(図―一四参照)。

B・六・四・三 図―二〇に示すように、図―六で示されている三番目の出力パルスが急に右に移動するまで、試験信号遅延tを徐々に増加させる。

図―20 抑制型でのペーシング不応期の測定

B・六・四・四 二番目のパルス発生器のパルスと試験パルスの間の時間であるペーシング不応期tprを測定する。

B・六・五 A―Vディレイ測定のための試験方法

図―二一に示すペーシングパルスが表示されるようにオシロスコープを調整する。一番目の心房パルスとそれに続く心室パルスとの間の時間であるA―VインターバルtAvを測定する。

図―21 A―Vディレイ測定の初期設定