添付一覧
公称容量(mL) |
シリコーン油の量(㎎/本) |
5未満 |
8 |
5以上20未満 |
15 |
20以上50未満 |
30 |
50以上100未満 |
50 |
8 生物学的要求事項
注射薬等に接触する材料を特定し、その生物学的安全性について、医療用具及び医用材料の生物学的試験のガイドラインに基づいて評価すること。
9 無菌性の保証
滅菌バリデーション基準又はこれと同等以上の外国の基準に基づき、無菌性の担保を図ること。
10 エンドトキシン試験
注射筒10本をとり、公称容量目盛りの位置までエンドトキシン試験用水を吸い入れ、各注射筒のそれぞれの筒口を密封してよく振り混ぜたのち、室温で1時間放置し、この液を試験液とし、日局のエンドトキシン試験法により試験を行うとき、0.5EU/mL未満であること。
11 包装
11.1 一次包装
一次包装は、使用前に容易に破れるおそれがなく、微生物の侵入を防止することができ、通常の取扱い、輸送、保管中に内容製品を適切に保護できるものであること。
一度開封したら包装は簡単に再シールできず、開封されたことが容易にわかること。
11.2 二次包装
二次包装は、取扱い、輸送、保管中に内容製品を保護するために十分強いものであること。
12 表示
12.1 一次包装
一次包装には、次の事項を表示すること。
(1) 注射筒の容量(mL)
(2) 「滅菌済」、「Sterile」等滅菌済みの旨
(3) 一回限り使用の旨(「ディスポーザブル」の表現を除く。)
(4) 製造番号又は製造記号
(5) 天然ゴムラテックスを使用しているものにあっては、その旨
12.2 二次包装
二次包装には、次の事項を表示すること。
二次包装を用いず、一次包装を最小販売単位の包装として用いる場合は、次の事項を一次包装に表示すること。
(1) 製造業者又は輸入販売業者の氏名又は名称及び住所
(2) 医療用具の承認番号
(3) 販売名
(4) 注射筒の容量(mL)
(5) 数量(入り数)
(6) 「滅菌済」、「Sterile」等滅菌済みの旨
(7) 一回限り使用の旨(「ディスポーザブル」の表現を除く。)
(8) 製造番号又は製造記号
(9) 滅菌年月
注) 製造番号又は製造記号が滅菌年月を表している場合は、改めて滅菌年月の表示を要しないこと。また、滅菌年月の代わりに使用期限を表示してもよいこと。
別添
デッドスペースの測定法
1 概要
注射筒の乾燥重量を測定し、水を満たし、排出する。デッドスペースは残留した水の重量を容積に換算する。
2 装置と試薬
2.1 天秤(0.2gまたは7mgの精度以下の差が測定できるもの)
2.2 蒸留水又はイオン交換水
3 操作
3.1 空の注射筒の重量を測定する。
3.2 水(2.2)を公称容量目盛りまで注射筒に満たす。注意して全ての気泡を除き、水を押し出して水面を筒先内腔の端部になるようにする。
3.3 押し子を完全に押し込み水を排出する。注射筒外面の水を拭き乾燥する。
3.4 注射筒の重量を測定する。
4 測定結果の換算
水を排出した後の注射筒の重量から空の注射筒の重量を減じて、注射筒に残っている水の重量をgで表す。水の密度を1,000kg/m3として、重量をmLに換算しデッドスペースとして記録する。
5 試験報告
以下の事項を記録する。
(1) 注射筒の識別と公称容量
(2) デッドスペースをmLで表示
(3) 試験年月日
参考
押し子の移動試験
注射筒の外筒を固定し、押し子の先端をゼロ目盛りの位置に合わせ、筒口に次の表に掲げる圧力を加えたとき、押し子は外筒内面を滑らかに移動するものであること。
注射筒の公称容量(mL) |
押し子の移動に要する最大圧力(KPa) |
2未満 |
245 |
2以上5未満 |
172 |
5以上10未満 |
147 |
10以上 |
98 |
滅菌済み注射針基準
1 適用範囲
この基準は、滅菌済みの注射針(歯科用注射針は除く。)であって、そのまま直ちに使用でき、かつ、1回限りの使用で使い捨てるものに要求される事項を規定する。
2 引用規格
この基準は下記規格又は基準を引用する。
ISO7864:1993 一回限り使用する滅菌済み注射針
滅菌済み注射筒基準(平成10年12月11日医薬発第1079号厚生省医薬安全局長通知)
ISO594―1:1986 注射筒、注射針や他の医療用具の6%テーパーとの接合部の合致―パート1一般的要求事項
ISO594―2:1991 注射筒、注射針や他の医療用具の6%テーパーとの接合部の合致―パート2:ロック接合
ISO9626:1991 医療用具製造業者のためのステンレス鋼針管
日本工業規格JISG4305冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
日本薬局方(平成8年3月13日厚生省告示第73号第十三改正)
シリコーン油基準(Ⅱ)(平成7年12月20日薬機第327号厚生省薬務局医療機器開発課長通知「注射針及び注射筒等に潤滑剤として用いるシリコーン油の基準について」)
滅菌バリデーション基準(平成9年7月1日医薬監第1号厚生省医薬安全局監視指導課長通知「滅菌バリデーション基準について」)
3 定義
3.1 公称外径
注射針の被包又は容器に表示された針管の外径の寸法
3.2 公称長さ
注射針の被包又は容器に表示された針管の長さの寸法
3.3 水
日本薬局方の第二部医薬品各条「精製水」
3.4 エンドトキシン試験用水
日本薬局方の第二部医薬品各条「注射用水」又はその他の方法により製造した水で、エンドトキシン試験に用いるLAL試薬の検出限界で反応を示さないもの
3.5 一次包装
注射針を直接に覆う包装で、注射針の無菌性を保持するためのものをいい、さらにこれが二次包装される場合には、いわゆる「内袋」に該当する。
3.6 二次包装
一次包装を直接に覆う包装で、通常、複数の一次包装された注射針、例えば100本を入れるものをいう。
4 構成
注射針は、主として針管、針基からなる。図1は一般的な注射針を図示したものであり、要求事項ではない。
図1 注射針各部名称
5 材料
針管の材料は、日本工業規格JISG4305に規定するSUS304又はSUS304Lに適合するステンレス鋼又はISO9626:1991の材料の項に適合するステンレス鋼であること。
針管の潤滑剤としてシリコーン油を用いる場合、シリコーン油は、シリコーン油基準(Ⅱ)又はこれと同等以上の外国の基準に適合するものであること。
6 物理的要求事項
6.1 針管
6.1.1 外観及び清浄度
6.1.1.1 目視で検査するとき、針管の外面は、凹凸及び傷がなく、仕上げ面が滑らかで、表面に微粒子又は異物が付着していないこと。
6.1.1.2 目視で検査するとき、針管の内面には、有害な酸化物、切り粉等の微粒子又は異物が付着していないこと。
6.1.1.3 外観
目視で検査するとき、針管は真っ直ぐであり、正常な切断面及び厚みであること。
6.1.2 寸法の許容差
6.1.2.1 針管の外径の公称外径に対する許容差は、-3%から+8%であること。
6.1.2.2 針管の長さの公称長さに対する許容差は、20mm未満のものにあっては±8%、20mm以上40mm未満のものにあっては±7%、40mm以上60mm未満のものにあっては±5%、60mm以上のものにあっては±3%であること。
6.1.3 潤滑油の量
潤滑油の量は、針管の表面に液滴を認めたり、内面にたまりを認める量でないこと。
6.2 針基のテーパーの合致
図2―1に示すオス・ルアーテーパー検査ゲージ又は図2―2に示すISO594―1:1986に規定されるオス・ルアーテーパー検査ゲージを使用できる構造のものにあっては、針基を5Nの力でゲージに入れたとき、針基穴のメス・ルアーテーパーとゲージのテーパーが合致し、かつ、針基の先端は、ゲージの限度内にあること。また、図2―1又は図2―2に示すいずれの検査ゲージも使用できない構造のものにあっては、この検査ゲージの要求する寸法に等しい寸法を求めることができるような特別の検査ゲージ(例えば、ISO594―2:1991に規定する検査ゲージ)を用いること。
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図2―1 オス・ルアーテーパー検査ゲージ |
図2―2 ISOオス・ルアーテーパー検査ゲージ |
6.3 針先
刃先は、鋭利に研磨してあり、目視されるようなバリなどの欠点がないこと。
6.4 性能
6.4.1 引き抜き強さ
針管の公称外径に応じ、針管の中心軸方向に次の表の荷重を加えたとき、針管は針基から引き抜けるものでないこと。
針管の公称外径(mm) |
荷重(N) |
0.3 |
22 |
0.33 |
22 |
0.36 |
22 |
0.4 |
22 |
0.45 |
22 |
0.5 |
22 |
0.55 |
34 |
0.6 |
34 |
0.65 |
34 |
0.7 |
40 |
0.8 |
44 |
0.9 |
54 |
1.1 |
69 |
>1.2 |
69 |
6.4.2 弾性
針管の公称外径(図3のD)が1.0mm以下のものにあっては、図3のように針管の先端の一点Aから25D2離れた針管上の点Bを固定し、Aに荷重を加え、8度曲げて1分間保ったのち放して目視するとき、針管は、もとの位置に復するものであること。
図3 弾性
6.4.3 曲げ強さ
針管の公称外径が1.0mm以下で、公称長さが12mm以上のものにあっては、図4のように針管を5mmの曲率半径で90度曲げたとき、折れるものではないこと。
図4 曲げ強さ
6.4.4 漏れ
次のいずれかの方法で試験を行うとき、これに適合すること。
第1法
本品を滅菌済み注射筒基準に適合した注射筒の筒先に27.5Nの力ではめ合わせる。このとき少しねじってもよい。吸子を5mLの目盛りに合わせ、針の先端にゴム栓を刺し、刃先から空気が漏れないようにした後、刃先から針基までは水中に没する。吸子を2mLの目盛りまで押し、15秒間観察するとき、針と針基の接合部あるいは針基と試験用注射筒の筒先とのはめ合わせ部から連続した気泡の発生を認めない。
第2法
本品の針基を水圧試験装置に取り付けられたテーパーゲージに、27.5Nの力ではめ合わせる。このとき少しねじってもよい。次に針の先端にゴム栓を刺し、刃先から水が漏れないようにした後、0.2MPaのゲージ圧で水を送り込み、15秒間観察したとき針と針基とルアーテーパーゲージとのはめ合わせ部より、水滴となって落ちるような水漏れを認めない。
7 化学的要求事項
7.1 溶出物試験
注射針7本をとり、約100mLの水中に入れ、70℃で30分間加温し、冷後、水を加えて正確に100mLとする。この液を試験液として、次の試験を行うとき、これに適合すること。なお、空試験液は、別に水につき、同様の方法で操作して調製すること。
又は、ISO7864:1993の5及び6に適合すること。
ア pH
試験液及び空試験液20mLずつをとり、これに塩化カリウム1.0gを水に溶かして1000mLとした液1.0mLずつを加え、日本薬局方一般試験法(以下「日局」という。)のpH測定法により試験を行うとき、両液のpHの差は2.0以下である。
イ 重金属
試験液10mLをとり、日局の重金属試験法の第1法により試験を行う。比較液には鉛標準液2.0mLを加える(2.0ppm以下)。
ウ 過マンガン酸カリウム還元性物質
試験液10mLを共栓三角フラスコにとり、0.002mol/L過マンガン酸カリウム液20.0mL及び希硫酸1mLを加え、3分間煮沸し、冷後、これにヨウ化カリウム0.10gを加えて密栓し、振り混ぜて10分間放置した後、0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:デンプン試液5滴)。別に空試験液10mLを用い、同様に操作する。試験液及び空試験液の0.002mol/L過マンガン酸カリウム液消費量の差は2.0mL以下である。
エ 蒸発残留物
試験液10mLを水浴上で蒸発乾固し、残留物を105℃で1時間乾燥するとき、その重量は1.0mg以下である。
8 無菌性の保証
滅菌バリデーション基準又はこれと同等以上の外国の基準に基づき、無菌性の担保を図ること。
9 エンドトキシン試験
注射針10本をとり、硬質ガラス容器に入れ、エンドトキシン試験用水30mLを加え、融封又は適当なせんで密封してよく振り混ぜたのち、室温で1時間放置し、この液を試験液とし、日局のエンドトキシン試験法により試験を行うとき、0.5EU/mL未満であること。
10 包装
10.1 一次包装
一次包装は、使用前に容易に破れるおそれがなく、微生物の侵入を防止することができ、通常の取扱い、輸送、保管中に内容製品を適切に保護できるものであること。
一度開封したら包装は簡単に再シールできず、開封されたことが容易にわかること。
10.2 二次包装
二次包装は、取扱い、輸送、保管中に内容製品を保護するために十分強いものであること。
11 表示
11.1 一次包装
一次包装には、次の事項を表示すること。
(1) 針管の外径及び長さ(mm)
(2) 「滅菌済」、「Sterile」等滅菌済みの旨
(3) 製造番号又は製造記号
11.2 二次包装
二次包装には、次の事項を表示すること。
二次包装を用いず、一次包装を最小販売単位の包装として用いる場合は、次の事項を一次包装に表示すること。
(1) 製造業者又は輸入販売業者の氏名又は名称及び住所
(2) 医療用具の承認番号
(3) 販売名
(4) 針管の外径及び長さ(mm)
(5) 数量(入り数)
(6) 「滅菌済」、「Sterile」等滅菌済みの旨
(7) 一回限り使用の旨(「ディスポーザブル」の表現を除く。)
(8) 製造番号又は製造記号
(9) 滅菌年月
注) 製造番号又は製造記号が滅菌年月を表している場合は、改めて滅菌年月の表示は要しないこと。また、滅菌年月の代わりに使用期限を表示してもよいこと。