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○医療用医薬品の品質に係る再評価の実施手順等について

(平成一〇年七月一五日)

(医薬審第五九五号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省医薬安全局審査管理課長通知)

標記について、平成一〇年七月一五日医薬発第六三四号厚生省医薬安全局長通知「医療用医薬品の品質に係る再評価の実施等について」をもって通知したところであるが、その記の第三品質再評価の実施方法等についての具体的な手順を別添一「品質再評価の実施手順」として、記の第四溶出性に関する資料及び品質再評価適合性調査に関する資料についての具体的な提出様式等をそれぞれ別添二「溶出性に関する資料」及び別添三「品質再評価適合性調査に関する資料」としてとりまとめたので、貴管下関係業者に対し周知徹底方よろしくご配慮願いたい。

別添一

品質再評価の実施手順

一 品質再評価の実施手順について

品質再評価は、指定予定の品目ごとに原則として次の手順により実施する。

(一) 予試験資料の提出

品質再評価申請予定者は、試験液、回転数、界面活性剤等の溶出試験条件を適正に選定するための溶出試験(以下「予試験」という。)資料を提出する。

(二) 品質再評価指定等

予試験の結果、溶出試験条件の設定の妥当性等を勘案の上、品質再評価すべき医薬品の範囲の指定を行う(官報告示)。また、予試験の結果に基づき標準的な溶出試験条件等を併せて通知する。

(三) 標準製剤(標準ロット)の選定及び公的溶出試験(案)の作成等

品質再評価指定後、標準製剤の製造業者(先発製剤製造業者等)は標準的な溶出試験条件において実施した溶出試験結果を基に、標準製剤(標準ロット)の選定に関する資料及び次の(四)に示す公的溶出試験(案)に関する資料等を提出する(再評価申請)。

(四) 公的溶出試験の内示

有効成分の種類、剤型及び含量ごとに、適当と認められる溶出試験(以下「公的溶出試験」という。)等を内示する。

(五) 溶出挙動の同等性及び公的溶出試験への適合性の確認

品質再評価申請者は、標準的な溶出試験条件における標準製剤との溶出挙動の同等性及び内示された公的溶出試験への適合性の確認に関する資料等を提出する(一変申請)。

(六) 品質再評価の評価判定

標準製剤との溶出挙動の比較、公的溶出試験への適合性等に基づき溶出性に係る品質が適当であるか否かを品目ごとに評価し判定する。

(七) 品質再評価結果の通知

品質再評価結果は、有効成分の種類、剤型及び含量ごとに該当品目の評価判定が終了した後通知する。

二 品質再評価の実施に当たっての留意点について

(一) 一(六)の品質再評価の評価判定に当たっては、適当な溶出試験が承認に係る規格及び試験法に設定されているか否かを評価することから、原則として公的溶出試験の内示後、溶出試験の設定に係る承認事項一部変更承認申請(以下「溶出試験一変申請」という。)を行うこと。ただし、小分け製造又は受託製造承認品目であって、溶出試験一変申請の必要でないものは、この限りでない。

なお、この際科学的に妥当であれば、必要な範囲で処方変更等を行っても差し支えないこと。

(二) 溶出試験条件等、溶出試験の詳細に関しては別途通知する場合を除き、平成一〇年七月一五日医薬審第五九九号厚生省医薬安全局審査管理課長通知「医療用医薬品の品質に係る再評価の予試験について」を準用すること。

別添二

溶出性に関する資料

第一 標準製剤製造業者(先発製剤製造業者等)について

一 提出資料及び提出時期等について

原則として、次の資料とする。

(一) 再評価申請時に提出する資料

(別記一)の(一)~(六)に掲げる資料とする。

(二) 溶出試験一変申請時に提出する資料

ア 溶出試験一変申請に伴って処方変更を行わない場合

(別記一)の(七)~(八)に掲げる資料とする。

ただし、溶出試験一変申請の際に添付された当該資料は、再評価申請資料として併せて提出されたものとみなす。

イ 溶出試験一変申請に伴って処方変更を行う場合

(別記一)の(七)~(二)に掲げる資料とする。

ただし、溶出試験一変申請の際に添付された当該資料は、再評価申請資料として併せて提出されたものとみなす。

なお、処方変更に当たって生物学的同等性試験に関する資料が必要となる場合があるので留意すること。

(別記一)

(一) 品質再評価(その  )に係る溶出試験報告書 〔別紙様式一〕

(二) 溶出試験結果(標準製剤(標準ロット)選定のための溶出試験) 〔別紙様式二―一、二―二(徐放性製剤の場合)〕

(三) 標準製剤(標準ロット)選定試験の溶出挙動グラフ等 〔様式無し〕

ア ロット毎の平均溶出曲線を一枚のグラフに各ロットが識別できるように描くこと。

イ 標準製剤(標準ロット)に係る製造バルクロットと製品ロットの対比表等を別添すること。

(四) 溶出試験結果(標準的な溶出試験条件における標準製剤(標準ロット)の溶出試験) 〔別紙様式三―一、三―二(徐放性製剤の場合)〕

(五) 公的溶出試験(案) 〔別紙様式四〕

有効成分、剤型、含量、公的溶出試験(案)について、テキスト形式においてFDで提出すること。(標準品の規格(案)を含む)

(六) 溶出試験結果(公的溶出試験(案)の作成のための溶出試験) 〔別紙様式五〕

(七) 内示された公的溶出試験への適合性 〔別紙様式六〕

(八) 溶出試験結果(公的溶出試験への適合性に関する溶出試験) 〔別紙様式七〕

(九) 標準製剤(標準ロット)と自社製剤の溶出挙動の考察 〔別紙様式八〕

(一〇) 溶出試験結果(標準的な溶出試験条件における標準製剤(標準ロット)と自社製剤の溶出挙動の同等性に関する溶出試験) 〔別紙様式九―一、九―二(徐放性製剤の場合)〕

(一一) 標準製剤(標準ロット)と自社製剤の溶出挙動のグラフ等 〔様式無し〕

ア 試験液毎に標準製剤(標準ロット)と自社製剤の溶出曲線を一枚のグラフに記載すること。

イ 様式は問わないが、試験製剤の平均溶出曲線及び標準製剤(標準ロット)の平均溶出率±一五%の値が分かるように描くこと。

ウ 標準製剤(標準ロット)に係る製造バルクロットと製品ロットの対比表等を別添すること。

二 資料作成の留意点について

(一) 標準製剤(標準ロット)選定のための溶出試験 〔別紙様式二―一、二―二(徐放性製剤の場合)〕

ア 具体的な手順

(ア) 内示された標準的な溶出試験条件により、できる限り新しい三ロットを用いて溶出試験(n=六)を行う。

(イ) 試験結果より、標準製剤(標準ロット)を選定する。

イ 実施に当たっての留意点

(ア) 溶出試験を行う製剤は、できる限り新しい三ロットを使用すること。必ずしも連続する三ロットである必要はない。

(イ) 標準製剤(標準ロット)は、ロット毎の平均溶出率の溶出挙動の比較において、最も中間的な溶出挙動を示すロットを選定すること。

なお、中間的な溶出挙動とは、最終溶出率の七割に達する溶出時間が中間のものを目安に、全体の挙動から考慮すること。

(ウ) 標準製剤(標準ロット)の提供についても考慮する。

(二) 標準的な溶出試験条件における標準製剤(標準ロット)の溶出試験〔別紙様式三―一、三―二(徐放性製剤の場合)〕

ア 具体的な手順

(ア) 標準製剤(標準ロット 一ロット)について、内示された標準的な溶出試験条件により溶出試験を行う。

(三) 公的溶出試験(案)作成のための溶出試験 〔別紙様式四〕〔別紙様式五〕

ア 具体的な手順

(ア) 内示された標準的な溶出試験条件により、基本的には二(一)標準製剤(標準ロット)選定のための溶出試験で使用した製剤(三ロット n=六)を用いて一時点での溶出試験を行う。

(イ) 公的溶出試験(案)における試験液採取時点の妥当性を示すために、当該採取時点の前後の適当な時点において、同様に溶出試験を行う。

(ウ) 公的溶出試験(案)を作成する。

イ 実施に当たっての留意点

(ア) 公的溶出試験(案)作成のための溶出試験に使用する製剤は、原則的には標準製剤(標準ロット)選定のための溶出試験に用いたロットを使用するが、他のロットを追加することができる。ただし、この場合においては、その科学的な妥当性を示す必要がある。

(イ) 試験液の採取時点は、溶出率七〇~八五%の溶出率を示す適当な一時点及びその妥当性を検討するために当該採取時点の前後の適当な時点の三つの時点とする。

また、二時点以上において規格値を設定する場合は、同様な方法で妥当性を検討すること。

ただし、二(一)標準製剤(標準ロット)選定のための溶出試験のデータが、公的溶出試験(案)の採取時点の妥当性を示すに十分な場合にあっては、二(三)ア(イ)は省略しても差し支えない。

(ウ) 公的溶出試験(案)の作成に際しては、「日本薬局方における溶出試験の規格設定法」(JP Forum Vol. 5 No. 4 (1996))を参考に、以下の点に留意すること。

① できるかぎり簡易な試験法を採用する。

② 試験時間はできるかぎり一時間以内とする。

③ 原則として七〇~八五%の範囲内の溶出率の下限値のみ一点で設定する。

急速な溶出が作用、副作用に影響を与える場合、治療濃度域が狭い薬物等では、必要に応じ、上限値及び下限値の規格、二時点以上で規格を設定する。

(エ) 内示された標準的な溶出試験条件について、左記の理由による変更は差し支えない。

① 回転数について、溶出率が八五%に達する時間が一時間より長い場合は、妥当性が示されれば変更しても差し支えない。

② 基準液について、科学的に妥当性が示されればpHが同じ他の緩衝液に変更しても差し支えない。

(四) 内示された公的溶出試験への適合性に関する溶出試験 〔別紙様式六〕〔別紙様式七〕

ア 具体的な手順

(ア) 内示された標準的な溶出試験条件により、三ロットを用いて溶出試験を行う。

(イ) 公的溶出試験への適合性を判定する。

イ 実施に当たっての留意点

(ア) 公的溶出試験(案)がそのまま内示され、処方変更等を行っていない場合にあっては、(三)公的溶出試験(案)作成のための溶出試験の結果を利用しても差し支えない。

(イ) 日本薬局方一般試験法溶出試験法に従い、適合性の判定を行う。

(五) 標準的な溶出試験条件における標準製剤(標準ロット)と自社製剤の溶出挙動の同等性に関する溶出試験 〔別紙様式八〕〔別紙様式九―一、九―二(徐放性製剤の場合)〕

原則として実施する必要はないが、合理的理由をもってやむを得ず処方変更を行う場合は、事前に相談のうえで実施すること。

ア 具体的な手順

(ア) 内示された標準的な溶出試験条件において、標準製剤(標準ロット)及び処方変更等行った自社製剤(一ロット n=六)を用いて溶出試験を行う。

(イ) 標準製剤(標準ロット)と処方変更等行った自社製剤の溶出挙動の比較を行う。

イ 実施に当たっての留意点

(ア) 処方変更等行われていない場合にあっては、当該試験を行う必要はない。

(イ) 溶出挙動の同等性は、「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドラインについて」(平成九年一二月二二日医薬審第四八七号)(以下「ガイドライン」という。)の第三章、A、Vの四に従い判定する。

第二 標準製剤製造業者(先発製剤製造業者等)以外の品質再評価申請者について

一 提出資料及び提出時期について

原則として、次の資料とする。

(一) 再評価申請時に提出する資料

(別記二)の(一)及び(二)に掲げる資料とする。

(二) 溶出試験一変申請時に提出する資料

処方変更の有無に拘らず(別記二)の(三)~(七)に掲げる資料とする。

ただし、溶出試験一変申請の際に添付された当該資料は再評価申請資料として併せて提出されたものとみなす。

(別記二)

(一) 品質再評価(その  )に係る溶出試験報告書 〔別紙様式一〕

(二) 溶出試験結果(標準的な溶出試験条件における自社製剤の溶出試験) 〔別紙様式一〇―一、一〇―二(徐放性製剤の場合)〕

(三) 標準製剤(標準ロット)と自社製剤の溶出挙動の考察 〔別紙様式八〕

(四) 溶出試験結果(標準的な溶出試験条件における標準製剤(標準ロット)と自社製剤の溶出挙動の同等性に関する溶出試験) 〔別紙様式九―一、九―二(徐放性製剤の場合)〕

(五) 標準製剤(標準ロット)と自社製剤の溶出挙動のグラフ等 〔様式無し〕

ア 試験液毎に標準製剤(標準ロット)と自社製剤の溶出曲線を一枚のグラフに記載すること。

イ 様式は問わないが、試験製剤の平均溶出率の溶出曲線及び標準製剤(標準ロット)の平均溶出率±一五%の値が分かるように描くこと。

ウ 標準製剤(標準ロット)に係る製造バルクロットと製品ロットの対比表等を別添すること。

(六) 内示された公的溶出試験への適合性           〔別紙様式六〕

(七) 溶出試験結果(公的溶出試験への適合性に関する溶出試験)〔別紙様式七〕

二 資料作成の留意点について

(一) 標準的な溶出試験条件における自社製剤の溶出試験 〔別紙様式一〇―一、一〇―二(徐放性製剤の場合)〕

ア 具体的な手順

(ア) 内示された標準的な溶出試験条件により、自社製剤(一ロット n=六)を用いて溶出試験を行う。

イ 実施に当たっての留意点

(ア) 任意の一ロットを用いて、四種類の試験液により溶出試験を行う。

(二) 標準的な溶出試験条件における標準製剤(標準ロット)と自社製剤の溶出挙動の同等性に関する溶出試験 〔別紙様式八〕〔別紙様式九―一、九―二(徐放性製剤の場合)〕

ア 具体的な手順

(ア) 内示された標準的な溶出試験条件により、標準製剤(標準ロット)及び自社製剤(一ロット n=六)を用いて溶出試験を行う。

(イ) 標準製剤(標準ロット)と自社製剤の溶出挙動の比較を行う。

(ウ) 処方変更等行っていない場合にあっては、自社製剤の溶出試験結果は二(一)の結果を利用しても差し支えない。

イ 実施に当たっての留意点

(ア) 溶出挙動の同等性は、ガイドラインの第三章、A、Vの四に従い判定する。

(三) 内示された公的溶出試験への適合性に関する溶出試験 〔別紙様式六〕〔別紙様式七〕

ア 具体的な手順

(ア) 内示された公的溶出試験により、三ロットを用いて溶出試験を行う。

(イ) 公的溶出試験への適合性を判定する。

イ 実施に当たっての留意点

(ア) 任意の三ロットを用いて、溶出試験を行う。

(イ) 日本薬局方一般試験法溶出試験法に従い、適合性の判定を行う。

(ウ) 内示された公的溶出試験の分析法と異なる方法を用いる場合は、分析法の同等性に関するバリデーションを行い当該資料を提出すること。

別紙様式1

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別紙様式2―1

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別紙様式2―2

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別紙様式3―1

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別紙様式4

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別紙様式5

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別紙様式6

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別紙様式7

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別紙様式8

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別紙様式9―1

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別紙様式10―1

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別紙様式10―2

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別添3

品質再評価適合性調査に関する資料

第1 標準製剤製造業者(先発製剤製造業者等)について

1 提出資料について

(1) 信頼性の基準に係る適合性調査資料

(2) GPMSPに係る適合性調査資料

2 提出時期について

(1) 再評価申請時に提出する資料について

上記1 (1)に関する資料;別添2 第1 1(別記1)の(1)~(6)に係る原資料

上記1 (2)に関する資料;平成10年2月16日医薬審第163号医薬安全局審査管理課長通知 その記の第2(1)のキに係る資料

なお、当該資料に関して別途求められるまで提出を要さない。

(2) 溶出試験一変申請時に提出する資料について

上記1 (1)に関する資料;別添2 第1 1(別記1)の(7)~(11)に係る原資料

ただし、当該資料を溶出試験一変申請の際に添付する場合にあっては、当該資料を品質再評価適合性調査に関する資料と見なす。

なお、当該資料に関して別途求められるまで提出を要さない。

第2 標準製剤製造業者(先発製剤製造業者等)以外の品質再評価申請者について

1 提出資料について

(1) 信頼性の基準に係る適合性調査資料

(2) GPMSPに係る適合性調査資料

(3) GCPに係る適合性調査資料

2 提出時期について

(1) 再評価申請時に提出する資料について

上記1 (1)に関する資料;別添2 第2 1(別記2)の(1)及び(2)に係る原資料

上記1 (2)に関する資料;平成10年2月16日医薬審第163号医薬安全局審査管理課長通知 その記の第2(1)のキに係る資料

なお、当該資料に関して別途求められるまで提出を要さない。

(2) 溶出試験一変申請時に提出する資料について

上記1 (1)に関する資料;別添2 第2 1(別記2)の(3)~(7)に係る原資料

上記1 (3)に関する資料;GCPに係る資料を提出する場合に限る

ただし、当該資料を溶出試験一変申請の際に添付する場合にあっては、当該資料を品質再評価適合性調査に関する資料と見なす。

なお、当該資料に関して別途求められるまで提出を要さない。

第3 その他留意事項について

品質再評価に係る適合性調査については、当該調査に係る原資料に関し、独立行政法人医薬品医療機器総合機構から提出が求められる。