添付一覧
○覚せい剤取締法の施行について
(昭和二六年七月二〇日)
(発薬第二九三号)
(各都道府県知事あて厚生事務次官通達)
覚せい剤取締法(以下「法」という。)は、去る六月三○日法律第二五二号として公布され、同法施行規則は七月二○日厚生省令第三○号として公布され、いずれも七月三○日から施行されるが、この法律は、覚せい剤の濫用による保健衛生上の危害を防止するため、その製造、輸入、譲渡、譲受、所持、使用等に関し必要な取締を行うことを目的として制定されたものであり、これが運用の適否は、直接国民保健に影響するところが大きいので、特に左記事項につき留意の上施行に遺憾なきを期するとともに、法律制定の趣旨の周知徹底につとめられたい。
記
一 覚せい剤製造業者の指定
(一) 覚せい剤製造業者の指定申請書の進達に当つては、規則第二条に定める申請書の外、製造しようとする覚せい剤の品目について薬事法第二六条第三項の規定による公定書外医薬品の製造許可申請書を提出せしめ、併せ進達すること。但し、既に製造許可を受けている注射剤については、あらためて許可申請せしめる必要はない。
(二) 指定申請書の受理に当つては、製造所の設備状況、従来の経歴その他覚せい剤製造業者としての適格性の有無について十分審査の上副申すること。
(三) 申請書は、正副二通とし、副本は都道府県の控とすること。
(四) 指定の有効期間は、指定の日から翌年の一二月三一日までであるが、薬事法による登録のように更新の制度が認められていないので、引続き指定を受けようとする者については、期間満了の年の一一月三○日までにあらためて指定申請書を提出するよう指導すること。
二 覚せい剤施用機関及び覚せい剤研究者の指定
(一) 覚せい剤施用機関の指定基準は、規則第一条第一号に定められているが、精神科、神経科の診療を行う病院、診療所は格別の理由のない限り指定することとし、外科、整形外科等の診療を行う病院、診療所については、実際に覚せい剤の必要が認められるもののみを指定すること。
(二) 覚せい剤研究者の指定に当つて、その研究目的、覚せい剤の使用方法等審査の結果指定を行うことの可否について疑義を生じたときは、必ず厚生省に連絡の上、その指示を受けること。
(三) 都道府県に、覚せい剤施用機関及び覚せい剤研究者の名簿を備え、指定番号、指定年月日等必要事項を記載して置くこと。
三 譲渡証及び譲受証
(一) 法第一八条に規定する譲渡証及び譲受証の様式及び交付手続については、規則第四条に定められているが、特に交付手続は必ず励行すること。但し、覚せい剤製造業者に対し、譲渡証の用紙を大量に交付する場合、記入すべき文字を都道府県においてあらかじめ作製したゴム印等でなつ印することは差し支えない。
(二) 譲渡証及び譲受証の作製に当つては、紙質、印刷等に留意し、偽造防止の措置をできるだけ講ずること。
(三) 譲渡証及び譲受証の受払については、必ず帳簿を備え明らかにすることとし、又これが取扱については盗難紛失防止に十分留意すること。
(四) 覚せい剤は劇薬に指定されているが、譲受証は薬事法第三七条第一項に規定する文書の要件をすべて具えているので、別に劇薬としての譲渡手続を必要としないこと。
四 覚せい剤の取扱
(一) 法第二二条に規定する覚せい剤の保管については、覚せい剤が劇薬であるので、薬事法第三九条第一項の規定により、他の物と区別して貯蔵するよう指導すること。
(二) 法第二四条第二項に規定する指定が効力を失つた場合の所持する覚せい剤の譲渡に当つては、円滑に譲渡が行われるよう極力都道府県において斡旋し、同条第三項に規定する処分の必要のないようにすること。
(三) 法第二五条の規定により再指定の申請をした場合特例が認められているのは単に所持のみについてであり、この間その覚せい剤の使用は許されないのであるから、指定の有効期間満了の際にはなるべく早く指定を申請させるとともに、その許否の処分もなるべく速やかに行い、診療及び研究に支障を生ぜしめぬよう配慮すること。
(四) 法第二六条の規定による違法の覚せい剤の処分については、行政上の没取も行い得る趣旨であること。
五 届出、報告及び帳簿記載等
(一) 法第九条第一項、第二項及び第三項に規定する届出は、別記第一号様式により提出するよう指導すること。
(二) 法第一一条第一項に規定するき損又は亡失による指定証の再交付申請及び同条第二項に規定する再交付を受けた後発見した旧指定証の返納は、別記第二号様式により行うよう指導するとともに、指定証の再交付に当つては、再交付する指定証の裏面に再交付年月日及び再交付の旨を記載すること。
(三) 法第一二条第一項、第二項及び第三項に規定する氏名等の変更届は、別記第三号様式によるよう指導すること。
(四) 法第二三条に規定する事故の届出は別記第四号様式によるよう指導すること。
(五) 法第二四条第一項及び第二項に規定する報告は、別記第五号様式によるよう指導すること。
六 法施行に伴う経過措置
(一) 法附則第三項の規定により譲渡を認められるものは、第二項の規定により報告を行つた者のみであるから、これが周知徹底につとめること。
(二) 法附則第二項に規定する報告は、別記第九号様式によるよう指導すること。
(三) 法附則第四項に規定する報告は、別記第一○号様式によるよう指導すること。
別記第一号様式の(イ)
別記第一号様式の(ロ)
別記第一号様式の(ハ)
別記第一号機式の(ニ)
別記第一号様式の(ホ)
別記第一号様式の(ヘ)
別記第一号様式の(ト)
別記第二号様式の(イ)
別記第二号様式の(ロ)
別記第三号様式の(イ)
別記第三号様式の(ロ)
別記第三号様式の(ハ)
別記第四号様式
別記第五号様式の(イ)
別記第五号様式の(ロ)
別記第九号様式
別記第一○号様式