添付一覧
○あへん法の施行について
(昭和二九年七月一二日)
(発薬第一八六号)
(各都道府県知事あて厚生事務次官通達)
あへん法は、本年四月二二日法律第七一号をもつて公布、五月一日から施行され、また、同法施行規則も、本年六月二三日厚生省令第二六号をもつて、公布即日施行されるにいたつた。
本法施行の適否は、国民の保健衛生に関係するところ大なるのみならず、国際的にも影響を及ぼすものであるから、法制定の趣旨を達成するため、左記事項に御留意の上、その適切な運用を期せられたい。
なお、この通知において、あへん法を「法」と略称する。
記
一 この法律は、医療、学術研究用に供するあへんの適正な供給を図るために、けしの栽培、あへんの生産、あへんの国による輸入、輸出、収納及び一手買収を骨子とするものであるが、麻薬取締法(昭和二八年法律第一四号)とは密接な関係があるから、法の運営、就中その解釈適用に関し、常にその関連性に留意すること。
二 この法律が規整する主要な物的対象は、あへん及びけしがらであるが、これらは、従来麻薬取締法の規整を受けていたものが、全国的にこの法律の規整を受けることとなつたものであること。
三 けしについては、パパヴエル・ソムニフエルム・エル、パパヴエル・セテイゲルム・デイージーの外に、厚生大臣がけし属の植物を指定し得ることになつているが、それに相当するものは、現在発見されていないので当分指定される見込はないこと。
四 あへんに加工を施したもののうち、「医療品として加工したもの」は、具体的にはあへん末、あへんチンキ、ドーヴル散等であるが、これらは、従来どおり、麻薬取締法別表第二四号の麻薬として同法の規整を受けるものであること。
五 附則第四項中「第一二条第一項の規定による許可を受けたもの」とは、甲種研究栽培者であること。
六 法第一二条第四項中「必要な調査」とは、申請者が、法第一三条(欠格事由)及び第一四条(許可の制限)の各号列記事項に該当するか否かを調査することをいい、「意見を附して」とは、調査の結果に基いて意見を附することであること。特に法第一四条第三号から第五号までの一に該当するか否かの決定は、都道府県知事の調査及び意見が重要な要素となるので、この点について慎重に取り扱われたいこと。
七 法第一四条第三号中「けしの栽培上又は取締上不適当と認める場所」とは、その土地の土質又は気候が、けしの栽培に適しないと考えられる場所、又はその土地の環境若しくは位置から判断して、けし栽培者が事故防止のために行う警備が十分に行い難く、従つて取締が困難な場所をいうものであること。
八 法第一四条第四号中「栽培面積が著しく狭い」とは、五畝未満をいうものであること。
九 けし栽培者が許可の要素である栽培地、栽培面積又はあへんの乾そう場、保管場を変更しようとするときは、同一都道府県の範囲内においては、あらたな許可を申請することなく、法第一八条第一項の規定により、許可の変更の申請をすればよいものであること。
なお、あへんの乾そう場及び保管場は、その建物が許可の要素となつているのであるから、その変更とは、その建物の位置、面積、構造等について変更をする場合をいうものであること。
一○ 国は、けし耕作者又は甲種研究栽培者が納付するあへんを収納するにあたり、便宜上、市町村ごとに納付の場所と期日とを定め、国の職員をして現地に赴かせ、収納の実務にあたらせるものであること。
一一 麻薬取締官又は麻薬取締員が法第四五条の規定により犯罪調査のため、あへん又はけしがらを譲り受ける場合は、麻薬の場合と同様、その取扱に注意せしめること。
一二 収納代金の一部支払、災害補償、売渡価格及び交付金に関する政令は、目下準備中であること。
