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○麻薬及び向精神薬取締法等の一部を改正する法律の施行について

(平成四年六月一六日)

(薬発第五四三号)

(各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知)

麻薬及び向精神薬取締法等の一部を改正する法律(平成三年法律第九三号)及び関係政省令の施行については、平成四年六月一六日厚生省発薬第一六三号厚生事務次官依命通達によるほか、細部に関しては左記によられたい。

なお、この通知において、改正後の麻薬及び向精神薬取締法(昭和二八年法律第一四号)を「法」と、改正後の麻薬及び向精神薬取締法施行令(昭和二八年政令第五七号)を「令」と、改正後の麻薬及び向精神薬取締法施行規則(昭和二八年厚生省令第一四号)を「規則」とそれぞれ略称する。

第一 麻薬及び向精神薬取締法関係

1 定義に関する事項

麻薬向精神薬原料の定義

規制対象物質の範囲を明確にし、かつ、麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約の付表物質の追加等に速やかに対応するため、法別表第四において八物質を掲げ、これらと同種の麻薬又は向精神薬の不正な製造に頻繁に使用される物質を政令において麻薬向精神薬原料に指定することとしたこと。

2 麻薬の取締りに関する事項

(1) 麻薬卸売業者間の譲渡・譲受

麻薬卸売業者は同一都道府県内にある他の麻薬卸売業者に麻薬を譲り渡すことができることとしたこと。

(2) 麻薬が記載された処方せんの記載事項

麻薬が記載された処方せんについては、改正前の麻薬及び向精神薬取締法において、患者の氏名及び住所等の事項を記載して、押印しなければならないとされていたが、記載事項の一部を規則で定めることとし、かつ、記名押印又は署名のいずれかで差し支えないこととしたこと。

また、いわゆる院内処方せんについては、記載事項の簡素化を図ったこと。

(3) 麻薬取扱者免許申請書等の様式中の氏名欄の記載

麻薬取扱者免許申請書、麻薬取扱者業務(研究)廃止届、麻薬取扱者免許証返納届、麻薬取扱者免許証記載事項変更届、麻薬取扱者免許証再交付申請書、麻薬輸入(輸出)許可申請書、麻薬製造(製剤、小分け)許可申請書、家庭麻薬製造許可申請書、麻薬譲渡許可申請書、麻薬廃棄許可申請書(国又は地方公共団体の開設する診療施設が申請する場合を除く。)、封かん証紙交付申請書の各様式中の申請者又は届出者の氏名及び押印は、法人の場合はその名称及び代表者の氏名並びに代表者の押印であること。

(4) 報告の徴収等

麻薬取締官等の報告徴収の対象として「その他の関係者」が追加され、また、立入検査の対象として「その他麻薬に関係ある場所」が追加されたこと。「その他の関係者」とは、具体的には、麻薬業務所の従業員であった者、麻薬の運送業者等をいい、「その他麻薬に関係ある場所」とは、麻薬営業者免許が失効した後の営業所、かつて麻薬施用者が診療に従事していた診療施設、かつて麻薬研究者が研究に従事していた研究施設、麻薬の運送業者の営業所等をいうものであること。

3 向精神薬の取締りに関する事項

(1) 特定地域及び特定向精神薬の追加

平成二年の麻薬取締法改正以降、向精神薬条約第一三条第一項の規定に基づき、イエメン他四か国から国連事務総長を通じて通告のあったものを、法第五〇条の一三の規定に基づく特定地域及び特定向精神薬として令別表にそれぞれ追加したものであること。

(2) 事故の届出

向精神薬取扱者が事故を届け出ようとする場合の届出書の経由を明確にしたこと。

(3) 向精神薬営業者免許申請書等の様式中の氏名欄の記載

向精神薬営業者免許申請書、向精神薬営業者業務廃止届、向精神薬営業者免許証返納届、向精神薬営業者免許証記載事項変更届、向精神薬営業者免許証再交付申請書、向精神薬試験研究施設設置者登録申請書、向精神薬試験研究施設設置者試験研究廃止届、向精神薬試験研究施設設置者登録証返納届、向精神薬試験研究施設設置者登録証記載事項変更届、向精神薬試験研究施設設置者登録証再交付申請書、向精神薬輸入(輸出)許可申請書、向精神薬輸出届出書、向精神薬取扱責任者設置(変更)届、薬局開設者等の別段の申出書の各様式中の申請者又は届出者の氏名及び押印は、法人の場合はその名称及び代表者の氏名並びに代表者の押印であること。

(4) 報告の徴収等

麻薬取締官等の報告徴収の対象として「その他の関係者」が追加され、また、立入検査の対象として「その他向精神薬に関係ある場所」が追加されたこと。「その他の関係者」とは、具体的には、向精神薬営業者の従業員であった者、向精神薬の運送業者等をいい、「その他向精神薬に関係ある場所」とは、向精神薬営業者免許が失効した後の営業所、向精神薬試験研究施設の登録が失効した後の試験研究施設、向精神薬の運送業者の営業所等をいうものであること。

4 麻薬向精神薬原料の届出等に関する事項

(1) 特定麻薬向精神薬原料

麻薬向精神薬原料のうち、製造業及び卸小売業の業務の届出を要するものとして、エルゴタミン及びその塩類、エルゴメトリン及びその塩類、リゼルギン酸及びその塩類を特定麻薬向精神薬原料に指定したこと。

(2) 業務の届出を必要とする施設

ア 麻薬等原料輸入業者、麻薬等原料輸出業者、特定麻薬等原料製造業者及び特定麻薬等原料卸小売業者が麻薬向精神薬原料(特定麻薬等原料製造業者及び特定麻薬等原料卸小売業者にあっては、特定麻薬向精神薬原料)に係る業務を行う施設が業務の届出を行うべき対象施設であり、同一法人の届出を行っていない他の施設において、麻薬向精神薬原料を全く取り扱わずに、届出を行った自社の施設のために請求伝票、領収書の発行、代金回収、支払い等の業務を行うことは差し支えないこと。

したがって、例えば麻薬向精神薬原料を輸出又は輸入する業者の場合、本社の貿易部門が実際に麻薬向精神薬原料を扱わずに海外と注文等の業務を行い、同一法人の他の施設(発送センター等)において麻薬向精神薬原料の搬入又は搬出の業務を行っている場合には、後者の施設について麻薬向精神薬原料輸出業者又は麻薬向精神薬原料輸入業者の届出を行うこととし、前者の貿易部門は届け出ることを要しないこと。

また、発送センター以外の分置された倉庫については、単なる倉庫としてとらえ、それ自体を独立の営業所として麻薬等原料卸小売業者としての業務を届け出ることを要しないこと。

イ 法第五〇条の二七において、「麻薬等原料営業所ごとに」とあるが、麻薬向精神薬原料に関する業務を行う施設が同一敷地内にある場合又は相互に関連を有し近接している場合には、同一の麻薬等原料営業所とみなしうること。

(3) 業務の届出

ア 業務の届出に際し、登記の謄本、営業所の平面図等に関する資料を添付する必要はないが、事故の届出や報告徴収等に対応するため、各麻薬等原料営業所で取り扱っている麻薬向精神薬原料の保管場所等、その管理状況に関する基本的な情報については当該営業所において常時把握しておくよう指導されたいこと。

イ 麻薬等原料営業者になろうとする者が、業務の届出を地区麻薬取締官事務所を経由して厚生大臣に提出する場合は、規則別記第三七号様式の業務届出書を正本一通、副本三通、都道府県知事に提出する場合は正本一通、副本一通とし、副本一通は届出時に地区麻薬取締官事務所又は都道府県薬務主管課で受理印を押印の上、届出者に返戻されたいこと。なお、この副本は、麻薬向精神薬原料についての立入検査の際に麻薬取締官等に提示する等の必要があるので、き損、亡失することのないよう指導されたいこと。

(4) 業務変更の届出

業務変更の届出を地区麻薬取締官事務所を経由して厚生大臣に提出する場合は、規則別記第三七号様式の業務届出書を正本一通、副本三通、都道府県知事に提出する場合は正本一通、副本一通とし、副本一通は届出時に地区麻薬取締官事務所又は都道府県薬務主管課で受理印を押印の上、届出者に返戻されたいこと。なお、この副本も、麻薬向精神薬原料についての立入検査の際に麻薬取締官等に提示する等の必要があるので、業務の届出とともに保管しておくよう指導されたいこと。

(5) 業務廃止の届出

ア 麻薬等原料営業者は、当該届出に係る麻薬等原料営業所における麻薬向精神薬原料に関する業務を廃止したときは、三〇日以内に届け出なければならないとされているが、このとき併せて業務届出書(届出時に受理印を押して返戻された副本)を返却するよう指導されたいこと。

なお、業務を休止している場合は、業務廃止届を提出する必要はないこと。

イ 当該麻薬等原料営業者が所有する麻薬向精神薬原料については、廃止時までに他の麻薬等原料営業者への譲渡又は廃棄が完了していることが望ましいが、もし、廃止時に所有していることが判明した場合は、速やかに譲渡又は廃棄処分するよう指導されたいこと。

ウ 麻薬等原料営業者が死亡又は解散したときは、その相続人等又は解散後の法人の代表者が三〇日以内に届け出なければならないとされているが、このとき併せて業務届出書(届出時に受理印を押して返戻された副本)を返納するよう指導されたいこと。

5 麻薬向精神薬原料の輸出入に関する事項

(1) 麻薬等原料輸入(輸出)業者による輸入(輸出)の届出

麻薬等原料輸入業者が特定麻薬向精神薬原料を輸入しようとする場合及び麻薬向精神薬原料輸出業者が特定麻薬向精神薬原料を輸出しようとする場合には、輸入(輸出)の都度、地区麻薬取締官事務所を経由して厚生大臣へ事前に届け出ることが必要であること。

この場合、厚生大臣に提出する規則別記第三九号様式の麻薬向精神薬原料輸入(輸出)届出書は正本一通、副本二通とし、副本一通は届出時に地区麻薬取締官事務所で受理印を押印の上、届出者に返戻されたいこと。なお、この副本は届出者が麻薬向精神薬原料を通関する際、関税法第七〇条の規定に基づき税関に提出する必要があること。

(2) 麻薬等原料輸入(輸出)業者以外の者による輸入(輸出)の届出

ア 麻薬等原料輸入業者以外の者の輸入とは、麻薬等原料輸入業者以外の麻薬等原料営業者による輸入、研究者が自己の研究目的で行う輸入又は個人による輸入をいうものであること。

ただし、麻薬等原料輸入業者以外の麻薬等原料営業者又は個人が、麻薬向精神薬原料をその後も反復継続して輸入しようとする場合には、麻薬等原料輸入業者としての業務の届出を行うよう指導されたいこと。

イ 麻薬等原料輸出業者以外の者の輸出とは、麻薬等原料輸出業者以外の麻薬等原料営業者による輸出、研究者が自己の研究目的で行う輸出又は個人による輸出をいうものであること。

ただし、麻薬等原料輸出業者以外の麻薬等原料営業者又は個人が、麻薬向精神薬原料をその後も反復継続して輸出しようとする場合には、麻薬等原料輸出業者としての業務の届出を行うよう指導されたいこと。

ウ 前記の者が麻薬向精神薬原料を規則第四五条の五に定める量を超えて輸入(輸出)しようとする場合には、地区麻薬取締官事務所を経由して厚生大臣に事前に届け出ることが必要であること。

この場合、厚生大臣に提出する規則別記第三九号様式の麻薬向精神薬原料輸入(輸出)届出書は正本一通、副本二通とし、副本一通は届出時に地区麻薬取締官事務所で受理印を押印の上、届出者に返戻されたいこと。なお、この副本は届出者が麻薬向精神薬原料を通関する際、関税法第七〇条の規定に基づき税関に提示する必要があること。

(3) 輸入(輸出)届の変更

輸入(輸出)の届出事項に変更があった場合は、変更後の輸入(輸出)について改めて厚生大臣に届出を行うよう指導されたいこと。

また、予定していた輸入(輸出)を事情により中止した場合は、その旨を輸入(輸出)の届出を行った地区麻薬取締官事務所を経由して厚生大臣に報告するよう指導されたいこと。いずれの場合も、変更・中止前の輸入(輸出)届出書(届出時に受理印を押して返戻された副本)を返納するよう併せて指導されたいこと。

6 事故等の届出に関する事項

(1) 事故の届出

法第五〇条の三三に規定する「盗取」とは盗難にあうこと、「所在不明」とは紛失、亡失等所在を見失うことをいい、「その他の事故」とは強奪された場合、脅取された場合、詐取された場合等が考えられること。なお、運搬車両の事故による流出、火災による焼失等物理的に存在を失った場合には、届出の必要はないが、その旨を記録しておくよう指導されたいこと。

(2) 届出を要する数量

規則第四五条の六に示す量以下であれば、事故の届出は必要ないとされているが、盗難、強奪、脅取及び詐欺であることが明らかな場合には、この数量以下であっても届け出るよう指導されたいこと。

(3) 届出書の記載

ア 規則別記第四〇号様式中「事故発生の状況」欄は、必要なら別紙とし、詳細に記載すること。

イ 同様式の届出者の氏名及び押印は、法人の場合にあっては、法人の名称並びに施設の長の職名、氏名及び押印で差し支えないこと。

(4) 届出を受理した場合の対応

事故の届出は、麻薬等原料営業者が業務の届出を行った機関に対して行うものであるが、事故の起きた倉庫の所在地が当該機関が管轄する地域以外の場所である場合は、倉庫の所在地を管轄する地区麻薬取締官事務所又は都道府県薬務主管課に事情調査を依頼する等、関係機関間において相互に連携を図り、対応に遺漏のないよう留意されたいこと。

7 疑わしい取引の届出に関する事項

(1) 届出の必要な場合

麻薬等原料営業者は、その取り扱う麻薬向精神薬原料が法で禁じられた麻薬又は向精神薬の不正な製造に関連する疑いがあるとして規則第四五条の七第一項各号に定められた場合(左記ア~エ)に該当するときは、速やかに届け出なければならないこと。なお、ア~エの各々について、以下に示す事例に該当するときは十分に注意されたいこと。

ア 注文者の氏名若しくは住所(法人にあっては、その名称若しくは所在地)又は事業内容が虚偽であると思料される場合

1) 事業経歴の情報が全くないか又はほとんどない顧客

2) 会社の住所、電話番号について曖昧な顧客

3) 偽りの又は疑わしい住所、電話番号、照会先を申し出る顧客

4) 私書箱あるいは発注者や顧客の住所以外の宛先への配送を求める顧客

5) 信用照会先を言わないか又は曖昧にする顧客

6) 信用勘定の開設や購入注文通知の提出を拒む顧客

イ 注文者の入手目的が、当該注文者の事業内容と一致しないと思料される場合

1) 購入目的について曖昧な顧客

2) 通常の産業活動からみて異例の量や組合せの麻薬向精神薬原料を購入しようとする顧客

3) 事業内容との結びつきが考えられないような使用目的で購入しようとする顧客

4) 質問に対する答が曖昧で事業の基本的知識に欠ける顧客

ウ 支払方法又は運搬方法等が通常の取引慣行に反すると思料される場合

1) 市場の実勢を極端に上回る有利な条件を提示したり、最終仕向地や注文内容について過度の秘密保持を要求する顧客

2) 現金払いで、大量の麻薬向精神薬原料を自ら持ち帰ろうとする顧客

3) 高額な取引であるにもかかわらず、銀行小切手、郵便為替での支払いを求める顧客

4) 通常でない輸送手段、経路を求めたり、通常でない輸送、表示、荷造を要求する顧客

エ その他麻薬等原料営業者が、その取り扱う麻薬向精神薬原料の輸入、輸出、製造、小分け又は譲渡しが、法第一二条第一項、第二〇条第一項又は第五〇条の一五第一項の規定により禁止される麻薬又は向精神薬の製造に関連すると思料する合理的な理由がある場合

顧客が麻薬や向精神薬の不正な製造に関連している疑いがあるとの情報に接した場合

(2) 届出書の記載

ア 規則別記第四一号様式中「麻薬又は向精神薬の不正な製造に関連する疑いがあると認められる理由」欄は、必要なら別紙とし、詳細に記載すること。

イ 同様式の届出者の氏名及び押印は、法人の場合にあっては、法人の名称並びに施設の長の職名、氏名及び押印で差し支えないこと。

(3) 届出を受理した場合の対応

ア 疑わしい取引の届出を受理した場合は、届出内容を見た上で届出を行った麻薬等原料営業者に対して速やかに事情確認を行い、その上で必要に応じてさらに報告徴収等を行われたいこと。

イ 迅速な対応が必要と思料される場合や注文者が海外の法人又は私人の場合には、前記の対応をとるとともに、厚生省麻薬課に、まず電話等で速やかに連絡されたいこと。

ウ 疑わしい取引の届出は、麻薬等原料営業者が業務の届出を行った機関に対して行うものであるが、注文者の所在地が当該機関が管轄する地域以外の場所である場合は、注文者の所在地を管轄する地区麻薬取締官事務所又は都道府県薬務主管課に事情調査を依頼する等、関係機関間において相互に連携を図り、対応の遺漏のないよう留意されたいこと。

8 業務の記録に関する事項

記録

ア 麻薬等原料輸入業者及び麻薬等原料輸出業者にあっては、その取り扱う麻薬向精神薬原料について記録が必要であり、特定麻薬等原料製造業者、特定麻薬等原料小売業者にあっては、その取り扱う特定麻薬向精神薬原料について記録が必要であること。

なお、同一法人の営業所間での麻薬向精神薬原料の譲渡、譲受については記録の必要はないこと。

イ 記録する麻薬向精神薬原料の品名とは販売名をいうが、原体の場合は一般的名称であっても差し支えないこと。

ウ 法第五〇条の三四の規定による記録は、同法に規定する事項が記載されたものであれば、帳簿、カード、伝票等のいずれでも差し支えないこと。

なお、記録を納入伝票の保管による場合は、麻薬向精神薬原料を記載した伝票のみを綴ることとし、他の伝票とともに綴らないこと。

9 適用除外に関する事項

適用除外対象麻薬向精神薬原料

ア 法第五〇条の三六の厚生省令で定める麻薬向精神薬原料(以下「適用除外原料」という。)については、麻薬や向精神薬の不正な製造に流用されるおそれがないものであることから、令第八条の四の規定に基づき法の麻薬向精神薬原料に関する規定の適用を全て除外するものであること。

イ 適用除外原料の指定については、麻薬向精神薬原料の含有量、麻薬向精神薬原料の回収の実現可能性等からみて、麻薬や向精神薬の不正な製造に流用されるおそれがないか否かを判断して行われたものであること。

10 麻薬等原料営業者業務届出書等の様式中の氏名欄の記載

麻薬等原料営業者業務届、麻薬等原料営業者業務廃止届、麻薬向精神薬原料輸入(輸出)届の各様式中の届出者の氏名及び押印は、法人の場合はその名称及び代表者の氏名並びに代表者の押印であること。

11 報告の徴収等

「その他の関係者」とは、具体的には、麻薬等原料営業所の従業員であった者、麻薬向精神薬原料の運送業者等をいい、「その他麻薬向精神薬原料に関係ある場所」とは、麻薬向精神薬原料に関する業務を廃止した後の営業所、麻薬向精神薬原料の運送業者の営業所等をいうものであること。

12 法第五〇条の三八の規定による当該職員の証等

法第五〇条の三八の規定による当該職員の証及び法第五八条の六の規定による当該職員の証の様式の一部を改めるとともに、法第五八条の六の規定による精神保健指定医の証の様式を新たに定めたこと。

なお、麻薬及び向精神薬取締法施行規則等の一部を改正する省令の附則第二項により、施行の際に改正前の様式により使用されている証票については改正後の様式とみなされるため、書替え等の必要はないこと。

第二 大麻取締法関係

1 大麻の定義

昭和二三年制定の大麻取締法では、種子は発芽不能のものを除き規制対象とされていたが、昭和二八年の第三次改正の際に「種子」を条文からすべて削除し、種子を規制の対象から除外してきた。しかし、その後も規制対象である「大麻草」に、種子も含まれるのではないかとの疑義が生じており、混乱を避けるため種子を除外する旨を明文化したものであること。一方、大麻取締法の罰則において資金等提供罪に「原材料」を加えたが、この場合は処罰対象を明確にする必要から、「原材料」に大麻草の種子が含まれることをかっこ書きで明示したものであること。

2 報告の徴収等

厚生大臣又は都道府県知事は、大麻の取締りのため特に必要があるときは、大麻取扱者その他の関係者から必要な報告を求めることができることとする等、規定の整備を行ったこと。

3 大麻取締法第二一条の規定による当該職員の証

大麻取締法第二一条の規定による当該職員の身分を示す証票の一部を改めたこと。

なお、大麻取締法施行規則の一部を改正する省令の附則第二項により、施行の際に改正前の様式により使用されている証票については改正後の様式とみなされるため、書替え等の必要はないこと。

第三 覚せい剤取締法関係

1 覚せい剤製造業者の定義

改正前の覚せい剤製造業者の定義では、「製剤」、「小分け」の規定が明文化されておらず、運用上、これらは「製造」の概念に包含されるものとされていたが、今回の法改正で明文をもって定義することとしたこと。

2 譲渡証、譲受証

これまで都道府県において発行していた譲渡証及び譲受証を今後は譲渡人、譲受人間で作成・交換することとし、その様式も一部改めたこと。

なお、譲渡証、譲受証の表面欄外余白に取引の相手方の氏名又は名称を記載し、裏面に法定の要保存期間(二年間)を記載して差し支えないこと。

3 帳簿

覚せい剤原料輸入業者又は覚せい剤原料輸出業者が保存すべき帳簿に記入すべき事項として、覚せい剤原料の輸入又は輸出の相手方の氏名又は名称及び住所を追加したこと。

4 報告徴収等

報告徴収の対象者として「その他の関係者」が、また、立入検査の対象として「その他覚せい剤に関係ある場所」が加えられたこと。

5 覚せい剤監視員身分証明書

覚せい剤監視員の身分を示す証票の様式を一部改めたこと。

なお、麻薬及び向精神薬取締法施行規則等の一部を改正する省令の附則第二項により、施行の際に改正前の様式により使用されている証票については改正後の様式とみなされるため、書替え等の必要はないこと。

6 疑わしい取引の届出

今般、麻薬向精神薬原料については疑わしい取引の届出制度が設けられたが、覚せい剤原料についても、指定業者以外の者から注文を受けたような場合には、その所在地を管轄する地区麻薬取締官事務所又は都道府県薬務主管課に情報提供を行うよう、覚せい剤原料輸入業者等を指導されたいこと。

第四 あへん法関係

1 報告の徴収等

麻薬取締官等の報告徴収の対象として、「その他の関係者」及び「その他あへん又はけしがらに関係ある場所」が加えられたこと。

2 あへん監視員身分証明書

あへん監視員の身分を示す証票の様式を一部改めたこと。

なお、麻薬及び向精神薬取締法施行規則等の一部を改正する省令の附則第二項により、施行の際に改正前の様式により使用されている証票については改正後の様式とみなされるため、書替え等の必要はないこと。

第五 国外犯の処罰に関する事項

従来の麻薬及び向精神薬取締法、大麻取締法、覚せい剤取締法及びあへん法の罰則においては、日本国内における行為についてのみ処罰が可能であったところ、今回の改正により、麻薬等の輸入、輸出、製造、譲渡し、譲受け、所持等の罪について刑法第二条の例によることとし、犯人の国籍及び犯罪地を問わず処罰できることとしたこと。

なお、国外犯を処罰するためには、構成要件上、国外で犯罪行為が行われた場合を含むように規定する必要があることから、従来の具体的な取締規定に違反した者に対して刑罰を科するという構成要件を「みだりに何々した者はこれこれの懲役に処する。」という規定の仕方に改めたこと。ここでいう「みだりに」とは社会通念上正当な理由があるとは認められないという意味であり、具体的には日本国内の行為であれば日本の法律に違反することをいい、国外犯との関係でいえば、我が国のみならず当該外国においても違法性を有し、処罰可能な行為であることを意味するものである。したがって、処罰の対象となる行為は従来と変わるものではないこと。

第六 その他

1 昭和三六年九月八日付け薬発第二〇八号「国立病院における麻薬の取扱いについて」の14を削ること。

2 昭和三七年一月九日薬発第四号「スパ注射液等スパ製剤の販売状況及び中毒事例の調査について」を廃止すること。

3 昭和四七年七月一九日薬発第六八二号「覚せい剤取締法及び覚せい剤取締法施行規則等に基づく関係文書の提出について」の2の(2)を削ること。