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○毒劇物及び向精神薬等の医薬品の適正な保管管理及び販売等の徹底について
(平成一一年一月一三日)
(医薬発第三四号)
(各都道府県知事・各政令市市長・各特別区区長あて厚生省医薬安全局長通知)
毒物及び劇物(以下「毒劇物」という。)並びに向精神薬等の医薬品の監視取締りについては、かねてより種々ご配慮を煩わせているところである。
毒劇物の適正な保管管理及び販売については、平成一〇年七月二八日付けの当職通知によりその徹底を図っていただいているところであるが、今般、シアン化合物を北海道下からの配送により無許可で譲渡したと見られる事件や、東京都下においてクロロホルムを使用したと見られる事件が相次いで発生するなど、毒劇物の適正な保管管理及び販売の徹底には一層の万全を期すことが求められている。
また、神奈川県下においては向精神薬及び劇薬を使用したと見られる事件が発生したところであり、これら保健衛生上特段の注意を要する向精神薬、毒薬及び劇薬(以下「毒劇薬」という。)及び要指示医薬品についても、その適正な保管管理及び販売の徹底に万全を期すことが求められている。
こうした点にかんがみ、貴職におかれては、左記のとおり、貴管下業者等に対する指導等をよろしくお願いいたしたい。
記
一 毒物劇物営業者、特定毒物研究者及び業務上取扱者に対して、毒物及び劇物取締法(以下「毒劇法」という。)第一一条に基づき、毒劇物が適正に保管管理されているか早急に点検するよう改めて指導すること。
二 毒物劇物営業者に対して、毒劇物の譲渡に当たっては、毒劇法第一四条に定められた手続を遵守するとともに、身分証明書等により譲受人の身元(法人にあっては当該法人の事業)について十分確認を行った上で、さらに、毒劇物の使用目的及び使用量が適切なものであるかについて十分確認を行うよう指導すること。
その上で、譲受人等の言動その他から使用目的に不審がある者、使用目的があいまいな者等安全な取扱いに不安があると認められる者には交付しないようにするとともに、この種の譲受人等に係る不審な動向については速やかに警察に通報するよう指導すること。
また、毒劇物販売業者に対して、家庭用劇物以外の毒劇物の一般消費者への販売を自粛するよう引き続き指導すること。
三 向精神薬取扱者に対して、麻薬及び向精神薬取締法(以下「麻向法」という。)第五〇条の二一に基づき、向精神薬が適正に保管管理されているか早急に点検するよう指導すること。
四 向精神薬小売業者に対して、向精神薬の譲渡に当たっては、麻向法第五〇条の一七の規定を遵守するよう指導するとともに、薬剤師法第二四条に基づき、処方せん中に疑義があるときには、当該処方せんを交付した医師等に問い合わせて疑義を確認した後に調剤を行うよう指導すること。
五 薬局及び医薬品販売業者に対して、薬事法第四八条に基づき、毒劇薬が適正に保管管理されているか早急に点検するよう指導すること。
六 薬局及び医薬品販売業者に対して、毒劇薬の販売等に当たっては、薬事法第四六条に定められた手続を遵守するとともに、身分証明書等により譲受人の身元(法人にあっては当該法人の事業)について十分確認を行うこと。
その上で、譲受人等の言動その他から使用目的に不審がある者、使用目的があいまいな者等安全な取扱いに不安があると認められる者には交付しないようにするとともに、この種の譲受人等に係る不審な動向については速やかに警察に通報するよう指導すること。
七 薬局及び医薬品販売業者に対して、要指示医薬品が盗難にあい、又は紛失することを防ぐのに必要な措置を講じるよう指導すること。
八 薬局及び医薬品販売業者に対して、要指示医薬品の販売等に当たっては、薬事法第四九条第一項の規定を遵守するよう指導するとともに、薬剤師法第二四条に基づき、処方せん中に疑義があるときには、当該処方せんを交付した医師等に問い合わせて疑義を確認した後に調剤を行うよう指導すること。
また、指示による要指示医薬品の販売等に当たっては、同条第二項及び第三項に定められた手続を遵守するとともに、身分証明書等により譲受人の身元(法人にあっては当該法人の事業)について十分確認を行い、その上で、譲受人等の言動その他から使用目的に不審がある者、使用目的があいまいな者等安全な取扱いに不安があると認められる者には交付しないようにするとともに、この種の譲受人等に係る不審な動向については速やかに警察に通報するよう指導すること。
九 近時、インターネット等を活用して医薬品や毒劇物の広告を行っている事例が見受けられるが、虚偽・誇大な医薬品の広告や承認前医薬品の広告に該当するか否かという観点に加え、無許可・無登録販売を前提とした広告ではないかという観点からも、こうした広告に対する十分な監視を行い、薬事法又は毒劇法に違反する事実が確認された場合には、販売の中止を指導するとともに、必要に応じて厳正な対応を行うこと。