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○毒物及び劇物の運搬容器に関する基準の運用指針について

(平成四年九月一一日)

(薬安第一〇二号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省薬務局安全課長通知)

標記基準については、平成四年九月一一日薬発第八三六号をもって毒物劇物の運搬容器に関する基準―その4(フレキシブルコンテナの基準)を通知したところであるが、本基準の運用、解釈等につき別添のとおり運用指針を定めたので、左記の点に留意の上、貴管下関係業者の指導の参考とされたい。

1 本運用指針は、毒物及び劇物の運搬容器に関する基準―その4(以下「基準」という。)の内容が、毒物及び劇物取締法第一六条第一項の規定による技術上の基準として政令に定められる日までの間の指導のための指針として扱われるものであること。

2 運搬容器の種類によっては、再使用されることがあるが、その際には再使用前に容器の洗浄、損傷等の有無の確認を行い、運搬の安全を損なわないよう十分な注意を払う必要があること。また、一回限りの使用を前提に設計された容器は、再使用してはならないこと。

別添

毒物及び劇物の運搬容器に関する基準―その4

(中型運搬容器の基準)の運用指針

第1 用語定義

毒物及び劇物の運搬容器に関する基準―その4(以下「基準」という。)で用いられている用語の定義は、次のとおりとする。

1 中型運搬容器

(1) 次の容量を有するものであること。

① 包装等級Ⅱ及びⅢの固体並びに液体の毒物又は劇物については、3.0m3(3,000リットル)以下

② 包装等級Ⅰの固体の毒物又は劇物を硬質プラスチック及び複合の中型運搬容器に収納する場合には、1.5m3以下

③ 包装等級Ⅰの固体の毒物又は劇物を金属製の中型運搬容器に収納する場合には、3.0m3以下

(2) 機械により荷役される構造を有すること。

(3) 取扱い又は運送時に生じる試験に定める応力に耐える容器であること。

2 金属製中型運搬容器

(1) 金属製中型運搬容器とは、金属製の本体並びに所用の附属装置及び構造部材から構成される。

(2) 本体とは、収納するための固有の部分(開口部とその閉鎖装置を含む。)をいう。

(3) 附属装置とは、充てん装置、排出装置、逃気装置、安全装置、加熱装置、断熱装置及び計測装置をいう。

(4) 構造部材とは、本体の補強部材、固縛部材、荷役部材、保護部材及び安定部材をいう。

(5) 最大許容総質量とは、本体、附属装置及び構造部材の質量並びに最大許容荷重の合計をいう。

3 フレキシブル中型運搬容器

(1) フレキシブル中型運搬容器とは、柔軟な材料のシート、織布、その他の材料又はその組合せにより構成された本体(コーティング又はライナーがある場合はこれを含む。)、附属装置及び荷役部材から構成される。

(2) 本体とは、収納するための固有の部分(開口部とその閉鎖装置を含む。)をいう。

(3) 附属装置とは、充てん装置、排出装置、通気装置及び安全装置をいう。

(4) 荷役部材とは、本体に取り付けられた若しくは本体の延長から形成される吊り具、輪、孔又は枠をいう。

(5) 最大収納重量とは、本体に収納できる毒物又は劇物の最大重量をいう。

(6) ライナーとは、本体に挿入された筒又は内袋(ライナー固有の開口部とその閉鎖装置を含む。)をいい、フレキシブル中型運搬容器の主要部分を構成するものではない。

4 硬質プラスチック製中型運搬容器

(1) 硬質プラスチック製中型運搬容器とは、硬質プラスチック製の本体並びに所用の附属装置及び構造部材から構成される容器をいう。

(2) 本体とは、収納するための固有の部分(開口部とその閉鎖装置を含む。)をいう。

(3) 附属装置とは、充てん装置、排出装置、通気装置及び安全装置をいう。

(4) 構造部材とは、本体の補強部材、固縛部材、荷役部材、保護部材及び安定部材をいう。

(5) 最大許容総質量とは、本体、附属装置及び構造部材の質量並びに最大許容荷重の合計をいう。

5 複合中型運搬容器

(1) 複合中型運搬容器とは、外装が、附属装置及び構造部材並びにプラスチック製内容器を内部に囲む構造のものであって、いったん組み立てられた容器は、単一の容器として充てん、貯蔵、運送又は排出できるものをいう。

(2) 附属装置とは、充てん装置、排出装置、安全装置及び計測装置をいう。

(3) 構造部材とは、本体の補強部材、固縛部材、荷役部材、保護部材、安定部剤及び底部パレットをいう。

(4) 最大許容総質量とは、本体、附属装置及び構造部材の質量並びに最大許容荷重の合計をいう。

(5) 複合中型運搬容器において内容器に関するプラスチックとは、ゴム等のポリマー素材を含む。

6 ファイバ板製中型運搬容器

(1) ファイバ板製中型運搬容器とは、ファイバ板製の本体並びに本体に附属する取外し式の頂板及び底板(これらがないものを含む。)、必要に応じて挿入されたライナー(内装容器ではない。)、所用の附属装置及び構造部材から構成される。

(2) 本体とは、収納するための固有の部分(開口部とその閉鎖装置を含む。)をいう。

(3) ライナーとは、本体に挿入された筒又は内袋(ライナー固有の開口部とその閉鎖装置を含む。)をいい、ファイバ板製中型運搬容器の主要部分を構成するものではない。

(4) 附属装置とは、充てん装置及び排出装置をいう。

(5) 構造部材とは、本体の補強部材、固縛部材、操作部材、保護部材及び安定化部材をいう。

(6) 最大許容総質量とは、本体、附属装置及び構造部材の質量並びに最大許容荷重の合計をいう。

7 木製中型運搬容器

(1) 木製中型運搬容器とは、ライナー(内装容器ではない。)付きの定形又は折たたみ式の木製本体並びに所用の附属装置及び構造部材から構成される。

(2) 本体とは、収納するための固有の部分(開口部とその閉鎖装置を含む。)をいう。

(3) ライナーとは、本体に挿入された筒又は内袋(ライナー固有の開口部とその閉鎖装置を含む。)をいい、木製中型運搬容器の主要部分を構成するものではない。

(4) 附属装置とは、充てん装置及び排出装置をいう。

(5) 構造部材とは、本体の補強部材、固縛部材、荷役部材、保護部材及び安定部材をいう。

(6) 最大許容総質量とは、本体、附属装置及び構造部材の質量並びに最大許容荷重の合計をいう。

第2 運搬容器

1 基準に適合しない容器について

容器は基準「1 容器の一般規定」の規定に適合した容器を使用しなければならないが、基準以外の容器を使用する場合には、基準で認められている範囲の容器と運搬の安全上同等と認められるものでなければならない。この場合、当該容器につき、使用前に厚生省の確認(以下「安全性確認」という。)を受けた上でなければ同等以上と認められないこと。

2 安全性確認の手続について

安全性の確認を受けようとする者は、原則として、安全性確認を受けようとする容器について、次の項目に関する資料を添えて厚生省薬務局安全課宛申し出ること。

(提出資料)

(1) 容器の製造業者の名称、試験年月日及び試験場所

(2) 容器の形状、寸法、板厚及び内容積に関する資料

(3) 容器の使用材質並びに添加剤の種類及び含量に関する資料

(4) 基準の「5 容器試験等」に従った試験結果及び試験条件に関する資料

第3 容器の表示

基準では、容器が容器試験に合格していることを示すため、容器に表示することとされているが、この場合の表示は次によること。

(1) 容器の種類を示す記号

別紙1を参照

(2) 包装等級を示す文字

X:包装等級Ⅰ、Ⅱ及びⅢ(固体に使用する容器に限る。)

Y:包装等級Ⅱ及びⅢ

Z:包装等級Ⅲのみ

(3) 容器の製造年月

西暦年の下2桁、月2桁

(4) 国名記号 J

(5) 容器製造業者名称等

(6) 積み重ね試験に合格した容器にあっては、積み重ね試験値

(7) 最大許容総質量又はフレキシブル容器にあっては、最大収納重量

(8) その他

[表示例]

(重力により排出される固体物質用金属容器の例)

11A/Y/02 89/J/Mulder/5500/1500

鋼製/容器等級/製造年月1989年2月/国名記号/製造業者の名称(Mulder)/積み重ね荷重(kg)/最大許容総質量(kg)

第4 保護具

基準の「4 運搬方法」では、気体若しくは液体の毒物又は劇物を車両を使用して1回につき、5,000キログラム以上運搬する場合には、その車両に、事故の際に応急措置を講ずるために必要な保護具を二人分以上備える必要があることとされているが、その場合の保護具については、毒物及び劇物取締法施行規則(昭和26年1月厚生省令第4号)の別表5、昭和63年6月15日薬発第511号薬務局長通知「毒物及び劇物の運搬容器に関する基準について」の別添3並びに昭和52年2月14日薬発第163号、昭和56年3月31日薬発第332号、昭和60年4月5日薬発第375号、昭和62年9月12日薬発第784号、平成3年3月6日薬発第257号、平成4年12月7日薬発第1090号及び平成6年3月14日薬発第230号薬務局長通知「毒物及び劇物の運搬事故時における応急措置に関する基準」の品目の「措置」の欄の「保護具」等を参考とし、当該車両に装備されたいこと。

第5 容器の試験等

1 同一設計仕様の範囲

容器の試験(以下「試験」という。)は、同一設計仕様の単位で行うことと規定されているが、物理的性質が同等の物質を収納する場合で、かつ、次のいずれかに該当する場合は、同一設計仕様の容器として取扱うこととする。

(1) 試験を実施した容器と構造(使用材料及びその厚さを含む。)が同一であり、かつ、寸法が小さくなったもの。

(2) 試験を実施した容器と構造(使用材料及びその厚さを含む。)が同一であり、注入口又は排出口の寸法のみ異なるもの。

ただし、注入口又は排出口の寸法を変更することによりその口径が本体とほぼ同じとなる場合は、同一構造とは扱わない。

(3) 試験を実施した容器と構造(使用材料及びその厚さを含む。)が同一であり、吊りベルト及び吊りロープの本数を増やしたもの。

2 添加剤等の使用

使用材料に添加剤(紫外線吸収剤、顔料等)を使用する場合、添加剤の種類、添加量の変更が材料の物理的性質に悪影響を与えない限り仕様の変更とはしない。

3 試験に使用する内容物

試験に使用する内容物は、試験結果に影響しない限り収納する毒物又は劇物以外の物質を使用することができる。

ただし、代替物質は、収納する毒物又は劇物と同一の物理的性質(粒形等)を有するものであること。また、試験荷重を確保するための鋼球等を使用することは差し支えないが、試験結果に影響しないように配置等を留意すること。

4 試験の実施者及び頻度

(1) 試験の実施者は基準では規定されていないが、試験の内容から容器の製造者が実施することとなるのが一般的である。

(2) 試験の頻度について基準では規定していないが、同一設計仕様の単位ごとの製造個数が1年以内に5万個達する場合は概ね5万個ごとに、また、1年以内に概ね5万個に達しない場合は1年ごとに製造された容器を抽出して実施すること。

5 試験記録

容器使用者は、試験に関し、次に掲げる事項を書面に記載し(試験実施者が容器使用者以外の場合は、試験実施者が作成した試験報告書の写しとする。)、その書面を試験実施日から5年間保存しなければならないこと。

(1) 容器の製造者の名称、試験年月日及び試験場所

(2) 容器の名称、型式及び内容積

(3) 容器の使用材質並びに添加剤の種類及び含量

(4) 試験条件(一般的試験条件の他、内袋の有無及びその材質等も記載する必要がある。)

(5) 試験結果

(6) 最大許容総質量(フレキシブル容器にあっては最大収納重量)及び積み重ね個数

6 輸入に係る毒物又は劇物の収納容器

輸入に係る毒物又は劇物の収納容器であって、基準が要求している容器の性能試験と同等の国連の「危険物輸送における勧告(RECOMMENDATIONS ON THE TRANSPORT OF DANGEROUS GOODS」に基づいた試験に適合した容器と同一設計仕様であることを表す下記の表示がされている容器、又は輸入先国の所管官庁若しくは輸入先国の輸出業者が、同勧告に基づいた試験に適合している容器と同一設計仕様である旨の証明がなされている容器にあっては、前5項の規定は適用しない。

(国連勧告の表示規定)

次の順序で表示されている。

(1) 下記のUNマーク

(2) 容器の種類を示す記号

別紙1を参照

(3) 包装等級を示す文字

X:包装等級Ⅰ、Ⅱ及びⅢ(固体に使用する容器に限る。)

Y:包装等級Ⅱ及びⅢ

Z:包装等級Ⅲのみ

(4) 容器の製造年月

西暦年の下2桁、月2桁

(5) 表示を認めた国名(国際自動車登録識別記号を用いる。)

(6) 容器製造業者名称又は略号及びその他主管庁により定められた識別上の表示

(7) 積み重ね試験に合格した容器にあっては、積み重ね試験値

(8) 最大許容総質量又はフレキシブル容器にあっては、最大収納重量

(9) その他

[表示例]

(重力により排出される固体物質用金属容器の例)

UNマーク 11A/Y/02 89/NL/Mulder007/5500/1500

鋼製/容器等級/製造年月1989年2月/承認国オランダ/製造業者の名称(Mulder)/主管庁が承認した設計型式一連番号007/積み重ね荷重(kg)/最大許容総質量(kg)

7 硬質プラスチック製中型運搬容器及び複合中型運搬容器の試験準備

液体の毒物又は劇物を収納する硬質プラスチック製中型運搬容器及び複合中型運搬容器(以下「プラスチック製容器」という。)は、試験を行う前に毒物又は劇物を収納した状態で6箇月間保管したもの又はこれと同等以上の方法で準備したものでなければ、試験容器として供してはならないことになっている。

ここでいう「同等以上と認められる方法」とは、例えば、収納する毒物又は劇物を6箇月間収納したのちにおいて、収納する毒物若しくは劇物がプラスチック製容器に与える影響と同等以上の影響を生じることが客観的に判断できる収納する毒物若しくは劇物に代わる標準物質で試験を行う方法、又は一定の収納条件(温度等による苛酷条件)により6箇月未満の収納で、6箇月間収納した後において収納する毒物若しくは劇物がプラスチック製容器へ与える影響と同等以上の影響を生じることが客観的に判断される方法等をいう。

なお、ポリエチレン樹脂を用いたプラスチック製容器にあっては、収納する毒物又は劇物が容器に与える影響を次表に掲げる3つの作用に類型化し、それぞれ試験片による同表の確認試験において、それぞれの作用ごとに掲げられている標準物質が及ぼす影響が、収納する毒物又は劇物が及ぼす影響と比較して同等以上であることが確認される場合には、標準物質を6箇月収納したのちに試験が実施されることとして差し支えない。

作用

標準物質

確認試験

膨潤作用

灯油(JISK2203 1号)

質量変化試験

酸化作用

硝酸(70%)

衝撃試験

環境応力割れ作用

酢酸(99%)

環境応力割れ(ESC)試験

注)上記に関する確認試験の具体的実施方法は、別紙2の「ポリエチレン容器の性能試験実施要領」によることとすること。

8 落下試験の適合基準について

試験を実施したすべての容器について、次に掲げる内容により基準に適合しているか否かの判定を行うこと。

(1) 容器からの漏えい(内容器からの漏えいを含む。)がないこと。ただし、落下衝撃時に口栓部等からわずかな漏えいがあっても、その後漏えいがない場合は、これを漏えいとはみなさないこととして取扱って差し支えないものであること。

(2) 液体の毒物又は劇物を収納する容器にあっては、試験後、内圧と外圧が平衡に達した後、漏えいがないことが確認されるものであること。

(3) 内容物の漏えいについての判定には、適合するものであっても、落下の衝撃により、運搬中の安全性に影響を与えるおそれがあるようなき裂、変形等の損傷がないことが確認されるものであること。

9 気密試験の適合基準について

(1) 試験を実施したすべての容器について、次の方法で容器から空気の漏えい(内容器からの漏えいを含む。)の有無を確認し、基準に適合しているか否かの判定を行うこと。

(2) 漏えいがないことを確認する方法としては、次の方法があること。

イ 容器を水中に沈める方法

ロ 容器の表面に石鹸水を塗布する方法

ハ これらと同等以上の有効な方法

10 水圧試験の適合基準について

試験を実施したすべての容器について、容器からの水の漏えい(内容器からの漏えいを含む。)の有無を確認し、基準に適合しているか否かの判定を行うこと。

11 積み重ね試験の適合基準について

試験を実施したすべての容器について、次に掲げる内容により基準に適合しているか否かの判定を行うこと。

(1) 容器から内容物の漏えい(内容器からの漏えいを含む。)がなく、かつ、運搬の安全を損なうおそれのある変形がないこと。

(2) 運搬の安全を損なうおそれのある変形とは、毒物又は劇物を収納した2個の同型の容器を試験容器の上部に積み重ねたとき、その状態を1時間保つことができない変形をいうものであること。

第6 容器の再使用等

1 容器には、繰り返し使用することを前提に設計されたものと一回限りの使用を前提に設計されたものとがある。

繰り返し使用することを前提に設計された容器は、未使用時基準に適合していることが確認されているものであり、かつ、繰り返し使用する毎に運搬の安全を損なうおそれがあると思われる腐食若しくは損傷又は残留物等による容器の汚染がないことを確認した上でなければ容器として供してはならないこと。また、繰り返し使用時に適切に洗浄されていない容器には、使用毎に成分の異なった毒物又は劇物を充填してはならないこと。一方、一回限りの使用を前提に設計された容器は、再使用してはならないこと。

2 「1」において、繰り返し使用する毎に運搬の安全を損なうおそれがあると思われる腐食若しくは損傷が確認された場合は、修理をした後でなければ容器として使用できないが、この場合修理をした容器は再試験により基準に適合していることの確認が必要であること。

別紙1

容器の種類を示す記号

1 記号の構成

容器の種類を示す記号は、アラビア数字とアルファベットにより3桁~5桁で表される。

(複合容器以外の容器)

1~2桁目:アラビア数字(容器のタイプを示す。)

3桁目:アルファベット(容器の材質を示す。)

4桁目:アラビア数字(細分類を示し、表示されない場合がある。)

(複合容器の場合)

1~2桁目:アラビア数字(容器のタイプを示す。)

3~4桁目:アルファベット(最初のアルファベットは内容器の、2番目のアルファベットは外装容器の材質を示す。)

5桁目:アラビア数字(細分類を示し、表示されない場合がある。)

2 容器のタイプを示すアラビア数字

タイプ

固体

液体

重力によって排出されるもの

10XPaを超える圧力で排出されるもの

硬質

11

21

31

半硬質

12

22

32

フレキシブル

13

3 容器の材質を示すアルファベット

A:鋼(全ての種類及び表面処理されたものを含む。)

B:アルミニウム

C:天然木材

D:合板

F:再生木材

G:ファイバ板

H:プラスチック材

L:織布

M:紙(多層のもの)

N:金属(鋼又はアルミニウム以外のもの)

4 記号の例

11A:鋼で作られた金属容器(重力によって排出されるもの。)

21B:アルミニウムで作られた金属容器(10KPaを超える圧力で排出されるもの)

31A:鋼で作られた金属容器(液体用のもの)

21HZ1:プラスチック内容器付複合容器(重力によって排出されるもの。)(硬質プラスチック製内容器付きのもの。)

別紙2

ポリエチレン容器の性能試験実施要領

本試験は、液体の毒物又は劇物を収納する複合容器(ポリエチレン内容器付きのもの)及び硬質プラスチック製容器について、収納する毒物又は劇物を当該容器に充填した状態で6箇月間保管した上で、基準「5 容器の試験等」のそれぞれに規定される試験(以下「試験」という。)の試供容器に供することの代替法として適用する。

Ⅰ ポリエチレン容器試験における試供容器の準備に関する代替法

Ⅲの「ポリエチレンに対する影響判定試験」により、ポリエチレン試験片が質量変化試験適合品、衝撃試験適合品及びESC試験適合品と判定された場合であって、かつ、容器をⅡに規定する条件で存置したとき、収納する毒物又は劇物を充填した状態で6箇月間保管した状態と同等とみなし、試験の試供容器として差し支えないこと。

Ⅱ 代替法の条件

下記の物質を収納する毒物又は劇物に代替する標準物質とし、各々の標準物質ごとに試験に必要な数の試供容器に標準物質98%以上充填して、常温で6箇月間又はこれと同等以上の影響を生ずると判断される方法で存置する。

毒物又は劇物に代替する標準物質

(1) 灯油:「JIS K 2203 燈油 1号」適合品

(2) 70%硝酸:「JIS K 1308 硝酸(98%硝酸)」適合品を水で希釈したもの

(3) 酢酸:「JIS K 1351 酢酸(99%工業用氷酢酸)適合品

Ⅲ ポリエチレンに対する影響判定試験

1 膨潤作用判定試験(質量変化試験)

(1) 標準物質

灯油:「JIS K 2203 燈油 1号」適合品

(2) 試験片の作成

① 試験片の材質は、運搬に供するポリエチレン容器と同質とすること。

② 試験片の形状は、長さ80mm×巾10mm×厚さ3mmのたんざく状とすること。

③ 作成方法は、圧縮成形により作成した板を機械加工により所定の形状とすること。

(3) 試験の手順

① 試験片の浸漬

試験片を次のいずれかの条件で標準物質及び収納予定毒物又は劇物中に完全に浸漬させる。

イ 温度23±2℃ 期間180日

ロ 温度40±2℃ 期間30日

② 試験片の取り出し

試験片を一定の間隔(最大10日とする。)で、各回5個をそれぞれの浸漬液中から取り出す。

③ 質量変化率の算出

「JIS K 7114(プラスチックの耐薬品性試験方法)」に準拠して試験片の質量を測定し、質量変化率(5個の平均)を算出する。

注)質量の変化が認められないことが確認された時点で以後の測定を省略し、その時の質量変化率を最終の変化率とすること。

(4) 判定基準

毒物又は劇物中に浸漬した試験片の質量変化率が、標準物質(灯油)中に浸漬した試験片の質量変化率以下である場合、そのポリエチレン試験片は、「質量変化試験適合品」と判定する。

2 酸化作用判定試験(衝撃試験)

(1) 標準物質

70%硝酸:「JIS K 1308 硝酸(98%硝酸)」適合品を水で70%に希釈したもの

(2) 試験片の作成

① 試験片の材質は、運搬に供するポリエチレン容器と同質とすること。

② 試験片の形状は、「JIS K 7110 硬質プラスチックのアイゾット衝撃試験法」に規定する1号試験片(B切欠きのもの)で、長さ80mm×巾3mm×厚さ10mmのたんざく状とすること。

③ 試験片の個数は、10個(標準物質及び収納予定毒物又は劇物用各5個)とすること。

(3) 試験の手順

① 試験片の浸漬

試験片を次のいずれかの条件で標準物質及び収納予定毒物又は劇物中に完全に浸漬させる。

イ 温度23±2℃ 期間180日

ロ 温度40±2℃ 期間45日

② アイゾット衝撃値の測定

浸漬終了後、試験片を切り出し「JIS K 7100 硬質プラスチックのアイゾット衝撃試験法」に準拠して、アイゾット値を測定する。ただし、衝撃はエッジワイズ衝撃とし、測定値は5個の平均値とする。

(4) 判定基準

毒物又は劇物中に浸漬した試験片のアイゾット衝撃値が、標準物質(70%硝酸)中に浸漬した試験片のアイゾット衝撃値以上である場合、そのポリエチレン試験片は「衝撃試験適合品」と判定する。

3 環境応力割れ作用(ESC)判定試験

(1) 標準物質

酢酸:「JIS K 1351 酢酸(99%工業用氷酢酸)適合品

(2) 試験片の作成

① 試験片の材質は、運搬に供するポリエチレン容器と同質とすること。

② 試験片の形状は、長さ38mm×巾13mm×厚さ3mmのたんざく状とすること。

③ 試験片の個数は、20個(標準物質及び収納予定毒物又は劇物用各10個)とすること。

(3) 試験の手順

標準物質及び収納予定毒物又は劇物を用い「JIS Z 1703 ポリエチレンびん」の6.4ストレスクラッキング試験に準拠し、試験片10個のうち5個に亀裂が生じるまでの時間を測定する。ただし、試験温度は次のいずれかとする。

イ 温度23±2℃

ロ 温度40±2℃

(4) 判定基準

毒物又は劇物中に浸漬した試験片の5個に亀裂が生じる時間が、標準物質(酢酸)中に浸漬した試験片の5個に亀裂が生じる時間以上である場合、そのポリエチレン試験片は「ESC試験適合品」と判定する。