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○毒物及び劇物取締法の一部を改正する法律の施行について

(昭和四〇年一月二〇日)

(発薬第八号)

(各都道府県知事あて厚生事務次官通達)

第四六回国会において成立した毒物及び劇物取締法の一部を改正する法律(昭和三九年法律第一六五号)は、昭和四○年一月九日から関係政省令(毒物及び劇物指定令(昭和四○年政令第二号)、毒物及び劇物取締法施行令の一部を改正する政令(昭和四○年政令第三号)、毒物及び劇物取締法施行規則の一部を改正する省令(昭和四○年厚生省令第一号)とともに施行されたので、左記の改正要旨に留意のうえ、同法の施行に遺憾のないよう配慮されたく命によつて通知する。

第一 毒物劇物営業者等に関する改正

一 毒物又は劇物の販売業の登録を一般販売業の登録、農業用品目販売業の登録及び指定品目販売業の登録の三種類に分け、販売目を登録事項から除くとともに、登録の種類に応じて販売し得る毒物又は劇物の範囲が、それぞれ全品目、農業用品目、特定品目とされたこと。

なお、農業用品目、特定品目はそれぞれ厚生省令で定めることとされたこと。

二 改正前の毒物及び劇物取締法(以下「旧法」という。)による毒物又は劇物の販売業の登録を受けている者は、毒物及び劇物取締法の一部を改正する法律(以下「一部改正法」という。)附則第二項の規定により、同項の表に定める区分に従い、それぞれ改正後の毒物及び劇物取締法(以下「法」という。)による毒物又は劇物の販売業の登録を受けた者とみなすこととされるので、改めて登録を受ける必要はないこと。

三 毒物劇物営業の登録基準のうちその設備の基準については、厚生省令で定めることとされたこと。

四 事業管理人という名称が毒物劇物取扱責任者という名称に改められ、その義務が明確にされたこと。

五 毒物劇物取扱者試験が一般毒物劇物取扱者試験、農業用品目毒物劇物取扱者試験及び特定品目毒物劇物取扱者試験に分けられ、試験に関し必要な事項は厚生省令で定めることとされたこと。

六 農業用品目毒物劇物取扱者試験又は特定品目毒物劇物取扱者試験に合格した者は、それぞれ農業用品目毒物劇物のみを取扱う輸入業の営業所若しくは農業用品目販売業の店舗又は特定品目毒物劇物のみを取扱う輸入業の営業所若しくは特定品目販売業の店舗においてのみ、毒物劇物取扱責任者となることができることとされたこと。

なお、旧法による毒物劇物取扱者試験に合格した者は、一部改正法附則第三項の規定により、同項の表に定める区分に従い、それぞれ法による毒物劇物取扱者試験に合格した者とみなすこととされたこと。

七 毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、その製造所等の外に毒物若しくは劇物又は毒物若しくは劇物を含有する物であつて政令で定めるもの(以下「危害防止の措置を講ずべき毒物等含有物」という。)が流出等しないよう必要な措置を講じなければならないこととされたこと。また、製造所等の外においてこれらの物を運搬する場合にも、同様とされたこと。

八 着色すべき農業用毒物又は劇物は、政令で定めることとされたこと。

九 危害防止の措置を講ずべき毒物等含有物については、毒物又は劇物と同様に、その廃棄の方法に関する技術上の基準を政令で定めることとされたこと。

一○ 毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、その所持する毒物等によつて保健衛生上危害を生ずるおそれのある事故が発生したときは、直ちに、その旨を保健所又は警察署に届け出るととともに、応急措置を講じなければならないこととされたこと。

一一 厚生大臣は、毒物又は劇物の製造業又は輸入業の毒物劇物取扱責任者について、都道府県知事は、販売業の毒物劇物取扱責任者について、その者に法に違反する行為があつたとき、又はその者が毒物劇物取扱責任者として不適当であると認めるときは、毒物劇物営業者に対して、当該毒物劇物取扱責任者の変更を命ずることができることとされ、さらに、その変更命令に従わないときは、業務の停止又は登録の取消しを命ずることができることとされたこと。

なお、変更命令の処分をしようとする場合にあつては、あらかじめ聴聞を行なわなければならないこととされたこと。

第二 業務上取扱者に関する改正

一 政令で定める事業を行なう者であつてシアン化ナトリウムその他政令で定める毒物又は劇物を取り扱うものは、その氏名等を一定の期間内に都道府県知事に届け出なければならないこととされたこと。また、その者が事業を廃止し又はその毒物等を取り扱わなくなつたときも、同様とされたこと。

二 届出を要する業務上取扱者について、新たに毒物劇物取扱責任者の設置義務、事業場外への毒物等の流出等防止措置の義務及び事故届出義務を課することとされたこと。

三 届出を要しない業務上取扱者のうち厚生省令で定める毒物又は劇物を取り扱う者についても、毒物劇物取扱責任者の設置義務を除き、前項と同様の義務を課することとされたこと。

四 厚生大臣又は都道府県知事は、届出を要する業務上取扱者が毒物劇物取扱責任者の設置義務、事業場外への毒物等の流出等防止措置の義務又は毒物劇物取扱責任者の変更命令に違反していると認めるときは、その者に対し、必要な措置をとるべき旨を命ずることができることとされたこと。前項に規定する者が事業場外への毒物等の流出等防止措置の義務に違反していると認めるときも、同様とされたこと。

五 厚生大臣又は都道府県知事が毒物劇物取扱責任者の変更命令又は前項の処分をしようとする場合には、毒物劇物営業者に関する聴聞の規定を準用することとされたこと。

第三 その他の改正

一 罰則が改正されたこと。すなわち、販売品目の制限違反、登録の変更違反、事故届出違反、業務上取扱者の届出違反等に罰則を課することとされたこと。

二 別表が改正されたこと。すなわち、法の別表には毒物及び劇物のいわゆる原体のみを規定することとし、それらを含有する製剤、新たに開発される原体等は政令で定めることとされたこと。