添付一覧
○放射性医薬品基準の改正について
(平成八年一〇月一日)
(薬発第八九六号)
(各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知)
標記については、平成八年一〇月一日厚生省告示第二四二号をもって放射性医薬品基準が別添のとおり公布され、同日から施行されるとともに、昭和六〇年八月二二日厚生省告示第一三二号による放射性医薬品基準(以下「旧基準」という。)が同日をもって廃止されることとなったので、左記事項について御留意のうえ、貴管下関係者に対して周知徹底を図るとともに、窓口における備付けその他の適当な方法により閲覧に供するよう、御配慮願いたい。
記
第一 改正要旨
平成八年一〇月一日厚生省告示第二四二号による放射性医薬品基準(以下「新基準」という。)の改正は、製造所における製造管理・品質管理技術の向上に鑑み、試験内容の簡素合理化を図り、また、試験技術の進歩、測定機器の性能の向上に即した試験方法への対応及び日本薬局方との整合性を図るために、所要の整備を行ったものであり、次の点について留意されたいこと。
一 新基準は、通則、製剤総則、一般試験法、医薬品各条の順に収載するとともに、目次を付したこと。
二 新基準において、通則、製剤総則及び一般試験法は、必要と認められた事項について改正を行うとともに、新たに次の規定を追加したこと。
(一) 通則
重量の量り方(第一一項)及び数値の端数処理方法(第一二項)
(二) 一般試験法
液体クロマトグラフ法、鉱油試験法、鉄試験法及び油脂試験法
三 旧基準に収められている医薬品のうち新基準に収められていないものは、以下のとおりであること。
(一) セレノメチオニン(75Se)注射液
(二) エタンヒドロキシ二ホスホン酸テクネチウム(99mTc)注射液
(三) N―(2、6―ジエチルフェニルカルバモイルメチル)イミノ二酢酸テクネチウム(99mTc)注射液
(四) N―(2、6―ジメチルフェニルカルバモイルメチル)イミノ二酢酸テクネチウム(99mTc)注射液
(五) ピリドキシリデンイソロイシンテクネチウム(99mTc)注射液
(六) 金コロイド(198Au)注射液
四 基準名を変更したものは、以下のとおりであること。
(一) 塩酸N―イソプロピル―4―ヨードアンフェタミン(123I)注射液
(旧基準名:塩酸N―イソプロピル―p―ヨードアンフェタミン(123I)注射液)
(二) 3―ヨードベンジルグアニジン(123I)注射液
(旧基準名:メタヨードベンジルグアニジン(123I)注射液)
(三) 15―(4―ヨードフェニル)―3(R、S)―メチルペンタデカン酸(123I)注射液
(旧基準名:15―(p―ヨードフェニル)―3(R、S)―メチルペンタデカン酸(123I)注射液)
(四) 3―ヨードベンジルグアニジン(131I)注射液
(旧基準名:メタ―ヨードベンジルグアニジン(131I)注射液)
五 計量の単位に、ギガベクレル(GBq)、シーベルト(Sv)、ミリシーベルト(mSv)、マイクロシーベルト(μSv)及びエンドトキシン単位(EU)を追加したこと。
六 定量の定義を改め、原則として放射能の測定のことを指すものとしたこと。
七 製剤総則中、改正を行った主なものは次のとおりであること。
(一) 貯法を「別に規定するもののほか、冷所」から、「別に規定するもののほか、なるべく室温」に変更したこと。
(二) 注射剤について、エンドトキシン試験を設けたこと。
(三) 注射剤について、添付する溶剤又はpH調節用の液の発熱性物質試験は、エンドトキシン試験法に適合することをもってこれに代えることができるとしたこと。
八 一般試験法中、改正を行った主なものは次のとおりであること。
(一) エンドトキシン試験法について、日本薬局方のゲル化法を準用することに改めたこと。
(二) ガンマ線測定法について、半導体検出器が普及したことなどの現状に則して整備したこと。
(三) 試薬・試液について、前文の追加、試薬名及び成分名の見直し、JISナンバーの追加など、日本薬局方に準じて整備したこと。
九 医薬品各条中、改正を行った主なものは次のとおりであること。
(一) 製造方法について、核反応に関する記述は、基準からは削除したこと。
(二) 動物を用いた試験について、基準からは削除したこと。
(三) 定量法について、検量線の作成に使用する標準液の本数は、基準からは削除したこと。
(四) 有効期間について、承認書で規定することとし、基準からは削除したこと。
第二 新基準の制定に伴う取扱いについて
一 基準の異なる医薬品の取扱いについて
旧基準に収められていた医薬品であって現に承認を受けているものの基準については、平成九年九月三〇日までは、なお従前の例によることができるものとしているが、平成九年一〇月一日以降、旧基準により製造(輸入)又は販売することは認められないので、遅滞なく新基準に改めさせること。
二 有効期間の取扱いについて
承認書において、貯蔵方法及び有効期間について放射性医薬品基準による旨記載されている医薬品であって、現に承認されているものについては、旧基準に規定された有効期間がなおその効力を有すること。ただし、本通知以降、承認事項一部変更承認により有効期間の変更が承認されたときには、変更後の有効期間となること。
三 その他
旧基準に規定されていたが、新基準に規定されなかった事項については、個々の医薬品毎に当該規定の必要性の有無を検討し、承認事項として必要である規定があれば、その規定が承認事項として承認書に記載されるよう遅滞なく製造(輸入)承認事項一部変更承認申請を行うよう指導すること。