添付一覧
○既に承認されている医療用具と承認内容に同一性があると認められる医療用具の承認申請に際し臨床試験データが必要とされるものの明確化について
(平成六年一二月二八日)
(事務連絡各都道府県衛生主管部(局)医療用具担当課あて厚生省薬務局医療機器開発課
標記について、既に承認されている医療用具と同一性があると認められる医療用具のうち申請の際に臨床試験データの提出を求めているものの例を、左記のとおりまとめたので、貴管下関係業者に対し、今後の申請の際の参考とされるよう周知方お願いいたします。
なお、本事務連絡の内容は現時点において承認申請の際に臨床試験データを求めているものの例を示したものであり、今後、見直しがあり得ること。また、本事務連絡に記載されている場合であっても、必ずしもこれに該当する全ての医療用具について臨床試験データを求めていない場合もあること、さらに本事務連絡に記載されていない医療用具であっても、有効性又は安全性を確保するうえで臨床試験が必要とされる場合もあり得ることから、申請にあたっては事前に相談するよう貴管下関係業者に対する御指導方、併せてお願いいたします。
記
1 人工心臓弁(弁輪を含む。)
2 人工血管のうち以下に該当するもの
1) コーティング(ゼラチン、コラーゲン等)を施したもの
2) シャント付き人工血管の一部
3) 心臓弁付き人工血管
3 人工補綴物のうち以下に該当するもの
1) 組織修復用材料(血管、心臓、硬膜、筋膜等)
2) 歯周組織再生誘導材料
3) 止血用材料
4) 陰茎補綴物
5) 人工尿道括約筋
6) 人工靭帯
7) 人工声帯
8) 涙点プラグ
9) 生体由来材料
10) 吸収性材料を用いたもの
11) 皮膚欠損用グラフト
4 ステントの一部
5 人工関節、骨接合用品及び人工骨のうち以下に該当するもの
1) セラミックス製
2) 生体適合性を向上させる目的で特殊表面処理を施したものの一部
3) 生体骨
4) 骨充填材料
5) 吸収性材料を用いたもの
6 骨セメントの一部
7 外科用接着材料
8 人工乳房
9 創傷被覆材(皮膚欠損用被覆材を含む。)
10 コンタクトレンズ
「コンタクトレンズの承認申請に際し添付すべき資料に関するガイドライン」参照。
11 眼内レンズの一部
12 角膜シールド
13 歯科用インプラント材料のうち以下に該当するもの
1) セラミックス製
2) 生体骨
3) 骨充填材料
4) 磁製金属材料
14 子宮内避妊器具(IUD)
15 家庭用治療器のうち以下に該当するもの
1) 磁気治療器
2) 貼付型接触鍼
16 抗菌性材料を用いたチューブ、カテーテル
17 植え込み型医療品注入器の一部
18 血管内処置用機器及びカテーテル類のうち以下に該当するもの
1) アテレクトミーカテーテルシステム
2) アブレーションカテーテルシステム
3) 弁形成を目的としたカテーテルの一部
4) ディタッチャブルバルーンカテーテル
5) 卵管拡張用カテーテル
6) 血栓除去用フィルタの一部
7) 塞栓物質除去用カテーテル
19 泌尿器用チューブ、カテーテルのうち以下に該当するもの
1) 排尿補助機能を有する尿道スパイラルカテーテル
20 生体電気現象検査用器械及び装置のうち以下に該当するもの
1) 頭蓋内電極
2) 磁気刺激装置(誘発電位刺激装置)
3) 生体磁気刺激装置(SQUID)
21 電子血圧計
22 血管内超音波診断装置(プローブを含む。)
23 理学診療用機械及び装置のうち以下に該当するもの
1) レーザ治療器
2) 植込み型除細動器
3) 骨電気刺激装置
4) 脳・脊髄刺激装置
5) 睡眠導入器
6) ハイパーサーミア装置
7) 超低温治療器
8) 結石破砕装置
9) 低周波治療器の一部
24 手術用機械器具及び装置のうち以下に該当するもの
1) アクアジェットメス
2) レーザ手術装置の一部
平成三年八月六日付審査事務連絡(九一―七)参照。
3) 冷凍手術装置
25 生体機能補助・代行器のうち以下に該当するもの
1) 植込み型心臓ペースメーカ
2) 血液瀘過器
3) 血液浄化器
4) 血漿(成分)分離器
5) 血液濃縮器
6) 人工透析器
7) 人工膵臓
8) 腹水瀘過器(濃縮器)
9) 補助人工心臓駆動装置
26 骨密度(骨塩)測定装置
27 核磁気共鳴CT装置の一部
平成三年三月二八日付審査事務連絡(九一―一)参照。
28 RI標準化合物合成システム
29 針なし注射器
30 塞栓材料
31 義歯安定材(義歯床固定用糊材)
32 義歯床用材料のうち以下に該当するもの
1) ポリエーテルサルフォン
2) ポリスルフォン
3) ポリカーボネート
33 人工内耳
34 人工中耳
35 皮膚拡張器(ティッシュー エキスパンダー)
36 ガンマユニット(ガンマナイフ)
コンタクトレンズの承認申請に際し添付すべき資料に関するガイドライン
1 起原又は発見の経緯に関する資料
新規モノマーから構成される原材料を用いたコンタクトレンズ又は新規着色剤その他の新規添加物を含有するコンタクトレンズにあっては新規原材料の配合意義に関する記載を含むものとすること。
2 外国における使用状況等に関する資料
申請者が把握可能な範囲において申請品目の外国における承認状況(無水晶体眼への適用の可否、連続装用可能日数等の承認条件を含む。)に関する記載を含むものとすること。
3 物理的科学的性質に関する資料
(1) 光透過性に関する試験成績
試験条件は次によること。
ア 測定波長
原則として二一〇~八〇〇nmを含む範囲であること。
イ 試験検体
次のいずれかを試験検体として用いること。
(ア) 製品としてのコンタクトレンズと同一の原材料(着色剤その他の添加物を含む。)のものであって、平板のもの。なお、平板は、原則として〇・二mmの厚さのものとし、これ以外の厚さのものを用いる場合には、試験成績書にその旨を明記すること。
(イ) 製品自体
ウ 測定条件
原則として空気中において測定すること。ただし、湿潤状態と乾燥状態とで物性が著しく異なるものについては、水中において測定しても差し支えないが、その場合には、試験成績書においてその試験条件を詳細に記載すること。
(2) 酸素透過係数に関する試験成績
試験条件は次によること。
ア 試験検体
製品としてのコンタクトレンズと同一の原材料(着色剤その他の添加物を含む。)のものであって平板のもの。
イ 測定条件
基準温度は、原則として二五±〇・五℃とし、電極法による場合には三五±〇・五℃とすること。
なお、測定単位は「(cm2/sec)・(mlO2/ml×mmHg)」を用いること。
4 規格及び試験方法を裏付ける実測値に関する資料
(1) 実測値は三ロットについて規格及び試験方法に規定した全項目に対して行われたものであること。
(2) 溶出物試験にあっては、少なくとも一ロットは公的機関又はこれに準ずる機関において行われたものであること。
5 前臨床試験等に関する資料
(1) 新規原材料を用いたコンタクトレンズにあっては、最低限、そのコンタクトレンズ(製品)について行った眼内レンズ承認基準に規定する生物学的試験(ただし、移植試験を除く。)又はこれらと同等以上の知見の得られる試験成績並びにウサギを用いたコンタクトレンズ装用試験及び眼粘膜刺激試験の試験成績
(2) 新規モノマーから構成される原材料又は新規着色剤その他の新規添加物を含有する原材料を用いたコンタクトレンズにあっては、その新規モノマー又は新規着色剤その他の新規添加物の毒性(細胞毒性、急性毒性、変異原性、眼粘膜刺激性、感作性等)に関する知見
(3) 新規モノマーから構成される原材料を用いたコンタクトレンズにあっては、その新規モノマーに着目したコンタクトレンズからの溶出性に関する試験成績
(4) 新規着色剤その他の新規添加物、又は新規原材料を用いたコンタクトレンズに含有された既存着色剤その他の既存添加物にあっては、着色剤に着目したコンタクトレンズからの溶出性に関する試験成績
(5) 連続装用のコンタクトレンズにあっては、最低七日間以上のウサギを用いたコンタクトレンズ装用試験成績
(6) 前臨床試験報告書は、論文形式によるものとし、その内容は学問的な評価に耐えるものであること。
6 臨床試験に関する資料
(1) 臨床試験の必要でないもの
ア ポリメチルメタクリレートのみからなる終日装用ハードコンタクトレンズ(無水晶体眼用を除く。)
イ 既承認ハードコンタクトレンズに対して同一の成分及び分量の終日装用ハードコンタクトレンズであって、その摘要を近視及び遠視(+三・〇〇Dまで)の範囲内で拡大するもの
ウ 既承認コンタクトレンズに対して同一の成分及び分量並びに同一の適用範囲の終日装用コンタクトレンズであって、そのデザインをスフェリカル、トーリック、レンティキュラー、アスフェリック又はバイフォーカルに変えたもの(無水晶体眼用を除く。)
エ 既承認の連続装用コンタクトレンズと同一の成分及び分量並びに同一の適用範囲の終日装用コンタクトレンズ。
オ 既承認コンタクトレンズに対して同一の成分及び分量、同一のデザイン並びに同一の適用範囲のコンタクトレンズであって、着色剤(ただし、原材料の構成モノマーとなる共有結合性着色剤を除く。)を含有したもの
(2) 必要症例数(無水晶体眼を除く。)
五施設×三〇眼以上
(3) 無水晶体眼における必要症例数
二施設以上で行うものとし、総計一〇眼以上必要(遠視の症例で代替することはできない。)。
なお、近視の適用に対する承認を得ている場合における無水晶体眼の適用に対してのみ行う治験についても、二施設以上で行うものとし、総計一〇眼以上の症例が必要であること。
(4) 遠視における必要症例数(ただし、遠視については、+三・〇〇Dまでは近視の症例について、治験を実施しておけば、別に治験を行う必要はない。)
二施設以上で行うものとし、総計一〇眼以上必要(無水晶体眼の症例で代替することができる。)。
なお、近視の適用に対する承認を得ている場合における遠視の適用に対してのみ行う治験についても、二施設以上で行うものとし、総計一〇眼以上の症例が必要であること。
(5) 終日装用における装用観察期間
最低限、全症例について三か月以上観察していることが必要であること。
(6) 終日装用における観察項目
各症例ごとの平均装用時間を含むこと。
また、臨床成績中、視力の評価については、以下の区分に基づき実施されていること。
(ア) 〇・一未満
(イ) 〇・一以上〇・五未満
(ウ) 〇・五以上一・〇未満
(エ) 一・〇以上
(7) 連続装用(連続装用とは、一週間を単位とする装用をいう。)における装用観察期間
各施設において、最低限全症例について三か月以上、半数例について六か月以上、かつ、全施設の総数として一年以上の症例が近視にあっては二五眼以上、無水晶体眼及び遠視にあっては数症例は必要であること。
ただし、既承認の球面デザインの連続装用コンタクトレンズと同一材質(構成モノマーの成分及び分量が同一)の非球面デザインの連続装用コンタクトレンズを承認申請する場合及び既承認の非球面デザインの連続装用コンタクトレンズと同一材質(構成モノマーの成分及び分量が同一)の球面デザインの連続装用コンタクトレンズを承認申請するに際し添付する臨床試験の成績における装用観察期間は、デザインの変更を正当と考える理由を付したうえで最低三か月以上のものとすることができる。
(8) 連続装用における観察項目
装用前及び装用開始六か月以降の時点において、以下の各項目を実施すること。
ア 角膜厚検査
各施設毎に全症例の半数以上について実施されていること。
イ 角膜内皮細胞検査
三施設以上で実施し、総計一五眼以上検査されていること。
ウ 視力
臨床検査中、視力の評価については、以下の区分に基づき実施されていること。
(ア) 〇・一未満
(イ) 〇・一以上〇・五未満
(ウ) 〇・五以上一・〇未満
(エ) 一・〇以上
(9) 臨床試験報告書
ア 施設ごとの報告書のほかに、総括報告書を添付すること。なお、施設ごとの報告書には症例一覧表を添付すること。
イ 報告書は論文形式によるものとし、その内容は学問的な評価に耐え得るものであること。
ウ 総括報告書には臨床試験計画書(プロトコール)を添付すること。
7 前記6以外の臨床に係わる注意事項
治験を実施するに際しては、事前に治験実施機関間で治験のプロトコール(合併症の定義等を含む。)等について十分検討を行い、必ず意見の統一を図っておかなければならない。