添付一覧
○駆虫薬製造(輸入)承認基準について
(平成元年三月二八日)
(薬発第三〇〇号)
(各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知)
一般用医薬品のうち、駆虫薬の製造(輸入)の承認については、別紙の駆虫薬製造(輸入)承認基準(以下「基準」という。)により行うこととしたので、左記に御留意のうえ関係製造(輸入販売)業者に対し周知徹底を図るとともに、円滑な事務処理が行われるよう何分の御配慮を煩わしたい。なお、本基準は平成元年四月一日以降製造(輸入)承認申請される品目に対し、適用される。
記
1 寄生虫の駆除を目的として調製された内服用薬剤(漢方処方に基づく製剤を除く。)には、すべてこの基準が適用されること。
2 基準に基づき製造(輸入)承認を受けようとする者は、申請書の備考欄に「一般用」に併せて「駆虫薬製造(輸入)承認基準による」と記載すること。
3 現に製造(輸入)承認申請中のもの及び既に製造(輸入)承認を受けているものについては、この基準に照らし所要の措置をとらせること。
〔別紙〕
駆虫薬製造(輸入)承認基準
1 駆虫薬の範囲
ここでいう駆虫薬の範囲は、寄生虫の駆除を目的として調製された内服用薬剤(漢方処方に基づく製剤を除く。)とする。
2 基準
駆虫薬の基準は次のとおりとする。
なお、駆虫薬であって、この基準に適合しないものは、有効性、安全性及び配合理由についての資料の提出を求め、それに基づき審査する。
(1) 有効成分の種類
(ア) 配合できる有効成分の種類は、別表1に掲げるものとする。
(イ) 配合しなければならない有効成分は、別表1のA欄に掲げる有効成分のいずれか一種以上とする。
(ウ) 別表1のA欄一項に掲げる有効成分を主体とした製剤は、同表のB欄又はC欄に掲げる有効成分を配合することができる。
(エ) 別表1のA欄二項アに掲げる有効成分を主体とした製剤は、同表のB欄に掲げる有効成分を配合することができる。
(オ) 別表1のA欄二項イに掲げる有効成分を主体とした製剤は、同表のB欄二項又はD欄に掲げる有効成分を配合することができる。ただし、D欄二項に掲げる有効成分を配合できるのは、B欄二項に掲げる有効成分を配合した場合に限る。
(カ) 別表1のA欄三項に掲げる有効成分を主体とした製剤、及び同欄四項に掲げる有効成分を主体とした製剤は、他の有効成分を配合することができない。
(キ) 別表1のA欄一項及び二項に掲げる有効成分を主体とした製剤、同欄一項及び三項に掲げる有効成分を主体とした製剤、並びに同欄一項、二項及び三項に掲げる有効成分を主体とした製剤は、同表のB欄又はC欄に掲げる有効成分を配合することができる。
(ク) 別表1のB欄又はC欄に掲げる有効成分を配合する場合は、同一欄内においては一種に限る。
(ケ) 別表1のA欄二項に掲げる有効成分を配合する場合は、同一項内においては一種に限る。
(2) 有効成分の分量
(ア) 別表1に掲げる各有効成分の一日最大分量は、同表に掲げる量とする。
(イ) 別表1のA欄一項に掲げる有効成分を欄内で一種配合する場合、及び同表のB欄一項に掲げる有効成分を配合する場合の一日量の下限は、一日最大分量の二分の一とする。
(ウ) 別表1のA欄二項に掲げる有効成分を欄内で一種配合する場合の一日量の下限は、一日最大分量の四分の一とする。
(エ) 別表1のA欄三項に掲げる有効成分を欄内で一種配合する場合の一日量の下限は、一日最大分量の四分の三とする。
(オ) 別表1のA欄四項に掲げる有効成分の一日量の下限は、一日最大分量の五分の二とする。
(カ) 別表1のB欄二項及びD欄に掲げる各有効成分の一日量の下限は、一日最大分量の一〇分の一とする。
(キ) 別表1のC欄に掲げる各有効成分の一日量の下限は、一日最大分量の五分の一とする。
(ク) 別表1のA欄に掲げる有効成分を二種以上配合する場合の各有効成分の一日量の下限は、一日最大分量の五分の一とし、また当該有効成分ごとに配合する分量をそれぞれの一日最大分量で除して得た数値の和が、二分の一以上であり、二分の三を超えてはならない。
ただし、同欄のうち三項に掲げる有効成分のみを二種以上配合する場合の当該有効成分ごとに配合する分量をそれぞれの一日最大分量で除して得た数値の和は、四分の三以上であり、一を超えてはならない。
(ケ) 別表1のD欄一項に掲げる有効成分を二種以上配合する場合は、当該有効成分ごとに配合する分量をそれぞれの一日最大分量で除して得た数値の和が一を超えてはならない。
(3) 剤型
剤型は、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、散剤、錠剤、煎剤用製剤(別表1のA欄二項イを主体とした製剤に限る。)、チョコレート剤及び内用液剤とする。
(4) 用法及び用量
(ア) 用法
(Ⅰ) 別表1のA欄一項に掲げる有効成分を主体とした製剤
一日二回、空腹時に服用する。あるいは夕食をなるべく軽くし、就寝前と翌朝の二回服用する。
なお、三回以上続けて服用しないこと。
(Ⅱ) 別表1のA欄二項アに掲げる有効成分を主体とした製剤
一日一~二回、空腹時に服用する。
なお、三回以上続けて服用しないこと。
(Ⅲ) 別表1のA欄二項イに掲げる有効成分を主体とした製剤
一日一~二回、空腹時に服用する。
(Ⅳ) 別表1のA欄三項に掲げる有効成分を主体とした製剤
① 回虫の駆除
一日量を一~二回に分けて、一~二日間、空腹時に服用する。
なお、三日以上続けて服用しないこと。
② 蟯虫の駆除
一日量を一~二回に分けて、一週間、空腹時に服用する。
なお、八日以上続けて服用しないこと。
(Ⅴ) 別表1のA欄四項に掲げる有効成分を主体とした製剤
一日一回服用する。
なお、二回以上続けて服用しないこと。
(Ⅵ) 別表1のA欄一項及び二項に掲げる有効成分を主体とした製剤、同欄一項及び三項に掲げる有効成分を主体とした製剤、並びに同欄一項、二項及び三項に掲げる有効成分を主体とした製剤
一日一~二回、空腹時に服用する。あるいは夕食をなるべく軽くし、就寝前と翌朝の二回服用する。
なお、三回以上続けて服用しないこと。
(イ) 煎剤用製剤にあっては、服用時の調製法を明記するものとする。
(ウ) 生後三か月未満の者を対象とする用法は認められない。
(エ) カプセル剤並びに直径六mmを超える丸剤及び錠剤については、五歳未満の者を対象とする用法は認められない。
(オ) 直径六mm以下の丸剤及び錠剤であっても、三歳未満の者を対象とする用法は認められない。
(カ) 一五歳未満の者における一日最大分量は、別表1に掲げる一日最大分量に別表2の当該年齢区分に対応する係数欄の数値を乗じた量とする。
(5) 効能又は効果
(Ⅰ) 別表1のA欄三項に掲げる有効成分を主体とした製剤
回虫及び蟯虫の駆除
(Ⅱ) 別表1のA欄四項に掲げる有効成分を主体とした製剤
蟯虫の駆除
(Ⅲ) その他の製剤
回虫の駆除
別表1
区分 |
有効成分 |
1日最大分量 |
備考 |
|||
A欄 |
1項 |
サントニン |
200㎎ |
|
||
2項 |
ア |
カイニン酸 |
20㎎ |
|
||
イ |
マクリ |
粉末 |
エキス (原生薬換算量) |
|
||
― |
10g |
|
||||
3項 |
|
回虫駆除の場合 |
蟯虫駆除の場合 |
|
||
アジピン酸ピペラジン |
4000㎎ |
2000㎎ |
ピペラジンヘキサヒドラートとして |
|||
クエン酸ピペラジン |
4000㎎ |
2000㎎ |
ピペラジンヘキサヒドラートとして |
|||
ピペラジンヘキサヒドラート |
4000㎎ |
2000㎎ |
|
|||
リンゴ酸ピペラジン |
4000㎎ |
2000㎎ |
ピペラジンヘキサヒドラートとして |
|||
リン酸ピペラジン |
4000㎎ |
2000㎎ |
ピペラジンヘキサヒドラートとして |
|||
4項 |
パモ酸ピルビニウム |
250㎎ |
ピルビニウム塩基として |
|||
B欄 |
1項 |
イオウ |
1000㎎ |
|
||
酸化マグネシウム |
2000㎎ |
|
||||
ジオクチルソウジムスルホサクシネート |
200㎎ |
|
||||
ビサコジル |
20㎎ |
|
||||
2項 |
|
粉末 |
エキス (原生薬換算量) |
|
||
アロエ |
0.75g |
0.75g |
|
|||
センナ |
1.5g |
6g |
|
|||
ダイオウ |
3g |
4g |
|
|||
C欄 |
アミノエチルスルホン酸 |
2000㎎ |
|
|||
胆汁エキス(末) |
500㎎ |
|
||||
胆汁末 |
1500㎎ |
|
||||
デヒドロコール酸 |
500㎎ |
|
||||
D欄 |
1項 |
|
粉末 |
エキス (原生薬換算量) |
|
|
クレンピ |
― |
10g |
|
|||
サンショウ |
― |
3g |
|
|||
シクンシ |
― |
3g |
|
|||
2項 |
カンゾウ |
― |
3.3g |
|
別表2
年齢区分 |
係数 |
15歳以上 |
1 |
11歳以上15歳未満 |
2/3 |
8歳以上11歳未満 |
1/2 |
5歳以上8歳未満 |
1/3 |
3歳以上5歳未満 |
1/4 |
1歳以上3歳未満 |
1/5 |
3か月以上1歳未満 |
1/7 |