添付一覧
○医療用医薬品専門誌(紙)広告作成要領について
(昭和六二年一一月四日)
(薬監第九九号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省薬務局監視指導課長通知)
標記について、今般、日本製薬団体連合会より、医薬用医薬品の情報伝達の適正化を図るため別添のとおり自主規制を行う旨の申し出があった。
これについて検討したところ内容が適当と考えられるので、今後の監視指導上の参考に資するとともに、これが実効を期するため日本製薬団体連合会加盟団体員以外の関係業者に対しても本記載要領に準じて専門紙(紙)広告の作成を行うよう指導方お願いする。
〔別添〕
医療用医薬品専門誌(紙)広告作成要領について
(昭和六二年九月二四日)
(日薬連発第五三七号)
(厚生省薬務局監視指導課長あて日本製薬団体連合会通知)
「医療用医薬品専門誌(紙)広告作成要領」につきましては、予てより検討して参りましたが、当連合会の自主申し合せ事項として、別紙のとおり実施することに決定いたしました。
つきましては、別添のとおり加盟団体あてこの旨通知いたしましたので、ご報告申しあげます。
〔別紙〕
医療用医薬品専門誌(紙)広告作成要領
日本製薬団体連合会
医薬関係者向の専門誌(紙)における医療用医薬品の広告は、当該医薬品の認知度を高めることを主目的としており、この広告だけで当該医薬品の全情報を伝達するものでなく、添付文書、パンフレット、医薬情報担当者の訪問等の情報伝達活動の一部として存在するものである。
しかしながら、媒体のスペースなどにより、伝達される情報の量には限度があるのは当然であるが、その限度内において当該医薬品の有効性と安全性に関する情報についてバランスのとれた適正な表現を行うよう努めなければならない。
本作成要領はかかる表現方法についての指標として作成したものである。
なお、本作成要領は昭和六二年九月一六日の日本製薬団体連合会評議員会において承認され、製薬業界全体の自主規制として実施するものである。
Ⅰ 定義
本作成要領にいう広告とは、医薬関係者向の専門誌(紙)等(PR誌を含む)を媒体として、医薬関係者に対して行う医療用医薬品の広告をいう。
ただし、企業広告、お知らせなど医薬品と広告を目的としない場合は、本作成要領の対象から除外する。
Ⅱ 作成上の留意事項
1 一般的留意事項
(1) 広告の作成にあたっては、有効性等に関する情報とともに、副作用等の安全性に関する情報を公平に記載すること。
(2) 特徴・キャッチフレーズなどについて、安全性を保証する表現は用いないこと。
(3) 写真・イラストについても誤解を招いたり、品位を損なうことのないよう留意すること。
(4) データ(図表も含む)記載の場合について
記載内容は次の点に留意すること。
1) 例外的なデータ(図表も含む)をとりあげて、それが一般的事実であるような印象を与える表現はしないこと。
2) 他剤との比較を記載する場合には、十分な客観性のある比較データがあり、かつ、その対照医薬品が原則として繁用医薬品である場合にのみ記載できるものであり、その比較対照とする医薬品は、一般的名称をもって記載すること。
3) データ(図表も含む)の抄録又は引用を行う場合には、原著の真意を正確に伝え、記載に際しては、その根拠となる出典を明らかにすること。
4) 動物実験の結果を記載する場合には、動物種を記載すること。また、in vitro試験の結果を記載する場合にはその旨を記載すること。なお、これらの結果より人体への使用の安全性を保証する表現はしないこと。
5) 有効性、安全性、品質等について、虚偽・誇大な表現又は誤解を招く表現を用いないなど、「医薬品等適正広告基準」に留意すること。
2 記載上の留意事項
(1) 名称について
1) 日本薬局方外医薬品にあっては、承認を受けた販売名を記載すること。
なお、一般的名称がある場合には、その一般的名称を併記すること。
2) 日本薬局方に収められている医薬品にあっては、日本薬局方で定められた名称を記載すること。
3) 薬事法第四二条第一項の規定に基づく基準の医薬品にあっては、基準名を併記すること。
4) 名称は次の例示のように省略して差し支えない。なお、広告の前後の関係等から総合的に見て医薬関係者が当該医薬品の同一性を誤認する恐れがない場合には、名称について略称を使用することは差し支えない。
ア 販売名の記載例
/○○○錠/○○○散/○○○注射液/ ○○○錠・散・注
/○○○錠 五mg/○○○錠 一○mg/ (○○○錠五mg・一○mg)
イ 一般的名称、日局名称、基準名の記載例
(日局名称、基準名も同じ)
△△△錠・散、又は△△△製剤、又は△△△
(註…△△△は原体の一般的名称)
(2) 薬効分類又は製品タイトルについて
薬効分類又は製品タイトルを記載する場合には、当該医薬品の薬効又は性格を正しく表すよう記載することとし、医薬関係者に誤解を招く恐れのある表現は避けること。
(3) 規制区分について
毒薬、劇薬、麻薬、覚せい剤、覚せい剤原料、習慣性医薬品、指定医薬品及び要指示医薬品にあっては、それぞれ(毒)、(劇)、(麻)、(覚)、(覚原)、(習)、(指)、(要指)の印を名称(販売名等)に併記すること。
(4) 効能・効果について
1) 効能・効果を記載する場合には、承認された効能・効果の範囲内で記載すること。
ただし、承認を要しない医薬品にあっては、医学薬学上認められた範囲内の効能・効果を記載すること。
なお、既に再評価の終了した医薬品にあっては、前記にかかわらず再評価判定結果の範囲内で記載すること。
2) 承認を受けた効能・効果を逸脱した薬理作用又は作用機序を記載しないこと。
3) 配合剤の個々の配合有効成分の薬理作用又は作用機序を説明する場合には、その薬理作用等により、承認された効能・効果(承認を要しない医薬品にあっては、医学薬学上認められた範囲内の効能・効果)以外の効能・効果に使用できるような印象を与える表現はしないこと。また、配合剤における相乗作用を表現する場合には、承認された効能・効果の範囲内で十分な客観性のあるデータのある場合にのみ記載すること。
4) 臨床例について使用された事実はあっても承認された効能・効果(承認を要しない医薬品にあっては、医学薬学上認められた範囲内の効能・効果)の範囲を逸脱した例を記載しないこと。
5) 効能・効果について、最大級の表現又はこれに類する表現はしないこと。
特に、特徴・キャッチフレーズについては留意すること。
(5) 用法・用量について
1) 用法・用量を記載する場合には、承認された用法・用量の範囲内で記載すること。
ただし、承認を要しない医薬品にあっては、医学薬学上認められた範囲内の用法・用量を記載すること。
なお、既に再評価の終了した医薬品にあっては、前記にかかわらず再評価判定結果の範囲内で記載すること。
要約する場合には、誤認を与える恐れのないように記載すること。
2) 臨床例について使用された事実はあっても承認された用法・用量(承認を要しない医薬品にあっては、医学薬学上認められた範囲内の用法・用量)の範囲を逸脱した例を記載しないこと。
3) 他剤との併用、長期連用、多量投与を推奨するような記載をしないこと。
(6) 警告・使用上の注意の記載について
1) 有効性等に関する情報をアピールする場合には、「警告・使用上の注意」を同程度目だつように見やすい文字で記載すること。
当該医薬品の広告紙面の同一紙面に記載できない場合は「副作用については、次頁を参照されたい」旨を、目だつよう見やすい文字で付記し、当該頁に「警告・使用上の注意」を見やすい文字で記載すること。
なお、当該医薬品の広告紙面に全文記載が困難な場合には、警告・一般的注意・禁忌・慎重投与・重篤な副作用を記載し、「その他の使用上の注意については添付文書を参照されたい」旨を目だつよう見やすい文字で記載すること。
2) 有効性等に関する情報をアピールしない場合には、「警告・使用上の注意については、添付文書を参照されたい」旨を目だつよう見やすい文字で記載することに替えてもよい。
(7) 製造(輸入販売)業者名又は販売業者名等について
社章又は略称で記載しても差し支えないが、資料請求先を明示すること。
3 その他の留意事項
(1) 症例紹介を主体とする広告について
症例紹介を主体とする広告については、同一紙面に警告・使用上の注意等安全性に関する情報も同程度に目だつよう見やすい文字で記載すること。
(2) 特定専門領域の専門誌(紙)への広告について
(承認の効能・効果が特定専門領域に区分されている場合に限る。)
1) 該当する特定専門領域の効能・効果、用法・用量、警告・使用上の注意にそれぞれ限定して記載しても差し支えない。
ただし、その場合には「特定専門領域の効能・効果、用法・用量、警告・使用上の注意である」旨、及び「その他の領域の詳細については添付文書参照」の旨を目だつよう見やすい文字で記載すること。
2) 警告・使用上の注意の記載については、前記2の(6)の1)、2)を準用すること。
(3) 品名のみ主体とする広告について
品名のみを主体とする広告を行う場合には、名称、薬効分類又は製品タイトルに止め、併せて資料請求先を明示すること。
(4) 薬価基準収載前の広告について
承認後、薬価基準収載前に広告する場合は、「薬価基準収載前である」旨を記載すること。