添付一覧
○二相性インスリン水性懸濁注射液に係る検査命令の実施について
(昭和六二年五月八日)
(薬発第四一一号)
(各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知)
二相性インスリン水性懸濁注射液及びブドウ糖注射液については、昭和六二年五月八日厚生省告示第九八号をもつて、同年六月一日以降薬事法第四三条第一項の規定に基づく厚生大臣の指定する検定を受けるべき医薬品から削除されたところであるが、当該医薬品は高度の製造技術を要し、かつ、自家試験を行うに当たつても高度の技能と熟練を要するものである。したがつて、新たに製造又は輸入される当該医薬品については、その製造技術や自家試験の技術が十分に習熟され、当該品目の品質が安定していることをなお十分確認する必要がある。
このため、左記Ⅰの一の品目を製造又は輸入する左記Ⅰの二の者については、薬事法第七一条の規定に基づき検査を命令することとし、もつて、当該医薬品の品質確保を図ることとしたので、左記の点を十分御了知のうえ、関係各方面に周知徹底され、これが実施に遺漏のないよう御配意願いたい。
また、本通知に基づく検査命令の対象とならない当該医薬品についても、一層品質の確保を図るようその製造業者(輸入販売業者を含む。以下「製造業者等」という。)に対し、自家試験の励行等につき強力に指導されるとともに、当該製造所(営業所を含む。以下「製造所等」という)。へ立入り、製品の抜取り検査等の監視取締りを強化されたい。
記
Ⅰ 検査対象品目及び検査命令対象業者
一 検査対象品目
二相性インスリン水性懸濁注射液
二 検査命令対象業者
(一) 昭和六二年六月一日以降、新たに検査対象品目の製造(輸入)許可又は製造(輸入)品目変更追加許可を受けた業者
(二) 昭和六二年五月三一日以前の過去五年間に検査対象品目の国家検定を受け、不適となったことがある業者
(三) 検査対象品目の製造(輸入)許可又は製造(輸入)品目変更追加許可を受けた業者であって、昭和六二年五月三一日以前の過去二年間に当該品目の検定実績がない業者
Ⅱ 検査の実施方法について
検査の実施に当たつては、原則として、昭和四四年一一月一七日薬発第九一二号薬務局長通知「薬事法第七一条の規定に基づく検査命令の実施について」で定める検査命令実施要領(以下「実施要領」という。)によるほか、次により取り扱うものとする。
一 検査期間及び販売先の報告の取扱いについて
(一) 検査期間
実施要領四の(二)による検査期間は、本通知に基づく検査命令にあっては、次のとおりとすること。
昭和六二年六月一日以降、検査対象品目を初めて製造又は輸入する日から二年間、ロットごとに検査を実施するものとする。ただし、検査対象品目の性質、製造実績等を考慮し必要があると認める場合には、二年を限度として更に検査を命ずることとする。
(二) 販売先の報告
本通知に基づく検査命令に係る実施要領七の販売先の報告についてはこれを適用しないこと。
二 その他の事項の運用について
(一) 検査項目
外観、pH、純度試験、定量法及び無菌試験
(二) 検査命令者及び検査機関
検査命令は、厚生大臣が製造業者等に対し発することとし、検査機関は、国立医薬品食品衛生研究所とする。
(三) 試験検査依頼書、試験品の数量及び検査手数料
試験検査依頼書、試験品の数量及び検査手数料については、それぞれ国立医薬品食品衛生研究所試験検査依頼規程(昭和三五年三月厚生省告示第八四号)第三条、第四条及び第五条の規定に定めるところによる。
Ⅲ 施行日及び施行上の注意
一 昭和六二年六月一日以降に命ずる検査命令から、適用する。
二 本通知に基づく検査の結果又は薬事法第六九条の規定に基づき収去した検査対象品目に係る試験検査の結果から不適と判定され、薬事法第七一条の規定に基づく検査命令を実施する必要があると認められる場合は、本通知によることなく実施要領により行うものとする。