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○体外診断用医薬品の承認申請上の取扱いについて

(昭和六〇年七月一五日)

(薬審一第五号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省薬務局審査第一・審査第二・生物製剤課長連名通知)

体外診断用医薬品については、昭和六〇年六月二九日薬発第六六二号薬務局長通知により取り扱うこととしたところであるが、同通知2―(2)の承認申請上の取扱い等については、左記により行うこととしたので、御了知のうえ貴管下関係業者を指導されるとともに、円滑な事務処理が行われるよう御配意願いたい。

1 体外診断用医薬品は、人体に直接使用されるものではなく、性能(有効性)が最も重要な要素である点で他の医薬品とはその性格を異にするものであることから承認申請書の記載については、次によることとしたこと。(記載例参照)

(1) 「成分及び分量又は本質」欄

① 本欄には、構成試薬並びに反応系に関与する成分(例えば、主反応成分、基質)及びその分量(測定単位当たりの記載も可)を記載すること。

(例示) HDL―コレステロール測定用試薬の場合の反応式

② 反応系に関与する成分の分量は、性能が確認されている範囲で含量の幅記載を認めること。

(2) 「製造方法」欄の記載に当たつては、各構成試薬の剤型、担体及び容器については、記載を要しないこと。

なお、各構成試薬について補充用として製することのあるものにあつては、その旨本欄に記載すること。

(3) 「用法及び用量(操作法)」欄の記載に当たつては、測定機器を使用する場合には、使用機器名は一般的名称(例、分光光度計)を用い、その操作法は標準的な手順を記載すること。

(4) 「規格及び試験方法」欄の記載に当たつては、キットの規格及び試験方法を除き、各構成試薬及びその成分の規格及び試験法は記載を要しないこと。

(5) 「備考」欄の記載に当たつては、体外診断用医薬品(ただし、放射性医薬品の場合には、体外診断用放射性医薬品)である旨及びその区分番号並びにシリーズで申請する場合にはその旨等を記載すること。

2 体外診断用医薬品の特性を考慮して、前記のように承認申請書記載事項の簡素化を図つたことにより、承認の範囲内では自由に変更(ただし、性能(規格)の範囲内に限る。)が認められるが、承認申請時の製品について具体的に把握する必要があるため、次の資料を参考資料として提出すること。

(1) 各構成試薬の剤型並びにその成分及び分量(構成試薬毎に記載)なお、日本薬局方等の公定書収載品目にあつては、成分名に「日局」、「日抗基」、「診原規」等を付記すること。

(2) 承認申請の「用法又は用量」に基づく詳細な操作法

(3) 規格及び試験方法

① 体外診断用医薬品「区分一」の品目については、各構成試薬及びその成分の規格及び試験方法

② 体外診断用医薬品「区分二」の品目については、反応系に関与する成分の規格及び試験方法

ただし、承認前例があるものについてその旨を記載した場合、または、日本薬局方等の公定書収載品である場合を除く。

(4) 参考資料の適用除外

中央薬事審議会の相談事項に該当しない体外診断用医薬品「区分二」の品目については、前記(1)及び(2)の資料の提出を省略できるが、申請者自身が保管管理すること。また、承認事項の一部変更承認申請についても同様の取り扱いとするが、「用法又は用量」の変更を伴う場合は、前記(2)の資料を提出すること。なお、構成試薬が毒薬、劇薬等に該当するものについては、昭和六〇年六月二九日薬発第六六二号厚生省薬務局長通知の別添三の二の(六)の 二)に関する添付文書(案)を承認申請の際に参考までに提出すること。

3 昭和六〇年六月二九日薬発第六六二号薬務局長通知別添1「体外診断用医薬品の範囲」中の「(3)の形態以外の体外診断用医薬品」の取扱い等は、次のとおりとすること。

(1) 「(3)の形態以外の体外診断用医薬品」の取扱い

反応系に関与する成分を含有する試薬であるが、他の試薬と組み合せることによりはじめて使用が可能となるものについては、使用可能な形態(例、いわゆるキット)として承認申請すること。ただし、補助的な試薬(例、溶解剤)については、単独では体外診断用医薬品としての適用は受けないこと。

(2) 「病原性の菌を特定する培地」とは、単独使用により病原性の菌を同定することができる培地をいうこと。

4 昭和六〇年六月二九日薬発第六六二号薬務局長通知別添二の四の(三)中の「標準物質」の取扱い等は、次のとおりとすること。

(1) 標準品(標準物質)とは、次の(2)に示す測定物質又は項目の較正に用いる物質又は血清として日本国内で入手可能で、これらを用いて再現性試験等により性能の確認が可能なものとして評価されているものをいうこと。血液を検体として、次の(2)に示す測定物質又は項目の測定キットについては、標準品(標準物質)を用いて申請者においてキットの性能の確保を図られたいこと。

(2) 前記(1)の測定物質又は項目とは、AST(GOT)、ALT(GPT)、CRP、γ―GT(γ―GTP)、HDL―コレステロール(HDL―C)、IgA、IgG、IgM、LD(LDH)、アルカリフォスファターゼ(ALP)、アルブミン(ALb)、インスリン(IRI)、エストラジオール(E2)、塩素(Cl)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、グルコース(Glu)、クレアチニン(CRE)、クレアチンキナーゼ(CK)、コルチゾール(CS)、成長ホルモン(GH)、総コレステロール(T―Cho)、総タンパク(TP)、総ビリルビン(T―Bil)、鉄(Fe)、トリグリセライド(TG)、ナトリウム(Na)、尿酸(UA)、尿素窒素(UN)、ヘモグロビンAlc(HbAlc)及びマグネシウム(Mg)をいうこと。

5 施行期日等

(1) 本通知は、昭和六〇年七月三一日付で施行すること。

(2) 疾病の診断の際に、同一検体又は一連の試薬を用いて、複数項目の検査が同時又は一連として行われること等により、通常セットの形態で販売することが合理的なものについては、シリーズ名により一品目として承認申請して差し支えないこと。

なお、この形態で承認されたものについては、各項目用の個々の製品を個別に又は組み合せて製造(又は輸入)販売することは差し支えないこと。

(例示)

① ペーパー試薬(例、尿検査用ペーパー試薬)

② プレート試薬(例、血清アレルゲン測定用プレート試薬)

③ 培地又はディスク(例、腸内細菌同定用培地セット、薬剤系統(ペニシリン系等)別ディスク)

④ 自動分析機器用試薬又はフィルム(例、血清自動分析機器の専用試薬)

(3) 今後承認申請される体外診断用医薬品については、その特性を考慮して承認申請書記載事項の簡素化を図つたが、これに伴い既承認医薬品(本年七月三〇日までに申請済のものを含む。)についても、同様な取扱いとし、したがつて、性能に影響を与えない範囲での次の軽微な変更を行つても一部変更の手続きは必要としないこと。

① 構成試薬中の反応系に関与する成分以外の成分(例、安定剤)又はその分量の変更

② 測定回数の変更に伴う構成試薬の容量又は濃度の変更

③ 構成試薬の剤型、担体(例、紙からプラスチックへの変更)及び容器の剤質・形態・容量の変更

④ 用法及び用量(操作法)における測定機器の機種等の変更

⑤ 構成試薬及びその成分の規格及び試験法の変更

(4) 体外診断用医薬品の外箱又は直接の容器に「体外診断用医薬品」と明記すること。

(5) 製造に当たつては、製造工程の管理を十分に行い、より一層適正な品質確保を図ること。

(別紙)承認申請書記載例

様式第十(一)

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