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○調剤薬局の取扱いについて

(昭和五七年五月二七日)

(薬発第五〇六号・保発第三四号)

(各都道府県知事あて厚生省薬務・保険局長連名通知)

調剤薬局については、最近、医療機関からの独立性等につき、種々問題がある事例もみられるので、その設置、運営の適正を確保するため、今般左記の留意事項を定めたので、その取扱いに遺憾なきを期されたい。

1 調剤薬局としての適格性

調剤薬局の在り方について、構造的、機能的、経済的に医療機関から独立していることを本旨とすべきことは、既に昭和五〇年一月二四日薬発第三七号薬務局長通知により、通知されたところであるが、この点については、保険調剤を担当する保険薬局の在り方として特に要請される。

かかる観点から、総合的に判断して医療機関に従属し、医療機関の調剤所と同様とみられるものについては、保険薬局としての適格性に欠けるものであること。

2 保険薬局の指定に当たつての指導等

1の趣旨から、調剤薬局としての適格性に問題があると考えられる薬局の取扱いについては、以下によられたいこと。

(1) 医療機関と同一の建物又は敷地にあつて、総合的に判断して医療機関の調剤所とみなされる調剤薬局については、保険薬局の指定を行わないこと等とされたいこと。

(2) 既存の薬局であつて(1)に該当するものについては、指導の徹底を図るとともに、これに従わない場合には、更新を行わないことを含め厳正な措置を講ぜられたいこと。

(3) (1)及び(2)に必ずしも該当しないが、調剤薬局としての適格性に問題があると考えられるものについては、保険薬局の指定又は更新に際して、必要な改善等指導の徹底を図られたいこと。

(4) 薬事法に基づく薬局の開設の許可及び更新等に当たつても(1)から(3)までの取扱いに即して、必要な改善等指導の徹底を図られたいこと。

3 保険薬局に対する指導監査

保険薬局としての適格性に問題があると考えられる薬局については、その指導を強化し、併せて当該保険薬局に関係する保険医療機関に対しても指導を行うこととされたいこと。

なお、指導の結果、当該保険医療機関が特定の薬局を利用することを患者に強要する等の事実が判明した場合には、速やかに改善させるとともに、患者又は現にその看護に当たつている者に対する処方せんの交付が行われていない等診療の内容や診療報酬、調剤報酬の請求等について、不正又は不当の事実が判明した場合には、監査を行つた上厳正な措置を講ぜられたいこと。

4 関係部局との連携の強化等

1から3までの趣旨に基づき、調剤薬局に関する取扱いの適正を期するため、各都道府県における薬局の開設の許可又は更新、保険薬局の指定又は更新、薬事法に基づく薬事監視、保険調剤についての指導監査等の際に、関係部局間で十分連携を図られたいこと。このため、例えば関係部局間相互の円滑な情報伝達のための連絡協議会の設置、衛生部(局)の関係技術職員の民生部(局)関係課への併任等を行うなど本通知の趣旨が真に実効あるものとなる措置を検討されたいこと。

併せて、各都道府県は、本通知の趣旨の円滑な実施を図るため、各都道府県医師会、歯科医師会及び薬剤師会と連絡を密にされたいこと。