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○医療用配合剤の取扱いについて

(昭和五五年六月二五日)

(薬審第八〇四号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生省薬務局審査・生物製剤課長連名通知)

医薬品の製造又は、輸入の承認申請に際し添付すべき資料については昭和五五年五月三〇日薬発第六九八号薬務局長通知(以下「局長通知」という。)及び同日薬審第七一八号審査課長・生物製剤課長通知(以下「課長通知」という。)により通知されたところであるが、医療用配合剤の取扱いについてはこれらによるほか左記によることとしたので、御了知のうえ貴管下関係業者に対し指導方御配意願いたい。

1及び2 削除

3 漢方製剤について

平成一一年四月八日医薬審第六六六号「医薬品の承認申請に際し留意すべき事項について」の記の4によるほか、別添「医療用漢方製剤の取扱いについて」によること。

(別添)

医療用漢方製剤の取扱いについて

1 エキス剤あるいはエキス化し製剤としたもののみを原則として認める。なお、エキスと末とを混合することについては調剤で対応できるので認めない。

2 一申請者に対しては、一処方名につき一処方のみ認める。

3 承認申請書は、課長通知によるほか、次の点に留意して作成すること。

(1) 販売名欄

処方名にエキスを付した名称を組み込むこと。

(2) 成分及び分量又は本質欄

ア 一日投与量で記載すること。

イ エキスについては、「別紙規格」としたうえ、配合量を記載し配合しようとするエキスの分量に対応する原料生薬の名称及び分量を列挙すること。

ウ エキスの別紙規格として、次の項目を設定すること。

(Ⅰ) 製法

次の点を明らかにすること。

抽出条件(時間、温度、溶剤の種類及び量等)

ろ過条件(ろ過材、方法等)

濃縮条件(方法等)

収率(どの段階のものか明らかにすること。)

(Ⅱ) 含量規格

生理活性の強いもの、定量可能なものについて設定すること。

(Ⅲ) 性状

色、臭い、形状等について記載すること。

(Ⅳ) 確認試験

配合したすべての生薬について設定すること。個々の成分に分離したうえでの確認が望ましいので、薄層クロマトグラフィーを用いる方法等を検討すること。化学的方法を用いる場合は単一の生薬に由来する成分のみが検出できる方法であること。

(Ⅴ) 純度試験

少くとも重金属、ヒ素について設定すること。加工ブシ又は炮ブシを用いたエキスの場合は、アコニチン、メサコニチン、ヒパコニチン、エサコニチン等のアコニチン系アルカロイドの残存量を規定すること。

(Ⅵ) 乾燥減量

(Ⅶ) 灰分

(Ⅷ) 酸不溶性灰分

(Ⅸ) エキス含量

適当な溶剤を用いて設定すること。

(Ⅹ) 定量法

(3) 用法及び用量欄

ア 次の例文にならつて設定すること。

「通常、成人一日六gを二~三回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。」

イ 一日用量は、成書の満量に基づく量とすること。

(4) 効能又は効果欄

原則としていわゆる証で記載し、適応症を付記すること。

(5) 規格及び試験方法欄

ア エキスの別紙規格に準じて設定し、製剤規格を追加すること。

イ 添加剤の影響を考慮すること。

(6) 備考欄

ア 包装単位を記載すること。ただし、最大包装単位は五〇〇gとすること。

イ 申請処方の出典を記載すること。

4 承認申請書に添付すべき資料の範囲は、当該申請が医薬品として総合的に評価して新規性がないと判断される場合であつても、申請処方が提出された文献等からみて、既に十分な使用経験があり、かつ、医療用医薬品としての評価が定まつているとして判断された場合以外のものにあつては、局長通知別表2―(1)1の(2)に示すものとする。ただし、安定性に関する試験については、加速試験(ハの3、課長通知別表1)に代えることができるものとする。

5 試験の基準については、課長通知によるほか、次のとおりとする。

(1) 規格及び試験方法に関する試験

ア 3の(2)のウに掲げた全ての項目について検討結果を提出すること。規格として設定できなかつた項目についても検討結果を提出すること。

イ 三ロット以上、一ロット三回以上の試験成績を提出すること。その際、ロットの構成を明示すること。

ウ 薄層クロマトグラフィーを確認試験として用いる場合は、試験試料、試験試料から当該成分を除いた試料及び当該成分を、それぞれ同様に処理し並べてスポットし展開させることとし、そのカラー写真を提出すること。

エ エキス含量は、水、エタノール、酢酸エチル等いくつかの溶剤で検討した結果を提出すること。

(2) 臨床試験

ア 臨床試験には漢方薬以外の医薬品等との比較考案を含めるものであること。

イ 患者の選択が証に則つて行われたものであること。

ウ 各施設ごとの症例には、性別、年齢、診断名、主訴、主要症状、合併症、併用薬剤、治療効果判定等を記載すること。

エ 他の医薬品等との併用療法を必要とした症例の場合は、当該漢方薬の評価が正しく行われる方法であること。

オ 効果判定は、自覚症状の変化、臨床検査値等を含め多項目について行うこと。

カ 副作用については詳細に調査すること。脱落した症例についても、できるだけ追跡調査を行いその理由を明らかにしておくこと。

キ 各施設ごとの成績とともに、全体を総括する資料を提出すること。