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○点眼剤用プラスチック容器の規格及び試験法について
(昭和四八年九月二六日)
(薬発第九五八号)
(各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知)
今般、点眼剤用プラスチック容器の規格及び試験法を別添のように定めたので通知する。
ついては、今後プラスチック容器を使用する点眼剤の製造(輸入)承認申請にあたっては、この規格及び試験法に適合するものを用いるよう貴管下医薬品製造(輸入販売)業者に対し周知徹底を図るとともに、円滑な事務処理が行なわれるよう何分のご指導をお願いする。
記
「点眼剤用プラスチック容器の規格及び試験法」は、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート)、ポリカーボネート、ポリエチレン又はポリプロピレンを材質とする点眼剤用容器に適用する。これら以外の材質の容器、添加剤を変更する等の場合には、日局の参考情報「プラスチック製医薬品容器」に準拠し、試験項目等を規定すること。
(別添)
点眼剤用プラスチック容器の規格及び試験法
点眼剤用プラスチック製容器は、点眼剤に使用するプラスチック製容器をいう。容器は内容医薬品と物理的又は化学的に作用してその性状又は品質に影響を与えず、また、微生物を透過しないものであり、次の規格に適合する。
1 透明性及び外観
容器は、日局製剤総則点眼剤の不溶性異物試験を行うのに差し支えない透明性があり、使用上差し支えを生じるようなすじ、きず、泡又はその他の欠点のないものである。
2 水蒸気透過性
日局一般試験法「プラスチック製医薬品容器試験法」五水蒸気透過性試験第一法に従って試験したとき、その減量は〇・二〇%以下である。
ただし、減量が〇・二〇%を超えるものであっても、製品について容器を防湿膜で被包する場合は、その状態のものについて同様の試験を行ったとき、その減量が〇・二〇%以下であればよい。
3 強熱残分
日局一般試験法「プラスチック製医薬品容器試験法」一灰化試験一・一強熱残分に従って試験したとき、その残分は〇・一〇%以下である。
4 重金属
日局一般試験法「プラスチック製医薬品容器試験法」一灰化試験一・二重金属に従って試験したとき、検液の色は比較液より濃くない(二〇ppm以下)。ただし、容器切片採取量は一・〇gとする。
5 溶出物
水で洗浄した後、室温で乾燥した容器に表示された内容量の水を入れ適当な栓で密栓し、七〇℃で二四時間加温した後、室温になるまで放置し、この内容液を試験液とする。別に、水を空試験液とする。また、抽出に用いた水の量と容器の内面の面積比を記録する。
ユニットドーズ容器の場合には、次のように操作する。容器のできるだけ湾曲が少なく、厚さの均一な部分をとって切断し、厚みが〇・五mm以下のときは、表裏の表面積の合計が約六〇〇cm2になるように、また、厚みが〇・五mmを超えるときは、約三〇〇cm2になるように切断片を集め、更にこれらを、長さ約三cm、幅約〇・三cmの大きさに細断し、水で洗った後、室温で乾燥する。これを内容約二〇〇mlの硬質ガラス製容器に入れ、水一〇〇mlを正確に加え、適当に密栓した後、七〇℃で二四時間加温した後、室温になるまで放置し、この内容液を試験液とする。別に、水につき、同様の方法で操作し空試験液を調製する。
ただし、加熱殺菌して製するものにあっては、一二一℃で一時間加熱して試験液及び空試験液を調製する。
試験液及び空試験液につき、次の試験を行う。
なお、試験に用いる水は日局「精製水」とする。
(1) 性状試験液は無色澄明である。
(2) 泡立ち日局一般試験法「プラスチック製医薬品容器試験法」二溶出物試験(Ⅰ)泡立ちに従って試験したとき、生じた泡は二分以内にほとんど消失する。
(3) pH 日局一般試験法「プラスチック製医薬品容器試験法」二溶出物試験(Ⅱ)pHに従って試験したとき、試験液と空試験液の差は一・五以下である。
(4) 過マンガン酸カリウム還元性物質日局一般試験法「プラスチック製医薬品容器試験方法」二溶出物試験(Ⅲ)過マンガン酸カリウム還元性物質に従って試験したとき、〇・〇〇二mol/L過マンガン酸カリウム液の消費量の差は一・〇ml以下である。
(5) 紫外吸収スペクトル日局一般試験法「プラスチック製医薬品容器試験法」二溶出物試験(Ⅳ)紫外吸収スペクトルに従って試験したとき、波長二二〇nm以上二四〇nm未満における吸光度は〇・三〇以下である。
(6) 蒸発残留物日局一般試験法「プラスチック製医薬品容器試験法」二溶出物試験(Ⅴ)蒸発残留物に従って試験したとき、その量は一・〇mg以下である。
6 細胞毒性
日局一般試験法「プラスチック製医薬品容器試験法」七細胞毒性試験に従って試験したとき、IC50(%)は九〇%以上である。その他の標準試験方法を用いたときは、結果は陰性である。